そしてグダグダだぜ
申し訳ない
今までキリよく五本で章が終わってましたが今回は五本で終わりそうにないです
…ついに次回、不思議なことが起こる!?
どうでもいいですが、四号ってDVDになりますかね?
なってくれるといいですけど…
そういえば本日はスーパー高岩さんタイムでしたね
ニンニンジャーのカクレッドからドライブのコンボ
特撮はいいものだ
ではどうぞ
皆が寝静まり、すっかり暗くなった深夜帯
浩太郎は言いようのない殺気を感じ、目を覚ました
体を起こし、この気配はどこから来ているのだろうか、と浩太郎は窓からその気配の出処を探ってみる
場所を察するに兵藤の家の方向だろうか
嫌な予感を察した浩太郎は動きやすい学生服へと着替え自分の部屋から飛び出した
「浩太郎さん…!」
同じように不穏な気配を察したのか、部屋から出ると既にアーシアがそこにいた
「行こう、嫌な予感がする…」
浩太郎は彼女の手を引いて、外へ足を踏み出した
その後、手を引いていたアーシアを浩太郎はお姫様抱っこの要領で抱え上げる
抱き上げる際彼女はとても驚いたような声を上げ、頬を赤く染めてしまった
自分のような男に抱き抱えられるのは嫌だろうが、今回ばかりは我慢してもらうしかない
そのまま浩太郎は跳躍し、家の屋根から屋根へ飛び移って移動していく
やがて目的地の兵藤の家が見えてきた
そこには同じように外に出ている兵藤とリアス…そしてその視線の先には、いつぞやの神父の姿もあった
「兵藤! リアスさん!」
「浩太郎! アーシア!」
兵藤が浩太郎の来訪に気づき、言葉を発する
それを確認するかのように、わざわざ神父…フリード・セルゼンはこちらに視線をやった
「おやおや。いつかの人間じゃああーりませんか。大集合だねぇ」
いつもの調子でフリードがかかか、と笑う
先ほどの殺気はコイツからだろうか
いいや、確かにコイツからも殺気はするがそれだけだ
言いようのないプレッシャーはコイツからしない
そこでふと、何かに気がついたようにリアスが上空へと視線を移す
釣られて見やると、そこには月を背景に一人の堕天使が浮かんでいた
両翼合わせて十枚の翼を持つ、堕天使の姿が
「…ほぉ、貴様が今代のブラックサンか。思いの他、ガキだな」
「…」
堕天使の挑発とも取れる言葉に浩太郎は答えない
迂闊に答えてしまっては相手を調子づかせることになる
黙ったままの浩太郎に興味が失せたのか、堕天使はふん、と鼻で笑いながら改めてリアスへと視線を向ける
「始めましてだなグレモリー家の娘。その紅髪、忌々しい兄を思い出す」
いきなり敵意むき出しのこの発言
心なしかリアスも冷淡な表情を浮かべ、空中の堕天使を睨む
「ごきげんよう、堕天使幹部、コカビエル。この場で政治的やり取りに私との接触を望むなら、無駄と断言させてもらうわ」
コカビエル
そういえば山での修行の際に勉強したとき、そんな名前を聞いていた気がする
まさかこんなところで遭遇するとは思わなんだ
よくよく見ればコカビエルは手に何かを抱えている
目を凝らしてみてみると、それは人のようだ
「土産だ。受け取れ」
ヒュ、とこちらに向けて抱えていた人間を放り投げた
位置的に一番近い位置にいた兵藤が投げられた人物をうまいとこキャッチする
彼の中に飛び込んできたのは、イリナだった
血まみれで息も荒く、彼女の体はボロボロだ
「お、おい! イリナ!」
兵藤が声をかけても彼女は苦しそうに呻くだけだ
これはまずい状況だ
もしかしたら、木場とゼノヴィアも?
思い描く不安を拭い去り、浩太郎はとなりのアーシアに声をかける
「アーシア!」
「はい!」
兵藤のところへ駆け寄り、彼女を道に降ろしてもらう
即座にアーシアの
緑色の光に包まれた彼女は、ゆっくりと表情を緩和させ、息も整っていく
ふと、彼女を浩太郎は見やった
彼女が所持していた聖剣が見当たらない
もしかして、奪われた?
