遊星のアジトで
早朝に遊星とデュエルをした後
Dホイールに乗って出かける遊星を
見送ったルーティ。
その後、アジトに住むラリー達も起床し
サテライト住人たちの
日常生活が始まった。
朝食を済ませた後
ルーティはラリーに
遊星とのデュエルで負けた事を話し
デッキ調整を始めた。
「いったい、何がダメだったっていうんだ……
手札を全て使っても、遊星に勝てなかった」
頭をかかえるルーティ
「そんなに気にするのも良くないよ。
話を聞くと、≪大嵐≫を使われたから負けたんでしょ?」
「そうなんだが……
俺も≪大嵐≫欲しいなぁ」
「だったら、サテライトのカードショップで
≪ビギナーズエディション2≫の
カードパックを買いなよ!
≪大嵐≫が収録されてるよ。
DP(デュエルポイント)は
いくら持ってるの?」
「1500DPだが」
「それなら10パックは買えるね。
それだけ買えば、
きっと≪大嵐≫が当たるよ!
それから、今日は俺、用事があるんだ。
じゃあね!」
ラリーはアジトを出ていった。
「よし、パックを買いに行って
デッキを強化してやる!」
ルーティがアジトを出た時
ブリッツに呼び止められた。
「おーい、ルーティ!」
「なんだブリッツ」
「お前、Dホイールが欲しいんだろ?」
「まあな。今すぐ必要ってわけじゃないが」
「実はさ、Dホイールを
店の値段より安く売ってくれるって奴を
見つけたんだ」
「本当か?」
「本当さ! こっちに来てくれ!」
ブリッツに案内されると
破れた服の上にジャケットを着た
モヒカン男がいた。
「Dホイールが欲しいって奴を
連れてきたぞ」
ブリッツがモヒカンに
ルーティを紹介する。
「ふーん、お前か。
Dホイールが欲しいって奴は」
「本当に安いんだろうな?」
「本当だよ。
1000DPでいいぜ。
買うか?」
(これを買うとカードパックが
3つしか買えなくなるが……
まあいいだろう)
「買うよ、1000DPだ」
ルーティはモヒカンに
1000DPを支払った。
「まいどあり。いい買い物をしたな。
お前達の寝床は地下鉄だったな?
今日は気分がいいから
すぐに届けてやるぜ」
「やったなルーティ!
俺が責任とって速攻で
届けさせてやるからな!
しばらくしたらアジトに
戻ってこいよ!」
ブリッツはモヒカンの元へ行き
Dホイールを運ぶ手伝いにいった。
「今のうちに
カードパックを買いに行くか」
ルーティはカードショップにいき
ブラックマジシャンガールのコスプレをした店員から
≪ビギナーズエディション2≫のパックを
3つ購入した。
■
ルーティがアジトに戻ると
Dホイールが置かれていた。
「これが、俺専用の
Dホイールになるのか……」
ルーティはDホイールを触ってみたが
Dホイールの妙な軽さに
違和感を感じた。
「このDホイール……
なにかおかしいような……」
そこへブリッツがやってきた。
「お、Dホイール届いてたんだな」
「アンタ、これを運ぶの
手伝ったんだろ?」
「それがさぁ、あのモヒカン
なぜか手伝わせてくれなかったんだよ。
それより、いいフレームじゃないか。
旧式でもなさそうだし
これなら、かなりのスピードが……
あーっ!」
「どうした?」
「このDホイール、エンジンとCPUが
抜かれてる! これじゃ動かねえぞ!」
「ということは
俺たち、だまされたのか?」
「すまねえルーティ。
あんなモヒカン野郎を
信じたばっかりに……
俺、アイツに文句言ってくる!」
「待て! 文句を言ったところで
あのモヒカンが
エンジンやCPUをくれるとは思えん」
「でもよ~!」
「こうなったら
サテライトスラムの
Dホイールショップに行こう。
遊星が場所を教えてくれた。
そこならエンジンもCPUも
買えるだろう」
「ああ、あの店か。
最近閉まってたけど
ようやく再開したんだな。
行こうぜ。
安かったら
俺が責任を持って
買ってやるからよ!」
「それは助かる。では行こう」
ルーティとブリッツは
サテライトスラムのDホイールショップに
向かった。
■
「見つけた! あの店がそうだぜ」
ブリッツがDホイールショップを
指差したとき、罵声が聞こえた。
<この野郎、サテライトのくせに
生意気だぞ!>
<うぎゃあああ!>
「今の悲鳴は……!」
「タカの声だ!
助けに行くぞルーティ!」
悲鳴が聞こえた廃工場へ向かうと
青い髪の男が
ブリッツ達の仲間であるタカを
なぐっていた。
「ケンカはやめろぉぉ!」
叫ぶブリッツに驚き
青い髪の男は殴る手を止めた。
「ぶ、ブリッツ、ルーティ……!
