兵藤一誠ファンの方はごめんなさい
想像力のない自分ではこんなよくある展開でしかBLACKはねじ込めなかった…
あと今回で焼き鳥は終わるといったな、あれは嘘ですごめんなさい
多分後一回続きます
ただ短くなるかもしれません
それと前回投稿させていただいた時に、日間ランキング23位に乗らせていただきました(たぶん23位だったはず
このような作品がランキングに乗らせていただけて光栄の極みです
これからも皆様の期待に応えられるかはわかりませんが、一所懸命頑張らせていただきます
ではどうぞ
※それと誤字脱字あったら報告をば
浩太郎は試合の内容を見てはいない
しかし、共に戦ったアーシアからは、兵藤が最後まで諦めなかった、ということを聞いていた
次々と仲間が倒れていく中、なんと彼は赤い紅蓮の鎧のようなものをその身に纏ったというのだ
だが、鎧はあと少しというところで無慈悲に解除されてしまったのだ
しかしそれでも兵藤は諦めなかった
婚約者だとか、家柄だとか、そんなものは関係なく、ただ、恩義に報いるために
大切なリアスに、笑ってもらいたいために、正しく命をかけて彼はあのゲームを戦った
そしてその結果が、今兵藤の部屋で横たわっている姿だ
「…一人の女のために、こいつが奮闘するとはね」
浩太郎は兵藤のベッドで横たわる彼を見ながら呟いた
兵藤の部屋に来たとき、そこには既にアーシアとグレイフィアがおり、アーシアが必死に彼のことを看病していた
傷自体はアーシア自身の
そして兵藤とアーシア以外の眷属である木場や小猫、朱乃の三人はリアスに付き添っているのだろう
「う…」
ふと、兵藤のベッドからそんなうめき声が聞こえた
それは兵藤の声だ
「目覚めたようですね」
「よ、お疲れ」
グレイフィアに便乗するように、浩太郎はそんな言葉を投げかける
飛び起きるように上半身を起こし、兵藤はグレイフィアに訪ねた
「グレイフィアさん! 勝負は!? レーティングゲームはどうなったんですか!?」
「勝負はライザー様の勝利です。お嬢様が、リザインされました」
彼女の言葉に、兵藤は絶句したような表情を浮かべた
そしてギュ、と拳を握り締めて、顔を俯かせる
その目には、僅かながら涙が見えた
「…グレイフィアさん。少し、外してもらっていいですか?」
それだけ言うと、グレイフィアは少しだけ礼をして、兵藤の部屋から退室した
今、彼の部屋にいるのは浩太郎と兵藤だけだ
「…ちっくしょぉ…!」
親しい友人がそばにいるからか、その悔しさを兵藤は口にする
それをただ、黙って浩太郎は聞き届けた
そして、ふと気がついた
兵藤の左手が、人とは思えない形状に変化していたことに
というか、まるでドラゴンみたいじゃないか
「兵藤、お前…」
「あんなに大見得切ったのに! 絶対勝つって言ったのに! 俺は…!」
ボロボロと涙をこぼし、彼は慟哭する
自分自身が情けなくて仕方がないのだろう、
自分の拳を握り、涙を流す兵藤に浩太郎は何も言えず、ただ黙って見ていることしかできなかった
けれどもその悔しさを、浩太郎はわからないわけではなかった
似たような経験は、アーシアの時に体験したからだ
あの時、もっと早くに決意をしていれば、彼女は人間として生きていくこともできたはずなのだから
体の傷は治っても、心の傷はそう簡単に癒えるものではない
「…なぁ、浩太郎」
「…何だ、兵藤」
「なんで俺ってさ、こんなに弱いんだろうな」
「…」
「安いと思ったんだ、左腕一つで部長が戻ってくるならって。だけど、俺はこの力を使いこなすことができなくて! 自分が情けなくて…! 悔しくてっ…!」
