その身に宿すはキングストーン   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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今回は短め

なんかいろいろ全体的に微妙な出来ですがいつものことだとスルーしていただけると嬉しいです
サブタイにもありますが今回はあいつが出ますよ
戦うのは次回になりそうですが
ゲームに出ない浩太郎にとってはここが見せ場なのでいろいろ無理やりですが広い目で見ていただけると(以下略

次回か次々回でこの章は終わる予定



32

一階に降りると、当然というかなんというか、小猫の姿は見えなかった

とりあえず付近の客に携帯に撮ってあった小猫の画像を見せて彼女がどこに行ったのかを捜索する

何人かに聞いたとき、彼女は外に出たという情報をもらった

すぐに浩太郎は外に出て、あたりをキョロキョロと見回す

しかしすでにどこかに走ってしまったのか、小猫の姿を発見することはできなかった

浩太郎は簡略化した構えを取り、その姿を一時的にRXへと変える

 

「―――マクロアイ!」

 

彼の言葉と同時、RXの複眼が発光する

そのまま周囲を見渡し、小猫の居場所を探す

少しして、彼女のモノと思われる存在を見つけることができた

そこまで考えてふと思う

あそこまで彼女を駆り立てるのはなんなのか

湧き上がる不安を胸にRXは変身を解き、浩太郎は小猫に悪いと思いながら走り出した

 

しばらく走り、明るい場所を抜け、闇の中を駆けていく

走り続けること数分、小猫の姿が見えた

思わず浩太郎は声をかける

 

「小猫!」

「! こ、浩太郎、さん…?」

 

彼女の背中がびくりと震える

ゆっくりと振り向く彼女の表情には驚きの顔が見て取れた

それと同時に、彼女とはまた別の気配を感じる

 

「…あら。久しぶりの姉妹の再会に水を差す気かしら?」

 

その姿を現したのは女性だった

黒い着物を着込み、頭に猫耳を生やした女性―――そうか、彼女が

 

「…お前が小猫の姉か」

「そのとおり。黒歌っていうの。よろしくにゃ?」

 

きゃるん、という擬音でもしそうな仕草で彼女はウインクをする

おちゃらけているが、この女、かなりの手練だ

 

「…ねえ、さま」

「はあい白音。お姉ちゃんよ」

 

絞り出すような小猫の声に黒歌が反応する

すると小猫の足元に一匹の黒い猫が擦り寄ってきた

そうか、その猫を見てここまで来たのか

 

「紛れ込ませたこれだけで来てくれるなんて嬉しいにゃん。感動しちゃうわ」

「―――これはどういうことですか」

「怖い顔しないでよ。ちょっとした野暮ようなのよ。悪魔さんたちがここで大きな催ししてるって聞いてね? ちょっと気になっただけよ」

 

そう言って可愛くウインクする黒歌

可愛いのは可愛いのだが、今はその態度が胡散臭く見えてしまう

 

「はーはっは。グレモリー眷属と、その協力者かい?」

 

今度はどっかで聞こえてきた声色

そこにいるのは孫悟空の子孫とかいう美猴ってやつではないか?

コイツもここに来ていたとは、まさかテロを企画していたのだろうか

不意に彼の視線がどこかに注がれる

 

「気配を消しても無駄だぜ」

 

その言葉のあと、少ししてその木陰からまた見覚えある姿を現した

そこにいたのは兵藤とリアスの二人がいた

目先のことに囚われ、浩太郎は気づけなかったのだ

一通りの役者が揃った状態で、改めて浩太郎が問う

 

「おい猿、なんでここにいる。テロ活動か、返答次第によっては容赦しない」

「おお怖い怖い。そういうのじゃないぜぇい。ただ俺らも非番なのさ。つったら、黒歌がこのパーティ見学してくるって言ってさ。なかなか戻ってこないから迎えに来たわけよ」

「…あっそうかよ。ほんならさっさと帰れ。こちとらテロ活動してる集団の相手してる暇なんざねぇんだ」

 

ずい、と小猫の前に立ち、彼女を守るようにその身を盾にする

その行動に、黒歌はぴくりと眉間にシワを寄せる

あからさまに不機嫌になった様子だ

 

「…なに、お前。白音のなんなの?」

「友達だよ。それ以上でも、それ以下でもない」

「…へぇ?」

 

じろりとこちらを見る視線が強くなる

その視線に負けじと浩太郎も睨み返す

気圧されたら負けだ

 

「今更だけど、さ。誰? その子とその子」

 

ふいに浩太郎と兵藤の二人を指差して黒歌が聞いてくる

それに答えるように美猴が口を開いた

 

「赤龍帝とブラックサン」

 

それを聞くと黒歌は目を丸くする

 

「あら。となるとあの子が今の赤龍帝と、キングストーンを身に宿した者? あらあら、グレモリーの眷属はまたすごいのと協力関係を結んだわね」

 

くすりと笑いながら黒歌が呟く

彼女の隣の美猴があくびを噛み殺しながら言った

 

「なぁ、帰ろうや。どうせパーティには参加できないんだし」

「そうね。けど白音は連れてくわ。あの時連れて行ってあげられなかったしね」

「…は?」

 

