「──ろ──きろ」
無数の星──否、月の浮かぶ宵の空。
現代的な──いや、現在の現世から考えると未来の物と言える建物と、瀞霊廷の街並みが混ざった世界……自身の心象世界に宵三は居た。
「──きろ──……いい加減に起きろボケ!!」
「どゔぇあっ!?」
球状の鏃を持つ光の矢が宵三の頭へと飛び、横たわっていた宵三を吹き飛ばした。
「ナニすんじゃ!!
「よぉ、目が醒めたか?」
主を吹き飛ばして叩き起こすという暴挙に及んだ自身の斬魄刀、
月蛇の化身は額に三日月模様の入った紫の蛇。けっして、今、自分の目の前に居る、虚のような仮面をつけ、人形のような腕を着けた蛇ではなかった。
『
「っ……あぁ、内なる虚と混ざったのか……この記憶のせいか」
「"
脳裏によぎる、
「虚化を制御できてるってことか……これ、
「完全に自分自身が特殊な事例だからなぁ……まぁ、霊王パーツのせいってことにして良いんじゃないの?」
「全部は論外として他の世界で過ごしていたら~な自分の記憶が断片的にありますぅ言っても「なんて?」だしなぁ。説明できる自分の特殊性はそこだよなぁ」
今は明確に前世として自覚できている「
虚圏の記憶と言っても此処とは交わることに無い別の世界の虚圏の記憶、どこまで同じか分からない以上、この世界の虚圏の解説なんぞに使えるはずもない。
ならば、サイズの小ささ故か、大部分の力は斬魄刀──月蛇の能力の方向性を定めることに消費されているとはいえ、自身に霊王のパーツ──右人差し指の爪が入っているのは既知の事実、なにか特殊なことがあっても、それを知る大抵の人間はそのせいだと思うだろう──とまで考えたところで気付く。
「……ていうか、自分どういう状況になってんだ!?場合によっちゃ平子隊長達と一緒に喜助達に回収されてない可能性有るぞ!?」
「原作」において、平子隊長達──仮面の軍勢は1ヵ所に集まっていて、それを喜助と鉄裁さんが時間停止と空間転移という禁術を使って移動させていた。
では、自分は……『
「あぁ、それなら心配ねぇよ。今、十二番隊の研究棟に居るみたいだからな」
「は?なんで、わか……」
なんで外の事がわかる、そんなことは簡単だ。今現在、自分の身体を内なる虚──月蛇が動かしているからだろう。
「て、おいおいおい!大丈夫だろうな!!」
「暴れる理由がねぇし、外じゃ起きてすぐだ。心配せんで、さっさと起きな」
●
「これを使って平子サン達を治療します。名を『
「承知」
倒れている平子達と共に鉄裁の禁術で研究室へと跳び、『虚化』の治療について説明した浦原は治療を行うため、まずは宵三の"時間停止"の解除を鉄裁に頼む。だが……
「は?」
解除をした瞬間、宵三は蛇を思わせる仮面をつけた姿でその足で立っていた。そして、浦原が更なる反応をする前に──
「ぶはっ」
自らの手で仮面を剥いだ。
「……宵三サン?え、大丈夫なんスか?」
「っ、あー……なんか内なる虚が
心配する浦原をよそに、宵三はそういうと崩れ落ち、寝息を立て始めた。
ほぼ丸写しになるんで省きましたが前話と今話の間で
藍染と市丸が平子たちの前に現れた時に、宵三を引きずっていて平子たちが倒れているところに投げ込むという事が原作にプラスされてます。
なので、宵三も浦原さん達に回収されています。
この世界で四楓院宵三となった鰤読者が虚として鰤世界に生まれた世界線の
なお、これ以降言及されることはたぶんない(