その身に宿すはキングストーン   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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展開が無理やりマン
今回いつも以上にグダっているかも

一応誤字脱字見かけたら報告ください

ではどうぞ


13

待ち合わせ場所に行くとそこには兵藤と匙、そして小猫の三人がいた

って言うか浩太郎以外にも誘ってたんだ、てっきり自分一人かと思っていた

兵藤はこちらを確認し、さらにその後ろの人たちを視認すると驚いたように目を見開かせた

 

「え、っと浩太郎? 後ろの人たちは…」

「話の前にまず飯だ。こいつらに食わせる約束をしてる」

 

そんなわけで一行とローブを着込んだ二人組を連れてどこぞのファミレスに趣き、適当に座る

浩太郎、聖職者の三人、そして兵藤、匙、小猫が対面する形で席に座った

そしてついでに先手を打っておくことにする

 

「お二方」

「? なんだ?」

 

ゼノヴィアが言葉を返す

それに合わせてイリナもこちらに向けて顔を向けてくる

そんな彼女たちに浩太郎は言った

 

「一人二千円までな」

 

このとき、二人に電流走る

 

「最悪二千五百円くらいまでなら奢ってやる。つまり二人合わせて五千円だな」

 

正直結構お腹が減っていそうだったが、先に制限をかけておかないとバクバク食いまくると浩太郎は思った

だから先に値段をつけておき、こちらの(財布への)ダメージを最小限に抑えることに成功した

そんな風に考える浩太郎を尻目にゼノヴィアとイリナは二人してメニューを食い入るように見て何を食べるか相談している

 

「…せめて、三千円―――」

「ダメです」

「そ、そんなこと―――」

「ダメです」

「そこを―――」

「ダ メ で す」

 

ただでさえ五千円でも大きい出費なのにこれ以上増やせというのか

浩太郎はゼノヴィアの言葉をバッサリとぶった斬りなんとか一人二千五百円内に収めなさい、と無言の圧力を繰り出す

 

「な、なぁ浩太郎。この二人腹減ってんだろ? 俺も少し出すから―――」

 

そんな兵藤の言葉に二人もパァっと顔を明るくさせる

しかし浩太郎がそれを切る

 

「お前が金を出す必要なんかねぇぞ兵藤。約束したのは俺だから、金は全部俺が出す。路銀使い切ったのはこいつらなんだし、これも試練だと思ってとっとと決めろ」

 

浩太郎にいわれしょぼん、とする聖職者二人

やがて覚悟したのか、それぞれ食べたいものをオーダーした

値段にしておおよそ四千五百円…許容範囲である

聖職者二人が食べ終えて落ち着いたタイミングを見計らって兵藤が口を開いた

 

「え、っと。大丈夫、かな」

 

兵藤の言葉を聞いてゼノヴィアが口元を拭きながら、最後に水を飲み落ち着かせる

こほん、と軽く咳をして改めて話を聞くスタイルになる

 

「ごちそうさま。…っと、話がある、だっけ」

 

ゼノヴィアの問いかけに兵藤が頷いた

 

「改めて、話とは」

「エクスカリバーの破壊に協力させて欲しい」

 

その言葉にゼノヴィアとイリナ、そして浩太郎が驚きの声をあげた

そして同時に、二人の視線がこちらに集中する

 

「…なんであなたも驚いてるの?」

「てっきり知っているものかと」

「初耳だ」

 

もしかしたら兵藤はその話をするために駅まで呼んだのかもしれない

しかし浩太郎が合流する前に聖職者の二人と合流してしまったので、色々と予定が狂ってしまったのだろう

だがそれは冷静に考えてみればやばいことなのではなかろうか

下手をすれば悪魔、堕天使、天使の三つ巴の争いになってしまう

そんなことを考えているうちに、こほんとゼノヴィアが咳払いをする

 

「そう、だな。ひとつくらいは任せてもいいだろう。…ただ、そちらの正体がバレないようにしてもらえると助かるな」

 

