今回も短め
出来も相変わらず
申し訳ないね
誤字脱字等見かけましたら報告ください
ではどうぞ
滞りなく駒王学園についた浩太郎は一度小猫やアーシア、ゼノヴィアと別れ、更衣室へと直行した
既に木場や兵藤らも着ており、彼らが来てるならリアスや朱乃も来ているだろう
さっくり着替えて一行はプールへと足を運んだ
◇
「ほら。イッセー、私の水着どうかしら?」
布面積の少ないアダルティな赤い水着を着込んだリアスが兵藤の前に立つ
それを見た兵藤はごはっ、と鼻血を吹き出した
確かにリアスは美しいが、もう少し羞恥心を持っていただけると接しやすいのだけど
そんなことを考えていると彼女の後ろから朱乃が歩いてきた
「あらあら。張り切ってますわね部長。よっぽどイッセーくんに見せたかったのね。ところで、私のはどうかしら」
あんたもかい、と浩太郎は心の中で突っ込んだ
リアスと同じように水着ではあるが、赤いリアスとは対照的に白い水着を着込んでいた
お願いだから羞恥心を持ってください、と思わざるを得ない
「こ、浩太郎さん。わ、私たちも、どうでしょう?」
ふと自分を呼ぶ声が聞こえてきた
その声の方へ振り向くとアーシアと小猫の二人が立っていた
二人は学校指定のスクール水着を着込んでいた
というかまだスクール水着ってあるんだ、浩太郎は内心思っていた
金髪碧眼の彼女にスク水、とは結構似合っている
小猫もまた、小さい身体に相まって、絶妙にマッチしており、大変似合ってる
そしてどちらも胸のゼッケンに平仮名で名前が書かれてある所もポイント高い(あーしあとかこねことか)
…どうでもいいがなんでこういったゼッケンに書く名前は平仮名なんだろうか
「二人共似合ってるよ。うん、その、なんだ、可愛い、ね」
「―――! あ、ありがとうございます! 浩太郎さんにそう言ってもらえるととても嬉しいです!」
「…」
アーシアは笑顔で浩太郎の言葉に素直に喜び、小猫も言葉にはしていないが、わずかに頬を染めている
もし小猫に尻尾とかあったら左右に動いてそうだ
「あ、そうだ浩太郎―――」
「ぶ、部長、大丈夫です。自分で、頼みますから」
「あら、そう?」
リアスが何かを浩太郎に言おうとしたとき、小猫が遮るように言葉を挟んできた
若干ながらもじもじしているように見える小猫、よく見るとアーシアもなぜか下を見ている
なんだろうか
「そ、その、浩太郎さん。…泳ぎを、教えてくれませんか?」
◇
「おっけー、そのままそのままー」
浩太郎は小猫の手をとり、彼女に泳ぎをレクチャーしていた
とは言ってもまずは水に慣れるところからだと思ったので、手始めにバタ足練習を教えていた
ぷはー、と時折息継ぎをしながら泳いでいる彼女は可愛らしい
「ふぁいとです、小猫ちゃん!」
その横でアーシアが小猫を応援している
ちなみに、アーシアも泳げないらしく、同じように教える予定である
とは言っても浩太郎自身、そこまで泳ぎが得意というわけでなくあくまでそこそこレベルである
それでも頼られたのだから、出来うる限り協力してあげたいというのが、浩太郎の本心だ
「…浩太郎さん、付き合わせてしまってごめんなさい」
「気にするな。迷惑はかけるもんだろう?」
しかし個人的にびっくりしたのは、アーシアはともかくとして、小猫が泳げない、ということだ
勝手なイメージだが浩太郎の脳内ではすいすいとクロールで泳ぐ彼女の姿が容易に想像できる
だがその実まさかカナヅチだったとは思わなんだ
「はい、二十五メートル」
バタ足で泳ぎ切った小猫は勢い余り、浩太郎にぶつかってきてしまった
傍から見れば、それは浩太郎が小猫を抱きしめているようにも見える形だ
「…ありがとう、ございます」
彼女は表情を俯かせ、頬を染めながらそう呟いた
浩太郎はそれを聞いて微笑みながら彼女の頭を撫でながら反対方向へと移動する
「さ、帰りも二十五メートル、ゆっくりでいいから、頑張ろう」
「―――はい」
その後帰りも小猫はバタ足で二十五メートル泳ぎきり、その後アーシアへとバトンタッチした
◇
「うぅ、疲れましたぁ」
プールサイドに敷かれたビニールシートの上でアーシアがダウンしていた
浩太郎が指導してくれる、ということで張り切ったのか、コースを何周もしていた