「…何が目的で私たちに接触してきたのかしら」
わずかながら怒りを込めたような目つきで、リアスがコカビエルに問いかけた
対してコカビエルはくく、と笑いながら喜々として告げる
「貴様の根城である駒王学園を中心に暴れるのさ。そうすればサーゼクスも出てくるだろう」
「そんなことしたら、また戦争が勃発するわよ?」
「それならば重畳。聖剣を盗めばミカエルが戦争でもふっかけてくるかと思いきや寄越したのが雑魚二匹。あまりにつまらん。だからサーゼクスの妹であるお前の根城で暴れるのだ。楽しめそうだとは思わんか」
コイツは、そんなくだらない理由でこちらに喧嘩を売ってきたのか
つまらない、というどうでもいい個人的な理由のみで
「戦争狂が…」
リアスが呟く
しかしコカビエルは笑い出し
「そうとも。俺は三つ巴の戦争が終わってから退屈で仕方がなかった。どいつもこいつも次の戦争に消極的でな。
コカビエルは兵藤と浩太郎、それぞれへと視線を動かす
かなりの重圧、プレッシャーだ
兵藤なんかガクガク震えている、しかしそれでも気丈にコカビエルを睨んだままなのは、褒めるべきか
「お前らは、俺たちの
「俺は興味ない。しかし、アゼザルは欲するかもな。アイツのコレクター趣味は異常だ」
そこでひとつ息を吐き、コカビエルは言葉を続ける
「いずれにせよ、俺はお前の根城で暴れるぞリアス・グレモリー。戦争をするためにな! サーゼクスとレヴィアタンの妹。それら二人が通う学び舎だ。さぞや混沌が楽しめるはずだろう。聖剣本来の力を解放するためにも絶好の場所だ、そうは思わんかね」
「あーはっはは! 最高でしょこの人。イカレ具合がマジ俺好みでさ、つい張り切っちゃうぜ。こんなものまでくれるしな」
そう言ってフリードが取り出したのは、エクスカリバー
両手に二本、腰に二本、おまけに背中にもう一本だ
「右が〝
あひゃひゃひゃ! とアホみたいな笑いをするフリード
…どうでもいいが、さすがに一度に五本所持するのは扱いにくいのではなかろうか
どこぞの筆頭のように片手に三本、片手に二本持つとかなら別だが
「パルパーの研究、ここまでくれば本物か。正直最初は怪しいものだっだたがな。時折、わけのわからない人形までも作り出しおって。…最も、今ではそれも有効に活用させてもらっているが」
「エクスカリバーをどうする気なの!」
呟くコカビエルにリアスが問うた
コカビエルは背中の翼を羽ばたかせ、学園の方向へと体を向ける
「カカ! 戦争をしよう、サーゼクスの妹よ!」
フリードが懐からいつぞやの目くらまし用いた球体を地面に向かって投げつけた
カッ、と眩い光が視界を奪い、視界が戻った頃にはもう二人ともいなかった
奴らが向かう先などわかりきっている
「イッセー、浩太郎、アーシア! 学校へ向かうわよ!」
今まさに、なんの変哲もないこの街で、命運を決める戦いが始まろうとしていた
◇
「学園全体を大きな結界で覆いました。これでよほどのことがない限り外に被害は出ません」
現状報告として、リアスに向けて匙が言葉を発した
駒王を前にした公園で、オカルト研究部と生徒会のメンバーが集まっていた
しかし、その中に木場の姿はなかった
怪我をしたイリナはソーナの住む家に転送させ、避難させており、最悪の事態もアーシアのおかげで回避することができた
匙の話によれば生徒会のメンバーを収集させて大掛かりな結界を張った、とのこと
相手は堕天使の幹部だ、何があってもおかしくない
「…正直言って、コカビエルが本気を出せば学園どころかこの地方都市が壊滅します。さらに言えば、もうその準備に入っているようなのです。先ほどのその様子を私の下僕が捉えました」
