私が超お姉ちゃんだ!   作:超かぐや姫!に脳を焼かれし者の左足

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次話投稿じゃなくて新規に投稿しかけてたので初投稿です。

マジで危なかった。


超お姉ちゃんはマネージャーとして頑張るはずだった

-Sideみこと-

 

ヤチヨのライブが始まった。画面越しに見るのと直接見るのとではやっぱり全然違う。直接聞く方がすっごく感動する。

 

気づいた時にはもう曲が終わっていた。私も彩葉と同じように聞き入ってしまったようだ。さすがに鼻水と涙を垂らしながらってわけじゃないけど。

 

ヤチヨカップの詳細が発表されて、かぐやがクソデカボイスで全てのライバーにとって宣戦布告とほぼ同義の宣言をした。彩葉には何で止めないのって睨まれたけど、止めちゃったら原作が壊れちゃうかもしれないし…できないよ。

 

そうこうしているうちにかぐやがログアウトしていったので私もログアウトしようとすると、なぜかできなかった。あれ?って思う間もなく周りの景色が変わった。どこかの建物のなかのようだ。窓から見える景色的に…

 

 

「ここは……ヤチヨ城の中…かな?」

 

「あったり〜!ようこそ、ヤッチョの部屋へ〜。どう?驚いた?」

 

「うおっ!びっくりしたぁ。って、いきなりワープみたいなことされて驚かない人なんていないでしょ」

 

「ねぇ、みこと(お姉ちゃん)。多分、もう気づいてるよね?」

 

 

バーチャルのはずなのに嫌な汗が背筋を伝う感覚がする。やばいやばい…。もしかして、ヤチヨがかぐやだって知ってることがバレてる?

ご…誤魔化すしかないか?いや、ログアウトできない時点で逃げられないし誤魔化す意味がない。それでも一旦知らないふりをして様子を見よう。

 

大丈夫。転生者だってことを隠して、いつも通りお姉ちゃんを遂行するだけ。月にいた〇〇〇年間上司にも部下にも、かぐやにも気づかれなかったんだから。

 

 

「な、何の事?」

 

「みこと(お姉ちゃん)は月にいた頃から嘘つくの下手っぴだね。嘘つく時は毎回手をグーにして親指をなかにしまうんだから」

 

「えっ!嘘ッ!?」

 

「もちろん嘘だよ。だが…マヌケは見つかったようだな」

 

「しまった、ハメられた!………そうです。ヤチヨがかぐやだってこと、気づいてました」

 

「やっぱりね。いつ気づいたの?」

 

「…最初にチュートリアルで会った時。なんでかぐやが二人いるのかは分からなかったけど、私はかぐやのお姉ちゃんだもの。どんな姿でも絶対気づくよ」

 

「ふふっ、変わらないね。ってそりゃあそうか」

 

・・・・

 

「ちゃんと、こっちのかぐやと彩葉と一緒にヤチヨカップ優勝するから!コラボライブ、楽しみに待っててよね」

 

「待ってるね〜。そんじゃ、あんまり彩葉たちを待たせるのもよくないし、さらば〜い」

 

 

ヤチヨの声が遠くなっていき、現実に帰ってきた。目を開けると天井が見える。どうやら私は布団に寝かされていたみたい。

 

彩葉に聞くところによると、彩葉がログアウトする時には周りにいなかったはずなのに現実に帰ってきても私が起きていなかったことに加え、全然動かなかったから布団に寝かせたそうだ。

 

このまま起きなかったら救急車呼ぶところだったと言われ、焦った。あっぶな!

ヤチヨと話した内容は聞かれてなさそうで良かった。ヤチヨが現実で声が出ないように配慮してくれてたのかな?

 

 

「心配ないよ。ちょっと周りの人とお話してただけだから。あっかぐや金髪になってる〜。可愛い〜」

 

「話そらさないでよ。本当に大丈夫なの?かぐやが泣きそうになってたよ」

 

「ホントに大丈夫だって。心配性だなぁ。お姉ちゃんがみんなを置いて消えたりするわけないじゃん」

 

「ならいいけど…」

 

 

彩葉は納得していないような顔をしていたが、私は気づかないふりをした。

 

・・・・

 

時は変わって朝。彩葉が夏休みの予定をびっしり書き込んだスケジュール表を張り出した。何の教科を勉強するのか、模試を受ける時間帯、バイトの時間帯などなど、あらゆる予定が分刻みで並んでいる。

