轟君とアガレス氏はネット友達なので顔を合わせたことはありません
轟「アガレスさんって海外に住んでいる人なのか」
アガレス「廿六木君はモデラーなのか(神滅具で創ったことを知らない)
どこかのタイミングで互いの肩書きを知ったらどうなるか?
お師匠様へ
季節のかわり目になりますが息災の日々をお過ごしでしょうか?私の方は相変わらずの一人暮らしを満喫しています。多分ですが両親との溝は埋まることなく成人を迎え互いに知らぬ存ぜぬの将来を歩むと思います。
事実は小説より奇なりと言いますが人生とは飽きることのない連続ドラマのように感じてしまいます。非日常を楽しむ余裕が生まれたら新しい発見に心が躍ると思いますが師匠のように受け入れるのは難しいと思います
「聞き間違いかしら?もう一度言ってくださらない」
「えっと…嫌です。お断りします」
「……理由を聞かせてもらえるかしら?」
断られると思っていなかったリアスは平静を装いながら彼に問い掛けた
「いやだって木場君から話がしたいって言われたのに、勧誘を受けるために来た訳じゃありませんし…あと眷属ってなんですか?」
「説明不足になってしまったことは謝るわ」
一誠やアーシアを基準にしたせいで早まってしまったことを心の中で反省した。突然のことで慎重になって自分たちに対して壁を作るのは人間として当たり前の反応だ
「どこから説明したら良いかしら…そうね、祐斗!あなたの神器を見せてあげなさい」
「僕ですか?」
返事をした木場だが今の状況で手を離せば一誠が暴れて轟のことを傷つけるだろう。どうしようか少し迷っていると3本目の羊羹を食べ終えた小猫が鳩尾に強烈なスマッシュを叩き込んで一誠は膝から崩れ落ちてしまった
「小猫ちゃん、もうちょっと穏便に」
「これが穏便で最善」
彼女は床で伸びている一誠を座布団にして座るとポケットの中からビスコを取り出して口の中に放り込んでいく、そして自由になった木場はリアスの隣に立つと両手に剣を創って握りしめている
「僕の神器はあらゆる魔剣を創ることができる
「カッコイイじゃん」
「褒めてくれてありがとう。これは廿六木君と同じ創造系に属する力なんだ」
魔獣と魔剣の違いはあれど同じ系統にシンパシーを感じる。自分の創った魔獣たちに木場の魔剣を装備させて撮影した写真をSNSにアップしたら相当な数の『いいね』が押されそうな気がしてきた
「あなたの神器は―――」
「
「師匠…それって誰の事よ?それに神滅具のことを知ってるなんて」
驚くのは当然のことだ!神器のことなら表の世界でも存在を理解している者はいるが、神滅具のことまで知っているということは確実に自分たち悪魔と同等のバックボーンを持っているはずだ
「それに関してはあとで話します。文字通り神様ですら滅ぼすことが出来る特殊な神器それが神滅具ですよね」
「分かっているのなら始めから言いなさい!」
顔を髪色のよう真っ赤に染めて立ち上がると纏っていたバスローブが脱げそうになるが、事前に創っておいたマフラーを口元に巻いた猫型魔獣がフォローをしたことで周囲に裸を晒すことはなかった
「あなたの神器はあまりにも強力よ、その力を利用するために悪しき考えを持って近寄る輩もいるわ!要は私の眷属になって悪魔側につきなさい、そうすれば貴方の安全も保証できるわ」
「嫌です!」
明確な拒否の姿勢に彼女は眉を顰め額に皺をつくる
「自分の立場を理解しているの?それとも神滅具の力を過信しての妄言かしら」
「過信なんてしてませんよ、魅力的な提案ですが1つだけ凄く気に食わないことが…」
「いったいどんな理由でして?」
「コイツと一緒の部活なんて死んでもお断りです!」
今も小猫の座布団にされている兵藤一誠に指を向けて露骨に嫌な表情を見せていた。現時点における2人の関係は加害者と被害者であり、未だに本人から謝罪の言葉をもらっていない状態だ
「そんな理由で―――」
「そんなって言いますけど人間なのにバケモノ呼ばわりですよ?罵られて喜ぶ奴なんてどんな変態ですか?ここに連れてきてください!」
その言葉にリアスは臍を嚙んだ!先週の出来事は生徒会長を介して即座に耳へ入ったのに初動を誤り、一誠に謝罪へ行かせなかったことを後悔したが時間は巻き戻らない
「そのことは水に流してもらえないかしら、一誠にはちゃんと―――」
「土下座をしても心の中でベロを出されていたら意味ありませんよね?今さら謝ったところで手遅れですが」
拒絶の意志はダイヤモンドのように固くリアスの持つ手札では轟の牙城を崩すのは不可能だと思われたが、話し合いに参加しなかった朱乃が紅茶のカップを机の上に置くと助け舟を出してきた
「あらあら…。交渉決裂ですが私たちも引き下がる訳にはいかないので勝負をしませんか?」
「勝負ですか?」
「廿六木君が強いと分かればこれ以上の勧誘は行いませんわ、ですが弱かったら我々の言うことを聞いてもらわないと」
若干強引なアシストだが彼女は小さくガッツポーズをした。転生悪魔についての説明は行ったが詳細に関するところは語っていない、神滅具の『魔獣創造』といえど初見で対応するのは難しいはずだ
「メリット・デメリットに開きがありますね」
「一誠君からの謝罪は望んでいないようですし、何でもおっしゃっていただいて構いませんわ!欲しいものがあれば可能な限り用意いたします」
フィクションで見受けられる『俺が勝ったら謝れ!』という展開は好まない、それは本心ではなく罰ゲームに等しく罪の意識を伴わないからだ、何も口にしていないのに心が見透かされているようで気味が悪い
「了承ということで宜しいですわね?」
頷くことしか出来なかった轟を見て朱乃はリアスとアイコンタクトをして互いに笑みを浮かべた。バスローブから制服へ着替えている間に小猫が一誠を叩き起こして説明をしたが、寝ている合間に話が進んでいたことに対して抗議をしようとするが再び拳を握った彼女を見て黙ってしまった
「ここなら存分に暴れても構わないわ」
「何で学園の地下にこんなのがあるんだよ!」
リアスを先頭にして連れてこられた先は体育館よりも広いトレーニングルームだった。中心付近には天下一武道会が出来そうなリングも設営されていた。轟のツッコミを無視して彼女は対戦相手を選ぼうとしていたら
「部長!俺にやらして」
「そうねお願い出来るかしら―――祐斗」
やる気を削がれた一誠は彼女に詰め寄って理由を尋ねようとするが、リアスは木場に近付いて制服の上着を受け取ったことでタイミングを逸してしまった
「よく見ておきなさい、あなたを選ばなかった理由を祐斗が示してくれるわ」
「理由…ですか?」
なりゆきで木場と戦うことになった轟は念入りに準備運動をしていた。そしてその様子を遠くから見つめているアーシアは落ち着かない様子でオロオロしている。今から始まる対決だが自分たちは彼に対して大事なことを隠しているのだ!