ソーナの言葉に、その場にいる全員が絶句する
それほどまでに大きい規模になっていたとは思わなかった
逆に言えば、それだけ強大な敵とも言える
―――迷惑な話だ
浩太郎としてはのんびりと毎日を過ごし、小猫と駄弁ったり、兵藤とバカやるだけで満足だというのに
「被害を少しでも抑えるため、私たちはそれぞれ配置について結界を維持します。学園が傷つくのは耐え難いですが、堪えなければならないでしょうね」
憎々しげに学園の方を見つめるソーナ
その視線は学園に陣取っているコカビエルに向けてのものだ
なるべくなら被害は出したくないが、それは難しいだろう
「ありがとうソーナ。後は我々で何とかするわ」
「相手はけた違いの化物よリアス。今からでも遅くない、あなたのお兄さまに―――」
「あなただってお姉さまを呼ばなかったじゃない」
「私のは…。貴女のお兄さまは、貴女を愛している。サーゼクス様なら動いてくれます。だから―――」
「既にサーゼクス様には打診しましたわ」
ソーナとリアスの会話を遮り、姫島朱乃が言葉を発する
その際に、怒った顔色でリアスが「朱乃!」と言葉を発したが朱乃は落ち着いた様子で
「リアス。貴女がご迷惑をかけたくないのはわかるわ。しかし幹部が来たのならば話は別よ。リアス個人で解決できるレベルじゃない。…魔王の力を借りましょう」
珍しくリアスに詰め寄る朱乃
普段の彼女らからしたら立場が変わっている
リアスも何か言いたそうだったがやがて納得したのか静かに首を縦に動かした
「ありがとうございます部長。ソーナ様、サーゼクス様の加勢が到着するのはおおよそ一時間後だそうです」
「一時間…。分かりました、その間私たちはシトリーの名にかけて結界を維持してみせます」
決意の表情を見せるソーナの言葉を聞き、リアスも腹を決めた様子でこちらへ振り向いた
「一時間、ね。…さて、私たちはオフェンス、前線よ。結界内の学園の飛び込み、コカビエルラの注意を引くわ。これはフェニックスの時とは違って、死戦になるわ! でも、死ぬことは許さない。生きて、帰って、そしてまたあの学園の扉をくぐりましょう!」
『はい(あぁ)!』
リアスの眷属たちが返事をし、それに浩太郎も乗っかる
「兵藤、梓馬、あとは頼むぜ」
「あぁ、任せろ!」
「そっちも気張れよ、匙」
「わかってるって。…で、木場は?」
その言葉に一瞬浩太郎と兵藤は言葉を失った
しかし直ぐに口を開く
「無事だと信じてる。なぁ、浩太郎」
「あぁ。絶対に無事だ」
「だな。俺も信じる」
浩太郎と兵藤、匙はそれぞれの拳を打ち付け互いの健闘を祈った
◇
「…このプレッシャー」
同様に望月翔子も一眠りしようとしていた矢先、言いようのないプレッシャーを感じ取り、飛び起きた
方角はどこだ、大まかな位置はなんとなくわかるが、未だこの土地に慣れていない
恐らく浩太郎や小猫たちもこれには気づいているだろう
なんとか、間に合えばいいのだが
駆け出そうとした瞬間、目の前を不意に誰かが横切った
それは青い髪に緑色のメッシュをいれた女性だった
「ちょっと、そこの人!」
「うん? なんだろうか?」
彼女は立ち止まってこちらに向かって振り向いてくる
少し彼女は急いでいるようで、どこか焦っているようだ
望月を見て、彼女はふと問いかけた
「君は、もしかして聖剣の関係者か?」
「似たようなものよ。…いきなりで悪いけど、この気配のところまで案内してくれないかしら」
そう望月が言うと彼女は迷ったように少し黙った
やがて彼女は頷いて
「色々と聞きたいところだが時間が惜しい。ついてきてくれ」
「ありがとう」
望月は彼女に感謝をし前を走る彼女の後ろをついていく
唐突に彼女が言った