 

 

「なにこれぇ」

 

「何って、私の夏休みの予定」

 

「うわっ、これ隙間ほとんど無いじゃん」

 

「夏休みだからって気は抜けない。邪魔禁止ね」

 

「えぇ〜〜〜!やだっぴ〜〜〜」

 

 

かぐやがゴロゴロ転がって駄々をこねる。机にぶつかった拍子に教科書が頭の上に落ちていく。痛そう。ここはお姉ちゃんとしてあれをやるべきだろう。

 

 

「かぐや大丈夫?いたいのいたいの飛んでいけ〜」

 

「うぅ…。お姉ちゃんありがと」

 

「で?あれらは?」

 

 

いや怖っ!彩葉の後ろに鬼神が見える。高嶺清麿みたいだ。彩葉の視線の先には散らかされたおもちゃ?の数々。

 

 

「配信用!百均で買ったから安心!」

 

「いつの間に…。かぐやは行動早いね〜。お姉ちゃんは誇らしいよ」

 

「みてみて二人とも!ライバー始めたんだ〜」

 

──かぐやっほー!月からやってきたかぐやだよ!今日はやること思いつかないからこれで終わり!じゃあね〜。

 

──ん…これで切れてるのか?

 

「かぐや、いつの間に配信枠取ってたの?全然気づかなかった…」

 

「お姉ちゃん寝てたじゃ〜ん。起こしてもうにゃうにゃ言うだけだったし」

 

「おいおいおいおいおいおい…てかなんだこの不安になる不協和音は」

 

「ジングルだよ」

 

「あれ?どうやって曲を…あっ!私のキーボード?勝手に出さないでよ〜」

 

「あっ、彩葉もしや弾けるね?全然うまくいかなくてさぁ。いっちょお願いしますよ、先生」

 

かぐやが彩葉の前にキーボードを運んで電源をオンにする。乱暴に床に置いたように見えたけど、置いたときに音が全然鳴らなかったから優しくおいたんだなって分かった。ものを大切にする子に育ってくれてお姉ちゃん嬉しいよ。

 

「ねぇ彩葉!みことにも弾かせてくれない?」

 

「えぇ…?まぁいいけど、あんた弾けんの?」

 

「ふふん。弾いたことないけど案外うまくいくかもよ?」

 

「うわ、駄目そ〜」

 

──♪~♪~

 

「ストップストップ、何だこのこもった音!どうやって出してんの?かぐやよりはマシだけどみことも相当酷いよ」

 

「ごめ〜ん。才能なかった…」

 

「そもそもまずコードってのがあって…」

 

 

彩葉と位置を交代し、彩葉がキーボードと向かい合う。そして、奏で始めた音楽はとても綺麗なものだった。

 

 

「わぁ〜」

 

「こういうのは?」

 

「天才!すごすぎる〜」

 

「これが本職の音色か〜」

 

「違うよ。いろいろ中途半端にできるってだけ」

 

「もっかい!エンドレスで」

 

かぐやの目が輝いてて、すごく楽しそう。本心から思ってることを言ってるのは知ってるけど、めっちゃ褒めるじゃん。彩葉のこと好きすぎでしょ。

 

 

「そうだ!彩葉の曲を私が歌えば、大バズ確定じゃん!ねぇ彩葉、作って!」

 

「かぐや歌上手だもんね〜。月にいたときもよく歌ってたね。また聴きたいな」

 

「ほら、お姉ちゃんもこう言ってる」

 

「いやいや、カバーでいいじゃん」

 

「いや〜!オリジナルがい〜い〜」

 

 

かぐやが諦めないと悟ったのか、彩葉はパソコンのフォルダの音楽がいっぱい入ったやつを開いた。数字が振られてるだけだったから、どれが何なのかは分からないけど結構作ってるんだね。

 

「昔のやつ。もはや黒歴史だよ。新しく作る暇はさすがにないからね」

 

「これ彩葉が作ったの?すごすぎ〜」

 

「お姉ちゃんにも聞かせてよ〜」

 

 

かぐやの耳から片方イヤホンを抜き取り、私も聞く。これはあれだ、『私は、わたしの事が好き。』のやつだ。

 

 

「いいから、適当に歌ってみたら?」

─誰も止められやしない

 

─歌わずにはいられない

 