水上での活動とは結構体力を使うものだ、運動が不得手なアーシアでは少し辛いものがあるだろう
小猫もまた日陰の方で読書をしている
浩太郎はプールに足をつけながら一息ついていた
しかしいい天気だ、と浩太郎は照らしている太陽を見ながら思った
RXになってからものすごく太陽の光が心地いい
光合成できるんじゃないだろうか、と思うぐらいだ
なんとなく色々と視線を傾けてみる
リアスは兵藤と何やら話し込んでいる…てに小瓶か何かを持っている所を見るとオイルでも塗るのだろうか
というかもう塗っていた
すでにリアルはうつ伏せになりそこで背中を兵藤に晒し、それを兵藤は案の定な顔をしながら彼女の背中にオイル的なのを塗りたくっている
あれ、悪魔って日焼けとかするのだろうか
木場は延々とプールを泳いでいる
しかしなんであいつはブーメランパンツなんてわけのわからないチョイスなのか
たまに彼がわからなくなる
そう言えばゼノヴィアの姿が見えない
一体どこにいるのだろうか
ふと耳を傾けると、なにやらリアスと朱乃が変な言い争いをしていた
兵藤のことだろうか
ここでは詳細な内容は不明だがきっとそうだろう
朱乃が兵藤の背中に抱きつき、おまけに耳に息まで吹きかけている
本当にあの人はエスだな、浩太郎は兵藤に同情する
いつしかその言い争いはなんか知らんが魔力の撃ち合いに発展してしまっていた
せっかく頑張ってプールを綺麗にしたのにやめてほしいものである
いつの間にか小猫もアーシアと一緒に安全圏に避難していた
このままではこっちも怪我をしてしまいそうだと思った浩太郎はついでにゼノヴィアを探しに適当にぶらつくことにした
◇
とりあえず掃除をするかも知れないと思い、浩太郎は用具室にやってきた
用具室に入ると、命からがら逃げてきた兵藤がそこにいた
彼に度胸でもあればあのふたりの口喧嘩を止められたかもしれないが、残念だが彼にそんな度胸などない
「逃げてきたのか、兵藤」
「あ、あぁ。っていうか、浩太郎なんでここに…」
「明らかに外で暴れてるだろ、リアスさんと朱乃さんが。もっとも、掃除なんて必要ないかもしれないけど」
そもそもプールが残るだろうか
「お前ももう少し、甲斐性を持たないとな」
「くそぅ、ハーレム王への道は遠いぜ…」
ため息を吐く兵藤に向かって、浩太郎は苦笑いをする
ふと、奥に人の気配を感じた
それはいないと思っていたゼノヴィアだ
「むむ。兵藤一誠と梓馬くん。どうしたんだ? っていうか、外が騒がしいけれど?」
「絶賛取り込み中だ。で、お前は何してんだよ」
「いや、初めての水着だから、着るのに時間がかかってね。どうかな?」
なんで用具室で着替えてるんだお前、というツッコミを抑えつつ、改めて彼女の水着姿を見てみる
朱乃やリアスほどでないが(というかあの二人がオカシイ)ビキニの水着を着ている
こう見ると結構彼女もいいプロポーションをしている
その問に兵藤が答えた
「あ、ああ。似合ってるぜ。なぁ、浩太郎」
「そうだな。ゼノヴィアは水着初めてなのか? 教会の規則か何かが引っかかってたのか?」
「まぁそんなところだ。私も身の上が変わった以上、少しでも女性らしい娯楽を得たいと思うんだ、と最近思っている」
さいですか、と浩太郎は頷いた
不意に、ゼノヴィアはかしこまったような表情をした
次第に彼女が意を決したような表情を見せ
「兵藤一誠。梓馬浩太郎。二人に折り入って話がある」
「イッセーでいいよ」
「俺も名前でいい。俺たちもゼノヴィアと呼ぶ」
「そうか。ではイッセー、浩太郎。改めて言うが、私と子作りをしないか」
「…は?」
フリーズした
何を口走ったのかこの子は
沈黙を聞こえていないと判断したゼノヴィアはもう一回言ってきた
「二人共、私と子供を作ろう」
「…ごめん、もう一回言って」
浩太郎の言葉に、もう一度ゼノヴィアは言ってきた
「私と子供を作ろう」
「は、はぁ!?」
大声を出したのは兵藤だ
浩太郎もまたわけのわからないといった様子で頭を抱えている
声を張り上げる兵藤の口元をゼノヴィアが抑え、静かに、というジェスチャーをした
「大声を出してはいけない。気づかれる」
むしろ気付いて欲しいのですが
「つうか、なんでいきなり子作りなんだ。理由を話せ理由を」