意外にもすんなりと許可は出た

兵藤らもそう簡単に返事が出るとは思っていなかったのか、ぽかんと口を開けていた

 

「いいのゼノヴィア。イッセーくんとは言え悪魔なのよ?」

「正直言って私たち二人だけでは四本回収とコカビエルとの戦闘は辛い」

「それはわかるけど…だけど!」

「最低でも私たちはエクスカリバーを破壊して逃げてくればいい。奪われるくらいなら、壊してしまえばいいだろう。奥の手を使ったとしても、任務を終え、帰って来れる確率は三割だ」

「それでも高いほうだと覚悟を決めて私たちはこの国に来たはずよ」

「そうだ、上にも任務を遂行して来いと送られた。自己犠牲に近いな」

「それこそ私たちの信徒の本懐じゃないの」

「否定はしないさ。けど、任務を遂行して帰ることこそ、本当の信仰だと信じている。生きて、これからも主のために戦う。…違うか?」

「それは、違わないけど…」

「それに、彼は君の馴染みだろ? 友人として、信じてみようじゃないか。彼の力を」

 

彼女の言葉にイリナも黙り、承知の空気を出していた

どうやら商談は成立のようだ

最近兵藤は自分が上昇させた力を他の人に譲渡する力にも目覚めたと聞いている

彼の力を木場に譲渡すれば、もしかしたらエクスカリバーを叩き折れるかもしれない

 

「わかった。受けてくれてありがとう。じゃあ、今回の俺のパートナーを呼ぶぞ」

 

兵藤は携帯を取り出して、一人の男へと連絡する

その相手は言うまでもない、木場祐斗だ

 

 

「…話は大体わかったよ」

 

彼はそう言って注文したコーヒーを一口飲んだ

案外彼を呼ぶと結構すんなりと来てくれた

明らかに不機嫌な様子だが

不意に、ゼノヴィアが口を開いた

 

「…確認を取るが、やはり君は、聖剣計画の生き残りと見て、間違いないかな」

「…あぁ、そうだ」

 

その言葉に、低い言葉で肯定する木場

それに対して、ゼノヴィアはふむ、と腕を組んだ

 

「その事件はこちらでも最大級に嫌悪されている。処遇を決定した当時の研究者は信仰に問題ありとされ異端の烙印を押された。今では堕天使側の人間だ」

「堕天使側に? …そいつの名前を聞いてもいいかな?」

「パルパー・ガリレイ。〝皆殺しの大司教〟と呼ばれた男だ」

「…、ありがとう」

 

パルパー・ガリレイ

どうやらその男が仇敵と見て間違いなさそうだ

実質、木場の瞳にはまた別の決意のようなものが見て取れた

 

「僕も情報を提供したほうがいいよね。先日、エクスカリバーを持った者に襲撃された。その際、一人の神父を殺害していたよ。おそらく、殺害されたのはそちら側の人だと思う」

 

その発言にそのテーブルの人たち全員が息を飲んだ

当然である、そんな情報初耳だからだ

まさか誰よりも先に接触していたとは思わなかったのだ

 

「フリード・セルゼン。…この名前に聞き覚えは?」

 

その名はこちらも聞き覚えがあった

いつぞやのクソ野郎の名前だ

浩太朗としては、あんまり覚えていないのだが

 

「奴か」

「元ヴァチカン法王庁直属の祓魔師。十三歳でありながら悪魔や魔獣を滅殺していく功績は大きかったわ」

「しかし奴はやりすぎた。アイツに信仰心なんてものなんてものなかったからね。あったのは化物への敵意と殺意、そして異常なまでの戦闘執着。異端にかけられるのも時間の問題だった」

 

つまりフリードは昔からクズだった、ということか

 

「…やれやれなるほど。アイツは奪った聖剣を用いて同胞を手にかけていたのか。処理班が対応できなかったツケを私たちが払うことになるとは」

 

忌々しそうにゼノヴィアが呟く

彼女はその行動の傍ら、メモ用紙にペンで何やら連絡先のようなものを書いていく

 

