最近、予知夢をよく見るようになった。
予知夢自体は元々…生まれた頃からたまに見てたかもしれない。少なくとも、物心ついた頃にはもう見えていた。
この予知夢という力、制御こそできないがよく役に立つ力だ。
抜き打ちテストがある事を先に知ったり、他にも色々……。
ただ、最近思い知ったのだ。自分は所詮ちっぽけな子供であることを。
ある日、私の仲のいい友人が事故で大怪我をする夢を見た。
もちろん私は全力で抗ったさ。原因となる要因をすべて消し、危険を
彼女は夢の通りに、いや、夢よりひどく。私は彼女を守れなかった。
幸い彼女の怪我はすぐ治り、後遺症もなく復帰していた。私が自ら命を絶ったりしなかったのはそのおかげだろうか。
彼女は芸術が好きで、高等部ではワイルドハントに進学して大成するらしい。それは素直にすごいと思う。
ただ、そこは重要ではない。私は未来を見ることができるのに、未来を変えられない。
ただの狐さ。
それにしても、最近本当に、予知夢をよく見るようになった。
《解。それは個体名︰百合園セイアの所有する神秘が定着してきたからだと推測します》
「……え?」
…ちょっと待って、リムルちゃう、セクシーFOXやんけ、しかもちょっと幼いし。
《解析鑑定。成功しました。
名前︰百合園セイア
種族︰キヴォトス人 狐獣人 生徒
年齢︰11歳》
11…だと…。原作のイブキちゃんと同い年じゃねーか!
……とすると、今は原作の6年前って事か、時系列が分かったのはだいぶいいな。
でもキヴォトスだなー。いや〜うん。まあ頑張りますかね。
な、何だ今の声は。幻聴?いや、そんな感じではなかった。
頭の中から直接聞こえたような、それに、神秘がどうとか言っていたぞ。もしや、この予知夢を何とかしてくれるのではないか?
……まあ、まずは状況を確認しよう。
「……き、君は誰だ!?」
《解。ユニークスキル『大賢者』です》
「だ、大賢者?」
《是。ユニークスキル『大賢者』は、個体名︰百合園セイアの所有する神秘の一部です。神秘が完全に馴染んだため、能力の定着、そして自己改造を施し、思念を所有者に伝えられるようにしました》
「な、なるほど。つまり君は、私が生まれたときから存在はしていた……ということかい?」
《是。その通りです》
そうだったんだ。俺、生まれたときからセイアと一緒にいたんだ。……ん?でも俺今まで意識無かったよ。何で今になって……
《解。神秘が完全に定着するまでに意識を戻すと魂が霧散し完全に消滅するため、無意識に自分を守っていたようです》
ああ、そういうことね。……所でこれ、自問自答してるみたいでちょっと変な感じだな。
「……じゃあ、私には君みたいな…スキルがある、ということかい?」
《是。その通りです》
「それじゃあ、私のすべてのスキルを見せてくれ」
《了。個体名︰百合園セイアのステータスを表示します。
名前︰百合園セイア
種族︰キヴォトス人 狐獣人 生徒
称号︰
魔法︰なし
ユニークスキル︰『大賢者』
固有スキル︰『ヘイロー』『超聴覚』『思念伝達』
スキル?︰『予知夢』
耐性︰物理攻撃耐性、熱変動耐性、状態異常耐性、痛覚無効》
「おお、これは何と言うか、凄いな。…と言うか、
《了。ユニークスキル『大賢者』の効果…
思考加速︰通常の1000倍に知覚速度を上昇させる。
解析鑑定︰対象の解析及び、鑑定を行う。
並列演算︰解析したい事象を思考と切り離して演算を行う。
詠唱破棄︰魔法等を行使する際、呪文の詠唱を必要としない。
森羅万象︰この世界の、隠蔽されてない事象の全てを網羅する。
以上の5つが主な能力です》
「ふむ、詠唱破棄だけよく分からないが、まあ良いか。…所で、予知夢が?なのはどういうことだい?」
《解。個体名︰百合園セイアの所有する『予知夢』は、神秘によるものであり、解析鑑定を失敗したため、推定スキル仮称『予知夢』としています》