助けに来てくれたのか……」とタカ
「仲間を呼んだか。
サテライトが何人集まろうと
シティ出身の
この瓜生(うりゅう)様には勝てないがな!」
「タカ、何があって襲われたんだ!?」
ブリッツが聞く。
「サテライトスラムを散歩してたら
急にコイツが絡んできたんだ……
シティで悪い事して
サテライトに送られたから
イライラしてたみたいだ……」
それを聞いてルーティは
状況を理解した。
「なるほど。
瓜生のストレス解消の相手に
タカが
たまたま選ばれたというわけか」
「うるせえ! サテライト出身の奴が
俺に文句を言うな!」
「だったらデュエルだ。
アンタが勝てば文句は言わない。
だが、
俺が勝てばタカは解放してもらう」
「いいだろう。
だが所詮はサテライト!
お前みたいな貧弱デッキなんざ
怖くねえよ!」
「「デュエル!!」」
ルーティ
LP4000
瓜生
LP4000
瓜生「俺のターンからいくぜぇ!
ドロー!」
瓜生
手札5→6
「≪代打バッター≫を召喚!」
代打バッター
☆4
ATK1000
「さらに! 代打バッターをリリースして
魔法カード≪孵化(ふか)≫を発動!
自分のデッキから、
リリースしたモンスターより
1つレベルの高い
昆虫族モンスター1体を
特殊召喚する!
現れろ! ≪アルティメット・インセクトLV5≫!」
代打バッターが消えると
虫の卵が出現し
銀色の体をした
8本足の成虫が産まれた。
アルティメット・インセクトLV5
☆5
ATK2300
「さらにぃ! 代打バッターの効果発動!
代打バッターがフィールドから墓地へ送られた時、自分の手札から
昆虫族1体を特殊召喚できる!
いけえ! ≪電動刃虫(チェーンソー・インセクト)≫!」
ツノの部分がチェーンソーになっているクワガタが出現した。
電動刃虫
☆4
ATK2400
「カードを1枚伏せてターンエンドだ」
【ルーティ】
LP4000
手札5枚
・フィールド
なし
【瓜生】
LP4000
手札2枚
・フィールド
アルティメットインセクトLV5
ATK2300
電動刃虫
ATK2400
・魔法罠ゾーン
伏せ1枚
「俺のターン、ドロー」
ルーティ
手札5→6
「俺は≪切り込み隊長≫を召喚」
切り込み隊長
☆3
ATK1200
「≪切り込み隊長≫の効果発動!
召喚した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる!
現れろ≪クレボンス≫!」
クレボンス
☆2チューナー
ATK1200
「チューナーだと!?」
「レベル3切り込み隊長に
レベル2クレボンスをチューニング!
シンクロ召喚! ≪マジカルアンドロイド≫!」
マジカルアンドロイド
☆5
ATK2400
「マジカルアンドロイド(ATK2400)で
アルティメットインセクトLV5(ATK2300)を攻撃!」
「罠発動! ≪次元幽閉≫!
攻撃モンスターを除外する!」
マジカルアンドロイドが
別次元への穴に吸い込まれ
消滅した!
「どうだ!」
「俺はカードを2枚伏せて
ターン終了だ」
【ルーティ】
LP4000
手札3枚
・フィールド
魔法罠ゾーン
伏せ2枚
【瓜生】
LP4000
手札2枚
・フィールド
アルティメットインセクトLV5
ATK2300
電動刃虫
ATK2400
「俺のターン、ドロー!」
瓜生
手札2→3
「スタンバイフェイズに
アルティメットインセクトLV5の効果発動!
こいつを墓地に送り
デッキからLV7を特殊召喚だ!」
アルティメットインセクトは
巨大な羽根を4枚生やした上に
カラフルな体となり
完全体に成長した。
アルティメットインセクトLV7
☆7
ATK2600
「≪LV5≫の効果で呼んだ≪アルティメットインセクトLV7≫がいる限り
テメエのモンスターの攻守は
700ダウンするぜ!」
「そいつを戦闘で倒すには
攻撃力3300以上のモンスターを出す必要があるというわけか」
「そうだ。だが、
これでフィニッシュだな。
魔法カード≪大嵐≫発動!」
「!?」
大嵐を使われ、
遊星に負けた今朝のデュエルの記憶が
ルーティの中で よみがえる。
「フィールドの魔法と罠を
全て破壊するぜ!」
瓜生の勝ち誇った声を聞き
我に帰ったルーティは
伏せカードを発動した!
「カウンター罠発動!
≪神の宣告≫!
ライフを半分払い
魔法の発動を無効にする!」
ルーティ
LP4000→2000
神の宣告により
大嵐は止まった。
「サテライトのくせに
神宣だと!? 生意気な!
だが、これで終わりだ!
アルティメットインセクトLV7(ATK2600)! ダイレクトアタックだ!」
「罠カード発動!
