「見えてきました。」
赤城達の艦隊の前方に二人の影が見える。
二人もこちらが見えたのか位置を知らせるように大きく手を振っている。
「敵ではないようですね、安心しました。」
加賀は弓に番えていた矢を矢筒にしまいため息をついた。
「あれが・・・秋月さん。
まだどこの鎮守府も保護したことがないと思うけど。」
「あっ、ちょっと暁さん単独行動はよしてください!」
暁が安全を確認すると主機を全力で回して二人の元へと近づいていく。
よほど心配だったのだろうか。
「私が来たからにはもう大丈夫よ!」
「あ、あの貴方たちは?」
「私たちは横須賀鎮守府所属の艦娘です。あなたが秋月さんでいいのね?」
「あ、はい。」
秋月の後ろにはブロンドの髪をした艦娘が立っていた。
弓と矢筒を持っているあたり彼女が空母でいいのだろう。
「えっと、貴方は?」
「えっ、あっはい。私はオーシア海軍所属空母ニカノールです。」
おーしあ?にかのーる?知らない名ですね。
でも鎮守府によっては海外艦も居るみたいですし・・・
「とりあえず詳しい話は後で話しましょう。あの、動けますか?」
その質問に二人は首をかしげる。
ああ、これは艦娘になり立ての子達と同じですね・・・感のいい子だと祈りたいです。
「貴方たちはその足に着けている主機で海面を動くことが出来るんです。
とりあえず歩くことを考えてみてください、動けるはずですから少し動いてみてください。」
それを言うと二人はお互いでアイコンタクトを取って動き始めた。
二人とも上手く水上を動けていた。 よかった感のいい子ですね。
「それじゃあ、私たちについてきてください。
皆さん輪形陣を作って、彼女たちを中央に配置します。進路変更目的地横須賀鎮守府。速度原速」
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なんだか驚きで流されるまま従ってるけど大丈夫なのかしら?
でも見た感じ悪い人たちでは無さそうですし・・・いざとなったらこの弓で何とかなるのかな?
「ところで貴方たちはここに来るまでに何か覚えていることはありますか?」
「いえ、沈められたと思ったら海の上に居たって感じで。」
そう答えると横を滑る赤色のスカートの長髪の女性はため息をついて肩を落とした。
「あの・・・ここっていったい?」
「そうね、鎮守府に着く前にいろいろと説明しておきましょうか。
この世界は数年前に世界大戦があって、結果は私たち日本の負けでした。
まぁこの戦争については後日ということで。
で、終戦後世界各地に深海棲艦という人類を脅かす砲や魚雷、艦載機をつかう化け物どもが出現しました。
人類は対抗手段がなく危機的な状況に陥りましたが、先ほど言った大戦で沈んだ私たち日本の船が艦娘として復活
・・・というと違和感がありますがこの体に生まれ変わって、深海棲艦と戦っているって感じですね。
あ、見えてきましたね。とりあえず詳しい話はあの施設でしましょう。」
そういわれて彼女の向く方向を見ると大きな港が見えてきた。
だがしかし何処か古さを感じるような見た目でもあるなぁ・・・
「私たちの家、横須賀鎮守府です!」
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どうも秋月です。
目が覚めてからいろいろとありすぎて混乱していますけど今はもっと混乱しています。
私たちを助けに来てくれた人たち?が横須賀まで連れてきたんですけど・・・違いますあきらかに。
いくらか見覚えがある建物があるんですがそれはもっと古びた感じで、今見えるようにきれいではありませんでした。
それに横須賀には同盟国であるオーシアの船や基地があってそれがあるはずなんですけど、それも見当たりません・・・
「それじゃあ、こちらに来てください。提督に話を通しますから。」
案内されるがまま赤煉瓦の大きな建物に案内されました。
中では海軍の制服を着た人やスーツを着た人などがいきかいしていてなんだか不思議な感覚に、
今までは船から見るだけだったのにこんな風になっているんだと。
「失礼します。」
気づくと大きな扉に金属のプレートに重厚な感じで執務室と書かれた部屋の前に立っていた。
そして案内してくれた赤いスカートの女性がノックをして部屋の中から入室を許可する声が返ってきて中に入ると
白い海軍軍服に身を包んだ男が外からの日の光を大いに取り込める窓を背に座っていた。
「提督、報告します。演習より帰投中に硫黄島周辺海域にて二名の艦娘を発見、保護しました。
二名は軽巡クラスに正規空母クラスとなります。」
