暁美姉妹の日常 作:現在匿名
執筆の励みになっております!!
「あなた本当に何もしてないのよね」
「するわけないでしょう。何なのですその『まどか先輩』という正体不明の生命体は? マルグリートなのですか?」
「そんなわけないでしょう」
あってたまるものか。
というかどうやって誕生した。
「・・・・今名塚底根で見た記憶を参照してみたのですが、面白い情報が出てきました」
「?」
「何でも『皆のガチャの恨み』『希望と絶望が合体した結果』『くじ全然当たらない』などの形容しがたいエネルギーが垣間見えたので、それがその生命体を作った・・・・のではないかと」
「意味が分からないわ!!」
全員自業自得じゃないッ!!
変な生命体を作らないでほしい。
「そしておそらく、ありとあらゆる魔女・・・・過去未来現在全ての魔女と間接的に繋がっていた私が完全に気が緩み切って寝相がおかしくなった状態でいる時に貴女が接触したことで、ある世界線の存在がこの世界に流れ込んできたのでわ?と・・・・あ」
「やっぱり貴女のせいじゃないッ!!」
朝のリビングに私の絶叫が響く。
何、つまりアレなの?
この女は寝ている時、寝相や寝る位置によって世界線ガチャになるの?
私は偶々ハズレ引いて、あの化け物を呼び込んでしまったと?
「空き部屋あるからそこで寝なさい!!」
「まあ!! お部屋くれるんですの!!」
「非常に癪だけど・・・・私の安寧のためにね」
「飾りつけはどうしましょう!!」と楽しそうにするワス。
私はもう色々ボロボロなのに・・・・この女ときたら・・・・。
悪夢(?)を忘れるため、私はコーヒーを入れながら学校の準備を進める。
しかし、問題はここからだ。
「朝ごはんはどうするのです、ほむら? まさかコーヒーだけとか言いませんよね」
ーーこの魔女が何をしでかすのか監視しないと
「まいば〇けっととやらで朝ごはんの材料でも買ってきましょう。さすがに空腹のお腹に飲料、しかもカフェインのみは育ち盛りの中学生にとってあまりに酷です」
「不要よ」
「ならばせめて朝マ〇クとやらを・・・・いえ、朝ミ〇ドを」
「貴女が食べたいだけよね? 時間的に厳しいから無理よ」
「あなた本当に・・・・私の時代と比べたらこんな平和な時代で・・・・」
「ウソ泣きしても無駄よ。あと、マ〇クのクーポン券構えても無駄」
「ならお昼は!!」
「購買で買いなさい、お駄賃はあげるから」
「お駄賃って、私は子供ですか!?」
「あら、老けていると認めるということかしら?」
「貴様、言ってはならぬことを!!」
ため息をつきながら「食事とお部屋の模様替えのためにも私自身でお金を稼ぐ方法がないといけませんわね・・・・」と呟くワス。
何をする気かしら? 変なことでないといいのだけれど。
というか本当に俗っぽいなこの魔女。
「お昼は一緒に食べましょう。どうせコーヒーだけでしょう?」
「まさか」
「そうですよね、流石に「ゼリーとお酢も飲むわ」貴女限界OLですか? キリギリほむらですか? 食に喧嘩を売っているのですか?」
「?」
「素? 素なんですか? 固形物が全くないことに疑問を持ちませんの貴女?」
いやだって固形物を食べると疲れてしまうから・・・・。
「消化によいもの作って差し上げますからお昼は「不要と言ったわ」」
答えを待たずに私は家を出る。
学校に向かう通学路、ペースを緩めることなく歩みを進める。
「こら、勝手に行かないでください。妹」
「だから・・・・ああ、もう」
このネタいつまで続くのかしら?
私を心配していたとかほざいていたけれど、何が目的なのかしら?
というか。
「結局、まどかはどうなったの?」
「昨日の夜いたでしょう?」
「アレ(まどか先輩)はまどかじゃない!!」
「じゃあ円環の理は?」
「まどかじゃないわ」
「では、この写真に写っているのは?」
ぴらりと出てきた写真。そこにはまどかの・・・・。
「なぜ制服姿で寝ているまどかの写真がッ!?」
ーー私ですら自制していたというの・・・・いえ、何でもないわ
「貴女の翼を切り落とした時に家にお邪魔していたでしょう? ・・・・少々思い出が欲しいと思いましたので、パシャリとセルマから借りた遊園地の機材であるカメラで」
「スマホとやらがあれば良かったのですけれどねぇ」というが・・・・。
「盗撮じゃない!!」
「貴女にだけは言われたくはありません、世界監禁型の悪魔」
「それとこれとは別よ!!」
「渡しなさい!!」「嫌ですぅ」
ワーワーワーワー朝っぱらから少女二人の騒ぎが繰り広げられる。
ーー何をやっているのかしら私・・・・
息を切らし始めたのでお互い一時休戦する。
「本当に体力がありませんわね。三食ちゃんと食べるということを誓うのであれば、マルグリートがどうなったのか・・・・名塚底根の記憶を参照して調べてあげても良いですよ。ついでに写真も付けましょう」
「他に・・・・写真・・・・は?」
「この一枚だけです。マルグリートに誓います」
・・・・正直、この女から施しを受けることにまだ抵抗がある。
が、まどかへの愛情、それだけは信じてやっても・・・・ギリギリ良い。
ーーけっしてまどかの写真が欲しい訳じゃないわ
ーーええ、そうよ。けっして、けっして!!
