私が超お姉ちゃんだ! 作:超かぐや姫!に脳を焼かれし者の左足
おはようございます!お姉ちゃんです!昨日まではバリバリ乳幼児やってたんであんまり記憶が無いですが、本日ついに十歳くらいまで成長しました!
いやー、彩葉には迷惑かけちゃったね。これからは自分の意思で動けるし、名誉挽回?汚名挽回?するぞ〜!
ところで、さっきかぐやに流しの下に連れ込まれたんだけど、学校行く日の朝のやつ?これ、もしかしてもう三連休終わってる?まじ?
彩葉の抱っこ堪能できなかったぁ〜!
まぁ、悔いはあるけど切り替えていこう。二人で流しの下は無理があると思います。
「ちょっと、お姉ちゃん動かないでよ〜!狭いんだから」
「何をするためにここに入ったのか分からないけど、流石に二人で無理があるよ!」
かぐやと小声で話していると、外から彩葉の
──ヨッシャ!
が聞こえてきた。これまでのが幻覚だと思ってるでしょうけど現実だよ〜。
「ココダヨー」
かぐやが扉を開けて話しかけた。うわ、彩葉が残念さと驚きが混ざった複雑な顔してる。昨日までハイハイしてた奴がでかくなってたら二回目といえど驚くよね〜。
彩葉が爆速で着替えと登校準備を終わらせて、フライパンで何かを焼き始めた。もしや、これが粉と水のパンケーキ?いいね〜。
料理中の彩葉に、タブレット端末で動画を見ていたかぐやが
「ねーねー、彩葉がいつも見てるこの人誰?好きなの?」
「月見ヤチヨ。AIライバー。推し。歌って踊れて分身もできる、八千歳──って設定」
「AI?ロボットってこと?ヴェー おもろー!お姉ちゃんも見てみ?」
「ふーん。これが彩葉の好きな人?中々可愛いじゃん。でも、うちの妹のほうが可愛いかな!」
「お姉ちゃん分かってるぅ♪」
「このシスコン宇宙人。てかホントにあんたの方がお姉ちゃんなの?めっちゃ年下じゃん」
「うーん、なんでだろね?あ、でも私はまだまだ大きくなるよ!伸びしろの塊!」
「あんた、精神年齢幼くない?」
彩葉は頭が痛そうにしてる。お、パンケーキが全部焼き上がったみたい。
「じゃあ、行ってきます」
「えー、やだやだやだー!」
「うぉ、またデカくなったな」
「一緒いて!」
「無理。学校休めない。家から出ないで。お姉ちゃんとやらもいるでしょ。ご飯はそこ、パンケーキ。」
かぐやは二枚のパンケーキを取ってきて、一枚を私にくれた。私はパンケーキを受け取って、かぐやと同時に頬張った。
「くそまじぃ…」「美味しい!」
あっ!そういえば、これ不味いって評判だったね。月では味が無いものしか食べられなかったから、なんだって美味しく感じちゃう。
かぐやが信じられないものを見る目でこっちを見てくる。
君はもうオムライス食べたから不味く感じるんでしょうが、私は初めての味覚なんです〜。味があるだけで美味しいんです。
「じゃあ、行ってきます」
「待って!やだやだ!おかしいよ。宇宙人だよ?こんな不審者置いていくの?学校ってそんなに大事?」
「命より大事。とにかく、あんたたちを拾ったのは私の責任だけど、もう全部もとに戻すから。さっさと月に帰って」
「でも…月の帰り方わかんないし、こっちのほうが面白そうだし…」
「お姉ちゃんも帰り方わかんない♪」
「お姉ちゃんはこんなだし…」
「何だとコラ」
「早く思い出して。今日中に。分かった?あと、あんたが姉っていうなら、妹の面倒ちゃんと見といてよね」
かぐやが頬を膨らませてる。…可愛い。あっ…ごめん聞いてなかった。何?
