タトゥイーンの二重太陽が照りつける熱砂の上、地鳴りのような履帯音を響かせて進む大型移動住宅兼ジャンク回収船、サンドクローラー。
その巨大な鉄の塊の進行前方に、それ以上に異様な「何か」が揺れていた。
二足歩行のシルエット。しかしドロイドにしては太く無骨であり、AT-STにしては背が低い。
フレームの隙間からはむき出しの油圧パイプや無数の配線が這い回り、背中には無理やり溶接されたAT-ST用のエンジンと、不均等に跳ね上がった外付けラジエーターが露出している。
「……ウーティニ?」
操縦席のジャワが黄色い目を明滅させ、くすんだ双眼鏡を覗き込む。
歩行はどこかぎこちない、だが確実に「自力で歩いて」いた。
サンドクローラーの影が迫るのを察したのか、その鉄の塊はゆっくりと向きを変え、少し離れた岩かげへと退避する。
悲鳴のような排気音と金属摩擦音を響かせ、脚部関節が前後へ折れ曲がる。
全高を急激に下げて砂地に身を伏せる姿は、まるで獲物を前に屈み込む鉄の野獣だ。
ハッチが開き、中から古いパイロットスーツに身を包んだ人間がのっそりと這い出してきた。
バイザー型のディスプレイを跳ね上げ、視線だけで近づくサンドクローラーを一瞥すると、慣れた手つきで背部のフィルターの点検作業に入り始めた。
岩場には工具や予備のジャンクパーツ、圧送用ホースが散乱しており、ここが彼の簡易的な野外工房であることが見て取れた。
「ウーティニ!」「ウーティニ!!」
その光景は、サンドクローラー内部のジャワたちにとって「究極のエンターテインメント」であり、同時に「見たこともない極上のジャンクの山」だった。
瞬く間に噂は船内に広まり、錆びた小窓という小窓から黄色い光る目がびっしりと押し寄せ、押し合いへし合いを始める。
ついに耐えかねたサンドクローラーはガガガと履帯を止め、昇降用スロープがバタンと音を立てて砂地に下りた。
「ウーティニ! ウーティニ!」
フードを被った小柄なスカベンジャーたちが、ゾロゾロと蟻のように群がって降りてくる。
彼らの目は、見たこともない3連タレットレンズ、無理やり組み合わされたAT-STのエンジン、そして前腕部に組み込まれた怪しげな火薬シリンダーに釘付けだった。
恐る恐る手を伸ばしてフレームを叩く者、足裏のワイドホイールを覗き込んで仲間と激しく議論し始める者、勝手に工具箱を開けようとしてパイロットに睨まれる者——。
タトゥイーンの不毛な岩場は一瞬にして、無骨な手製ATを囲む騒々しいジャンク市へと変貌していた。