次回は少しオリ展開になるかもしれません
オリ展開といってもちょっとした敵と戦うだけです
展開も容易に想像できるベタなものになると思いますが、ご容赦ください
多分あと二、三回で終わる予定
一通りの終わりまでお付き合いください
ではどうぞ
浩太郎がたどり着いたのは、最新部にある神殿だった
内部に入っていくと大きな装置みたいなものが見えてきた
壁に埋め込まれた円形装置で、所々に宝石が埋め込まれており、変な文様と文字が刻まれていた
何かの術式を形作っているのだろうか
そして装置の中央―――そこに
「―――アーシア」
貼り付けにされたアーシアがそこにいた
見たところ外傷はなく、衣類も脱がされた形跡はない
無事なようだ
「あれ? 君一人なのかい?」
装置の横から現れたのはディオドラだ
その薄ら寒い笑みがさらに神経を逆撫でさせる
「おいおい、これじゃあ僕の方が弱い者いじめになっちゃうじゃないか。君一人が僕に挑んだところで、叶うわけないのに、馬鹿なやつだね」
「―――浩太郎、さん?」
ふとアーシアが口を開いて、こちらを見る
目元が腫れていた…それは涙を流したという確かな証拠だ
それを見て、結論付ける
「…テメェ、聞かせたのか。あの話」
先にビシュムという女性から聞いたあの話
それは彼女に聞かせてはいけない内容のものだ
しかし目の前の男はそれににんまりと笑みを作り
「うん。全部話したよ。見せたかったなぁ、彼女が最高の表情になったあの瞬間をさ。全部この僕の手のひらの上で動いていたと知った時の彼女の顔。映像にも残したんだよ? 本当に素敵な顔だった。教会の女が堕ちる表情は何度見てもたまんない」
それを聞いて、もう一度アーシアが涙を流し始める
「でもまだ足りない。彼女にはまだ希望がある、そう、君たちという希望がね。特にそこの時代遅れのブラックサン。君のせいで僕の計画は台無しだ。あの堕天使の女を僕が殺したあと、僕が出てきて彼女に駒を与える予定だったのに。まぁいいや、どっちみち、彼女が手元にあるのは変わんないしね」
「―――」
浩太郎は何も言わなかった
こいつに話なんかしても無駄と感じたからだ
小悪党とは思っていたが、それ以下のゴミクズだとは思わなんだ
愛を語るには、汚れすぎている
もう、我慢の限界だ
「ところでさ、アーシアはまだ処女だよね? さすがにお古は嫌だな。でも君の名を叫ぶ彼女を抱くのもまた楽しいかもしれな―――」
「ディオドラァァァッ!!」
激昂
久しく聞いた彼の声は、かなり怒りの混じった声だった
涙に汚れた自分の目は、彼を見据える
その眼光は、紛れもなく怒っていたのが目に見えた
彼のその剣幕に、ディオドラも一瞬たじろぐ
「ディオドラ・アスタロト…男の風上にも置けない、腐れ外道ッ! 貴様だけは―――貴様だけは! 貴様だけは絶対に許さんッ!! 変身ッ!」
己の拳に力を込める
腹部に顕現したキングストーンが輝き出す
その輝きとともに、彼の体が変わっていく―――一瞬の輝きのあと、そこに立っていたのは、アーシアが知るRXの姿ではなかった
胸に見えるマークの文字は、3とも見れるし、Bとも見れる
全体的に丸みを帯び、青をベースとしたカラー、そして所々に銀色が見えている
そして変わらない、赤い複眼
「俺は怒りの王子―――RX、バイオッ! ライダー!」
両手を開き構えながら、その名を言い放つ
赤い複眼は、しっかりとディオドラを見据えていた
その姿を見たディオドラは、くすり、と笑い出す
「何さ、報告に聞いた姿より何倍も弱そうじゃないか。僕が出るまでもないね」
そう言って彼はパチリと指を鳴らす
すると付近に魔法陣が展開されて、そこから誰かが現れた
いや、誰か、というよりは何か、だろうか
足が四本あり、蟹、だかなんだかわからないが、それを彷彿とさせる鋏の腕があった
「俺は
「じゃあ、あとは任せたよ、せいぜい血祭りにあげてきてくれ」
「お任せあれ、アスタロト様」
そう言ってトリプロンは意気揚々とバイオライダーの方へと向かっていく
ディオドラは特に彼らの方へ視線を向けることはなかった
結果など目に見えていたからだ
しかしその結果は全く違う方向で終わる
ディオドラにとって悪い方向で
「おい」
声が聞こえた
バイオライダーの声だ
驚いて後ろを振り向くと、そこには無傷のバイオライダーが、剣を二本携えてそこに立っていた
その傍らに、残骸となったトリプロンが見える
「…馬鹿な。君程度が勝てるはずがない、そいつは禍の団の現時点での最高傑作なんだぞ!?」