何言っているんだこの女

黒歌の視線に怯えるように小猫がその小さい体を震わせる

―――今更にも程がある

 

「この子は俺たちの大事な仲間だ! 連れて行かせるわけにはいかない!」

 

そんな兵藤の言葉に黒歌も美猴も大笑いする

 

「いやいや、勇ましいけどさ。流石に俺たちを二人相手にしてそれは無謀ってやつだぜ。今回は素直にその子くれれば帰るから、それで―――」

「うるせぇよ。そんな提案飲めるわけないだろうが」

 

怒気の孕んだ浩太郎のその言葉に黒歌が苦笑いをする

小さく笑みを浮かびあがらせ

 

「交渉決裂、にゃん。…よっし、殺そう」

 

瞬間、なにか妙な感覚が襲う

風景自体は変わってないのに、ここだけ別の場所に飛ばされた、みたいな

 

<…外界から遮断するタイプの結界ね。ったくあの駄猫、いらん小細工まで覚えちゃって>

 

その言葉と共に浩太郎の中から、現れるメリディ

恐らく戦闘は避けられないと見て表に出てきてくれたのか

また、先程のメリディの言葉からすると、ここで暴れても外には漏れない、つまり助けを呼べない、というわけだ

逆に言えばどれだけ暴れても問題ないというわけでもある

浩太郎は現れたメリディに向かって問いかける

 

「それで、手伝ってくれるのか?」

「えぇ。流石にこれが相手では、ちょっと荷が重いからね」

「ま、マジっすか! 先代ブラックサン様がいてくれんなら、きっと行けます!」

 

まさかの助っ人にテンションの上がる兵藤

そんな彼女の姿を見て美猴の口元に笑ができる

 

「おいおいおい! これはいろいろスゲェんじゃなねぇか!? やるしかねぇよ黒歌!」

「…嬉しそうね美猴。いいわ、赤龍帝とブラックサン、先代の首を三つ持っていけばオーフィスも黙るでしょう」

「おうともよ! そんなわけで―――先行くぜぇい! 如意棒ぉぉぉ!!」

 

顕現させたその棒をメリディに向かって美猴は振り下ろす

しかし対するメリディはその一撃を回避し、彼の顔面に向かって廻し蹴りを繰り出した

美猴は繰り出されたその足を回避し、同じように今度はその足元めがけてその如意棒を振り抜いた

美猴の予想では普通にジャンプして回避するだろう、と考えた

どんな相手でも空中にいる、というのは僅かではあるが確かな隙を晒すのだ

だがメリディはその予想の斜め上を行く

跳躍する、と思っていたメリディは一切の躊躇なくその如意棒を足で踏みつけたのだ

 

「マジか!? ―――がっ!?」

 

一瞬呆けたその顔面に容赦ないメリディの蹴りが叩き込まれた

食らう寸前に若干ながら自分から動きそのダメージを軽減させることに成功したが、さすがにあの一撃は美猴には答えた

 

「―――はっははは! やるねぇ先代ブラックサン!」

「いちいちやかましいわね猿。ヴァーリのチームは戦闘狂ばっかりか」

「オレッチも一応伝説の妖怪の血を引いてるんでね。そうそうやられるわけにもいかないのさ。そっちこそ、ブラックサンにはならないのかい?」

「気分じゃないの。何企んでるか知らないけど、とっとと帰りなさいよ」

「釣れないこというなよ先代! アンタと戦えるなんて滅多にねぇんだからよ!」

「―――メンドくさい」

 

心底嫌そうにしながら、メリディは再度美猴と拳を交え始める

横で戦いを繰り広げる猿はメリディに任せておいて問題ないだろう

問題は目の前の猫だ

 

「―――ふふん」

 

笑顔の黒い猫ではあるが、纏うオーラは尋常ではない

数ではこちらが勝っているが、果たして叶うかどうかは別だ

一触即発の空気の中、ふいに小猫が口を開いた

わずかに声を、震わせながら

 

「…まってください、姉さま」

「にゃん?」

「私は、姉さまと一緒に行きます。だから、皆さんは見逃してください」

「小猫!?」

 

唐突にその言葉を発した小猫に、リアスと兵藤、浩太郎は驚きを隠せない

 

「な、何を言っているの小猫!」

 

リアスが声を張り上げる

しかし小猫はふるふると首を横に振った

 

「ダメ、ダメなんです…姉さまの力は最上級悪魔に匹敵する…。浩太郎さんがいても、仙術と幻術に長けている姉さまを捉えられると思えません」

「それでも貴方をあちらに渡すわけにはいかないの! あんなに泣いていたのに、彼女は助けようとしなかった!」

 

リアスが激昂と共に黒歌を睨んだ

黒歌は小さく笑みを浮かべながら

 

「妖怪がほかの妖怪を助けるわけないじゃない。今回はただ手駒が欲しくなったから勧誘しに来たのよ。グレモリーより私の方が白音を理解してあげられるわよ?」

 

その言葉で、浩太郎は確信する

〝こんな〟女に、小猫は渡せない、渡すものか

黒歌の言葉に首を振る小猫はポロポロと涙を零しながら言葉を紡いでいく

 