ポン、と浩太郎の手が兵藤の肩に置かれていた
思わず兵藤は浩太郎の顔を見た
その顔は、いつになく真剣だ
「…お前は休んでろ」
「こ、浩太郎…?」
「…はぁ、まったく。やんなっちゃうぜ、友達がここまで命張ってるのに、俺だけ一人ヌクヌクと結果待ってたなんてさ」
兵藤たちが必死に戦っている最中、浩太郎は彼らの勝利を願うことしかできなかった
思えば、なんであの時共に戦うという選択をしなかったのだろうか、とあの時の自分に苛立ちが募って仕方がない
眷属とか、悪魔だとか、家柄だとか、よくよく考えればどうでもいいのに
「リアスさんは、俺が連れ戻す」
「え!? だ、だけど!!」
「気にすんな。気に食わない焼き鳥に喧嘩を売りに行くだけだ。それに、お前結構ボロボロだろう?」
そう言われて兵藤は押し黙る
ちなみに、レーティングゲームの際に、
「お前だけが傷つく必要ないよ。今度は俺が傷つく番だ。だから」
浩太郎は兵藤の肩から自分の手を離す
その次に、浩太郎は笑みを浮かべ部屋の扉に向かって歩きだした
去り際に、親指を立て、サムズアップを作りながら
「待ってろ〝イッセー〟。必ずリアスさんは連れ戻す」
そう言って、浩太郎は兵藤の部屋を出た
友の無念を晴らすために
◇
「…赤龍帝のあの方も面白いお方でしたが、やはりあなたもそれに負けませんね」
「それって褒めてます? グレイフィアさん」
「えぇ、最大級の賛辞ですよ? 私の主、サーゼクス様も仰っておられました。彼のように思ったことを口に出し、思った通りに駆け抜ける、あんな面白い悪魔は初めてだ、と」
マジでか、と浩太郎は思う
確かにアイツはよく言えば純情、悪く言えば単細胞なやつではあるが、まさかそんな賛辞を受けているとは
そして同時に、とグレイフィアの視線は浩太郎に向けられた
「貴方の力も、サーゼクス様は興味を抱いておられます」
「俺の力?」
彼女は頷き
「実を申しますと、貴方とは違う…先代、とでも申しましょうか。先代のブラックサン様とは、交流があったのです」
マジか、と驚く浩太郎
っていうか浩太郎の他にこの力を操っていた人物がいたというのか
それもグレモリー家と関わりがあったとか、一体どう言うことなのか
「しかしつい数年前、仕えているお方から、五万年の寿命を終え亡くなった、という報せがあったのですが…」
五万年て
長生きが過ぎるだろう、っていうか長すぎじゃないか寿命
つまり自分は正しく生きれば、あと五万年は生きられるのか?
「浩太郎様と初めて会った時、ライザー様に真っ向から挑みに行ったその眼光に、私は既視感を感じていました。かつて交流を持った、かのブラックサン様と同じものだと」
その言葉を聞いて、浩太郎は黙ってしまう
いきなりそんなことを話されても浩太朗としてはなんて反応していいのかわからないのだ
しかし、とりあえずこれだけは言っておく
「グレイフィアさん」
「? はい?」
「俺はブラックサンなんて名前じゃありません。―――仮面ライダーBLACKです」
浩太郎の言葉にきょとんと彼女は目を丸くする
そしてそのあとクスリ、と表情を綻ばせ笑みを作った
この時思わず、この人もこういう顔するんだ、と思ってしまったのは内緒である
「一誠様と並んで、やはりあなたは面白いお方です」
そう言いながら彼女は一枚の紙を差し出した
なんか変な魔法陣が書かれている
「それは今行われている婚約パーティーへの会場まで転移できるものです。人間のあなたでも、使用は出来るでしょう」
