あの後一番長期間会っていなかったアルフィアにこってり搾られた。性的にも。「私にはもう興味が失くなったのか?」とか上目遣いで言われたら、
「そんなわきゃぬぇだるぅおおおおおおおおおおっ!?」ってハッスルするしてしまうわけでして。その後は輝夜にも似たような文句で迫られた。まあ部下の待遇に露骨に差をつけるわけにもいかないのできっちり丁寧に相手した。
その後は「ノーマークのアストレア様に先越されたああああああああああああああああああああああっ!」と嘆くアリーゼの相手までしての3連戦。
魔人になってからの無限の体力と精力が無ければ干物になっていたな。2日も経ってしまった。というか掃除を古参使徒達だけに任せてしまうのは申し訳ない…
しかも後輩達に気遣って出しゃばらないし。魔軍で言えば普通に魔人に次ぐ幹部クラスなのに…バトルノートのセレスティアがあんな戦闘以外に家事や商売や教育にまで、と多才なのは大昔に「娘の世話役にだけでなく教育係にも出来たら」
って考えがそのまま反映された結果っぽいんだよな…あの頃は俺の近くに置く以上最低限それなりに強くないと不味かったから戦闘力もきっちり確保出来ているが。技能レベルの付与までコントロール出来たら苦労しないんだが…
やはりどこかで世話人を大量に雇用した方が良さそうだな。ケッセルリンクじゃないが俺も使徒メイド雇うかなあ。一番安牌なのは女の子モンスターの「メイドさん」を使徒にすることだな。俺の使徒になることって女の子モンスターの夢らしいし。
魔人になるのは身内争いがシビア過ぎてそれよりは絶対者の庇護下に入りたいということだろう。普通の魔王なら俺を切り捨てようとはしないからな。別にこの世界の人間でも構わないけど、どうするかなあ…
普通は自分の力が落ちるからこんな贅沢な使徒の使い方出来ないんだけど。まあ
暫く生まれてくる子供が女の子に偏っているのも唯一の息子がバカの問題児だからだろうな。いや普通に家族を慕ってくれている可愛い奴なのだが、クッソ強くて結構問題を起こすのだ。
問題の方向がランスみたいな方向じゃないのだけは良かったのだが。あの方向に酷かったら、度合いによっては処分しなきゃならんだろうし。まあベル君に会えば「男の子も良いものだ」という想いが強くなるだろう。
息子より娘ばかり贔屓するような父親にはなりたくないな。ランスみたいな父親にはなりたくないし。何故かダークランス君はめっちゃ良い子に育ったけど。
俺は基本遊びでヤらないし、子供を作る時はその女と子供の一生の面倒を見るつもりで抱いている。普通の人間とヤったのって人間時代のジルが最後じゃないかな。
基本相手は長命種ばっかだ。それで「一生の面倒を見る」って結構重いかも。避妊がきっちり出来ていれば合意の上での遊びの性交は否定しないがな。ザルドは普通に歓楽街で発散しているし。
おっと思考が逸れ過ぎたな。ベル君はそろそろミノタウロスと戦うっぽいから、それを考慮して稽古つけるか。アイズも普段参加しているようなのだが、ロキ・ファミリアは今日から遠征だ。
「おはようございますっ、ク…おっお義父さんっ!」
「おーっす久々だな、息子よ元気だったか?」
「父性に飢えている」という話だから少し暑苦しいとは思いつつも躊躇いなく抱きしめる。
「…結構おっきくなったな、最近頑張っているそうじゃないか」
「はい、
「そりゃそうだろう、比喩抜きで世界最高の環境だ。だが自分の努力も認めなさいな」
頭を軽く撫でてから離れる。後ろでヘスティア様達がにっこりしている。アルフィアも満足そうだ。どうやら正解だったらしい。
「それより『プレゼント』だ。ヘスティア様とアルフィアからナイフのプレゼントがあったそうだからな、俺からもこの剣をやるよ」
その剣を引き抜いて見せる。装飾は少ない。無骨だが綺麗な直剣。なのに不思議な
「銘はシンプルに【雷光剣】だ。その下に付けたい名前が思い付いたら付ければいい。その真価は…その内分かるからお楽しみだな、さ手に取れ」
今は頑丈なだけの普通の剣だ、今は未だ…
「それで斬りかかってみろ、ナイフだけじゃなく普通の直剣の扱いも鍛えられてんだろう?聞いたぞ」
「好きに打ち込む訓練は散々やっているだろうから、今日は俺が攻めるぞ」
大きな両手剣を持ち出し軽々と片手で構える。ほんの少し魔人としての圧力を開放する。
「うっ!?」
「こういう手合いといずれ対峙することもあるだろう、その剣は頑丈だから正面からでも打ち合えるぞ、好きに
ベルとの訓練が終わった。
魔法込みで攻められ結構容赦無かったな。それだけ腕を信頼されているのは嬉しいのだが。お陰で実戦に近い訓練にもなっただろう。一通り朝の訓練が終わった後、ティアナが話しかけてくる。
「…凄かったですね、お父様、普段全然使っていない得物でしょうに」
「まー剣関連なら、昔取った杵柄だ。そうそう忘れんよ、『技』だけはザルドくらいのつもりで振るったがやり過ぎだったかな?」
「
「フレイヤの思惑に乗るのも癪だが、多分これは乗ったほうがいいやつだ、この手の勘は外れたこと無い」
(というか多分初戦の相手だったと思うんだよな…)
俺達が居なきゃフレイヤの干渉なんて防ぎようがないし。
「しかしよくリリやアリスと