「あぁ。順を追って話そう。…私はキリスト教会の本部であるローマで生まれ育った。聖剣を使える因子を持っていた私は、幼少の頃から宗教のため、修行と勉学に励んでいた」
ゼノヴィアはそこで一度区切り
「子供の頃から、夢や目標といったものが私にはなく、あっても神や宗教に絡んだものだった。悪魔になった今、私には夢も目標も失ったということになるんだ」
「それはわかる。だからって何で新しく掲げた目標が子供なんだ」
話が見えない
兵藤も、浩太郎の意見に賛同したのか全力で頷いている
っていうかこの子の頭の中どうなってるんだろうか
「神に仕えているときは、女の喜びを捨てることにしていた。しかし、今はこのとおり悪魔だ。なにしていいかわからない私は、主であるリアス部長に聞いてみた。そしたら、〝悪魔は欲に生き、欲を叶え、欲を望む者。自由に生きてみなさい〟と言われたんだ」
そう考えると悪魔とは欲望の権化だな、と内心思う
「故に、私は封印していた欲望を解き放ち、それを堪能することにした。それが今の私の新たなる目標―――それが子供を産むことなんだ」
「お、女のできることがしたいってことか? 宗教上貞操意識とか強かったのでできなかったから?」
兵藤の言葉にゼノヴィアが頷いた
「あぁ、子供を産んでみたいんだ。それに男を知る必要があるけど、ちょうどいいだろう、子作りと同時に、男を知れる」
「話は大体わかった。…なんで俺と兵藤なんだ。っつうか俺は別にいいだろう」
「二人でいいんだ。私は子供を作る以上、強い子になって欲しいと願っている。父親の遺伝子、特殊な力、あるいは純粋な強さを望む。そう考えて、私は浩太郎とイッセーのふたりが適任だと考えた。
そう言って何のためらいもなく、ゼノヴィアは上半身の水着を手に取り、それを脱ぎ捨てた
兵藤はその胸に視線がいき、浩太郎ははぁ、と息を漏らす
なんで浩太郎の付近にいる巨乳たちはこうも羞恥心がないのだろうか
脱ぎ捨てた上半身の水着を手に取り、浩太郎はそれをゼノヴィアに投げつける
「…女がそう簡単に自分の身体を曝け出すな」
「誰でもというわけではないぞ。イッセーと浩太郎だから、こうしているんだ」
「信頼してくれるのは嬉しいけど、少なくとも今は遠慮しておく。そういうのは心から好きな人間に言うもんだ」
ゼノヴィアにそう言うと思いっきり首を傾げられた
浩太郎は兵藤の背中を軽くたたき扉へ視線を向けさせる
「…今はまだわかんなくていいよ。自由に生きてみなさいって言われたんなら、自由に生きるといい。その中で迷って、悩んで、いろいろと体験しろ。あんまり偉く言える立場じゃないけど、お前には時間がたっぷりあるんだ。だから、軽はずみで子供なんか作っちゃ、後悔しかしないぞ」
ゼノヴィアは浩太郎の言葉を聞いて押し黙る
先のことを考えていなかったのだろうか、あるいは子ができても一人で何とかするつもりだったのだろうか
どちらにしても待っているのは辛い現実だけだ
「ま、もし俺か兵藤がお前を好きになったら、話は別だけど」
「こ、浩太郎!?」
「―――ふ、わかった。時間を掛けてでも私に好意を持たせてみせよう。障害は多ければ多いほど、燃えるというものだ」
なんか間違ってる気がする
しかしそれで一旦思い直してくれたなら今回はよしとしよう
◇
ぶっ飛んだ一日が過ぎた
浩太郎は兵藤、アーシアと共に校庭を歩いていた
ひとまず今日の活動は終了、本日は解散となったからだ
他愛ない話をしていると、ふと一人誰かが視界に入ってきた
校門のところに一人、銀色の髪をした青年
グレイフィアも銀髪だが、彼のは少しダークといった印象を受ける
「やぁ、いい学校だね」
不意にこちらの視線に気がついたのか、銀髪の青年が挨拶をしてきた
透き通った蒼い目だ
一瞬何を答えるか判断に迷ったが、少し先に兵藤が答えた
「と、ま、まぁね」
彼の作った笑顔は少々無理に作ったものであったが、だからといって適当に答えて母校のイメージを崩すわけにもいかない
青年は答える
「俺はヴァーリ。―――〝
さいですか、とは流せない言葉を聞いた
「会うのは二度目だね。赤龍帝。そして、ブラックサン」
そう言って不敵な笑みを浮かべるヴァーリと名乗った男