「そういえば、名を名乗っていなかった。私はゼノヴィア、よろしく頼む」
「望月翔子。こちらこそ、よそしくね」
◇
特に奇襲などかける必要性もないので堂々と正門から入り込む
ちなみに入った瞬間兵藤はプロモーションをして女王へと昇格し、その力の底上げを行っている
悪魔歴の浅い彼ではまだまだ弱いだろうが、それでも十分な力だろう
そして校庭に視界を向けたとき、その異様な光景に言葉を失った
校庭の中央に五本の聖剣が浮かび、さらにそれを中心にして歪な魔法陣が校庭全体に書かれていた
魔法陣の真ん中にはガリレイがいる
「…おいそこのおっさん、何をしてる」
思った疑問を代表し、浩太郎がガリレイに問いかける
対するガリレイは面白可笑しそうに
「五本の聖剣を一つにするのだよ」
「一つに?」
「パルパー。後どれほどで統合する?」
浩太郎の問を遮り一人の声が聞こえてきた
その声は空中から聞こえてきており、空を見上げるとそこには案の定月光を背にしているコカビエルの姿があった
わざわざ空中に椅子を浮かし、それに座っている
面倒くさい真似をするものだ
「五分もかからんよ」
「そうか。頼むぞ」
コカビエルはリアスへと視線を移し
「誰が来る。サーゼクスか。それともレヴィアタンか」
「お二人の代わりに私たちが―――」
その言葉を無視し、コカビエルがヒュン、と何かを投げた
爆音があたりに響き爆風が広がっていく
少しして爆風が止んだあと、その爆心地へと目を見やる
…たしかそこには体育館があったはずだ
消し飛ばしたのだろうか?
「…まぁ、余興にはなるか」
体育館のあった場所にあるのは大きな光の柱
それが斜めに突き刺さっている
形状から察するに、あれは堕天使お得意の光の槍だ
さすがにあれは戦慄する
レイナーレなんかと比べると段違いの威力だ
正しく次元が違う、というやつだ
ちらり、と浩太郎は横に居る兵藤を見やる
彼の禁手…
最悪、それを使わないで勝てるのならいいのだが
「では、地獄から連れてきた俺のペットと遊んでもらうとするか」
そう呟くとコカビエルが指を鳴らす
すると闇の奥からズシンと何かが地面を揺らしながら近づいてくる
その姿ははっきり言って獣といっていいだろう
黒い巨体に四つの足に、そして鋭い爪
更には血のように紅い真紅の双眸、口からはまた鋭い牙が並んでおりそこからは白い息が吐き出されている
そうだ、なんか見たことあると思ったらあれだ
「―――ケルベロス…!」
地獄の番犬の異名を持つ、魔物
「ギャォォォオオオォォッ!!」
咆哮、三つの首が同時に吠える
「まさか、冥界の番犬を人間界に持ち込むなんて!」
「や、ヤバイんすか!?」
「やるしかないわ、行くわよみんな!!」
リアスが気合をいれる
それに呼応して彼女の眷属も構え、兵藤も篭手を構える
浩太郎もその場で拳を握り、変身の構えを取った
「変身!」
自身の体が光り輝きその身を仮面ライダーBLACKへと変身させる
体の節々から余剰エネルギーが蒸気となって吹き出していきながら、BLACKは目の前のケルベロスに向かって身構えた
身構える中、後ろでリアスと兵藤の会話が聞こえてきた
「イッセー、あなたには今回サポートに徹してもらうわ。高めた力を譲渡してもらうの。貴方の
「了解っス!」
そう考えると兵藤はオフェンスもバックアップもこなせる器用な立ち位置にいる
確かに魔力を向上させればコカビエルも打倒しうるかもしれない
そこまで思考して、BLACKはふと一つの疑問が浮かんだ
「兵藤、自身の強化も含めて、譲渡は何回が限度だ」
「そうだな、今の俺の体力も含めて限界まで貯めて三、四回…いや、四回目で俺が倒れちまうから、実質三回だ!」