「どうなさいましたの?アーシアちゃん」
「朱乃さん―――この勝負は不公平です。今からでも廿六木さんに駒の特性を」
「優しいことでオカ研の副部長として誇らしいですわ、でも言ってはなりません!」
「どうしてですか?」
彼は駒の力で悪魔に転生した際に起きる恩恵のことを知らない、部室で互いの神器を披露してフェアだと思い込んでいる
「万が一にも勝たれてしまう可能性を排除するため、下手に情報を与えて大怪我を負ったら大変ですもの…それに祐斗君なら今の一誠君より穏便に済ますことが出来ますから」
「そんな!」
今すぐに伝えようとするが朱乃の威圧感で金縛りになってしまう。従うことしかできないアーシアは手を重ね合わせて祈るだけであった
「あのさぁ…魔剣だっけ?刃物で斬られたら普通にヤバいんだけど」
「大丈夫、使うのはこれだから」
彼の手に握られていたのは柔らかそうな見た目の長刀であり、これはスポーツチャンバラで用いられるエアーソフト剣なのだ
「スイングして当たったら少し痛いと思うけど魔剣より安心だから、廿六木君は自由にどうぞ」
「あら…気を遣わせて悪いね」
今から戦闘が始まるのに気が抜けそうになる雰囲気だが轟は違和感を抱いていた。だけど正体が見つからずに疑問符だけが増えていく様子だった
「(魔剣を使って傷つけたくないのは間違いなく本心のはずだ、手のマメが固くなるほど剣を握っているということは腕に相当な自信を持っている証だよな―――でもなんか怪しい)」
違和感の答えが見つからない轟は歩いてリングの一番端に寄った。中央で少し困ったような表情をする木場に対して準備OKのサインを出して試合開始の合図をするように伝えた
「(廿六木君は何でこんな…まさか
「(剣を使って攻撃を当てるには接近するしかない、この場所なら背後以外に意識を向けることが出来る。あとは勝つために何を創れば正解なんだ?)」
互いの思考が微妙にニアミスを起こしている。木場は隠している転生悪魔の特性に気付いていると思い込み、轟はとりあえず彼との間合いを離すことで魔獣を創りだす時間を設けることに軸足を置いた
「(どうやら転生悪魔のことを理解しているようね。まぁいいわ『魔獣創造』が恐ろしい神器だとしても祐斗の速さなら1分も掛からないはずよ)」
既にリアスの中では眷属に引き入れた先のことを妄想していた。神滅具を扱える下僕が更に増えて世間からの注目とカメラのフラッシュを浴びる姿を想像する。誰もグレモリー家の長女や魔王の妹などの肩書きではなく『リアス・グレモリー』個人として見てくれるはずだ
「それでは―――始め!」
小猫がハンマーでゴングを鳴らし2人の対決が始まった
前話のあとがきで「バトル描写を書きたい」と言ったのに始まったところで締めてしまい申し訳ありません!次こそはちゃんと書きます(土下座)
轟君の扱う『魔獣創造』の線引きについてアンケートします。禁手化や赤龍帝の籠手の「覇龍」に近い形態になれば『魔獣』以外を創り出す予定ですが、現時点での『魔獣』の定義をどこまでにするか?です
ポケモンやデジモンは『モンスター』なので問題無し
ビーストウォーズやゾイドはロボットですが『獣』要素があるのでOKですが制限を設ける
遊戯王はブラマジなどの人型はNGだけとモンスターが人に模しているはOK(ドラゴンメイド)
「現時点で虫や爬虫類も『魔獣』として括りに入れていいのかということです」
序盤で鳥を創り出しているので鳥類も獣の区分に入ってますが…
アザゼルなどからツッコミ「何で虫が!」があったら神の死による神器システムの不具合と説明する予定です
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
作品評価もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
通常神滅具状態で虫や爬虫類も『魔獣』として括りに入れていいのか?
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問題無い!本人が魔獣と思えば創れる
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虫や爬虫類は『獣』じゃないからNGだ