楽しんでいただければ幸いです
それとディオドラを倒した後にちょっとしたオリ展開を挟めたらいいな、と考えています
ただ考えているだけなので入らない可能性もあります
誤字脱字ありましたら報告をば
ではどうぞ
神殿に到着し中へ入ると浩太郎とグレモリー眷属の一行はオーディンからもらった通信機器とやらを取り付ける
その通信機を介して、声が聞こえてきた
聞き覚えのある声だ
<こちらアザゼル。爺さんから渡されたみたいだな>
アザゼルである
このことを予期していたのか、知っていたのかはわからないが、落ち着いている感じだ
<言いたいこともあるだろうが聞いてくれ。まず、このゲームは禍の団、旧魔王派の襲撃を受けている。その場所もVIPルーム付近も旧魔王派の悪魔だらけだ。だがこれは事前に予想していたことだ。各勢力が協力して旧魔王派の連中が相手を撃退している>
そうなると観客の方も襲撃されているということになる
無関係の奴らもまきこんでいる、という解釈でいいのだろうか
っていうか彼は予想していたと言っていた
思った疑問を口にしてみる
<最近現魔王に関与しているモノたちが不審死するのが多発しててな。裏で動いてたのは旧魔王派。グラシャラボラス家の次期当主が不慮の事故死をしたのも旧魔王派の連中がしでかしたってわけだ>
「じゃあディオドラの魔力が以前よりも上がっていたのは?」
リアスの問い
<オーフィスの力を借りたんだろう。ディオドラがそれをゲームで使ったことは奴らも計算外だっただろうな。だからグラシャラボラス家の一見と合わせて、何か起こるかも知れないって予見できたんだ。だが奴らは作戦を途中で覆さなかった>
その話を聞く限り、つまりディオドラはその借り物のチカラで調子に乗っていると判断していいだろう
…虚しくないのだろうか、アイツ
もっとも、だからといって許すつもりなど毛頭ないが
また、これはこちら側としても都合がいいらしく、今後に影響を及ぼしそうな旧魔王派の連中を片付けるいいチャンスだったともアザゼルは話している
事前に各勢力のボスにテロの可能性を極秘裡に示唆してこの作戦に参加するかどうか聞いたらみんな応じたらしい
暴れたかったのか
「…このゲームはご破算、というわけね」
<すまなかったな。戦争など起こらないと言っておいてこれだ。今回お前らを危険な目に合わせた。けどゲームを開始する前まで進めれば仕掛けてくるだろうと踏んでいたからな。結果は案の定だ>
「…もし、もしだ。これで俺たちが死んじまったらどうするつもりだったんだ?」
何気なく聞いた浩太郎の問
その言葉に、アザゼルは珍しく真剣な声色で
<当然それ相応の責任を取るつもりだった。俺一人の首で事が済むならそうした>
―――通信機の向こう側でも彼の覚悟が伝わってくる
死ぬつもりでもあったのだろう
「そ、そうだ! 先生、アーシアがさらわれたんです!」
兵藤が今起きていることをそのままアザゼルに伝えた
アザゼルは一瞬息を飲んだように間を開けて
<―――そうか。だがこれ以上お前らをそんな場所に置いておくわけにはいかない。アーシアは俺たちに任せて―――>
「断る」
アザゼルが言い切る前に浩太郎が彼の言葉を遮った
一瞬の沈黙の後、怒気を込めた口調でアザゼルが口を開いた
<おまえ、いまどういう状況かわかってるのか>
「わかってるから言ってるんだ! けど家族を助けるのは、家族の役目なんだよ!」
自分で言っておきながら、支離滅裂である
だがこればかりは譲れない、ここで逃げ帰ってしまっては、あの男の嘲笑う姿が目に浮かぶ
これ以上あの男を調子に乗らせてはいけない
ふとリアスを見てみると、彼女は不敵な笑みを浮かべ
「悪いけれど、私たちはこのままアーシアを助けるわ。ゲームがダメになっても、ディオドラとは決着をつけなくては気がすまないわ。私の
「それに私たち、三大勢力で不審な行為をする者に実力行使をする権限があるのでしょう? いま、それを使うときではないのでしょうか? ディオドラはそれに当てはまる行動をしていますし」
え? そういうのあったの? おそらくは浩太郎の知らないところでそういう話が進んでいたのだろう
朱乃の言葉にアザゼルは嘆息したように息を吐き
<ったく、頑固な奴らだ。まぁいい、存分に暴れてこい! ディオドラに赤龍帝の力を―――ブラックサンの力を見せつけてこい!」