「何かあったらそこに連絡をくれ」

「あ、あぁ。俺たちの方も―――」

「イッセーくんの連絡先は既におばさまから頂いてるわ」

「マジかよ! 母さん勝手なことを!」

 

そんな二人のやりとりにゼノヴィアは笑いながら席を立つ

どうやらこのファミレスを出るようだ、浩太郎は席を立って道を開けた

 

「ではそういうことで。それと…」

「あ、そうだ。名前言ってなかったな。梓馬浩太郎だ。ゼノヴィアさん」

「ありがとう。この食事の礼はいつか必ず ではまた」

「梓馬くん、ご飯ありがとう! それじゃあね、イッセーくん!」

 

ウインクをしてイリナはゼノヴィアの後をついて行った

二人を見送って残された一行は大きなため息を吐いた

最も、浩太郎は別の意味で、だが

しかしこの会話はもしかしたら悪魔と神側の戦争の火種にもなり得ない自体だ

なんとか穏便に済んで良かったと思う

 

「…どうしてこんなことを?」

 

木場が兵藤に向かって問いかけた

今となってはどうでもいいが、浩太郎もどうして兵藤がこんな大胆な行動に出たのか、それは気になっていた

そして木場からしてみればどうして自分の怨恨の事情に手助けしてくれるのか気になるのだろう

 

「まぁ、眷属だし、それ以前に仲間だしさ。お前には助けられたこともあったし、今度は逆に俺がお前の力になろうって」

「僕が下手に動けば部長に迷惑がかかるから。…それもあるんだね」

「もちろん。あのままだったら部長が悲しむ。…今回は俺が独断で動いてるから迷惑かけてるんだけど、お前がはぐれになるよりマシさ」

 

その言葉に難しい表情をする木場

どうやらまだ納得していないようだ

そんな時、小猫が口を開いた

 

「…私は、祐斗先輩がいなくなるのは、寂しいです」

 

僅かに寂しそうな表情を浮かべる

浩太郎は色々な彼女の表情を見ているからあまり驚きはしなかったが、彼以外の男子陣は驚いたような表情をしていた

 

「手伝います。だから、消えないで」

 

彼女の訴え

小猫の様子に困惑しながら木場は苦笑いする

 

「…参ったな、小猫ちゃんにそんなこと言われたら、無茶できないよ。…わかった、みんなの好意に甘えさせてもらうよ。真の敵もわかったしね。けど、やるからには必ずエクスカリバーを破壊する」

 

その笑顔には、ようやく見覚えのある顔になっていた

小猫もそれを見て安堵したのか、小さく微笑んだ

 

「よっし、俺たちエクスカリバー破壊団結成だ! 頑張ってフリードの野郎と、エクスカリバーをぶっ飛ばそうぜ!!」

 

すっかりテンションの上がった様子の兵藤

それに対して、一人テンションの低い男がいる

 

「…あの、俺も?」

 

匙元士郎だ

先程からの様子を見る限り、どうも彼だけは乗り気ではなかった気がする

まぁ、わからんでもないが

はっきり言って蚊帳の外だし

 

「その、結局何がどうなって、木場とそのエクスカリバーが関係あるんだ?」

「…兵藤、お前説明してないのか」

「無理言うなよ。おいそれと他人の過去言えないじゃんか」

「―――そりゃそうだ」

 

全面的にド正論である

木場は改めてコーヒーを口に含んだあと

 

「ちょっと、話そうか」

 

木場祐斗は自分のことを語り始めた

聖剣計画のことを

来る日も来る日も実験ばかりで、束縛され、人としての自由はなく、生を無視される毎日

ただ生きたい、という心だけはなくさなかった

神に愛されていると教え込まれ、ずっと、特別な存在になれる、聖剣を使える存在になれると信じていた

だが、過酷すぎる実験に耐えた結果が、〝処分〟という現実

 