「使いどころが肝心、というわけね」
リアスがケルベロスを睨む
もう少し小分けすれば使用回数も増えるかもしれないが、そんなことをして勝てる相手ではない
「朱乃!」
リアスが背から翼を広げ朱乃と一緒に宙を飛ぶ
「小猫!」
「わかりました」
同様にBLACKも地面をかけた
その背に追従するように小猫も地面を走る
相手であるケルベロスは威嚇を向けて、こちらに飛びかかってきた
首のひとつから吐き出される煉獄の炎
「甘いですわ!」
しかし朱乃が割って入りその炎を凍らせる
さすが女王、といったところか
「喰らいなさいっ!」
朱乃の背後から飛び出したリアスの魔力の一撃
しかしケルベロスの首は一つではない
他の首が放った火球がリアスの魔力の塊とぶつかり合う
そしてさらにもうひとつの首が火球を吐き出し、それを援護する
さすがにあと一発もらったらリアスの一撃も消えてしまうだろう
しかし、そちらにも首が三本あるのと同じようにこちらにも仲間が居ることを忘れていたのだろう
「隙あり」
飛び込んできた小猫の拳打がケルベロスの頭部にぶち当たる
結構な音だ、その一撃に悶絶しているケルベロスに対し―――
「―――ライダーァァァ!!」
いつの間にか空中に跳躍していたBLACKが力を込めた手刀をその首に叩き込む
それこそ、両断する勢いで
「ダブルチョォップ!!」
着地と同時にチョップを叩き込み、そこからさらに別の首にもう一回チョップを放つ
力の込められたその手刀はケルベロスの首を二つほど切り裂いた
そこに更にダメ押しの追撃
「もう一撃、あげますわ!」
閃光のあと、稲妻がケルベロスを直撃する
そして止めのリアスの一撃が決まる
しかしなかなかにこのケルベロス、タフでありまだ動けるようだ
◇
その光景を見て、兵藤一誠は若干ながらの悔しさを感じた
リアスに補佐を命じられ、今現在力のパワーアップに勤しんでいいる
彼の隣では戦闘能力のないアーシアがおり、彼女もまた、皆の勝利を祈っていた
彼の心の中に思うのは、ひとつの欲求
―――もっと、強くなりたい
必ず生き残る
もっと修行し力をつけて、リアスが言っていた最強の〝兵士〟に近づいてみせる
そしていつしか、浩太郎の隣に並べるようになりたい
―――グルルル、という低い唸り声が聞こえた
少し青ざめて兵藤はその唸り声のする方に振り返った
「な、もう一匹!?」
背後から近づいて来るのはもう一匹のケルベロス
まさか二匹持ってきていたとはさすがに想像できなかった
どうする、逃げるか?
攻撃をしたり、貰ったりしなければ倍増はリセットされないはずだ
「イッセー、構わず一度自分の力を高めなさい!」
兵藤に許可を出すリアス
現状を考えるとそれが最善だ、しかしアーシアを守るためなら仕方がないと判断したその時だ
ズバン、とこちらに向かってきていたケルベロスの首がひとつ、宙に舞い、そしてその首がケルベロスの方へ向かって飛んでいき胴体に命中する
「!? 木場か…!?」
しかしその予想とは裏腹に、目の前の現れたのはエクスカリバーを振るう女性、ゼノヴィアといつか出会った女性―――望月翔子だった
「加勢に来たぞ」
「結構ヤバイ雰囲気だね。…気合入れなきゃ」
その言葉のあとゼノヴィアは駆け出し、望月は右手を胸の前に持っていき精神を集中させる
そして望月はつぶやいた
「変身」
彼女の体が輝き出し、光が収まったとき、その姿は初めにあったときのような緑色の姿に変身していた
緑色の彼女―――ゼットオーはゼノヴィアの前を飛び、ケルベロスの吹き出してきた炎をくぐり抜け、その胴体に一撃を叩き込んだ
その隙を見逃さず、ゼノヴィアはケルベロスの胴体に斬りかかった