「おっす!」
「―――ありがとう、アザゼル」
アザゼルの言葉に兵藤と浩太郎が返事する
<最後に言っておく。相手はこっちに予見されてる可能性を視野に入れておきながら事を起こした。つまりは、多少的に勘付かれても問題ない作戦でもあるってわけだ>
「…つまり、相手はまだなにか切り札のようなのがあるってわけか?」
<あぁそうだ。それが何かは知らないが、危険なことに変わりはない。十分に気をつけろ>
なるほど、つまりは絶対的に自信があるから予見されても強引に仕掛けてきたのか
おそらくディオドラの自信もそこから来ているのだろう
何をするかは知らないが、とりあえずディオドラを殴ってぶっ飛ばすことだけは確定事項だ
そしてアーシアを助け出す
「―――小猫、アーシアは?」
リアスが小猫にそう問うた
小猫は頭に猫耳をぴょこんと出現させると神殿の奥を指で指す
「あちらから気配を感じます」
「よし、行こう」
浩太郎の言葉に一行が頷き、彼女が指さした方向へと走り出した
◇◇◇
その神殿の中は広い空間だった
広間に大きな柱が並ぶ程度で目立ったものはない
抜けるとさらに前方にまた神殿…それを抜けてまた目指す
そんなことを何度か繰り返しある神殿の中に入った時だった
目の前に現れたのはフードをかぶった十人の人影…その中央に、影月の姿があった
<やーやー、グレモリーとその眷属、そしてブラックサンのみんな>
ディオドラの声
周囲を軽く見渡すがその気配は見えない、声だけこちらに届けているのか
<一応言っておくけど、僕はずっと先の神殿で待っているから。ついでにさ、遊ぼう、ゲームの代わりだ>
「…遊び?」
ゼノヴィアの呟きにディオドラが答える
<互の駒を出し合って試合をしていくんだ。一度使用した駒は僕のとこまで使えないのがルール。あとは好きにしていいよ。第一試合、僕は〝兵士〟八人と〝戦車〟二名、そして助っ人としてきたシャドームーンを出そう。あ、兵士たちはみんなプロモーションして〝女王〟になってるけど問題ないよね? グレモリー眷属は強いもんね?>
その言葉に、僅かにリアスは冷や汗を流す
本来ならばこのような安い戯れ言に乗ってもいいのだが、相手がマズイ
シャドームーン
最初から全力でかからねばこちらが負けてしまいかねない
しかし相手はアーシアを人質に取っている、下手に刺激してしまっては彼女に何をするかわからない
その言葉に応じようとした時だ
「―――」
目の前の男―――影山月彦が徐にふた振りの剣を顕現させ、自分の横に居るディオドラの眷属に突き刺した
全くの無言でだ
ズブリ、と深々と剣を突き刺し、しっかり根元まで突き刺した時点でその剣―――シャドーセイバーを抜く
突然の出来事に空気が固まった、どういうことだろうか、彼はディオドラの仲間では
<…どういうことかな。シャドームーンさん?>
「見てわからんか。なら眼科に行ってこい」
呟きながら彼はどこかに向かって剣を振るい一戦する
直後、ディオドラの声がさっぱり聞こえなくなった
そして彼の体が銀色の鎧を纏っていく
緑色の複眼がグレモリーたちを見据えた、仮面越しでも、僅かに微笑んだような気がした
「戯言に付き合う必要などない。たしかにあのガキは少女を人質に取っているが…くだらんプライドで手を出すことはないだろう」
そうリアスに語りかけるシャドームーンに残った八人がフードを脱ぎ捨て彼に向かっていく
そこからは圧倒的なまでの実力差
ディオドラの眷属は手も足はおろか触れることすらも叶わず、彼が持つ二本の剣に切り捨てられていった
全て切り捨てて、剣に付いた血を払うように一つブンと振るう
ぴしゃり、と鮮血が飛び、床や壁に飛び散った
正直聞かなくても、なんとなく分かる
しかしあえて、浩太郎はみんなの一歩前へ進み、問うた
「…なぜ、こんなことを?」
彼女にシャドームーンは剣をしまい
「俺があんな奴に義理立てすると思ったのか?」
鎧を解除した影月の顔はいい笑顔を浮かべていた
◇◇◇
グレモリー眷属+浩太郎(ブラックサン)+影山月彦(シャドームーン)
…これ無敵なんじゃないだろうか
あの野郎に同情する気などサラサラないが、ちょっとはかわいそうに思えてきた
次の神殿へと向かう道中、影月が口を開いた