「みんな、死んだ。誰も救ってくれなかった。聖剣不適応、それだけの理由でみんな殺された。聖職者はアーメンと言いながら僕たちに毒ガスを巻いたんだ。僕はなんとか逃げ出して、死ぬ寸前に、たまたま部長と会ったんだ」

 

それで、今ここにいる

 

「同士たちの無念を晴らしたい。彼らの死を無駄にしたくない。僕はみんなの分も生きて、エクスカリバーよりも強いと証明しなくてはならない」

 

彼の口から語られた壮絶に等しい過去

重すぎるその話に、一同は言葉を失っていた

しかしその中で一人だけ、違う行動をしているものが居た

 

「…う、うぅ!」

 

匙だ

号泣している

ここで匙の意外な一面を垣間見た気がした

っていうか、結構熱いのな、彼

 

「ちくしょう! この世には神も仏もあったもんじゃないぜ! ヒデェ話だ! 木場! お前の気持ちはよくわかる! 喜んで協力するぜ、やってやんよ! 会長のおしかりはあえて受けるぜ! 必ずエクスカリバーの撃破だ! 俺も頑張るから、お前も生きろ!」

 

最初乗り気ではなかった彼は先ほどとは比べ物にならないやる気に満ち溢れている

うん、先も思ったがやはり彼はいいやつだ

 

「いよし! いい機会だ、少し俺の話を聞いてくれ、共同するなら、俺のことも知ってくれないとな」

 

彼は少々気恥ずかしそうに、しかしそれでいてランランと瞳を輝かせて言葉を発した

 

「俺の目標…! それは、ソーナ会長とデキちゃった結婚―――デキ婚をすることだ!」

 

前言撤回

いや、いいやつなのは間違いないだろう

ただベクトルがうちの友人と同レベルなだけなんだ

 

「けどな、モテない奴にとってはデキ婚ってハードル高いんだぜ? でも、俺はいつか会長とデキ婚するんだ…」

 

その発言がなく生徒会職に真面目ならきっと持てると思う

彼もまた言動がいろいろぶっ壊してるパターンだ

そんな彼の告白を聞いて何を思ったのか、兵藤もぶわっと涙を流しだした

彼は匙の手を握り言った

 

「聞け匙! 俺の目標は部長のおっぱいを揉み―――吸うことだ!」

(なにいってんのこいつ」

「浩太郎さん、声出てます」

 

思わずにいられるか

自分の友人がいつのまにかなんか訳のわからない夢を掲げたのだ

戸惑うわ

 

しかし匙はなにかまた思うところがあったのか、ぶわっと涙を流し

 

「兵藤! お前わかってんのか! ご主人様のお乳に触れることがどれだけ大きい目標なのかを!」

「触れるんだよ匙! ご主人様のおっぱいに触れるんだ俺たちは! 実際、俺は部長のおっぱいをこの手で揉んだことがある!」

「な!? 可能なのか、そんなことがッ!!」

「嘘じゃないぜ匙。確かに、遠い。だが、追いつけない距離じゃない!」

 

などと供述しており

そのあともやけにヒートアップした二人は互いに互を励ましあい、「いつか主人と〝合体〟しようぜ!」みたいな会話を交わしていた

それにはさすがの木場と小猫も困っていた

おまけにその舞台がファミレスなので思いっきり他の客の視線を買った

しにたい

 

 

そんなわけでこの度、エクスカリバー破壊団を結成し、一先ず今日は解散となった

駅で兵藤、木場、匙と別れ、小猫と浩太郎は二人並んで帰路へとついていた

とりあえず、彼らが動きやすいようにどうにかして部長を誤魔化さないといけない

…即効でバレそうな気もするが

 

「ところで小猫。君の家ってこっちじゃ…」

「アーシア先輩とトランプをしようと思いまして。…いけないでしょうか」

「いや、全然。アーシアも喜ぶ」

 

