暁美姉妹の日常 作:現在匿名
執筆の励みにしております!!
何とか遅刻することなく学校に着いた。
HR開始まで少しだけ余裕がある。
「あ、おはよー・・・・えっと」
「ごきげんよう、転校生のワスです」
朝から色々ありすぎた。というか何で私はこんなに疲れているのかしら・・・・。
「あ、そうだった!! ごめんごめん名前まだ覚えられなくて」
「まだ数日ですから当然ですわ。あ、そうでした。この間紹介してくれた映画とても面白かったです」
まあ取りあえず皆に状況の共有と・・・・後は・・・・。
「見てくれたの!! というか覚えててくれたの!?」
「この間のカラオケとやらでとても熱心にOP歌っていましたでしょう?」
「ワスちゃんあの時音楽に合わせて踊り始めてヤバかったよね!!」
「西〇兄貴の曲の魔力は異常だよぉ」
皆に・・・・特に、さやかに・・・・謝らないと。
「次は逆〇ャアどう!? 逆〇ャア!!」
「あ、ズルい!! アンタばっかりワスちゃんと話して」
「ワスちゃん、今度また皆でショッピングとか・・・・」「良いですわねぇ」
酷いことを、沢山してしまった・・・・。
「あ、そうだ。今度さワスちゃんが言ってた巴さんも誘ってみない?」
「それはよいですわ!!」
「巴さんって一年のころから同じクラスなんだけど、凄い美人だから話しかけづらくて」 「話してみましたが家庭的でとても面白い方ですよ」
「ワスちゃん手ぇ早!!」
許してほしい訳じゃない。
けれど、まどかを取り戻すために・・・・。
「ところでその子は?」「私の可愛い妹ですわぁ!!」
そしてこの状況から脱するために!!
何としてでも協力を取り付けないと、私のメンタルがおかしくなるわッ!!
「ほら、我が妹ほむら? 挨拶をするのです」
この魔女!? 逃げられないように私の肩を抑えているッ!!
顔を見ると、片目でウィンクしてくる。
しかもイイ笑顔で!!
「ワスちゃん妹居たの!?」
「ん? 暁美 ほむら?」
「顔小さぁい!! 髪キレイ!! ワスちゃんとそっくり!!」
ーー元々私の顔でしたからねぇ!?
コイツ私の顔で一体・・・・いや、今キレたところでどうにもならない。
記憶操作をしようにもワスが近くにいるからどうせバレる。
癪だけど、ここはひとまず流れに身を任せるしかない。
ーー決して緊張しているわけではないわ!!
ーー精神年齢だけなら・・・・ワス程じゃないけどこの人たちよりも上のはず
ーー恐れることはないわ!! 自己紹介なら散々したじゃない!!
「あきゃみ ほむりゃです・・・・」
・・・・違うの。
疲れとストレスとその他諸々(主にワス)で頭が回らなかったの・・・・。
《可ぁ愛いッ!!》
何故可愛いと言われるのッ!?
昔の経験上まどか以外は馬鹿にしてきたりするはず。
そして目立つからやめてください、お願いしますッ!!
あと、ワスはげらげら笑うなッ。
下駄箱で人が多いところで否が応でも目立ってしまう。
その証拠にチラチラとこちらをうかがう視線が増えてくる。
「あれ・・・・ほむら?」
「何やってんだアイツ」
「暁美・・・・ワスちゃんの苗字って暁美だったっけ?」
「そうですよ。自己紹介の時言ったじゃないですか」
「というかワスちゃんあの暁美 ほむらのお姉ちゃんだったの!?」
あの? どういう意味だ?
「スポーツ万能で成績優秀で電波系ミステリアス美少女・・・・見滝原中学じゃ有名よ? 先生たちの間でも話題になってるし」
「あと、黒髪で美人で是非とも踏んで欲しいってクラスの女子が言っていたし・・・・ワスちゃんにも踏んで欲しいとか言ってたな」
「あら、最近では特殊なご趣味をなさっている方が多いのですね。これが多様性の時代というのでしょうか?」
そんな多様性認めてたまるか。
そして、何か私の評判おかしくないかしら。
どこにでもいる普通の女の子よ(魔法少女だけど)。
「それがこんなに可愛い後輩とは。姉ともども属性盛りすぎじゃないかしら? 積載過多よ積載過多」
「それに照れ屋で真面目なんですねぇ」
助けて。
誰か、助けて。できたらまどかで。
恥ずかしさで顔が熱い。
「もう、その辺でしておいてあげてください」
ワス・・・・貴女がやったことよ。
私の視線を知ってか知らずかこれまでにない笑顔で話を進める。
ーーこの女狙ってやったわね・・・・
「妹は長い間の病院生活で少々人との関わり方が分からない所があるのです」
(何を言うつもり)
(まあ任せなさい)
そう言いながらワスは言葉を紡ぐ。
ものすごく不安なんだけれど。
できればもう疲れたから手短にしてほしい・・・・ほむう。
(貴女・・・・しぼんだピ〇チュウみたいな顔になっていますわよ)
(誰のせいだと思っているの)
あと、しぼんだピ〇チュウってなんだ。
「あ、ウワサで聞いたことある」
「体調大丈夫?」
「あれ、ワスちゃんとは離れて暮らしてたん?」
「ええ、転校の手続きで時間が掛かってしまいまして。つい最近ようやく」
「ほえぇ、大変だねぇ」
・・・・良い感じで納めてくれそうね。
まあ、この魔女も家主である私をこれ以上困らせたりなんて・・・・。
「初恋はほぼ失恋し」
雲行きがいきなり怪しくなってきた。
「トップオブリリイもできず」
どういう意味!? というか失恋なんかしていませんしィ!!
