「あら、フェルズ?仕事の依頼かしら?ちょーどいいわ、【勧誘】しようと思っていたところなの貴女も♪取り敢えず応接間にいらっしゃいな」
事情をある程度聞く魔人館の面々。
「ふーん、ハシャーナさんを殺した相手が関わっているかもしれないねえ」
「ちなみにアリィ?貴女の『
「うん、結構ヤバそうな感覚がビンビンするよっ…」
フレイヤの正体も見破ったアリーゼの勘は一度死の淵から蘇ったことにより、更に研ぎ澄まされ未来予知に近い使徒の固有能力とも呼べる能力にまで進化していた。具体的には「フィンの親指」以上に信頼出来る程度には。
「全く最初から私ら雇っていれば誰も死なずに済んだのにハシャーナさんカワイソ」
「ぐぬっ…」
「24階層でのモンスター大量発生ねえ。ふーん、それで既にアイズも雇った、と。ぶっちゃけ私らだけで充分だけど、まあアイズなら皆知り合いだしレベル6になったらしいし実力的にも丁度いいわアリーゼ、輝夜、貴女達が向かいなさい、【復帰戦】よ。
これが終わったら、『貴女達の生存』も正式に発表するわ、所属や今の実力はぼかして。
「何っだが彼女達はっ…」
「
「なななぁっ?」
「そんなに驚くこと?リリアでも3年程度でレベル3から6くらいになったのに」
「1年でレベル1以上のペースは私らの感覚から言えば本来異常なのだぞルリよ」
「ふぅん【偉業】なんて面倒臭いシステムがあるからだよねそれ、最初にそのシステム作った神様が『面白い
「まあ2人居ればロキやフレイヤの幹部陣を纏めて相手取れるくらいには仕上がっているから充分だと思うよ?」
「で?【調査】に私らとアイズだけなわけないわよね、他に『頭数』揃えているんでしょ?」
「ああっヘルメス・ファミリアをっ…」
「えーあいつらかぁ、まあ主神は碌でもないけど、団員はそこまででも、ないか、実力も冒険者としてはそこそこあるしね」
「ヘルメスはマジでクソだけど、楽しみは自分や一部だけに留めるタイプだろうから、不特定多数に漏れる心配はあまりない、か。ゼウス様には今更多少漏れても構わないし」
「まあリヴィラあたりまでは正体隠して、それより下あたりからなら晒しても構わんでしょ、実力も協力者達には教えていいよ」
「ほい、じゃあ仕事の話は終わり、私の方の本題ね、フェルズ、貴女私の使徒になりなさい」
「何!?使徒とは確かっ…」
「そう、神ではなく、私という魔人の眷属になるの。貴女も成長出来なくなって久しいんでしょ?だから私の
この前申し分ない娘が来たからねえ、前から貴女は欲しいと思っていたの、技術者として申し分ないしどのみち元々不老の身だしその肉体も多分再生出来るよ?」
「その後は取り敢えずは、ウラノス様の元に居たままでもいいよ?向こうの労働条件が不満なら完全に引き抜くけど、後は偶に優先的に頼み受けてもらうくらいかな。アリスが貴女の所にも出入りしているんでしょ最近?
なら私らの身内になってもらう方が早いわね。どう?」
アリスィアは最近フェルズに弟子入りした異常なほど優秀な少女だ。しかも実年齢は6歳だという。ヘファイストス・ファミリアで取り入れた鍛冶技術も有り、頭脳も発想力もトんでおり、戦闘力も既にレベル6以上ときた。
バンバン超短文詠唱で様々な魔法を使うし、かつての才禍以上の才禍だ。そろそろ
「聞けば聞くほど好条件だな、よろしく頼むよ」
フェルズの使徒化はものの数分で済んだ。生理的に噛みつきたくなかったので血液は垂らす形で与えた。筋肉から再生が始まるサマはちょっとグロかった。
「女性だったのね!しかも美人!」
「私は気付いていたけどねーなんとなく振る舞いで」
「おおおっ…アァァ…数百年ぶりの肉の感覚っ…ありがとぉおおおおう、忠誠を誓いますううううううううう」
「取り敢えずは今まで通りでいいわよ、一応部屋は用意しておくけどね、いきなりウラノス様の所に戻っても誰か分からないだろうから、私もついていこうか?」
「いや私達だけが知っている情報でも話せば大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
「違和感あるから今まで通りタメ口でいいわよ、あ、もう普通に腹減るだろうし、排泄とかの生理現象にも気を付けてね」
ダンジョン18階層 リヴィラの街───【
やや遅れて到着したアイズに正体を耳打ちしてからほぼ同時に隣の席に座る仮面で顔を隠したアリーゼと輝夜。
「「「じゃが丸くん抹茶クリーム味」」」
その合言葉を3人同時に言う。
「【剣姫】っ…と誰?アンタらが援軍っ!?」
ヘルメス・ファミリアのルルネ・ルーイが呆然と言う。
「ごめんねえ顔隠してて、もーちょい下の階層行ったら教えてあげちゃうよフフンッ、私らが今普通に出てきたら大騒ぎになるからねぇ」
「お2人の実力は…私が保証しますっ…」
「ありがとねっアイズッ」
「そういうことだ、顔隠して胡散臭いだろうがこの場は許してくれ…お…団長の
団長のアスフィが姿を現す。
「取り敢えず、私達の副リーダーの伝言だ『アスフィ次また私ら探るようなことしたらアナタを無理矢理引き抜いて私のモノにするから♪』だとさ」
サッと顔が青くなるアスフィ。
「まさか…あなた方は…」
「フ…だが労働条件はかなり良いぞ、主神に振り回されて過労気味と聞くし、お前が我らの同僚になるのも悪くなさそうだ」
ヘルメス・ファミリアの面々が紹介が終わり、店を出発し、18階層から19階層に降りる階段の途中───
最前列に躍り出て一向に向き合いその行軍を止めるアリーゼ。続くように輝夜もスタスタ前に出てアリーゼに並ぶ。
「ごめんねっ正体隠してて皆っアイズも変にソワソワさせちゃってごめんねっ」
「私達の正体はこういうものだ」
仮面を外す2人───
「嘘ォ…!?【
「うらめしやーなんちゃって」
「貴女達は死んだはずではっ…」
「んーん死にかけたのは本当だけど、死亡一歩手前のところから【再誕】したの私達は…」
「
「知ってるよ、当然、私らの生存伝えなきゃ多分あの子お尋ね者になってたし」
「と言っても生き残ったのはあやつを除けば私達だけ、だがな」
「ちなみにレベルは…」
「
「その言い回しは、やはり…」
「そう…私達は【魔人の使徒】よ」
蠱惑的に微笑む2人だった。