ーー昔(ループ中)みたいにまどかの寝顔を見続けたいわけじゃないの!!
ーーただちょっと、心の安定を保ちたいだけなの!!
「・・・・変なものは出さないで頂戴」
「これでも修道女の真似事もしていましたのよ? そんな罰当たりなことは致しません」
クスクスと笑うワス。人の困った顔を見て、何が面白のかしら。
「ではとりあえず朝食から。いざ、朝マ〇クへ!!」
「流石に待ち時間が厳しいからまた今度にしなさい。始業のチャイムまであと三十分よ」
「言質取りましたよ!! 絶対行きますわよ、マ〇ク!!」
どれだけマ〇クに執着しているの?
まあ確かにおいしいんだけど。
ーー時々食べたくなるのよね、あのジャンキー風味
長いこと食べていないけれど、まあ食べてみるのもいいかもしれない。
「あとミ〇ド。あの円に穴をあけただけだというのに多種多様な味やデザインがある素晴らしい食物!! 名塚底根で暇つぶしに魔女の記録を通して現世の情報を見ていた時に偶然目にして以来ずっと食べに行きたいと思っていましたの!! あの『ぱない!!』お菓子を必ずや・・・・」
「まどか以上に執着していないかしら」
ミ〇ドに、いや、ドーナツに。
「・・・・いえ、マルグリートへの愛の方が大切です!!」
「今の間は何?」
「勘違いしないでください!! 私は偶々目に入ったミ〇ドを、できれば毎日食しておきたいと思っているだけなのです!!」
ーーそれかなり愛しているということなのでは?
そう言いながらもうすぐ学校に着いてしまう。
周りの生徒も多くなってきた。
あとからとやかく言われるのも面倒だし、約束は守っておいてあげよう。
「とりあえず、コンビニで軽くご飯を買いましょう」
「コンビニ? まい〇すではないのですか?」
「似たようなモノよ」
というか、まい〇すに執着しすぎじゃない?
そんなことを考えながら、おなじみのBGMが流れるコンビニに入る私達。
「ほむら見てください!! 中華まんや揚げ物があんなに!!」
「流石にきついわ」
「なんと!! 何ですかあの可愛らしい人形は!!」
「プ〇キュアのくじの景品ね」
「プ〇キュア? ほむら、それは一体!?」
「変なことしてないで。ご飯買うんでしょう、さっさと選びなさい・・・・」
ついでだ、私も飲み物位かっておく・・・・
「かご一杯に何を入れているのかしら?」
「? このプ〇キュアコラボの商品ですが? クリアファイルとやらが貰えますし、買っておいて損はありませんわ?」
「そうではなく」
話が通じない。イラつきながらかごの中身をさばく。
「朝ごはんでしょう。チョコはいらない、というかお菓子ばっかり買わない!!」
「ああ、そんな殺生な!!」
「お金出すの私なのよ!? ちょっとは遠慮とかしなさい!!」
とりあえず菓子パンとジュースだけでいいだろう。
未練がましくプ〇キュアコラボ商品を目で追うワスを引っ張りながら何とかレジで会計を済ませる。
コイツ本当に私よりも年上なのよね? 年増なのよね? 大魔女なのよね?
「・・・・お姉さんですか?」
「はい?」「はい、そうですッ。私が姉です!!」
店員のおばちゃんが少し微笑みながら話しかけてきた。
いや、問題はそこではなく。
「あら、綺麗な姉妹だこと。お姉ちゃんなんだから妹に迷惑かけすぎちゃダメよ」
「あの「これは申し訳ありませんわ、ご婦人。妹との久々のお買い物なのでついはしゃいでしまいまして」・・・・ちょっと」
優雅に礼をするワス。そしてそれを嬉しそうに見る店員さん。
ーー勝手にしゃべるな!!
ーーあと無駄に芝居がかった動きをするな!!
「これ、前のプ〇キュアのシール。余っているからあげるわ。だから妹さんと仲良くね」
「まぁ、ありがとうございます!!」
「恥ずかしいからもう行くわよッ」
首の根っこを掴みながら駆け足でコンビニを出る。
ワスは店員さんに手を振っている。しかも店員さんも振り返しているし!!
「コンビニ、良いところですわね。ほむら」
「あのコンビニもう行けない・・・・て」
ますい始業のベルまでもう時間がッ!!
コンビニで時間を使いすぎた!!
「走るわよ、ワス・・・・て、もういない!?」
「遅いですよ、ほむら。学校に遅れます」
気付けば私よりも遥か先。小走りを駆けているワスがいた。
しかもちゃっかり買ったご飯が入っている袋持って行ってるし。
「誰のせいだと思っているの!?」
そう言いながらも私たちは通学路を走る。
コイツが来てからこんなことばかりだ。
・・・・学校も、無事に過ごせるか不安になってきた。
ーーけれども
ーー不思議と暗い気持ちにならないのは何故かしら・・・・
「あら、元気のいい学生もいるもんね」
「そうだね・・・・あれ、あの子・・・・この間タツヤと遊んでくれた・・・・」
「? ああ!! あの時の・・・・前は知ってるのお姉さんかな?」
「最近見なかったけど、元気そうで良かった」
ーー? 今、誰かがいたかしら?
「走りなさい運動不足!!」
「走る原因作った奴が言うなッ!!」
学校、本当に大丈夫かしら・・・・。