「…グレイフィアさん」
「それでは。…ご武運を」
それだけ言うと彼女は一礼をしてその場を歩いて行ってしまった
浩太郎は渡された紙をポケットに突っ込むと、歩き出す
そういえばアーシアは兵藤のためにお粥を作っているのだっけか、と思い出し軽く挨拶だけでもしておこうかと台所に足を運んだ
そこにはお鍋の前で奮闘しているアーシアの姿があった
彼女は浩太郎の姿を見つけると火を切ってこちらに駆け寄ってくる
「浩太郎さん! その、イッセーさんの様子は、いかがでしたか?」
「あいつならついさっきに目を覚ましたよ」
それを聞くと彼女はパァ、と笑顔になる
兵藤もまた、浩太郎と同じように彼女にとっては命の恩人で大切な友人だ
やはり回復したと聞いたら嬉しいのだろう
そんな彼女に、浩太郎は告げる
「アーシア」
「? なんでしょう?」
「俺はこれから、リアスさんのところに行ってくる」
その言葉を聞いただけで彼女は驚いたような表情を浮かべた
そしてその一言で、おそらく浩太郎の真意を汲み取ったのだろう
「お祝い、じゃあないですよね?」
「まさか。焼き鳥に喧嘩を売ってくるだけさ」
「私も行きます!」
即座に彼女はそう言ってくる
正直に言えば、なんとなく予期はしていた
だけど浩太郎は
「ダメだ」
「嫌です! 私も…私も一緒に戦えます! 魔力の使い方だって上手くなりました! もう守られるだけは嫌なんです!」
そう言って彼女は浩太郎の腕を握ってくる
彼女は涙を流しながら言葉をつらつらと発していく
「私の目の前で、イッセーさんがボロボロになって、血だらけで…! もし浩太郎さんにも同じようなことになってしまったら、私…!」
「ありがとう、気持ちだけでも嬉しいよ。けど、君がここを出てしまったら、誰が兵藤の看病をするんだい?」
そう浩太郎が諭すとアーシアは思わず俯いて黙ってしまった
そんな彼女を撫でながら、浩太郎は言葉を続けた
「大丈夫。そんな無茶なんかしないよ。俺よりも心配なのは兵藤だ。あいつ、リアスさんの事大好きだから、きっと黙ってないと思う。…だから、ね」
「浩太郎さん…」
それを聞くとアーシアは涙をぐしぐしと拭いながらもう一度笑顔を作った
「分かりました。だけど、約束してください」
「約束?」
「はい。絶対に部長を連れて帰ってきてください」
「―――あぁ、もちろん。必ず兵藤のところに返すさ」
最後にもう一回彼女の頭を撫でると浩太郎は踵を返した
さすがに少し怖いが…そうも言っていられない
〝仮面ライダー〟は、誰かの自由のために戦うのと同時に、誰かの笑顔を守るために戦うものだから
◇◇◇
手渡された紙を用いて、なんかどこだか知らない場所に転移してきた
浩太郎はあたりを見回すが…目の前にるある扉にしか目が行かない
どうやら今いる場所は廊下のようだ、しかも果てしなく広く、おまけに壁にはいかにもロウソクがかけられている
おまけに極めつけには巨大な肖像画、赤い髪をした男性だ、きっとリアスの身内かなにかだろう
と、考えたところで気づく、こんなことしている場合じゃなかった
ガヤガヤとうるさい場所に視線を向ける
扉を少し開けて中の様子を確認してみるとそこにはいかにも貴族ですという格好した連中が楽しそうに談笑している
そこのところは人間界と変わらないらしい…社交界とか興味ないから知らないが
少しだけ扉から離れて大きく息を吸った、軽く呼吸を整える
どうせなら派手なほうがいいだろうか、浩太郎は扉を蹴破るのではなく、蹴っ飛ばす感覚で思いっきり足を突き出した
バァァァァンっ!!