「そういえばリアス・グレモリー。先のシトリーとのゲーム、リアルタイムで観戦させてもらった」
「! すみません、あなたのような人から見たら、とても退屈な試合でしたと思います」
「とんでもない。己の夢に戦いあうひたむきな姿、とても魅力ある戦いだった。ただ―――」
言いながら彼はちらりと兵藤の方へと視線を向け
「…戦場で乳房のことを連呼するのは流石になぁ」
「も、申し訳ありませぇん!」
全力で腰を折り曲げ兵藤が謝った
さすがにそんな全力で謝れるとは思ってなかった影月は珍しく戸惑いを見せた
「悪いな影月。エロは兵藤のアイデンティティなんだよ」
「…そうなのか。最近の赤龍帝はわからんな」
割と真剣な様子で顎のところへ手をやる
そうこうしている内に次の神殿が見えてきた
その神殿の中にいたのは―――
◇
「アーシアちゃん、今度の体育祭、父さんと一緒に見に行くからね」
「だから浩太郎、しっかりとアーシアをエスコートするんだぞ」
「…体育祭でどうエスコートしろっての」
アーシアの頭を撫でながら、父と母が笑い合う
彼女が浩太郎の家に来て数ヶ月、すっかり浩太郎の両親は彼女を実の娘のように扱い、惜しみない愛情を注いでくれた
アーシアは母の撫でを受け入れながらも顔を赤らめ、かつどこか戸惑った様子で
「わ、私は本当のご両親を知らずに育ったので…本当のご両親がいたら、こんな感じなのかなって思う時があって…あ、いいえ、居候の身でこのようなこと言ったら失礼だと思いますけど…」
「アーシアちゃんはもう私たちの娘よ」
「あぁ。…一応、この家はもう、アーシアの家でもあるんだから。遠慮なんかしなくていいさ」
ふたりのその言葉にアーシアは両目に涙を溜めた
彼女を泣かせてしまったと狼狽する父と母はおろおろしてるが、アーシアは首を横に振って
「違うんです、その…とっても嬉しくって…!」
嬉し泣き、というやつだ
浩太郎は彼女の頭をポンと叩きながら
「ここは君の帰る場所だ。遠慮なんかいらない、アーシアが望むなら、ずっとここにいていいんだよ」
わしゃわしゃとなでる浩太郎
その後で彼女は満面の笑みを浮かべる
―――だから、助けないといけない
自分にとっても、彼女はかけがえのない家族なのだから
◇
「お待ちしておりましたよ、シャドームーン様」
「遅かったじゃないか。なにかあったのか?」
神殿についたとき中にいたのはビルゲニアこと正瑛ミヤノと、セーラー服を着込んだ女性の二人だった
二人の足元には女性と男性が倒れている
おそらく倒れているのがディオドラの眷属なのだろう
「ビルゲニアにビシュムか。ご苦労、そして迷惑をかけた。いらんことに巻き込んでしまったな」
「今更ですね我が主。それに、元々あのディオなんとかを疑っていたのも事実、手間が省けてラッキーと考えればいいでしょう」
「それに、いろいろと情報も仕入れてきた。…読んでて気持ちいいないようではないがな」
ビシュムと名乗った女性は手に持った手帳を開き、淡々と説明し始めた
内容は正直浩太郎が理解できるものでもなく、影月も「お前は知らないでも大丈夫だ」と言ってくれていた
また、同じように話を聞いていたリアスは時折頷いていた
恐らく自分の知っている内容と照らし合わせていたのだろう
「…おそらくは、アーシア嬢を狙った理由については、ディオドラ本人の趣味に直結している」
「趣味?」
気になった浩太郎はビシュムに問いかけた
彼女は頷くと
「あの男は、教会の女性が好みらしい。例えば―――シスターとかな」
「…教会の、女性」
浩太郎や、一行の脳裏にアーシアの姿が思い浮かぶ
ビシュムは続けた
「狙う女は熱心なシスターばかりだ。あいつの眷属はみんな教会関係者であり、シスターだったんだ。屋敷の女もな。言葉が達者なのだろう、まさに悪魔のささやきっていうやつだ」
「ちょ、ちょっと待ってください! そ、それじゃあアーシアは…!」
兵藤の言葉にビシュムは頷く
「はっきりいって、彼女が魔女と呼ばれる原因を作った元凶はディオドラだ。アーシアを見つけたそいつは、その瞬間から自分のものにしたくてたまらなかった。だが、教会から連れ出すのは骨が折れる。だから別の方法でモノにしようと考えた」
「…おい、ちょっと待てそれって…!」
「あぁ。浩太郎くんの考えている通りさ。
頭がクリアになる
となると、いや、あの男は…いいや、あの野郎は…!