破壊力抜群の一撃を受け、胴体が割れ、体が消失していく
「聖剣の効果ってやつ? なかなかじゃない」
「―――魔物に無類のダメージを与える…」
倒れ込みながらも足掻こうとするケルベロスに、ゼットオーは追い討ちと言わんばかりに蹴りつけて、そこに更にゼノヴィアがその胸元に剣を深く突き刺した
瞬間、ケルベロスの体が塵と化し、霧散していく
その瞬間、兵藤の篭手の宝玉が点滅し始めた
なんだろうか、これは
疑問に思っている兵藤に、ドライグがその問に応えた
<リアス・グレモリーか、姫島朱乃、もしくは今代のブラックサンに力を譲渡すればケルベロスを倒せる段階になったと教えてくれたのさ>
「マジか。いつの間にそんな便利機能を」
<お前も
「なるほど。とにかく今は報告だ、部長! 朱乃さん! 浩太郎!」
兵藤は戦っている彼らに向けて叫んだ
◇
「ケルベロスを屠れるだけの力を得ました!」
その言葉に、リアスと朱乃が顔を見合わせた
リアスは一度こちらに向けて顔を向けたが、BLACKはケルベロスを殴り飛ばし
「行ってください、コイツは俺と小猫が足止めします」
「…お願い! 朱乃!」
リアスはケルベロスの足止めをBLACKと小猫に任せ、一度兵藤のところへと降りていった
このケルベロス、一度ライダーチョップで首を二つ切り落としたからか、かなり警戒心が強くなっており、なかなか懐に入らせてくれない
近づけば爪で切り裂き、遠距離ならば吐く火球
小猫と連携で攻めてはいるが、かなりガードが固くなっている
「二人とも!!」
その時リアスの声が聞こえてきた
譲渡が終わったのだろう、リアスと朱乃の二人からは凄まじい魔力量が漂っていた
その言葉だけで察した小猫とBLACKは左右へと避難する
同様にそれを察したのか、ケルベロスがその場から逃げようとするが、がどこからか現れた無数の剣がその足を貫いて行動を阻害する
「―――逃がさないよ」
現れたのは木場祐斗、リアスたちオカルト研究部の〝騎士〟だった
そのタイミングで駆けつけてくれたのは正しくグッドだった
魔剣で動きを封じられたケルベロスに、朱乃の雷が振り下ろされる
その一撃は、校庭の半分以上を焼き尽くすものだった
「―――!!」
叫ぶ暇もなく、ケルベロスはその体を消滅させた
そしてそれを確認した直後、すかさずリアスがコカビエルに向かって手をかざす
「喰らいなさい! コカビエルッ!!」
彼女の手から普段とは比べ物にならない程の大きな魔力の一撃が飛んでいく
普段彼女が放つものとは十倍以上の大きさがあるのではないか
凄まじい速さで、それは飛んでいく―――が、コカビエルは片方の手を前に出しただけ
片手だけで、その一撃を防いでみせた
「―――ふん!」
その掛け声とともに、コカビエルは一番近くにいる人物にその塊を跳ね返した
一番近くにいたのは―――小猫だ
「―――あ」
唐突すぎて、小猫は反応できなかった
「小猫!」
思わずリアスが叫んでいた、がリアスのいる位置では間に合わない
BLACKは考える前に先に体が行動していた
なんとかその身を彼女の前に走らせ、跳ね返されたその一撃を受け止める
もらう直前に、なんとか両腕で防御体勢が取れたのが唯一の救いか
「グ、あぁぁぁ!!」
叫ぶと同時、さらに両腕に力を込めて振り払いその塊を打ち消した
しかしこちらにもかなりの負担がかかってしまったようだ
「こ、浩太郎さん…!」
「…怪我ないか、小猫」
「け、けど浩太郎さんが―――」
「気にするな、―――かすり傷だよ」
強がりなのは誰が目に見ても明らかだ
ひとまず小猫をリアス等のもとへ送り、BLACKは思案する
アーシアにこちらに来てもらい治療してもらう?
