禁忌の継承者の暗殺教室   作:北凍武人

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自律の時間

片岡、矢田、岡野、倉橋が刃覇に話しかける,

 

「そういえば転校生が来るって聞いた?」

 

「転校生?」

 

そうこうしてるうちに渚、杉野、岡島が合流する。

 

「お、転校生の話題だな?この子なんだけど」

 

岡島が写真を見せてくれた。

 

「女子か」

 

「アイツもう待ち受けにしてるんだよ」

 

なんて話をしながら、皆で教室に向かうと…

 

「なにこれ!?」

 

「ブラックケースだ…」

 

「ボックスだよ!」

 

そこには黒くて大きい箱が置いてあった。烏間先生が紹介する。

 

「ノルウェーから来た、転校生の自律思考固定砲台さんだ」

 

「そ、そう来たかぁ」

 

 

 

 

「なるほどなぁ。超生物は生徒を攻撃できない。それを逆手に取り生徒として送り込んだってわけだな」

 

いつの間にか教室に入ってきたメガネの男性が考察を口にすると、そこに、殺せんせーが現れる。

 

「あなたが鯱悪棲さんですか。3年E組の担任の触手超生物です。殺せんせーと呼んでください」

 

「ば、化けタコ!?」

 

「殺せんせー。僕らの担任です」

 

「100億のバケモノをどうにかしろって言われて来たんだが、こんな感じだとはねぇ」

 

悪棲と呼ばれた人物は呼吸を整えると殺せんせーに向き合う。

 

「俺は暗殺には参加しないが、生徒たちのためにあんたを殺す武器を開発したり取り寄せたりする。鯱一族の技術を侮るなよ?」

 

「ヌルフフフ、楽しみです」

 

「というわけで、刃覇と同じ一族の出、鯱悪棲だ。悪ってついてるけど善良なイケオジなんでよろしくな!」

 

授業開始と同時に、箱型の固定砲台から銃が現れ狙撃を開始した。

 

「授業中の発砲は禁止ですよ」と注意する殺せんせーに、「気をつけます」と言い、続けて攻撃準備に入る固定砲台。反省の気配はゼロだ。

 

「さぁて、ここからがこの子の本領発揮だ」と叢正が告げる

 

「彼女は自らの機能で進化することができる。演算を繰り返し、より高度な射撃であんたを追い詰めるぜ」

 

 

悪棲は取扱説明書的なモノを読みながら言っていた。

 

「カンペかよ!」

 

「俺開発者じゃないからな!取扱説明書的なものは律儀に用意してくれてたから、それを読んだだけだ」

 

その日は一日中射撃を繰り返すのだった。

 

その翌日、寺坂がガムテープでぐるぐる巻きにして自律思考固定砲台の動きを封じた。

 

******

 

更に翌日。

 

「なー、烏間先生に苦情言おうぜ?授業にならないって」

 

「おはようございます渚さん、杉野さん♪」

 

「「「な、なにがあった!?」」」

 

「先生が悪棲さんに依頼して、協調性を高めるプログラムを組んでもらいました。」

 

「オレはこう見えてプログラミングにも強いのよ。いい小遣い稼ぎになったしいいけどな」

 

代償として、先生の残高は5円となったそうな。

 

「なるほどねぇ……」

 

刃覇がディスプレイを触ると、ひゃあん!?と悲鳴が。

 

自律思考固定砲台がなぜか胸を押さえて顔を赤くしていた。

 

「ファっ!?」

 

「安心しな嬢ちゃん。ヤイ坊は胸より尻派だ」

 

「おいコラ!人の癖暴露すんなや!」

 

 

そうこうしているうちに寺坂が律を冷たい目で睨む。

 

「騙されんな。オッサンが造ったプログラムだ、どうせ空気も読まずにまた射撃すんだろ?ポンコツ」

 

寺坂の暴言に自律思考固定砲台は涙を流しながら返答する。

 

「昨日までの私はそうでした…ポンコツ、そう言われても返される言葉がありません」

 

「あーあ、泣かせた」

 

「寺坂くんが二次元の女の子泣かせちゃった」

 

片岡と原が寺坂を咎める…。

 

「なんか誤解される言い方やめろ!」

 

「いいじゃないか2D。Dをひとつ失ったところから女は始まるのさ」

 

「た、竹林………」

 

自律思考固定砲台は早速クラスの皆とコミュニケーションを取り始めた。

 

「花とか造ってみてよ」

 

「了解しました、花の形を学習しておきます。王手です千葉くん」

 

「なっ!…3局目でもう勝てなくなった」

 

「あ、そうだ!この子の名前決めない?」

 

「律とかどう?」

 

「律…ありがとうございます!」

 

「すっかりクラスに馴染んだね」

 

「どうだろねー。開発者がどう判断するかだよね」

 

渚とカルマは様子見のようだ……

 

*******

 

翌日。

 

「みなさんおはようございます」

 

律は無機質な初期状態に戻ってしまった。

 

「今後は改良行為も危害とみなすそうだ。君たちもだ。縛って壊れたら賠償責任を問うそうだ。」

 

「うーん、開発者に出てこられると厄介だねぇ」

 

悪棲はお手上げの表情を見せていた。

 

「そんな呑気なこと言って……」

 

「もし俺が律ちゃんの開発者なら、いくらでもアップデートしてやったよ。だが向こうは律を兵器としてしか考えてない。兵器に心は不要、そういう考えだろうな」

 

悪棲の言葉に返す言葉が見つからず詰まる片岡。

 

そして、射撃が再び始まる……と思われていたが。

 

取り出したのはプラスチックの花であった。

 

「花を作る約束をしていました。」

 

続けて言う。

 

「悪棲さんが組み込んでくれたプログラムは開発者が不要と判断し、撤去してしまいましたが、私自身は「協調能力」が暗殺に不可欠な要素と自ら判断し、関連ソフトをメモリの隅に隠しておきました。」

 

「律さん、あなたは」

 

「はい。私の意志で産みの親に逆らいました。こういうのを反抗期というのですよね。律は悪い子でしょうか?」

 

「素晴らしい!中学生として大いに結構!」

 

こうして、律が仲間に加わった!......ついでに悪棲も。

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