案外再会は早かった
もしかしてこんなところで例の宿命の対決でもする気だろうか
今のところ目の前の男からは殺気やプレッシャーを感じない
「…何しに来たの?」
純粋な疑問を浩太郎はぶつけた
対するヴァーリは不敵な笑みを浮かべて
「そうだね。例えば、ここで俺が彼に魔術的なものをかけて―――」
ヴァーリの言葉はかき消される
彼の首元に突きつけられた、二本の剣によって
それは木場とゼノヴィアだ
「やめておいたほうがいい。震えているじゃないか」
ヴァーリの指摘のとおりだった
突きつけていた彼と彼女の手はわずかに震えている
「誇っていいよ。相手との力量差が分かるのは強い証拠だ。―――この中で俺の相手になりそうなのは、コカビエルを葬った、そこのブラックサンだけだよ」
わざわざ直々に浩太郎を名指しで指名してきた
ヴァーリは小さく笑みを作りながら不意に兵藤に対して問いかけてきた
「君は、世界で何番目に強いと思う?」
「…は?」
唐突に聞いてきた、自分自身の強さは何番目か、という問い
…なんなんだろう、彼は何がしたいのかよくわからない
強さに基準なんて付ける必要あるのだろうか
「この世界は強者が多い。サーゼクス・ルシファーでさえ、トップテンには入らない」
そしてヴァーリは指を立てながら、続けた
「しかし一位は決まってる。不動の、ね」
「…まさか、自分が一番だと言いたいのかよ」
兵藤の問いに肩をすくめるヴァーリ
「俺じゃない。ただいずれわかる。赤龍帝は貴重だ、だから、大切に育てたほうがいい。リアス・グレモリー」
ヴァーリが視線を向ける
視線を追うとそこにリアスがそこに立っていた
明らかに不機嫌である
そのそばにはアーシアや小猫、朱乃もおり、小猫と朱乃は身構えていた
「なんのつもりかしら。白龍皇。必要以上の接触は―――」
「二天龍に関わったものは、過去ろくな生き方をしていない。貴女はどうなんだろうな」
ヴァーリの言葉にリアスが口を閉ざす
「別に今日は戦いに来たわけじゃない。ちょっとこの学び舎を見てみたかっただけさ。ただの退屈しのぎさ。俺もやることがあるんでね」
ヴァーリはそれだけ言って踵を返してどこかに歩いて行ってしまった
木場もゼノヴィアも剣をしまうが、緊張の顔は崩していない
心配して近くに歩いてきた小猫とアーシアの頭を撫でつつ、浩太郎は内心穏やかじゃなかった
◇
そしてその日、もう一つ
ひとまず自宅へと帰ろうアーシアと一緒に歩いてきたとき、それらは視界に入ってきた
スーツを着込んだ男性と、落ち着いた雰囲気の男性の二人組
彼らは奥からこちらに向かって歩いてきていた
そして―――一瞬背筋がぞくりとした感覚に襲われる
「…こうして対面するのは始めてだな。我が宿敵よ」
「宿敵? あんたとは初めて会うんだけど?」
アーシアを自分の背中にやり、彼女を守るようにその身を前に出す
それを見た男は小さく笑いながら
「安心しろ。戦いに来たわけではない。いい加減、挨拶の一つでもしておいた方がいいと思ったまでのことだ」
「…挨拶?」
「うむ。改めて名乗ろう。…我が名は、シャドームーン」
言いながら男は、その身を白銀の鎧を纏わせる
緑色の複眼が、こちらを見据え離さない
「そして私は―――」
彼の横に居た男性もその場でくるりと身を翻した
するとその男は姿を変えており、鎧を纏った姿になった
彼は軽くその場で一例をし
「剣聖ビルゲニア。以降、お見知りおきを」
柔和な笑みを浮かべるビルゲニアとは対処的に、シャドームーンと名乗った男の表情は仮面で伺うことはできない
しかし先に戦う気はない、といった言葉に偽りはないようで、彼らからは殺気が感じられなかった
ビルゲニアはおほん、と調子を整えながら、その身をさっきのスーツ姿に戻し、シャドームーンもその変身を解除した
「気をつけろ、ブラックサン」
「…何をだ」
「例の会談だ。〝面倒なやつら〟が邪魔しに来るかもしれんぞ?」
それだけを言い残して、ビルゲニアと共にその場を後にした
震えるアーシアの頭を撫でながらも、浩太郎はさっきシャドームーンから聞かされた言葉が頭を離れなかった
(〝面倒なやつら〟…?)
ただその単語だけが、浩太郎の頭の中を目まぐるしく、ぐるぐると回り続けていた