木場祐斗はニセアカギだ!突然のことで読者の方々はポカンとしてしまうが耳を傾けていただきたい、彼は学業において勤勉かつ成績優秀であり努力を怠らない学生の鑑である。学園の先生たちは全幅の信頼を寄せているが、優秀というのは戦闘においてウィークポイントになってしまう
「(僕の速さを警戒して距離を空けたか、もしかしたら始まる前に罠を仕掛けた可能性も捨てきれない!)」
未知の相手に対して深く考え込んでしまう。頭が良いと思考の枝が様々な方向に伸びてしまい答えの取捨選択に迷うのだ、しかしこれは決して悪いことではない!猪突猛進で何も考えずに突撃してピンチを招くより全然マシである
「(動くのを待つか?それとも―――)」
強くなる為に培ってきた経験と積み重ねてきた努力が現時点で彼を縛っている。そして離れた場所で立つ轟も思考の海に漂ってしまった
「(何体か創って出方を伺ってみるか?向こうは剣を振るだけだが、こっちは創ってから指示を与えるまでラグが生じるのは痛いな)」
彼も木場を目視しながら過去の言動や現時点で得られる情報から行動を予測する。1番の悪手は見当違いの思い込みをしてしまうことで初手の動きが重要になる
「(剣の腕に相当な自信があると見ていいし兵藤よりも信頼されての選出ってところか………ただ、アイツの高飛車な性格だと何か隠していそうだな)」
悪魔たちの秘密を探り当てようとするが答案用紙は白紙のままで鉛筆が動かない、それならリアス・グレモリーの態度から推測し可能性を模索していくと1つの可能性を見出した
「(刷り込みか!)」
魔剣を創る神器なら剣士だと思い込んでしまう。わざわざスポチャンの剣を見せたのも作戦の1つで、拳や蹴りだって十分な攻撃であり悪魔なら魔力を伴った中・遠距離で仕掛けてくることも可能なのに自分は思考の外に放棄していた
脳内で創られたリアス・グレモリーが嘲笑しながら倒れている自分を見下す姿が浮かぶ、その横で汚い笑みでニヤけて馬鹿にしてくる兵藤一誠も登場した。作戦を決めた轟は部室でも出現させた猫型魔獣を三体を創り出して指示を出す
「―――おっと!」
黄緑色でユニフォームを着ている魔獣がサッカーボールを蹴りながら木場へ突撃し彼は横に飛んで回避する。魔獣はそのまま走って壁に激突し頭の上に星を回しながらふらついているのを確認していたら
ドカーン!
左側面から西部劇のガンマンみたいな出で立ちの敵が装着していた空気砲のようなもので攻撃してきた。彼はガードをしながらダメージが低いことを確認すると
「(うそぉっっ!―――なんだよあの速さは?)」
想定していたのと全く違う展開に驚くが、彼の背後に隠れていた三体目の魔獣が独特な奇声をあげながらヌンチャクを振り回し木場の速度に対応してきた。木場は空気砲を放つ猫型魔獣の攻撃を意識しながら正面で相対する赤い拳法着を纏った二頭身の敵と互角の勝負を繰り広げる
「(僕はなんてミスを…)」
普段の彼なら試合開始直後に複数の魔剣を創りだして手数の多さと騎士の速度を活かした戦法を用いるのが定石だが、初見の轟に対して後手を踏んでしまったことで攻め込むタイミングを逸してしまった
「(だが、これぐらいことで)」
攻撃は苛烈だが決して強くはない、どちらかと言えば彼に剣術を叩き込んだ師匠の方が何枚も上手であり目の前の敵はファンシーな見た目なので恐怖感も薄かった。拳法着の魔獣を体格差と騎士の速度で上乗せした突進で吹き飛ばし一気に轟へ向かって加速するが
「ゴッアァッ!」
後頭部にサッカーボールが直撃し衝撃でソフト剣を手放してしまった木場はヘッドスライディングをするように倒れそうになるが、ギリギリで踏ん張って体勢を立て直して顔を上げると右の
彼の拳が木場の顔面手前で止まった。そして首筋には咄嗟に創った魔剣の刃がギリギリ触れそうな位置で停止している
「木場の勝ちだ!」
リングの外で一誠が大きな声をあげている。しかし勝者と思わる彼は浮かない顔をすると右手を天上に向けて掲げると自身で敗北宣言を口にした
「最後に魔剣を創った時点で僕の負けだ」
「別にルールなんて設けていないのに真面目で不器用なヤツだな―――お前は」
「褒め言葉として受け取っておくよ、それにあのサッカーボールが鉄球とか硬いモノだったら死んでいたと思う。勝手に戦力外と決め込んでしまった」
最初に突撃した魔獣はリタイアしたのではなく木場が油断するのを虎視眈々と狙っていた。初見の相手にしか使えない戦術だが作戦は上手くいった
「勝ちを譲ってくれたのは嬉しいが、あの速さは何だ?」
「ちょっと待って知らなかったのか?てっきり気付いていると思っていたのに」
「剣士のイメージを刷り込ませて、理外の攻撃をしてくるかと」
苦笑いをしたあとに顎に手を当てて少し考えた彼は悪魔の駒を使って転生するときに受けれる恩恵について話した。それはチェスの駒に対応した役割を持っていて女王・騎士・戦車・僧侶・歩兵が存在し、それぞれに違った力を得ることが出来る代物だ
「つまり木場君は騎士の力で高速移動が出来るようになったと?」
「騙すつもりは…今はなにを口にしても言い訳になってしまうな。すまなかった!」