「…あんな力…いらない…! 人を不幸にする力なんて、必要ない…! 自分じゃなくなるのが、…怖いんです…! 私は、私でいたい…!」

 

黒歌を見据え、小猫は呟く

涙を流す小猫の頭を浩太郎はそっと撫でながら黒歌を睨む

 

「…妹を駒としてしか見ていないゴミクズ相手に、小猫は渡せない。お前は、小猫が一番辛い時にそばにいなかった! そんなテメェが今更姉ヅラ晒して連れ戻そうとしてんなよ、このアバズレが」

「―――このクソガキ…!」

「うっせぇよクソアマが」

 

浩太郎としては珍しく、怒りの孕んだものだ

相対する黒歌はふぅ、と一度息を吐いて呟く

 

「―――殺す」

 

そう呟くと同時、目の前の猫から薄い霧のようなものを発生させた

それは少しづつ広がり、やがて兵藤たちを包む

付近で戦闘している美猴らには届いていない、あくまでこちら側にのみ届いているのか?

 

「…っ」

 

ふと、リアスがとんとその場で膝をついた

そんな彼女に続くように今度は小猫が口元を抑えながら同じように膝をついた

しかし浩太郎と兵藤には全く効果がない…だがなんとなく想像はつく

 

「あら。赤龍帝や、ブラックサンだからかしらね。この霧はね、悪魔や妖怪にだけ効く毒霧なの。簡単には殺さないわ。じわじわいたぶって殺してあげるから」

「なんだ、エス級だかなんだか知らないが、意外にやることは姑息なんだな」

「挑発したって無駄よ? 死にたくなかったら早く白音を差し出しなさいな」

 

その言葉の最中リアスが彼女に向かって魔力球を放った

彼女の放った一撃は黒歌に当たり、その体が霧散していく

しかしあれは直撃ではない、アイツは幻術に長けていると言っていた

 

「いい一撃。けどダメね。幻術の要領で自分の分身くらい訳ないわ」

 

黒歌の言葉があたりに響き渡る

同時に次々と黒歌の姿が現れ始める

纏うオーラはどれも本物、マクロアイを使えば見切れるかもしれないが流石に安易に使わせてはくれないだろう

恐らくそれこそ気でも読まないと捉えることはできないだろう

―――しかし関係あるものか

 

「どっちみち、貴様は許さん―――!」

 

小猫の姉だから少しは話が分かるやつだと思っていた

しかし現実は違う、あげく駒と言い放ったこの女を

小猫を〝悲しませた〟目の前の女を、許すわけにはいかない

 

「行くぞ兵藤、俺たちで二人を守る」

「あぁ! ブーステッドギア!」

 

兵藤の叫びに呼応して右手を上に掲げ、ゆっくり下ろし堂々と構えるように両手を開いた

 

「変身…!」

 

いつものポーズとは違い、多少簡略化させたその構え

キングストーンの輝きは、普段とは違うものとなっていた

その変化に黒歌は眉をひそめる

情報と浩太郎のベルトが違う気がする

確かあのベルトは普通に赤い車輪(?)が普通に二つあったはずだ

しかしいま見えるベルトは歯車のようなものが見える…

 

「…なに?」

 

よく見ればベルトだけじゃない

どういうことだ、聞いていた内容と全然違う姿になったのだ

その変化に黒歌はおろか彼の仲間であるリアスや小猫、兵藤まで驚いている

外見は黒と黄色をメインとした、機械のような見た目で、どことなくその複眼からは涙を思わせるような赤いラインが見て取れる

その胸にある文字は…R2? いや、Rrだろうか

 

「…いずれにせよ、なんだその姿…! 情報にないわよ!」

「―――俺は悲しみの王子、RX ロボライダー!」

「ろ、ぼらいだー…!?」

 

どういうことだ、今代のブラックサンは予測ができない

ただでさえブラックサンからRXという形態に進化するだけでも凄まじいことだというに

あれ以上の変化があってたまるものか

 

「黒歌。貴様にどんな理由があろうと、姉が妹に殺すなどと言ってはいけないんだ! 貴様の昔は知らないが―――今この時は俺たちの敵だ!」

 

ウィン、というまるでロボットのような駆動音と共に、ロボライダーは黒歌を見据える

その射抜かれるような視線に、僅かに黒歌の背筋が凍ったような感覚がした―――




ロボライダー

黒と黄色を主体としたボディカラーを特徴とし、胸の紋章は「R2」もしくは「Rr」と読める形に変化している。
ボディが耐熱・耐衝撃性に優れた金属質の装甲「ロボフォーム」に変化し、敏捷性には欠けるが、RXの1.5倍の防御力と剛力を発揮する。それを生かしたパワフルな肉弾戦や、ボルティックシューターを使っての射撃戦を得意とする。弱点は前出の敏捷性の低下の他、ボディが金属分子を含むため、強い磁力によって動作が阻害されることがある。
歴代仮面ライダー史上、初めて専用の銃を装備したライダーでもある。
(Wikipediaより引用)

ではまた
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