大きなその音に会場中の悪魔がこちらに視線を移す
さすがに扉をぶっ壊すまでにはいかなかった、が、まぁ問題ないだろう
リアスが驚いたような表情をしたのを浩太郎は見逃さなかった
同時に彼女の隣にいるライザーもこちらに気づいたようだ
キザったらしいタキシードを着込んだその姿は確かに似合っているが、やはりいけ好かないよ
とりあえず、名乗っておこうと思う
「突然のご来訪、申し訳ありませんっ! 俺は〝人間〟にして、リアス・グレモリーが協力者、梓馬浩太郎! 我が友、〝兵藤一誠〟に変わり、この場に参上仕った!!」
いつの時代ですか、会場内にいる小猫から突っ込まれた気がする
そしてそれは正直言ったあと浩太郎自身も思った
浩太郎が人間と発言した後、周りの空気がガヤガヤとうるさくなる
当然だ、いきなり婚姻の場所に乱入してきてこんなこと叫ばれたら疑問に思うのも無理はない
「貴様! 人間が―――」
衛兵らしき男が浩太郎を止めようとする、が、先に浩太郎が動く
こちらを人間と侮っていたのか動きが丸見えだ、だから容赦なく狩らせてもらう
手始めにボディに一撃を叩き込んだあと、顔面に向かって逆廻し蹴りを叩き込んで意識を刈り取った
カカトがいい位置に入ったので数時間は起きてこないだろう
その光景を見て、ほかの衛兵が戦慄する
渋っている衛兵に向かって、浩太郎はこういった
「こうなりたくなかったら、少し邪魔しないでください」
しかしその発言は悪魔にとって何よりも耐え難い侮辱に他ならない
浩太朗としては言葉を選んだつもりだったが、逆に火に油を注いでしまったようだ
「たかが人間如きが! 舐めるなぁっ!!」
一気に衛兵がこちらに向かってかけてくる
しかし彼らがこちらまで来ることはなかった
なぜなら彼らを邪魔するものが現れたから
「浩太郎くん、ここは任せて」
「来ないかと思いました」
タキシードを来た木場と、小柄なドレスを身にまとった小猫
その近くには豪勢な和服を着込んだ朱乃もいる
「イッセーくんは、大丈夫でしたか?」
「えぇ、今はアーシアが看病してくれています」
その言葉に三人は安堵したのか、再度衛兵の足止めを再開させる
彼、彼女らに感謝しながら、浩太郎は歩み始める
途中、別のところから湧いて出た連中は、浩太郎自身がぶん殴って排除する
そしてライザーに向かって、たっぷりとイヤミを込めて言ってやった
「よぉ、邪魔しに来たぜ。〝焼き鳥〟」
その言葉にキレなかったライザーはきっと褒めていいだろう
しかしその表情はあからさまに不愉快なモノに変貌している、ここがこういった会場でなかったら炎を繰り出していたに違いない
「どういうことだ、ライザー」
「リアスどの、これは…」
身内、関係者が困惑している
そりゃ上級悪魔とて、さすがにこのような突発的なイレギュラーには対応できていないと見える
「私が用意したんですよ。いわば、余興です」
そんな時、奥にいた赤い髪の男がこちらに歩いてくる
よく見るとそれは肖像画に書かれた人物を同じだ
どことなく、リアスに似ている気がする
「お兄様…」
リアスが呟く
お兄様? なるほど、似ているわけだ
となると、アイツが魔王〝サーゼクス・ルシファー〟か
「形容しがたい力を持つという彼の力を見てみたくてね、私がグレイフィアに頼んだんです」
「そ、そのようなご勝手は!?」
「いいじゃないですか。この間のレーティングゲームは非常に素晴らしいものだった。特に覚醒して間もないドラゴン使いくんが禁手化したところなんか特に、ね。しかしながらゲーム経験のない妹が、フェニックス家の才児であるライザーくんと戦うのは、いささか分が悪かったかな、と」
「…この間のゲームが解せない、と?」
「とんでもない。そんなことは魔王の私があれこれ言ってしまっては旧家の顔が立ちますまい」
…ここまでの会話を聞いていて思ったのが一つ
このサーゼクスという男、なかなかに食えない野郎だ
そんな彼に向かって赤い髪の妙齢の男性が問うた
「サーゼクス、ではどうしたいのかな?」
「可愛い妹の婚約パーティは派手にやりたいと思いましてな父上。人間対不死鳥。おまけに彼は、かの伝説〝ブラックサン〟とほぼ同等の力を持つと聞いている。…どうです父上。これに勝る演出はないと思いますが」
ブラックサン、という単語をサーゼクスが口に出した瞬間さらに会場内が沸いた
…なんだろう、もしかしてそのブラックサンというのはとんでもなくすごい方なのか?