「信じていた教会から裏切られ、神を信じられなくなって人生を狂わせたら自分のもとに来るだろう、とアイツは考えたのさ。聖女の苦しみも、アイツにとってはただのスパイス。今まで何人もそうやって教会の女をモノにしてきた。―――恐らく、これからも変わらんだろうな」
―――
無意識に、浩太郎は足を動かしていた
後ろからリアスや小猫の声が聞こえてくる
「浩太郎さん…!?」
「コウタロウ、何処へ行くの?」
「―――ごめんなさいリアスさん。…ちょっと、先に行きます」
それだけ言い残して浩太郎はずんずん先へ行ってしまった
その背中を見送りつつ、シャドームーンこと影月が笑い出す
「…はっはっは! 流石のあいつも、今回は完全にキレたようだな」
「き、キレたって…」
兵藤の問いに影月は背筋を伸ばしながら返す
「さて、リアスとその眷属たち。我々は歩いてのんびり向かおう」
「は、はぁ!? 何を言ってるんで―――」
「どうせ着いた頃には、終わっているからな」
◇◇◇
半ば早歩きの状態で進んでいくと、神殿が見えてきた
きっとそこにはディオドラの騎士が待っているのだろうが、そんなことはどうでもいい
とっとと蹴散らして先に進むだけだ
だが目に見えてきたのはどこかで見たような神父だった
浩太郎はその男のことを完全に忘れていた
けれど、見たところ人間ではない、殺しても問題はないだろう
そこからは迅速だった
「や、おひ―――」
その神父が何かを口走る前に浩太郎のサタンサーベルがその首を切り落とす
同時に何度か胴体部分を切り刻み、最後に空中にあるその生首を真っ二つに両断する
万が一に動き出したら大変だ、おそらく自分を追ってリアスたちがここを通る、障害は排除しておいて損はない
サタンサーベルに付着した血液を振り払い、それを仕舞う
「…ディオドラ…アスタロト…!」
―――反省しても、うや、何があろうと…貴様だけは…絶対に許さん…!
ようやく顕わにした、明確な怒りの感情
その感情が、内に宿るキングストーンに、また別の形態への進化を促していく―――
◇◇◇
望月翔子こと仮面ライダーゼットオーはアザゼルに頼まれ、同じように旧魔王派の悪魔たちを蹴散らしていた
本当なら祐斗や知り合いの浩太郎を純粋に応援するために来たのだが、いらんことに巻き込まれてしまった
誘ったレディたちにも迷惑をかけてしまっている
もっとも、彼女たちなら全く問題ないだろうけど
ある程度蹴散らしたところで、ゼットオーはアザゼルと合流する
合流したとき、その付近にはなんか幼い少女がいた
彼女の名前は…たしか
「アザゼル。久しい」
「…前は老人の姿だったか? 今度は何を考えている、オーフィス」
そうだ、〝
たしかに彼女を纏う不気味なオーラはオーフィスそのものだろう
もっとも、彼女の目にするのは初めてなのだが
とりあえず報告しておこう
「こっちは終わったよアザゼルさん」
「おうよ、ご苦労さん。…で」
アザゼルはこちらに軽くねぎらいの言葉をかけ、もう一度オーフィスに視線を向ける
流石のこの禍々しさが相手では、ゼットオーじゃ叶わない
RXとシャドームーン、二人がかりなら打倒しうるかもしれないが、今そのふたりはここにはいない
「見学。それだけ」
「へぇ? それにしてもボスがひょっこり現れるなんてな。ここでお前を倒せば万事オッケーか?」
「無理。アザゼルとその女では我は倒せない」
「ならば三人ではどうか」
その場にバサァ! と翼を翻し巨大なドラゴンが現れる
―――タンニーンだ
フィールドの旧魔王派一層作戦に参加していたからだが、ひと仕事終えてここ向かってきてくれたようだ
「若い世代が未来をかけて戦場に赴いているのに、貴様が茶々を入れるのが気に食わん。今頃テロの親玉とは、何が貴様をそうさせた?」
タンニーンの意見にアザゼルが頷き、問いただす
「暇つぶしなんてしょうもない理由はやめろよ? その行為だけでもう被害者が出てんだ」