「そうか。なら、所詮禍の団なんざその程度ってことだな」
バイオライダーはサタンサーベルをしまい、直刃の剣を構え、こちらに向かって歩いてくる
しかしディオドラの余裕は崩れなかった
「まぁいいや! 来なよ!」
その声を皮切りに、バイオライダーがこちらに向かって走ってくる
「僕だってパワーアップしてるんだ! オーフィスからもらって蛇でね! 時代遅れのお前なんて瞬殺―――」
言い切れることはない
直刃の剣―――バイオブレードがディオドラの腹部を貫いたからだ
さらに一度その剣を引き抜き、そのしみったれた顔面に思い切り回し蹴りを叩き込む
「ご、っはぁ!?」
ディオドラが血を吐き出す
体を折り曲げて地面に血を吐き出しているそいつの体を蹴り飛ばした
ディオドラは腹部を抑えながら後ずさりする
その顔からはさっきまであった余裕の笑みが消えていた
「こんなことで、僕は上級悪魔だ! 現魔王ベルゼブブの血筋なんだ! お前みたいな時代遅れの力を宿した人間に、この! このぼくが負けるはずがない!」
ディオドラがこちらに向かって魔力球のようなものを無数に打ち出してきた
バイオライダーは避ける素振りも、防御する素振りも見せなかった
勝った、とディオドラは内心ほくそ笑んだ
どこの誰だが知らないが、たかが人間がこの僕に叶うわけがない、そう思いながら自分の魔力球がバイオライダーの体を貫くのを待った
ディオドラの魔力球はバイオライダーの体を貫いた
たしかに貫いたのだが、一向にバイオライダーが痛みに歪める素振りを見せない
そこで気づいた―――自分の魔力球が、ひとつ残らずバイオライダーの体を〝突き抜けている〟ことに
ディオドラは思わず叫んだ
「た、球が全部アイツの体を突き抜けているだと!?」
バイオライダーは進むのを止めない
ブレードを握る手に、力がこもる
眼前まで迫った時、彼は攻撃をやめて、距離を取る
バイオライダーは一瞬、念じ、己の体を液状化させた
ゲルとなったバイオライダーは一瞬で離れた距離を詰め、元の体に戻り、バイオブレードを振りかぶる
瞬間、ディオドラも幾重もの防御障壁を作り出した、がバイオブレードの斬撃の前ではそれすらも紙切れのように切り裂かれていく
そしてひと太刀
斬! と一閃したその一刀はディオドラを切り裂く
切られたところを押さえながらゆっくりと後ずさる目の前のディオドラ
「―――痛い、痛いぃぃ! どうして! どうしてだ! 僕の魔力は完全にお前らなんか凌駕してる! 絶大にまで引き上げられたはずなんだ! こんな…! こんな奴にぃぃぃ!!」
そこで一度バイオライダーはブレードをしまい込む
こいつには、何発か顔をぶん殴ってやらないと気がすまない
とりあえず無様にのたうち回る目の前の野郎を引っ張り、まず腹に一撃
どごむ、と鈍い音が聞こえ、ディオドラの口から空気が吐き出される
そしてもう一発顔面に拳を叩き込む
ディオドラの体が、さらに後ろに仰け反った
「こんな腐れ野郎にぃぃぃぃぃ!!」
追撃が来ると思っていたディオドラは目の前に分厚い防御障壁を生み出した
すかさずバイオライダーはもう一度バイオブレードを取り出し、その障壁に叩きつける
意外にもその障壁は固く、ひと太刀では壊れなかった
それに気を良くしたのか、ディオドラは笑い始める
「あっはははははは! ほら見たことか! 僕のほうが強いんだ、お前みたいなゴミクズが、僕に叶うわけないんだよ!」
確かに、この障壁は固い
だがそれだけである
ダメ押しに、もう一本の剣を取る
「サタン―――」
左手に持ってくるは、赤い剣
「サーベル!」
言葉と共に振り下ろす
赤い剣と白い剣が交差し、容易くその障壁を切り裂いた
「―――」
ついにディオドラは言葉を失った
「俺の家族を泣かすような奴に、アーシアはやれないな」
呟きながら、バイオライダーは蹴りを叩き込む
その一撃は柱まで吹き飛び、背中から激突する
床に転げまわるディオドラはみっともなく叫んだ
「嘘だ! やられるはずなんてない! アガレスにも勝ったしバアルにも勝つ予定だ! 才能ない大王家などゴミ! 情愛深いグレモリーなんか相手にすらならないんだ! 僕は―――アスタロト家のディオドラなんだぞ!」
「あぁそうかよ」
もうこいつの声を聞くのも不快だ
サタンサーベルとバイオブレード、両方を構え、バイオライダーは跳躍した
「でぃぃぃやぁぁぁッ!」
そのままクロスに切りつける
一応急所は外してある、もっとも悪魔だから〝この程度〟では気を失わないはずだ
逃げる素振りを見せたら、足を切り落とす…が、そんな素振りはなさそうだ