深々と頭を下げた彼を見て怒る気力が湧かなかった。別に運動会のように校長先生の前で正々堂々を宣言した訳ではない、勝利のために手札を隠して戦うのは当たり前のことだが今回は理解はしても納得したくない心情である。とりあえず勝ったことには変わりはないので展開していた魔獣を消してリングから去ろうとするが朱乃が足元に雷撃を放ってきた
「どういうつもりだ?」
「勘違いしているようですが、勝つことが条件ではありませんわ」
部室で彼女が言ったのは『強いと分かれば』であり、自分たちに勝ったらという意味ではないと持論を述べてきた。つまり今の戦闘を見ても轟のことを弱いと思っているのだ
「ふざけんな!」
「私たちも悪魔としての仕事がありますので無駄な時間を掛けたくありません、廿六木君が仲間になっていただければ穏便に終わります」
「そんな選択肢はお断りだ!」
久々にプッツンしてしまいそうだ!何年か前に自分の趣味を貶して嘲笑してきた同級生がいた。夏休みの宿題で製作した木彫りのブレードライガーを目の前で叩き潰されて踏みつけられて木片にされてしまった。師匠から神滅具を悪用するなと言われたが負の感情に包まれ心のダムは決壊した
彼は悪食のシロアリを大量に創った。餌は家族旅行で空となった同級生の家で大黒柱を食らいコンクリートを副菜にして家財道具がデザートになった。何もかも食べ尽くしてしまい人が住んでいた痕跡は全て消失する
「あらあら…ワガママな聞かん坊にはお仕置きをしませんと」
「部長!ゴングを鳴らしてください」
轟の目の前には不敵な笑みを浮かべる朱乃とワザとらしく指の関節を鳴らす一誠が立っていた。木場は悪魔の駒について隠していたが悪印象を与えるものではなかったが、コイツ等は彼に対して労いの言葉すら述べていない
「つまりお前たちは木場が弱いって思っているんだな」
「ふざけたこと抜かすな卑怯者!木場は正々堂々と1人で戦ったのに、テメェは」
「バカで変態なことをやりまくって数学…いや算数も出来なくなったのか?」
2対1の構図になることを指摘するが一誠は聞く耳持たずであった。轟が1人に対して複数の魔獣で攻めたことへの仕返しという立場でリングに立っているんだと想像してしまう。視線を遠くの方に向けるとリアスがハンマーを高く掲げてゴングを鳴らすために勢いよく振り抜いた
一誠の顔を見ると気分が悪くなりそうだ!隣に座っていたら酔い止めを箱ごと飲みきってもゲロを出す自信がある。ガキのように自分勝手で人の痛みを理解しようとしない態度に辟易していた。毎日のように学園で被害者は泣いているのに、なぜコイツは反省せずにヘラヘラしているのだろうか?
プロファイリングをする捜査官も奴の思考を理解するのは不可能だろう。下半身が自我を持って脳ミソをコントロールしているのかもしれない、そういえば『先行者』というロボットが股間からビームを発射する動画を視聴したが頭部を一誠のモノにしたら案外ウケると思うが日本の恥を晒すことになりそうだ
「おや…戦闘中にぼんやりと考え事ですか?」
まるで弱者をいたぶるような表情を披露する朱乃は周囲にバチバチと音を鳴らして雷撃を繰り出してきたが、その攻撃は轟へ到達する前に進路が変更されてしまった
『びがぁ!』
攻撃の行き先は彼の足下にいた魔獣に吸い寄せられた。そのフォルムや出で立ちは世界で最も有名な電気ネズミと同じで、朱乃の攻撃を受けきると何事もなかったかのように身繕いをしている
「美味しかったか?」
『チャァ~♪』
鳴き声から察するに満足だったようで自身でお腹をポコンと叩いてアピールをした。どうやら食後の運動をしたい気分らしいので轟は朱乃に人差し指を向けて命令を下す
「ボルテッカー!」
『ピ~カ、ピカヂュウ!』
自身の力に吸収した雷のパワーを加え全身に電撃をまとって木場のスピードより速く加速した魔獣は朱乃の腹に突撃した
「朱乃さん!」
フィールドの端にまで追いやられコンクリートの壁と衝突しても勢いは衰えることなく彼女を押し込んでひび割れを作っていく、短いようで長く感じた魔獣の攻撃が終わり朱乃は床に倒れてしまったが『
「10万ボルト!」
『ピィ~~カチュウゥゥゥ!』
代名詞の技を受けてしまった彼女は沈んでいく意識の中で選択肢を誤ったことを後悔するのであった
前作の『リリカルなのは』だと殆ど戦闘描写を執筆することなく終わったので久々に書くと違和感を抱くような…これで伝わっているよね?という感じですね。しかしドラえもんズって公式でも黒歴史扱いなのだろうか?好きなんだよなドラパンとジェドーラ
次話は兵藤戦になりますが、結果は既に頭の中にありますが戦闘をどうやって描くか悩みます
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
作品評価もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
月曜日は盛岡で南部杯、頑張れ岩手競馬のヒロシクン
通常神滅具状態で虫や爬虫類も『魔獣』として括りに入れていいのか?
-
問題無い!本人が魔獣と思えば創れる
-
虫や爬虫類は『獣』じゃないからNGだ