アザゼルの言うとおり、オーフィスが動き力を貸した結果いろいろな勢力に被害が出ているということをアザゼルから聞いている
つい最近まで世界に興味を示さなかったアイツが、どうして今更こんなことをしたのだろうか
「―――静寂な世界」
「は?」
「故郷である次元の狭間に戻る、そして静寂を得たい、それだけのこと」
「…なるほどね。ホームシックって普通なら笑い飛ばしてやるが、今あそこにはグレートレッドがいるからな」
アザゼルの言葉にオーフィスがこくりと頷いた
どうやらそのグレートレッドを何とかして静かに暮らしたい、というのがオーフィスの望みか
吉良○影みたいなやつだな、と内心思う
そんな時オーフィスの横に魔法陣が展開し、そこから誰かが現れる
彼はアザゼルに一つ礼をして、不敵に笑った
「お初にお目にかかる。俺は真なるアスモデウスの血を引くもの、クルゼレイ・アスモデウス。禍の団真なる魔王派として、堕天使総督である貴殿に、決闘を申し込む」
「なによ、テロリスト風情が決闘? 今更ね」
「黙れ魔人間が! 貴様に何がわかる!」
「分かりたくもないわね。…で、どうするのアザゼルさん。旧魔王派が出てきたよ?」
わざとらしく〝旧魔王派〟のところだけイントネーションをつけていう
はっきり言えば煽りだ
「旧ではない! 真なる魔王の血族だッ! カテレアの敵を取らせてもらう!」
激昂するやいなや、どす黒いオーラが彼を包む
彼も〝蛇〟をもらっているのか
「いいさ。タンニーン、お前は?」
「サシの勝負に手を出すほど無粋じゃない。オーフィスの監視でもさせてもらうさ」
「ゼットオー。お前は?」
「私も静観するわ。ご所望アザゼルさんだし」
「わかった。…俺の教え子と浩太郎たちはそろそろディオドラのとこについている頃かな?」
不意に口にしたアザゼルの言葉に、オーフィスが首を横に振る
「そいつにも我の蛇を渡した。撃破は容易ではない」
「―――はっはははははは!」
オーフィスの言葉にアザゼルが笑い出す
怪訝そうにオーフィスが首を傾げた
「なぜ笑う?」
「いや何。それだけじゃ無理って話だ」
「…なぜ? 我の蛇を飲めばたちまち強大な力を得られる」
「でも無理だ。お前はイッセーの底力も、浩太郎の爆発力も理解していない」
言いながらアザゼルは短い短剣を構えた
人工
「さぁて、付き合ってもらうぜファーブニル―――」
そうかっこよく決めようとしたところで、乱入する魔法陣があった
その紋様は、サーゼクスのものだ
陣から現れた赤い髪の男―――サーゼクス・ルシファー
「なぜ出張ってきたサーゼクス」
「今回結果としては妹を大人の政治に巻き込んでしまった。私も前に出なければね。いつもアザゼルにだけ任せているのは悪いと感じていた。―――クルゼレイの説得をしたい、これぐらいしなければ妹に顔向け出来ないからね」
「―――お人好しめ。無駄だと思うが」
「それでもさ。現魔王として直接聞きたかった」
サーゼクスは前に出る
アザゼルも構えていた槍を解き、一歩引く
サーゼクスの姿を視認したとき、憤怒の表情を表した
「サーゼクス! 忌々しい偽りの存在、まさか直接出向いてくるとはな! 貴様さえいなければ…!」
「クルゼレイ、矛を収めてくれないか。今なら話し合いの場を用意でき―――」
「ふざけるな! 堕天使はおろか天使とも通じ汚れた貴様に悪魔を語る資格はない!」
「よく言うわ。あんたたちテロリストも綺麗に三大勢力の危険分子が仲良しこよしじゃない」
「はん。手を取り合ってるわけではない。利用しているのだよ、忌まわしき天使、堕天使は所詮悪魔が利用するだけの存在でしかないのだ。相互理解? 和平? 否、悪魔以外の存在は滅びるべきなのだ! 我々悪魔こそが世界の王であるべきなのだよ! オーフィスの力を利用し、俺たちは新たな世界を創造する! そのためにはキサマら偽りの魔王どもが邪魔なのだ!」
その話を聞いて望月ははぁ、とため息をした