「どうやら終わったようだな」
不意に入ってきた場所から声が聞こえた
そこへ振り向いてみると、シャドームーンとその仲間、そしてグレモリー眷属の一行が到着していた
カツカツとゼノヴィアがこちらに歩いてくる
「…止めを刺さないのか?」
ちゃきり、とゼノヴィアがぶっ倒れているディオドラに向かって剣を向ける
普段の彼女からは想像もできないくらい、彼女の顔は冷酷なものだ
「アーシアにまた近づくかもしれない。今この場で首をはねたほうが今後のためになると思うが」
「お前の剣はこんなゴミクズを斬るためにあるんじゃない。もったいないからやめときな」
「しかし」
「また来たら来たで、今度こそ切り刻んでやればいい。どうせコイツじゃ俺たちの相手にならないからな」
吐き捨ててバイオライダーは変身を解除する
一息付いた浩太郎は枷に縛られているアーシアのもとへ歩いてく
「浩太郎、さん…」
「ごめんなアーシア。怖い思いさせて」
涙に濡れる彼女の瞳を軽く手で拭ってあげる
しかし安堵したのか、彼女はまた涙を流し始めていた
嬉し泣き、というやつだろうか
とりあえず彼女の拘束を解除したらアザゼルたちに任せてしまおう
浩太郎はサタンサーベルで軽く手錠をぶった切る
思いのほか簡単に切れ、アーシアは自由となる
それと同時に何やら起動していたなんかの装置は停止した…が、不安なのでサタンサーベルを突き刺し完全に破壊しておく
ちなみにディオドラは鎖を切った様子を見て驚いてたが、サタンサーベルを突きつけて黙らせた
「…信じてました。浩太郎さんが…皆さんが来てくれるって」
「けど、その分怖い思いも、辛い思いもさせた。…大丈夫だったか?」
浩太郎がアーシアを気遣うように言葉をかける
彼女は笑顔を作って首を振りながら
「平気です。確かに、あの時はショックでしたけど…私には浩太郎さんや…みなさんがいますから」
気丈な子だ
知らないうちに、彼女はか弱い女性なのだと決めつけていたかもしれない
ゼノヴィアが彼女に抱きつき
「良かった! アーシア…! お前がいなくなってなってしまったらと考えると、本当に…」
きゅう、と力強く抱きしめ目尻に涙を浮かべている
その涙をぬぐいながら、アーシアが微笑んだ
「大丈夫です、私はどこにもいきませんよ。だから笑ってください、私は笑ったゼノヴィアさんが大好きなんですから」
「―――! あぁ! 今回美味しいところは全部浩太郎が持ってってしまったが、もし次があったら今度は私がお前を守ってみせるからな!」
「あぁ! 俺だって! 浩太郎ばっかにいいカッコはさせないぜ!」
ゼノヴィアと兵藤が口々にそう言う
リアスもこちらに歩いてきて、優しくアーシアの頭を撫でた
「お帰りなさい、アーシア」
「はい、ご迷惑をおかけしました、部長さん」
「迷惑だなんて思ってないわ。…本当に無事で良かった」
そう言ってリアスは彼女のぎゅ、と抱きしめる
それに反応するかのように、アーシアも抱き返した
ギャスパーもわんわん泣いており、小猫が彼を撫でて慰めている
「ひとまず、そろそろ帰れそうだね」
「そうだな木場。けど、まだ油断できないぜ」
軽く浩太郎と話し合いながら、木場は頷いた
「まぁ、一旦戻ろうか、アーシア」
「はい、あ、その前に、お祈りを」
そう言って彼女は一つ、天に向かって何かを祈った
「何を祈ったの?」
「内緒です」
そう言ってぺろりと舌を出し笑うアーシア
浩太郎の隣に来た彼女は彼の腕に抱きつくように手を握った
その時だった
カッ、と突然眩い輝きが一行を襲った
ふと、アーシアが光に包まれ、それに巻き込む形で浩太郎も包んでいく
その光が止んだ時
「…アーシア?」
「浩太郎…さん?」
そこにいたはずの二人は、いなかった
トリプロン
登場作品:仮面ライダーBLACK RX
該当作品15話「ロボライダー誕生」~17話「バイオライダー!」に登場した怪魔戦士
右半身、左半身の二号、三号、そして頭(?)に該当する一号の三体からなる怪魔戦士
自分の作品では最初から合体した姿で登場
怪魔界にきたRXを追撃した後、彼を連れ込んだ咎でデスガロンを処刑せんとした
マリバロンにロボライダーがデスガロンを倒したことを報告した後、奇跡の谷までガロニア姫を守る任にあたる
バイオライダーの出現に合体、威力が増したであろうパルスレーザーを放つが初戦からチートぶりを見せる彼には通用せず、「弾が全部奴の身体を突き抜けてしまうぞ!?」の台詞を残し、バイオブレードによるスパークカッターで破壊された
(ピクシブ百科事典より)