「では、この予知夢はどうすることもできないということかい?」
《否。仮称『予知夢』を解析鑑定した際、一部の情報を入手することができました。このまま解析鑑定を続けることにより解析完了すれば、この予知夢を完全に支配下に置き、行使することができると推測します。なお、解析完了まで推定約20年》
「出来はするが20年かかるのか。どうにか短縮できないかい?」
《解。この世界に散らばる神秘に対する情報を大量に入手することにより解析を早めることができると推測します》
「おお、では片っ端から解析していけばいいのかい?」
《是。その通りです》
「では早速…と、言いたいところだが、今日はもう遅い時間なので、眠るとするよ」
《告。提案があります》
「ん?なんだい」
《個体名︰百合園セイアが睡眠中、解析鑑定を行使する許可をいただきたいです》
「ああ、それくらいいいよ。いつでも好きにしてくれ、では私は寝る。おやすみ」
……寝たかな?ヨシ。とりあえず解析鑑定の許可出たしこの部屋中解析しまくろう。解析しまくれば予知夢もいい感じにできるらしいし、とりあえず今出来ることをやろう。
あ、でもさっきまで宿主であるセイアの視界使ってたから前も見えねえ。しょうがないからセイアの神秘の解析進めよ。
《個体名︰百合園セイアの神秘を解析鑑定…失敗しました》
《神秘の解析鑑定…失敗しました》
《神秘の解析鑑定…
《神秘の…
《神秘…
《神秘の解析鑑定に一部成功しました》
《表皮から空気中に漂う神秘の解析鑑定に一部成功しました》
《空気中に漂う神秘の………》
《エクストラスキル『神秘感知』を獲得…成功しました》
《告。エクストラスキル『神秘感知』の行使許可をいただきたいです》
(…んあ?……よく…分からんが………いい…ぞ……スピー)
《個体名︰百合園セイアからユニークスキル『大賢者』へ、エクストラスキル『神秘感知』の行使を許可されました》
《これより、個体名︰百合園セイアの所有物の解析鑑定を開始します》
《本棚の解析鑑定…成功しました》
《本の内容の解析鑑定、インプット…成功しました》
《教科書の内容を……》
《哲学書の……》
《ベッドの……》
《クッション……》
《スマートフォン……》
《床……》
《カーテン……》
《銃……》
《制服……》
《………………………………………》
《成功しました》
《エクストラスキル『神秘感知』の能力向上を確認しました》
《個体名︰百合園セイアの身体の解析鑑定を開始します》
《…………成功しました。神秘に関係する情報は一部失敗しました》
《エクストラスキル『神秘感知』の能力向上を確認しました》
《……シマエナガの解析鑑定を開始します…成功しました》
「…んんっ、朝かい?」
《おはようございます》
「ああ、おはよう。…所で聞きたいのだが」
「…なぜ視界が360°になっているんだい?」
《解。それはエクストラスキル『神秘感知』の効果です》
「なんだいそれは?」
《個体名︰百合園セイアから解析鑑定の許可をもらい、百合園セイアの所有する神秘や表皮から感じる微量の神秘を解析することで、空気中に漂う神秘を感知し視界を得るエクストラスキル『神秘感知』を獲得しました。これにより視覚に頼らず視界を得ることができます》
「…まあ私のためにしてくれたならいいか」
「所で君ずっと私のこと個体名︰百合園セイアって呼んでいるよね。正直その呼び方はちょっと、変えてほしい」
《了。では《マスター》ではよろしいでしょうか》
「ああ、その呼び方の方がしっくりくる。今後はそう呼ぶように」
《了》
キュウゴマイトが完結するまで不定期投稿となります。
原作入るまでは1話最低ひとつは新たなスキル手に入れるようにしたい。(するとは言ってない)
エクストラスキル『神秘感知』
周囲に漂う微量の神秘の流れや分布を捉え、視覚や聴覚の代わりにして周囲を認識するスキル