「はぁ…。行ってきます」
彩葉が出ていき、鍵がしまった。
「ぶー!いいもーん。好きに遊ぶもーん。……ところでお姉ちゃん、月にいた頃よりイキイキしてない?」
「バレたか。誰かと会話するってこんなに楽しかったんだ、って思って」
「月には私もいたのに〜。私とのお話は面白くなかったの?…でも、お姉ちゃんも楽しそうで良かった」
「…………。このパンケーキがくそまずいならさ、彩葉に本当の料理ってやつを教えてあげればいいんじゃない?」
「材料はどうするの?」
「そこに彩葉が使ってるノートPCがあるでしょ?」
「うん」
「お買い物しちゃおう!」
「良いね!面白そう!」
「パソコンにロックをかけないとは、彩葉も不用心ですな〜」
かぐやと仲良く彩葉のノートPCで買い物を始める。次々と食材をカートに入れていき、購入ボタンを押す画面に進んだ。
後は押すだけなのだが、なんとボタンの下のお買い忘れはありませんか?の欄にスマコンが並んでいるではないか。
「お姉ちゃん、これ、彩葉の机の引き出しに入ってるやつと一緒じゃない?これ、私も欲しい!」
「(かぐやは多分私の分もカードに入れてくれるだろうし、このままだと絶対彩葉のウォレット残高足りないよね)」
「しかも2個セットで1個のお値段って書いてある!これ入れちゃお」
─ポチッ
─決済が完了しました
無事に買えたのはいいけど、罪悪感がすごい…。頑張ってツクヨミでふじゅ〜稼ぐから許して。
・・・・
注文したものが届くまで暇だったので、かぐやと一緒にヤチヨの配信アーカイブを見たり、押し入れの中で寝たりして時間をつぶした。
チャイムの音が鳴る音が聞こえて、押し入れの中で目を覚ます。かぐやが荷物を受け取っているのが隙間から見えた。いつの間にかガッツリ寝ていたらしい。さっさと押し入れから出てかぐやを手伝わないと。
「ごめん、めっちゃ寝てた。手伝うよ。」
「お姉ちゃんおはよ〜。およ、いつもの大きさになってるね」
「そういえば何だか視点が高いな」
「これでちゃんとお姉ちゃんって感じがするね。整理するの手伝って〜」
「承知で〜す。届くの早かったね。まさか午前に注文してその日の午後に届くとは」
かぐやが荷物をごそごそして取り出したものを台所と冷蔵庫、机の上に整理して置いていく。
思ったよりも冷蔵庫の中身が少なかったので、整理はすぐに終わった。
「片付けも終わったし、暇になったね。そろそろ彩葉も学校終わる頃じゃない?見に行こ!」
「オッケー。準備するから待って〜」
「ところで、どこに学校あるか知ってるの?」
「お姉ちゃんに任せなさい!すでにノートPCで都立武蔵川高校がどこにあるかを調べておきました」
頑張って覚えた経路を思い出しながら先導し、わちゃわちゃしながら無事に校門まで来ました。
門の陰に隠れて中をのぞいていると、隣でかぐやが通りすがりの猫を捕まえて可愛がっていた。
犬DOGEを作るきっかけになったMVPと言われるあの猫だ。
知らない人にいきなり触られてるのに逃げないんだね。
「こういうの欲しいなぁ〜」
「あのアパートって動物飼っていいのかな。アパートって全部ペット禁止のイメージある」
「さっきの買い物で携帯ゲームキット買ったんだ。これなら大丈夫!」
「そのやる気を仕事にも出してほしかったなぁ」
「んぇへへ〜。あっ!あれ彩葉じゃない?バレないようについていこ!」
彩葉が芦花・真実と一緒に歩いているのが見えたので、私たちは木に隠れながら尾行することにした。
三人がカフェに入ったのを確認して、突入のタイミングを待つ。
パンケーキが彩葉たちのテーブルに置かれたのを見ていざ突入!
かぐやが素早く彩葉のパンケーキを抜き取り、私の口に突っ込んだ。ふがふが。
「「うまー!よっ!彩葉」」
「え〜可愛い〜。彩葉の友達?」
「彩葉の服着てる〜」
「パンケーキ好き?はい、これもどうぞ」
「パンケーキ?これが?彩葉のと全然ちがーう!」
「こ、これが本当のパンケーキ…。涙が止まらない…」
まともな甘味を食べた記憶がなかったので、パンケーキを口に入れた途端涙が溢れる。
「そっちの子、大丈夫?泣いてるけど…」
「問題ないです。初めての砂糖に感動してるだけです」
「なんで敬語なの…いや!友達っていうか…あの〜…」
「月から来たの!」
「つ〜、つつ、築地だよね!
「わぁ〜。おいしいお寿司やさん教えて〜」
「お名前は?」
「あっ、えーっと…かっ かぐや!で、そっちの泣いてる方が…えー、みこと!」
「かぐやにみことか〜。かわよ〜」
「ねっ、かぐや?みこと?」
やった!私も一緒に名前貰えた!感動でさらに涙が…
かぐやがくるくる喜んでいる隣で、私がヤチヨ泣きしていると
「お姉ちゃん泣きすぎじゃない?どったnおわぁ!?」
「ごめん帰る!ありがとね。ごちそうさま。あとで埋め合わせするから!」
彩葉が私とかぐやの手を引いて爆速でカフェから逃げ出した。
・・・・
「いや〜、さっきの建物の中涼しかったね。あれ彩葉ん家でできないの?」
「そうだよ。一番暑くなる時期も近いのに、ずっと対策しなかったら死んじゃうよ!」
「ふーっ、正気!?正体バレたらどうすんの!何で家から出てくんの!」
「だってつまんないんだもん」
「それに、あんたに姉なら妹の面倒見てって言ったでしょ!」
「そうだっけ?」
「あーもう!」
「ねぇ!これどうやって使うの?」
かぐやが二個セットになっているスマコンを彩葉に見せた。開封してないんかい。
「ん?私のスマコン?持ってきたの?…二個?」
「彩葉のノートPCで買えた!」
「はっ?」
「PCにロックかけてないほうが悪いよね〜」
──ウォレット残高¥452
──前日比¥−124400
「あっ…うぅ…死ぬ気で貯めたんですけど…死ぬ気で貯めたんですけど!」
「えっ?何か銀行?…のデータ書き換えればウォレットの数字増やせるっぽかったよ。やる?」
「私とかぐやが協力してやればバレずに億万長者になれ…る…よ?」
「ダメに決まってるでしょ!絶対!しないでよ!」
・・・・
そんなこんなで、家に帰り、彩葉のためにいくつか料理を作った。思ったよりもかぐやは料理が上手で、私は途中から料理に触らせてもらえず、見ているだけになった。
私は時々味見をさせてもらって、寿司を食べた時のかぐやみたいな顔になってた。どこでそんな料理の知識を?