いいや、それでは彼女に危険が迫るし、かと言ってBLACKが戻っては小猫やリアスらが危険にさらされる
いろいろ考えるとこのまま戦う、という選択をBLACKはとった
「カカ。―――なるほど、これはひどく面白い」
それを見ながらコカビエルは哄笑を上げる
そんな時、後ろからガリレイの声が聞こえてきた
「…完成だ」
その時校庭の真ん中にあった五本の聖剣がとてつもないほどに輝きを帯びていた
それを見ながらパチパチと拍手を送るコカビエル
なにが起ころうとしているのか
「エクスカリバーがひとつになる…」
神々しい輝きが校庭全体に広がっていく
元々はひとつの剣、そのうちの五本が今、一本の剣になろうとしている
その輝きが消えたとき、校庭の中央にあった五つの聖剣は一本の聖剣となっていた
「同時に下の術式も完成した。あと三十分もしないうちにこの街は崩壊する。止めるにはコカビエルを倒す以外ない」
にたり、と気味悪い笑みを浮かびながらガリレイが告げる
それが衝撃的なことだと理解することに時間はかからなかった
あと三十分でこの街が崩壊すると言ってのけた
これではもうサーゼクスを待っている暇なんてない
着いた頃には何もかもおしまいだ
「フリード」
「ふぁーい」
コカビエルが名前を呼び、それにフリードが反応する
闇の向こうからニヤニヤと笑みを作ったフリードが歩いてきていた
「陣の聖剣を使え。最後の余興だ、その剣で戦って見せろ」
「ういーす。ったく、うちのボスは人使い荒くて困るよなァほんと。だけどもだっけっど! エクスカリバーを使えるのはちょーうれピー!! そいじゃあ、レッツロックと洒落込むかぁ!!」
既に因子はもらったのか、その剣をフリードは握り締める
そしてフリードが一番最初に剣先を突きつけて、こちらに向けて飛びかかってきた
「とりあえず最初はテメェだクソ人間!!」
因子を貰ったことかはわからないが、いきなりターゲットをBLACKに定めたようだ
幸いにも悪魔でないBLACKは己の両手に力を込めてなんとかその剣の一撃を防ぐことに集中する
しかし、わずかに食い込んでいるのがはっきりとわかる
さすがに、聖剣が相手となるとキツイか
「浩太郎くん!」
ゼットオーがこちらに声をかけ、援護しようと駆け出した
しかし不意に彼女の体が横に吹っ飛んだ
宵闇に紛れていた人影のようなものが、彼女の体に体当たりをかましたからだ
「あれは…!」
その姿はサイに酷似していた
名付けるのならサイ怪人といったところか
図体はケルベロスを少し小さくした感じではあるが、それでも人間よりは大きいだろう
ゼットオーの隣に陣取りながら、ゼノヴィアはふと木場に話しかける
「…共同戦線が生きているなら、ともにあの聖剣を破壊しよう」
「いいのかい?」
「あぁ。協会側としてはかけらを回収さえできればいい。あれはもう聖剣ではない、異形の剣だ」
「…わかった。けどその前に、コイツを! あなたもいいですか」
「…えぇ、了解よ」
ふと、その声色に懐かしさを覚える木場だったが、頭を振り払いその思考を中断する
その先では、聖剣を持ったフリードとBLACKが戦っているのだ
急いで加勢しなければならない
一方で聖剣を持つフリードと攻防を繰り広げるBLACK
しかしいつぞやと違い、動きにキレが増しており、一瞬の油断が命取りとなってしまう
斬られたら、終わりだ
「おらおら! いつぞやの勢いはどぉしましたかな人間よぉ!!」
「クソが…! 舐めんな!」
なんとか剣撃を捌きつつ、横一線に蹴りを繰り出す
しかしフリードは後ろに飛んで距離を取ることでそれを回避する
BLACKは内心で舌を打ちつつ、反撃の機会を伺うことにする
一歩遅れてフリードも同じように上半身を叩き斬るように真横にエクスカリバーを降ってきた
なんとかその攻撃を身をかがめて回避する
だがその時、わずかにフリードの口元が歪な笑みを浮かべたことに、BLACKは気付かなかった
「おぉらぁ!!」
不意に繰り出されるフリードの蹴り
反応が遅れ、その蹴りをまともにもらってしまった
なんとかその場で踏ん張り反撃しようと試みるが―――不意にふわりと自分の体が浮かんだ感覚がした
背後を見ると、そこには何か、ワームホールのようなものが現れている
「なっ!?」
「
あひゃひゃひゃ、と下劣な笑みを浮かべる
さすがに空中に居る状態では己の姿勢を制御するすべなどなく、届きもしない虚空に手を伸ばす
周囲の声を耳にしながら、BLACKの意識は途絶えていった