(先ほどのコンビニで知りました。プ〇キュアの単語らしいです)
益々意味が分からない!!
というか昨今のプ〇キュアってどうなっているの。
「皆のためにと陰で色々と手を回し続けますがいつも失敗」
主に貴女のせいでね!!
「朝ごはんどころか食事もほとんど作らず、食べることさえ忘れることが多々ある」
今度は何を言う気? 人前でさえなければ、悪魔の力さえあればどうとでもできたのに。
(殴りたい・・・・この笑顔)
「故にこれからは最高の姉である私が生活含めてありとあらゆる「妹の財布でピザ食ったくせに」ほむら、今良いところですよ」
「一人で髪洗えなかったくせに」
「ほむら? 私のイメージ崩さないでくださらない?」
ーー先にやったのは貴女よ。
「この姉妹、ネタがありすぎる」
「うーん顔良いのに色々と残念な所がある・・・・イイ」
「良い姉妹ですねぇ」
「しかも失恋経験ありと来た」
「ええ、マルグリートは私の方に「それ以上言ったら分かってるわね」あら、怖い」
「まさかの三角関係!!」
「大変だぁ、この子はトライアングルに弱いんだぁ!!」
「異性同性問わず純粋な愛の駆け引きって素晴らしいですからね」
やばい、本当に取り返しの無いことになりそう。
あと、まどかは・・・・誰のものでもないわ!!
(監禁してたのに?)
(黙りなさい)
(はい、私の勝ち)
言い返そうとしたその時にチャイムが鳴る。やばいそろそろ行かないと・・・・。
「では、ほむら、お昼は楽しみにしていてくださいねぇ!!」
「ワスちゃんまってまって」
「妹ちゃんも、また話そ!!」
「ご飯ちゃんと食べなよー」
ーー結局、殆ど言い返せなかった・・・・
チラチラとこちらを見る目はなくならない。
何よ、みじめな私を見て笑いたいのかしら。
(暁美さん、結構抜けてて・・・・可愛いところあるんだね)
(仲のいい姉妹喧嘩・・・・イイ)
(二人で踏んでくれないかしら・・・・あのストッキングに包まれた足と生足で)
何を言っているかは聞こえないが、元々色々民度が低いところのある連中だ。
ーーこれも、私への罰なのね・・・・
「ほむら、アンタ今馬鹿なこと考えてない?」
「お前飯食ってないってマジか?」
人ごみをかき分けて私に近づいてきたのは美樹さやかと佐倉杏子だった。
「貴女達・・・・いたの?」
「ひどい言われようなんですけど!!」
「今来たところなんだよ・・・・というかマジでワルプルギスいるじゃん」
スッとさやかが手を引いてくれる。
「ほら、ホームルーム始まっちゃうよ」
「・・・・ありがとう」
私がお礼を言うと二人はぽかんとした顔になる。
何、何かおかしなことした?
「・・・・ほむら、お礼言えたのね」
「私の事何だと思ってるの!?」
「胡散臭い・・・・いや、不器用なコミュ障」
「・・・・」
「いや、泣きそうな顔するなって」
分かってる。分かってるわよ!!
「私が生活能力無しでコミュ障で恥ずかしがり屋で皆に酷いことしたダメ女だってこと位!!」
「いや、そこまでは言ってねえよ」
「まあ、とりあえず昼にあのメールの後何があったこと教えてくれない?」
こうなったら、何でも使ってやる。
プライドも何もかもを投げ捨てても、あの魔女に一泡吹かせてやるッ!!
「まってなさいよ。ワスッ!!」
「暁美さん、凄く元気があることは良いですけど、朝礼点呼中でまだ呼ばれて無いうちは静かにするように」
「あ、済みません」
(良かった意外と元気みたい)
(いや、あれは違うね。アタシには分かる。ありゃあ、姉妹喧嘩で己のプライドを傷つけられた奴の目だ)
(・・・・二人とも)
(事情はひとつ残らず話すから、あの魔女ぶちのめすの手伝って)
ほむらは『報連相』をすることを覚えた!!
「という、気配を感じましたわ」
「ワス・・・・暁美 ワスさん。朝礼点呼中でまだ呼ばれて無いうちは静かにするように」
「あら、済みません」
「もぉ、ワスちゃんったら」
「元気一杯」
「ああ、そうでした」
「先生、四限目って家庭科室で調理実習でしたわよね」