このままじゃ、月にいた頃に積み立てた姉としての威厳が…。
ずっと見ているだけなのもアレなので、調理器具を洗って干しておきましょう。原作と違って二人拾ってるわけだし、負担も大きいはず。ストレスの原因はちょっとでも少ない方がいいよね。
「これも、ウォレットで?」
「そだよ〜」
「ああ……。…で、そこの監督放棄者は何してんの」
「監督放棄者じゃないよ?みことだよ!…いやね?ちょっとウォレット勝手に使った罪悪感があるもので、調理器具くらいは洗っておこうかと…」
「その考え方ができるのに何で止めなかったのよ!「はい」んぐっ」
「…お金がないのよ?貧乏なのよ。こちとら必死で学費稼いでんのよ。なんなのよ、うまいじゃないのよ。何なのよあんたたち…。」
「久しぶりのおいしいごはんで体が喜びに満ちていくじゃないのよ…」
「……悪魔」
「悪魔じゃないよ、かぐやだよ!」
「ムカつく!…クソッ、ムカうまい…」
・・・・
食べ終わった彩葉が寝転がってお腹をさすっている。お腹いっぱいになれたのなら何よりです。私はというと、かぐやがノートPCでカチャカチャしてるのを横から見てます。
まあ?私もやろうと思えば犬DOGEくらい作れますけど?かぐやより長く月で働いてるので?知識はありますよ?私の分の携帯ゲームキットが無いからやってないだけなんですよ?
「あのさ、マジでここではかくまえないよ?ただでさえ親にムリ言って一人暮らししてるんだし。面倒事は…」
─カチャカチャカチャ…
「できた!」
「ハッ、まさかサイバー犯罪とかじゃないですよね?」
「携帯ゲームキット買ったんだ!これで犬DOGEといつも一緒だって!」
「かわい〜。学校の門のところ猫見てたもんね」
「ねえ、明日何の料理する?食べたいものある?あ、お姉ちゃんは料理下手だから明日も片付け担当ね」
「なんで急に刺してくるの?」
かぐやが急に辛辣…私はあなたのお姉ちゃんなんだよ?もうちょっと敬う気持ちを…
「一生住む気満々かよ…」
「私とかぐやの二人を一緒にかくまってくれる場所なんて他にどこにあるの?もし捕まったら何されちゃうかわかんないよ?」
「その負担を私に強いてる自覚はないの?…はぁ。迎えが来るまででいいのね?」
「「いいの?」」
「目立たない。許可なく外出ない。私の邪魔しない。これ守れるなら、家いていいよ」
「自由が…自由がない…」
「自分でハッピーエンドにするんでしょ?巻き込まないで」
「それ私言ってない…」
「この話無かったことに」
「やばい、助けてかぐや」
彩葉が動いてくれない時はかぐやに頼るべし。かぐやだって追い出されるのは困るはずだし、何とかして〜。
「彩葉ぁ、一緒にハッピーエンドへ行こう?お願い♡」
「〜♪」
「ちょっと〜無視するの禁止!」
「こいつ…」
突然、彩葉のスマホからアラームが鳴る。スマホには19:30を示す画面が映し出されている。
「あっ!この時間までに予習やるつもりが…」
「どこ行くの?またかぐやたちを置いていくの?この映えないつまんない家で、片付けしかできないお姉ちゃんと二人で…」
「うぐっ…。何でまた私に…?もしかしてかぐや、お姉ちゃんのこと嫌いなの…?」
「マジで迎えが来るまでだからね?いい?」
「そうだ、食費は定額制!」
「増えた!」
一悶着の後、ついにツクヨミに行く時がやってきた。彩葉は椅子に座って、私とかぐやはその隣のたたまれた布団に並んで座る。
「行くよ。せーの」
彩葉の掛け声で同時に目を瞑る。一瞬の暗闇の後、キラキラのトンネルが見えて、それを抜けると大きな鳥居がそびえ立っていた。
常人に何も刺激がない長い期間を耐えられるわけがないので、転生者のオリ主は月にいた時点でちょっとおかしくなってます。オリ主の名前が決まったので、続きはありません。