雷鳴に刻まれし運命を背負う少女の深い闇―The Black Lightning Destiny― 作:管理局事案編纂室
その日、フェイトは深刻な顔で幼馴染二人を呼んだ。
「なのは…………。はやて…………」
あまりにも深刻そうな様子に、名を呼ばれた二人は居住まいを正し、真剣な面持ちで続きを促した。
「フェイトちゃん、どうしたの……?」
「なんや、なんかあるんやったら言うてみ?」
「うん……。ありがとう……。その、驚かないで聞いてほしいんだけど、実は、実はわたし……」
ゴクリ。
誰かが唾を飲み込む音が聞こえた。静かに緊張が高まる。いったい、何を言うつもりなのか……?
「実は、フェイト・T・ハラオウンは仮の姿なの……!本当の私は今は滅びた世界の王族だったんだ……。だから、これから三人でいるときは私のことを『
「…………………………え?」
「…………………………は?」
困惑する二人を置いて、フェイトは一人でヒートアップしていく。今、彼女は悲劇のお姫様という設定に忠実にのめり込んでいた。
「ごめん、突然こんなこと言われても困るよね……。でも二人は本当の私と深い関わりあるの。今は思い出せなくても、きっとそのうち思い出せる」
自分の世界にトリップしてしまったフェイトを尻目に、2人は目で会話する。
(はやてちゃん……どういうこと……?)
(ウチが知るかいな。また変なもん拾い食いでもしたんとちゃうか)
(いくらなんでも犬じゃないんだからそんなことしないと思うよ……?)
「なのはは本当は近衛隊長で『
「ちょいまてや」
「?どうしたの」
「どうしたのじゃあらへんわ!なんやわけわからんこと言い出しおった思うたら『似非関西弁腹黒タヌキ』て!?思い切り悪口やないかッ!なんで二人はダークサンダーとかデイブレイクとかルビ振ってあんのにウチだけ『似非関西弁腹黒タヌキ』やねん!?ウチは似非でも腹黒でもタヌキでもないわッ!!!」
「でも、私なりに二人の本質を考えて」
ブチィッ
はやてから何かがキレる音が聞こえた。なのはがサッと距離を取る。
「よおく分かったわ。久しぶりにシバいたるから表出ろや」
「どうして怒ってるの……?『似非関西弁腹黒タヌキ』……」
「ブフッ!!!???」
キレるはやてに、どうして怒っているのか本気で分からない様子のフェイトが再び燃料を投下する。思わず吹き出してしまうなのはをギロリとはやてが睨む。
「ええ度胸やないか……。もう泣いて謝っても許さん。叩き潰す」
「お、落ち着いてはやてちゃん。フェイトちゃんも悪気があるわけじゃないから……」
「余計に質悪いやないかっ!自分はなんやかっこええ名前もらえたから余裕ぶっこいてられるんやっ!!!」
「もしかして気に入らなかった?『似非関西弁腹黒タヌキ』」
「気に入るわけないやろっ!!!?おのれはアホか!!!」
「…………そう」
フェイトは目に見えてシュンと落ち込んでしまった。信じられないことに気に入ってもらえる自信があったらしい。
(はやてちゃん、フェイトちゃん落ち込んじゃったよッ!?)
(どう考えても泣きたいのはウチやろ!?なんでウチが悪いみたいになってんねん!?)
「あ、今日は早く帰ってくるように言われてるんだった。じゃあまたね、『
「ちっとも反省しとらんやんか!!!?待てやコラッ!!!」
「落ち着いてはやてちゃん!?フェイトちゃんが空気読めないのは今に始まったことじゃないから、言うだけ無駄だよっ!!!」
「これが落ち着いていられるかって自分も大概酷いな!?」