「ありえません!」
それに反論したのがライザーだった
「彼女はここ数年前に寿命を終え亡くなったと聞きました! よもやまさか、こんなガキがブラックサンだなどと…!」
「それなら、この戦いで確かめればいい。いいかい? 人間くん」
矛先がこちらに向けられた
それに対して浩太郎は頷いて返す
「彼はやる気だよライザーくん。君はどうする?」
サーゼクスに聞かれ、ライザーは不敵に笑う
やる気になったようだ
「…いいでしょう。このライザー、身を固める前に最後の炎をお見せし、このガキがブラックサンであるはずがないということを、証明してみせましょう!」
どこまで認めたくないんだこの男は
あとブラックサンじゃなくてBLACKだから
まぁいい、これで準備は整ったということでいいだろう
深呼吸をする浩太郎に、サーゼクスが聞いてきた
「ところで人間くん、君が勝った時の代価は、何がいい?」
「なっ!?」
「なりません! このような下賎な輩に!」
いわれ放題だな畜生
しかしサーゼクスは怯まない
「わざわざここまで来てくれた人間です。それ相応のモノを払わなければ不平等、というものでしょう? さぁ、君。望むならなんでもあげよう? お金かい? それとも、絶世の美女かな」
「両方いりません。強いてあげるなら、この婚約の破棄を希望します」
金には特に困ってないし、美女には小猫たちオカルト研究部のみんなで満足している
あれ以上を望むのは贅沢だ
その回答にサーゼクスはふ、と微笑み
「わかった」
このようなやりとりで、急遽この場で、前代未聞となる人間とフェニックスの決闘が繰り広げられることとなった
「ありがとうございます」
会場の奥に消えゆくサーゼクスに、浩太郎は感謝の意を込めて礼をする
あとは、ぶっ飛ばすだけだ
◇◇◇
会場の真ん中に急遽作られた空間
その周囲を、会場内の悪魔が好奇の視線で見守っている
部員メンバーもリアスと一緒に関係者席に座っており、彼女の横にはサーゼクスもいる
反対にフェニックスの関係者席であろう席には身内のヤツらと以前見た眷属悪魔、そしてなんかいかにもな金髪縦ロールの女の子がいた
妹か誰かだろうか
浩太郎とライザーは真ん中に相対していた
無表情の浩太郎に対して、ライザーは余裕の表情だ
「開始してください!」
戦いを取り仕切る男悪魔が開始の合図を告げる
決闘が始まった
構えようとした浩太郎に、ライザーが言葉を発した
「たかが人間風情が。どこまで俺の邪魔をすれば気が済む。あの時俺の誘いを断って、戦いから逃げたのは貴様だろうが」
「確かに、俺は一度逃げた身だ。今更なんだと思っても仕方ないだろう」
「だったら―――」
「言ったはずだ」
浩太郎はライザーを見ながら、言葉を発する
「俺はお前が気に食わないって」」
「―――このガキぃ…! 俺が下手に出ていればいいものを…!!」
激昂するライザーを無視し、浩太郎は身を変えるためのポーズを取った
ギリギリ、と己の肉がくい込まんとするほどに力を込めて、ライザーを睨みつける
傍から見れば意味不明の行動を、ライザーを含めた会場連中は見守っていた
当のライザーは意味がわからない、といった風に顔をしかめている
「―――変、身ッ!」
動かした己の両手を右側に再度動かす
直後、浩太郎の腰に〝バイタルチャージャー〟なるベルトが現れ、その中央の宝玉が赤く輝きだした
一瞬身にまとったバッタの姿を、リプラスフォームなる鎧が包み、その変身を完了させる
むき出しの筋繊維から、余剰エネルギーが蒸気となって吹き出していく
「―――な、何だ、その姿は…!?」
いつの間にか、会場全体が息を飲んでいた
いや、凍ったといっても大げさじゃないかもしれない
ライザーの目の前には、赤い複眼を持つ、真っ黒い姿をした何者かが、そこに立っていた
ライザーの問いかけに、それは返答する
「―――仮面ライダー、BLACK!」
黒いボディに真っ赤な目、煌くイナズマ、愛の戦士
その男の名は、ブラックサン
またの名を、仮面ライダーBLACK