ふと彼女の名前を出して唐突に思い出す

そうだ、彼女にはDVD借りてくるって言ったんだった

なんて誤魔化そう

…そこまで考えて、嘘ばっかり考えてるなぁ、と内心呟く

最もその嘘も大したことはないのだけれども

そして、ちらりと視線を後ろに見やった

先程から人影がするのだ、それもファミレスを出た直後から

そのことに小猫も気づいており、彼女は浩太郎に目配せで合図を送る

それに浩太郎は頷きつつ、曲がり角を曲がって、そのまま出方を待つことにした

 

意外にもそんな安い手に、相手はすんなり乗ってくれた

最も、相手も気づかれてると知った上での行動だろう

視界に入ったその女性はショートの女の子だ、歳は同い年か、少し年上、くらいか

少女は呟く

 

「…やっぱりバレてた?」

「当たり前だ。そんなわかりやすい尾行」

「何者ですか。…まさか、聖剣の関係者…?」

 

小猫が身構えながら呟くと女性は慌てたように手を降った

 

「違う違う、私もある意味、被害者って言っていい存在よ」

「…被害者?」

 

浩太郎の言葉に、目の前の女は頷いた

そして不意に、彼女は自分の後ろへと視線を移す

彼女が視線を移した先には、この世のものとは思えない…それこそ、よく浩太郎が特撮で見かけるような怪人がこちらに向かって歩いてきていた

デザインは…イヌと、ネコだろうか

数は二体、そう多くない

 

「な、なんですか、あれ」

「パルパー・ガリレイに改造された、聖剣計画の子達よ」

 

聖剣計画

彼女の口からその単語を聞き、二人は目を丸くした

 

「っていうか、子達って…!?」

「毒で殺す以外にも、人体実験の材料にされたのよ。何を思ったか知らないけど、あんな異形の姿にしてね」

 

どうやら聖剣以外にも妙な実験に手を出しているようだ

というか、はっきり言ってクズと言っても差し支えないかもしれない

浩太郎は、不可能とは思いながらも、その言葉を口にした

 

「…元に戻す方法は」

「ないわ。ああなったら、殺すしかないわね」

 

わかりきっていたその返答

その返答に、浩太郎はギリリ、と拳を握り締める

彼の隣にいる小猫も、戸惑った様子だ

そんな彼に、女性は一つ投げかけた

 

「ねぇ、あなた。片方任せていいかしら」

「なに?」

「もう片方は私がやる」

 

彼女はそう言ってゆっくりと歩き出す

ぼんやりと彼女の背を見ていた浩太郎は、くいと袖を引っ張られ、はっ、とする

引っ張ったのは小猫だ

 

「…浩太郎さん」

 

彼女の言いたいことは理解できる

それはつまり、彼らを殺す、ということに他ならない

だが、戻す方法がない以上、それ以外に手がないことも、また事実なのだ

浩太郎は真っ直ぐ見据え歩き出す

 

「…私も援護します」

「―――けど…いや…ありがとう」

 

言葉を飲み込み、浩太郎は感謝する

色々と言いたいことはあった

だが、今は彼女の優しさに甘えよう

やがて二人は先に相対していた女性の隣に立った

 

「そういえば、名前名乗ってなかったね。…私は、望月翔子。よろしく」

「梓馬浩太郎。こっちは」

「塔城小猫です。…よろしく」

「えぇ、詳しい話は、アイツ等を倒したあとに。…じゃあ、行くわ」

 

彼女は大きく息を吐き、言葉を発した

それは浩太郎自身も言葉にしている、あの言葉

 

「―――変身」

 

短く呟くと同時、望月の体が輝いた

浩太郎の輝きとも、神器(セイクリッドギア)の輝きとも違う、その光

その光が止んだ時、望月翔子という女性はいなかった

代わりにそこにいたのは、緑色の、赤い複眼を持つ戦士

それを見て、浩太郎と小猫は息を飲んだ

色こそ違えど、それは紛れもない〝仮面ライダー〟だったから

 

「ゼット、オー」

 

呟いたと同時、ゼットオーと名乗った緑色の戦士は駆け出した

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