才能の時間
渚はナイフを構える。のだが......
手が震えていた。
「渚の攻撃当たると思う?」
「いや、無理だろ。刃覇でも勝てなかったんだぜ?」
「体格からして差があり過ぎるよ」
クラスの皆が勝てないと思っているようだが、尊だけは確信していた。
「大丈夫、渚なら勝てる。烏間先生はアイツのやり方を知ってる。だから俺じゃなくて渚に託したんだ」
「?」
side渚
「いいか。鷹岡にとってこの試合は「戦闘」。君を嬲り強さを見せつける必要がある。対して君は「暗殺」だ。たった一度当たればいい」
「戦闘はさ、相手をぶちのめして勝利だけどさ、暗殺は一発決まればそれで勝ちなんだよな。無駄に自分の血を流さなくて済むし」
烏間先生と刃覇くんの言葉を反芻していた。
そうか。戦って勝たなくていい。
殺せば 勝ちなんだ
僕は、普通に笑って近づいた。通学路を歩くように、自然に。
思い切りナイフを振った。鷹岡先生はギョッとして体制を崩した。殺されかけてることに気づいたんだ。
服を引っ張って地面に倒し、正面からだと塞がれるから後ろに回り込んで………
「捕まえた」
side OFF
「捕まえた」
「な、渚が勝った!」
「マジかよスゲェ!」
「刃覇くんはわかってたの?こうなること]
矢田に聞かれた刃覇は
「なんかあるだろうなとは思ってたよ。でも、ここまでやれるとは思わなかった」
烏間も驚愕していた。
(なんて事だ.....予想を遥かに上回った!!普通の学校生活では絶対に発掘される事のない才能!!
殺気を隠して近付く才能
殺気で相手を怯ませる才能
「本番」に物怖じしない才能
俺が訓練で感じた寒気は.....あれが訓練じゃなく、本物の暗殺だったら!!
戦闘の才能でも暴力の才能でもない、暗殺の才能!!これは・・・咲かせても良い才能なのか!?)
「このガキ!もう一回だ!今度は油断しねぇ!」
「もう一回ならオレが引き受ける、よっ!」
完全回復し、気合い十分な刃覇の全力パンチが鷹岡の顔面を撃ち抜いた。
「オレの拳は火砲のように強い、ってな」ドン!
「そこピストルじゃないの?」
「不破さん....」
鷹岡に対し、渚は本気で強くしたいと思ってくれたことへの感謝と出ていってほしいことを告げた。
「クソガキガァァァァ!!!」
鷹岡はもう一度立ち上がり襲いかかるも今度は烏間にのされてしまう。そこに理事長が現れ解雇通知を鷹岡に渡す。
「新任の教師の手腕に興味を持って来てみたのですが、残念です。教育に恐怖は必要です。が、暴力でしか恐怖を与えられない者は教師として三流だ。より強い暴力に負けた時、その教育は意味を失う。あなたはクビです。今後ここで教鞭を取ることはできない」
鷹岡は屈辱感に溢れた顔で逃げ出した。
「鷹岡クビ!?」
「ってことは烏間先生続投だ!」
盛り上がる生徒たち。
尊は烏間に話しかける。
「烏間先生。あなたの目は曇ってなんかなかった。俺じゃ鷹岡には勝てなかったです」
「しかし.....俺は咲かせてはいけない才能を咲かせてしまったのではないだろうか」
「どーなんすかねぇ。才能をどう使うかは渚次第だと思うっす。スミマセン、偉そうな口を」
「………いや、俺も良い勉強になった」
そして、烏間先生の奢りでスイーツを食べにいくことに。
倉橋が刃覇に声をかけた。
「刃覇くんっ!一緒に食べよ!」
「俺!?烏間先生とじゃなくて?」
「烏間先生と、刃覇くんとがいいなぁーって。もっとお話ししたい!助けてくれたお礼したいし!」
「陽菜ちゃん待って!私も刃覇くんと食べる!」
「わ、わたしも…一緒にいいかな」
矢田と神崎も参戦する。美少女3人に囲まれ、腕を掴まれた尊は渚に助けを求める。
「な、渚ぁ....助けてぇー」
「が、がんばって〜」
「か、神崎さん!?刃覇めぇー!」
杉野はショックを受けていた…
「あ、その前に着替えてくるね」
「?お、おう?」
倉橋は一旦教室のほうに戻っていった。
数分して戻って来た倉橋と合流し4人で向かうこととなった。