「彩葉、プロデューサーになって?一緒にヤチヨカップ優勝しよう。お姉ちゃんはマネージャーね」

 

「乱入するお姉ちゃん枠じゃ駄目なの?」

 

「それじゃあ偶にしか出られないじゃん!一緒にやろう?このボロアパートから伝説が始まる…」

 

「ボロアパート言うな。ムリです」

 

「え〜ん!絶対楽しいのに〜」

 

「邪魔しないならここにいていいって言ったでしょ?」

 

「ねぇ彩葉。このまま終わりたくない。ハッピーエンドにしたいな〜」

 

「みことからもお願〜い。マネージャーとして一緒に頑張るからさ?彩葉にだけ無理はさせないから」

 

 

かぐやと二人揃って目をうるうるさせ、首を傾げる。頼む彩葉、折れてくれ。何でもするから。

 

 

「くっ、うぅ…。それ、ずるくない?」

 

「やったー!彩葉、お姉ちゃん!頑張ろ〜ね」

 

 

こうして、かぐやのライバー活動が始まった。

私はマネージャーとして二人をサポートすることになってはいるけど、音楽関連は彩葉が何でもできちゃうし、ライバー活動とか実生活の食事とかはかぐやができる。

 

私何をすればいいの?完全に蛇足じゃない?こうなったら、皆が気持ちよく過ごせるように片付けとか掃除とかをするしかない!

 

早速取り掛かったのは、かぐやが家でダンスと歌の練習ができるようにする環境づくり。練習中に壁ドンなんてされたら萎えちゃうもんね。

 

というわけで、お隣さんの部屋の前まで来たわけですが。よく考えると壁ドンセッションバトルでマブダチになれるならわざわざ挨拶なんて必要ないのでは?いやいや、悩みのタネは少ない方がいいでしょ。覚悟を決めてチャイムをピンポンだ。

 

 

「すみません、隣のものなんですけどちょっとお時間よろしいですか?」

 

 

ドアは開かなかったけど、声は聞こえてきた。反応はしてくれるみたい。

 

 

「なんですか?わざわざ出るのめんどいんでインターホン越しでお願いします」

 

「あの…えっと、これからしばらく、昼間にちょっとうるさくしちゃうと思うので、先に謝罪をしておこうというわけでして」

 

「あー、別に夜中にうるさくしないんだったら良いですよ。けど、夜中にあまりにもうるさくするようなら大家に対処してもらいますからね」

 

「ありがとうございます!もちろん、夜中は静かにしますので。それでは、失礼します」

 

 

怖かった。緊張した。声聞こえてきた瞬間足ガクガクしてた。でも隣人の了承は取れたし、よく頑張った、私。

 

後は、何ができるかな?とりあえず風呂トイレの掃除は私がやるとして、食器の片付けとかお使いもあるね。良かった、ちゃんと力になれそう。

 

ちなみに、ツクヨミでのかぐやの路上ライブは、彩葉と一緒に着ぐるみを着て花を撒いたりしてます。

 

・・・・

 

かぐやのライバー活動が始まって少し経ったころ、私はいつも通りバスルームの掃除をしてます。

……ところで、掃除の時って歌いたくなるよね。ドアも閉めてるから誰にも聞かれないだろうし、歌っちゃお。

 

 

「心拍数上げて生っき〜よぉよ、退屈奪って〜いぃこ〜よ、うぅざいのも〜沼って、好きになっちゃうよ☆」

 

 

スポンジをマイク代わりにして、くるっと回ってギャルピース!あっ、かぐやだ。……………。

 

 

「かぐやぁっ!?」

 

「お姉ちゃんもノリノリだねぇ。結構歌も上手じゃん。次の路上ライブ、一緒に歌お?」

 

「ドアに掃除中ってメモ帳貼ってたじゃん!なんで入ってくるの!?いつから見てたの!?うわあああ!」

 

「へへへ。お姉ちゃん顔真っ赤〜。ちなみに彩葉もしっかりお姉ちゃんの歌、聞いてたよ」

 

「みこと、掃除しながら歌うのはいいけどさ、うちは壁が薄いんだから。それに、ドアちょっと開いてたよ」

 

「うわあああああん!」

 

 

拝啓、月の姫様。どうやら次のライブから私も歌って踊ることに決まりました。ぴえん。




もうちょっとオリジナル展開を多く書きたいので続きません。
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