「ああ、ごくろうだった・・・と言いたいところだが。
赤城、なんか忘れてないか?これが無いせいで私は非常に心配したんだが?」
報告して終わると思っていた赤城はその事を言われて鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが
しばらくしてハッと気づいたようで。
「定時報告・・・ですよね?」
「そうだよ!基地の電探と見張り員が報告に来てくれたから安心したけど
敵の奇襲とかでなにあったんじゃないかと思ったんだぞ!?」
「うぅ・・・申し訳ありません・・・」
提督と呼ばれる男性は肩で呼吸をするほど、はぁはぁと怒りと呆れを織り交ぜた顔をしていた。
それを受けた赤城は頭を垂れてぐうの音も出ないようだった。
なお、ニカノールも秋月もいきなりの大声にびっくりして飛び上がりそうだった。
しばらく沈黙があり、提督がひとつため息をついて言った。
「罰として赤城と加賀は補給以外のボーキサイトと特例以外の外出は禁止だ。
これは赤城から加賀に伝えておくよう。」
「そんな!外出はともかく私からボーキサイト取るなんて!それに加賀さんに「なにかあるのかね?」・・・いえ、ありません。」
一瞬すごい眼光でこっちを睨み付けたと思ったら赤城は黙り込んでしまった。
「ならよろしい。下がりたまえ。」
「はい・・・わたしのボーキ・・・」
すごい落ち込んだ様子で部屋を出ていった。先ほどの凛々しさなんて皆無であった。
「すまないね、部下の失態を見せてしまって。
いきなりですまないが君たちの所属と艦種と艦名を教えて貰えるかね?まずはそっちの黒髪の子から。」
「あ、はい。私は日本国海上自衛隊第一護衛隊群所属、秋月型護衛艦の一番艦秋月です。」
(自衛隊?第一護衛隊群?護衛艦?)
「なるほど、秋月か。そっちの彼女は?」
「私はオーシア海軍第七艦隊所属ビンセント・ハーリング級航空母艦CVN-88ニカノールです。」
(オーシア?ハーリング・・・ニカノール?
それにCVは確かアメリカで空母を意味する言葉だが・・・N?)
「ニカノール、ふむなるほど。
私は日本海軍少将の泉と言う者だ。ここ横須賀鎮守府の長をしている。呼び方は好きにしたまえ。
先ほどの彼女のように提督と言う者も居れば司令官や司令と呼ぶ奴もいるからな。
で、そんなことはいいから早く質問したいという顔をしているな二人とも。」
ニカノールと秋月は何か悪寒を感じて少し身震いをした。
「あの、では泉司令よろしいでしょうか?」
ニカノールが恐る恐る手を上げる。
「いいだろう、なんだねニカノールさん」
「私たち二人は意識が回復するまでただの船でこんな人間の体なんて持ち合わせていませんでした。
これはいったいどういうことでしょうか?」
「それについてはだね・・・なんというか我々にも詳しくは説明できんのだがね。
簡単に説明してしまうと
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ということなんだ。
つまり君たちはその艤装と呼ばれる道具を使い深海棲艦を撃滅するのが目的なんだ。」
信じられないがげんにその艦娘という存在を目の当たりにしてきたのだ信じないわけにも行かなかった。
ニカノール、秋月ともに難しい顔をしていると提督が口を開いた。
「まぁ、なんだ君たちの質問に答えたのだから私からも質問をさせてもらってもいいかね?」
「あ、どうぞ。なんでしょうか?」
「君たちはアメリカ合衆国、イギリス、ソ連という名前の国を知っているかね?
いずれの国もこの世界において知らぬ者がいないほどの大国なのだが。」
「秋月ちゃん知ってる?」「いえ、私たちの知っている大国と言えばオーシア、ユークトバニアとかですよね?」
「そうよね・・・申し訳ありません提督。それらの国名は存じ上げません。」
「だろうな、わしも君たちが今話していた国名なぞ聞いたことがない。
・・・つまりだ。わしはオカルトなんてもの信じる気にはなれんのだが・・・君たちは別の世界から来たと考えていいんじゃないかな?」
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読書の皆さんありがとうございます!
今後とも生暖かい目で見守りつつご意見ご感想、そして指摘などをしていただければ
ありがたいです。
自分、固定した書き方が出来ないのでなにかしらのアドバイスがあればありがたいです。
まぁ、書き手としてすごい致命的なのはわかるんですけどね。
それでは次回にご期待しないでお待ちください。