≪聖なるバリア ミラーフォース≫!
相手の攻撃宣言時
相手の攻撃表示モンスターを
全て破壊する!」
ミラーフォースが
瓜生の昆虫たちを全て破壊した!
「ミラーフォースだと!?」
「助かったぜ……
ビギナーズエディション2のパックを
買って
神宣とミラーフォースを
入手できていなかったら
今のでやられていたな……」
安堵するルーティ。
「ハハハ! 何を安心してやがる!
俺の真の切り札を見せてやるぜ!」
「アルティメットインセクトが切り札じゃないのか!?」
「俺は墓地から昆虫族2体を除外し
≪デビルドーザー≫を特殊召喚!
墓地から電動刃虫と
アルティメットインセクトLV5を除外して
ショータイムの始まりだぁ!」
ピンク色の体で赤い顔の
巨大なムカデが現れた!
デビルドーザー
☆8
ATK2800
「まだまだぁ!
墓地から代打バッターと
アルティメットインセクトLV7を除外し
さらにもう1体、デビルドーザー召喚だぁ!」
「2体目のデビルドーザーだと!?」
デビルドーザー
☆8
ATK2800
2体のデビルドーザーが
ウネウネしながら
ルーティを威嚇する。
「俺様の切り札が2体……壮観だぜ。
ここでターンエンドだ」
【ルーティ】
LP2000
手札3枚
・フィールド
なし
【瓜生】
LP4000
手札0枚
・フィールド
デビルドーザー
ATK2800
デビルドーザー
ATK2800
「俺のターン、ドロー!」
ルーティ
手札3→4
「俺は魔法カード≪地割れ≫を発動!
相手フィールドの
攻撃力が1番低いモンスター1体を
破壊する!」
2体の内1体のデビルドーザーが
地割れに飲み込まれ消滅した。
「ちっ、だがまだデビルドーザーは
残ってるぜ!」
「俺は≪ピラミッドタートル≫を召喚」
ピラミッド型の甲羅を背負った亀が現れた。
ピラミッドタートル
☆4
ATK1200
「さらに魔法カード≪強制転移≫を発動!
互いに自分フィールドのモンスター1体を選び、
コントロールを入れ替える!
俺たちの場にモンスターは
1体ずつしかいない!
デビルドーザーをもらうぞ!」
ピラミッドタートルと
デビルドーザーの位置が入れ替わり
ルーティはデビルドーザーを
使えるようになった。
「俺様のデビルドーザーが敵に!?」
「デビルドーザー(ATK2800)で
ピラミッドタートル(ATK1200)を
攻撃!」
デビルドーザーがピラミッドタートルを
無数の足で粉砕した!
「ぐあああ!」
瓜生
LP4000→2400
「ピラミッドタートルの効果発動!
こいつが戦闘で破壊され、
俺の墓地へ送られた時
俺はデッキから
守備力2000以下の
アンデット族1体を
特殊召喚できる! いでよ!
≪レッドアイズ・アンデットドラゴン≫!」
不死のオーラをまとった
黒い体のドラゴンが
赤い目を光らせて現れた
レッドアイズ・アンデットドラゴン
☆7
ATK2400
「なんだ、このモンスター!?」
おびえる瓜生。
「とどめのダイレクトアタックだ!
不死の黒炎弾!」
レッドアイズ・アンデットドラゴンの
吐いた黒い炎が
瓜生に命中した!
「バカな! シティ出身の
俺様がああぁ!」
瓜生
LP2400→0
■
「すげぇ……サテライトに
こんなデュエルできる奴が
いるなんて……」
反省する瓜生。
「もうサテライトの住人に絡んだりするなよ!」とタカ。
「すまねえ!
シティでセキュリティに捕まってから
サテライト送りにされて
もう踏んだり蹴ったりでよ……」
「そんなの自業自得だろ?
俺たちに当たる理由にはならないだろ!」
「だから悪かったって!
許してくれよ」
「そういえば お前
どうやってシティからサテライトに来たんだ?」
「俺は船で来たんだ。
まあ、セキュリティの船だけどよ。
この近くに輸送船の港があるが
その船に忍び込んで
シティに行ってみたいってんなら
辞めといた方がいいぜ。
セキュリティに捕まるのがオチさ」
「ふーん、とりあえず
その港まで行ってみるか」
タカの提案で
ルーティ達は港に行く事になった。
■
ルーティ、ブリッツ、タカの3人は
サテライトスラムの港へ行き
停泊中の船を見た。
「受付のオッサンに聞いたら
船に乗るには渡航許可証がいるらしいぜ」とブリッツ
「渡航許可証なんて
どこで手に入れるんだよ……
イテテ!」
タカは瓜生に殴られたキズを押さえた。
「派手にやられたな。
とりあえずアジトに帰ろう」
ルーティとブリッツは
傷ついたタカを支えながら
アジトに戻るのであった。
【続く】