そして小さい声でアザゼルに
「ありゃあダメね。典型的小物よ」
「全くだ。種として悪魔の存在自体が危ないのに何を言ってんだか」
彼としては心中複雑かもしれないが、よっぽどサーゼクスの方が魔王をしている
旧魔王がこんなんだから、悪魔は滅びの一途をたどっているのかもしれない
考えや認識、それらを根底からひっくり返さねば、相互理解はありえない
「クルゼレイ、私は悪魔という種の未来を守りたいだけだ。民を守らねば種は繁栄しない。―――今の冥界に戦争は必要ないんだ」
「甘い! 何よりも幼稚な理由だ! 悪魔の本懐がそれだと思っているのか!? 悪魔は人間の魂を奪い、地獄へ誘い、天使と神を滅ぼすための存在だ! もはや言葉は不要、サーゼクス! 偽りと偽善に満ち溢れた王! ルシファーとはッ!! 全てを滅ぼす存在だッ!! その力を持っていながらなぜ横の堕天使に振るわない! 貴様は魔王に相応しくない! この真なる魔王が、貴様を滅ぼしてくれる!」
交渉は決裂
サーゼクスはオーフィスにも語りかけた
「貴殿との交渉も、無駄なのだろうか」
「我の蛇をのみ、誓を立てるなら。もう一つ、冥界周囲に存在する次元の狭間の所有権。それをすべて貰う」
「―――服従と冥界の閉鎖ってことか」
アザゼルが呟く
現魔王として、容易にそれに応じることはできないだろう
サーゼクスは天を見る、次に目を開けたとき、その目に宿っていたのは明確な敵意
それを確認したクルゼレイは距離を取り、両手に魔力の塊を作り出す
「そうだ、そのほうがわかりやすいのだよサーゼクスッ!」
相手としてはそうなることを最初から望んでいた
サーゼクスの話は最初から通るわけがなかったのだ
それでも、彼は話したかったのだろう、自分の想い、冥界への想いを
サーゼクスが手を突き出す、するとそこに魔力が圧縮していき、徐々にオーラを纏い始める
「クルゼレイ、私は魔王として、今の冥界に仇なすものを排除する」
「貴様が魔王を語るなぁぁぁっ!」
クルゼレイは魔力の塊を両手から発射する
サーゼクスは動じずに手のひらから生まれた魔力を小さな、無数の球体に変えて撃ちだした
クルゼレイの攻撃はサーゼクスの小さな魔力に触れた途端に消滅していく
消しきれない攻撃は自身が回避したり、防御術式を展開することで回避していく
そのうちの一つの球体が、クルゼレイの中に入り込んだ
ドンッ、とクルゼレイの腹が一瞬膨れ上がった
それが収まると、同時にクルゼレイの魔力が一気に減っていく
わかりやすく言えば、弱体化だろうか
「―――腹に入っていた〝蛇〟を消滅させた。これでもう絶大な魔力を振るえないだろう」
その言葉に余裕の表情を見せていたクルゼレイの顔が明らかに焦りの顔を浮かび始めた
モノは小さいのに、威力はぶっ飛んでいる
これが、魔王サーゼクスの実力か
「おのれぇえ! 貴様といいヴァーリといい、なぜこう優れた力を宿していながら我々と相容れないぃっ!?」
毒づきながらもクルゼレイは反撃しようとする―――が、それより先にサーゼクスの球体がクルゼレイの腹にあたり、その部分をまるごと削り取った
小さくとも、威力は十二分だ
「―――なぜ、本物が、偽物に―――! 負けねばならんのだ…!?」
「―――あら、偽物が本物に叶わないなんて道理、ないと思うのだけど」
散りゆく間際、望月はそうつぶやいた
もし彼がまだ考えを改める機会があれば、こんな結末を迎えることもなかったのだろうか
サーゼクスは瞑目し、その手を薙いだ
瞬間、クルゼレイは飛び散る小さな魔力球にその体を打ち消されていった
ぶっちゃけ最後の言葉を言わせたかっただけです(ごめんなさい
仮面ライダーストームライダーズをプレイしてて
手に入れたBLACKが遠距離タイプだったと知って最初は「え?」と思った
で、戦わせたら魔神拳みたいなのを撃っててワロタ自分がいる
でもBLACKなら出来そうだ…
ではでは