無職転生を読んだのはだいぶ前なので、設定を勘違いしてるところがあるかもしれません。ご指摘歓迎いたします。
俺の人生はそこそこ上手くいってるはずだった。そこそこの大学を卒業して、地元の優良企業に総合職で就職した。
転勤族になんてならないはずだった。全国展開してない会社なんだから。それがまさか合併するとは。おかげで何の縁もゆかりも無い土地に転勤して回るようになった。
近くに友人もないしそもそも土地勘もない。そのうえ仕事も忙しくなった。休日は昼間で寝て、起きたら酒を呑んで、酔いつぶれて、起きたら外は暗くなってて、せっかくの休日をこんなことで終わらせたことに自己嫌悪する日々だった。
だが今目の前にある光景は、見慣れた社宅ではない。
「なんだこりゃ、どこだよ」
見渡す限りの白いモヤのようなものがかかった世界。
なんだか見覚えがあるな。ああ、そうだ昔見た無職転生のヒトガミのいるところじゃないか。無の世界だったか?
「もしヒトガミなら未来とか予知できるのかな〜、あと千里眼みたいのあったな〜」
ははは、と笑ってみたらできてしまった。未来で俺はルーデウスの子孫とオルステッドによって封印される。遠くに見えるのはあの中世風ファンタジー世界だ。
だとすれば・・・
「詰んでいるじゃねぇかあああ‼️」
オルステッドはループしてるんだ。リゼロのスバルみたいなもんだ。俺がルーデウスに勝つことはあっても、オルステッドには勝てない。何回勝ってもオルステッドはリトライできる。そして一度でも負けたらこっちはやり直しなんてない。
「やっぱり詰んでいる‼️絶対に負ける‼️」
ヤバイヤバイヤバイ、ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバ・・・いまは、いつだ?ルーデウスと敵対する前ならなんとかなるか?
「そもそもルーデウスはどこだ?アレ?見えない?シルフィ・・・も見えない。ロキシー・・・エリス・・・ギレーヌも見えない。ナナホシ・・・は見える、ということは?」
嫌な予感がして、ルーデウス宅を見る。守護霊獣はいない。ゼニスがいる。リーリャもいる。アイシャやノルンがお留守番をしてる。
これ、オルステッドと総力戦して軍門に下るタイミングか?不味い。急げ急げ急げ‼️
「なんとかコンタクトをとって敵意がないことを伝えないと‼️誰に言えば良い?なんて言えば良い?そもそも今の使徒は誰だ?」
◆◆◆◆◆◆
(ここは一体どこなのかしら、あら?)
いつのまにか回復した?身体が動く、ルーデウスがやってくれたの?
「あの、はじめまして。私は◯◯と申します。ゼニス・グライエット様とお見受けしますが、お時間よろしいでしょうか?」
(え、ええ、私はゼニスです。はじめまして)
周りは白いモヤが立ち込めていて、相手はよく見えないがどうやら人族ののよう。敵意は感じない。
私は迷宮に囚われた時から、人の心が読めるようになった。この人物には敵意はない。そして、助けを求めている。
「私はヒトガミと呼ばれています。あるいはヒトガミと同じ能力を持った別個体かもしれません。いずれにせよこのままだとルーデウスさんと敵対した個体のヒトガミと誤認され、息子さんたちと戦うことになります。それは双方にとって不幸なことであり、私はそれを防ぎたいのです」
(嘘は言ってなさそうね)
「ご協力お願いします」
そう言って彼?彼女?は頭を下げてきた。でも問題がある。
(私は喋れないのよ)
「ですが心を読めます。私の言うことが本当であると理解し、それをルーデウスに伝えることができるのは貴女だけです。字は書けませんか?」
体は多少動かせるけど、そんな細かい作業ができるだろうか?
(どうかしら?できてもかなりシンドそうね)
「できるだけやってください。無理ならルーデウスとロキシーの子が産まれたら、私のことを伝えてくだい。彼女は念話が使えるはずなので」
(はあ、わかったわ。できるだけよ)
「ありがとうございます‼️つきましてはですね。できればこの文字を覚えていただきたいのです」
そう言って未知の文字を私に教えてきた。
まず、右上から左下に斜線。その右に縦線を引いてからハネる。これで『ル』と読むらしい。
ゼニスってエリスと結婚したときルーデウスをポカポカ殴ってたので、動こうと思えば動けると思うのですよね。