「眼の前の敵ばかりに集中して、他所を俯瞰出来ないようでは三流でしょう。戦場では不意打ち1つで崩れます。お2人も把握していたでしょうよ」
「いや、その、相手がな…」
「お2人が本気だったら、流石に今の私じゃ手も足も出なかったでしょうし…」
(ベル折れるなよ…)
単なるレベルの差では無い「才能の差」突きつけられるだろう。ベルに今回紹介したが見惚れていた。能力はそんな可愛いもんじゃないんだがな。
アリーゼ達も若干ティアナの扱いに困ったようだが…使徒の立場を考えれば、セレス達のように俺の娘に「様」を付けるのはおかしくない。
だがこれまでアリスやルリに付けていなかったのに今更その2人にも付けるのもおかしい、と悩んだ結果、人前でだけで呼び捨てにして、身内だけの時に「様」付けにしようとしたのが、
ティアナが悲しそうにするので結局常時呼び捨てに落ち着いたらしい。ルリは幼女擬態を最近止めた。自身が矢面に立つことで、他への注目度を下げようとする算段らしい。本当に出来た娘だ。
神々は「一粒で二度美味しい!」とか騒いでいたが。本当にどこからそういう言葉沸いてくんかな。
その日のリリルカは気が重かった。保護者達も了承済みとはいえここまで仲良くしてきたベルを再び騙すような形で死地に追いやるマネをするのだ。
それに
「リリぃ?何ちょっと暗そうな顔しちゃってえ?今日も皆で稼ごぉ♪」
(グ…こちらの気持ちを察した上でっ…)
周囲の環境が整ってからはベルに対する嫉妬は皆無になった。今は普通に仲間として人として気に入っているし、自身の主には忠誠を誓った。その妹であるアリスィアにも、実力を含めて敬意は持っているのだが…
当然今の自分達ならミノタウロスの強化種程度、障害にならない。なら
要するに「オッタル1人程度は自分達でどうにかしろ」ということだ。ガリバー兄弟が出てきたらなんとしても自らの手でブチのめしたい所存ではあるが。少し前までの自分では考えられなかっただろう。
しかも
別にベルの戦いを邪魔しなければ向こうもこちらを足止めしなどはしないだろうが、アリスィアが
それにあの程度の相手に退いていたらこれから先、ケイブリス派と戦うことなんて出来ない。しかもタイマンでもないし、今回は。
そうして一行は10階層に辿り着くが───
「ヴォ…」
「お兄ちゃん、私達『敵』に呼ばれちゃたから、ここからは1人で頑張って、本当にごめんなさい」
ミノタウロスの気配を感じた瞬間に、先程から殺気を溢れさせていた付近のルームにアリスィアがリリルカの手を取って入る。そこでは「冒険者最強」が待ち構えていた。
「アリス様、念のための確認ですが破壊光線系の魔法は?」
「当たれば殺れるよ当然、でもあいつ貫通して例のジャガーノートが確実に出ると思う。私達なら単体程度は対処出来ても万一複数出たら…」
「取りこぼしが出て周囲に被害が出ますね、そこまでするくらいなら素直に助け呼んだ方がいいですね」
「どちらにせよ最終手段ね、取り敢えずムカついたから私達だけでぶちのめす方向で、リリが当然前衛で、ね」
「ほう?向かってくるのか」
「余裕ぶって見下してるんじゃねぇぞ二つ名詐欺の筋肉達磨がァ───ッ!ザルドおじさまにも勝てていないくせにーッ!【死爆】!」
闇の爆風がオッタルを襲う。咄嗟に左腕で顔面を庇うが───
「ぐぉ…ぬっ」
その魔法が戦闘開始の合図となりリリルカの槍がオッタルの顔面を狙うが咄嗟に顔をずらして躱す。が、躱しきれずに頬肉を抉る。
「ぐぅ!?」
「チィっ!」
「済まないお前らを舐めていたようだ…ともすればフィン以上の槍の冴え」
「殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロス」
「あららリリキレちゃった」
(まあ頭は冴えているんだろうけど)
リリルカのアレは単なるキレ芸だ。実際狂化していないと冒険者の感覚なら割に合わないくらいの能力上昇率だ。相手が騙されて読み違えばそいつは死ぬ。まあこんなのに引っかかるとは思っていない。
ノーリスクだから取り敢えずやっておくだけ得程度の
(この距離ならやっぱりサタナス・ヴェーリオンか…)
やはり連発するなら最適だ。リリルカはもう自分の援護を待たずに攻撃を始めている。
ミノタウロスから逃げる冒険者と遭遇して10階層まで辿り着いたロキ・ファミリアはそこで最古の英雄譚の再演───最新の英雄譚を目撃していた。
「ファイヤボルトオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
「勝ち、やがった…」
「!?まだ、誰か戦っている…?」
眼前の戦いが決着し、どう考えても上層では有り得ない戦闘音が聞こえてくるようになった。アイズが真っ先に駆け出し、フィンや他の面々も続く。
(過去最高の親指の疼きッ…)
「
「シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
2人の少女が【
狭いルーム内を縦横無尽に駆け、振るう槍が閃光のような軌跡しか見えない赤眼の少女と超短文詠唱魔法を連発して絶え間なく援護し決して
その2人がオッタルの振るう剣を躱しながら渡り合っている。
「アリスと【
「もう1人の少女は…?」
「団長みたいな眼っ…」
「『リリルカ・アーデ』…私の使徒になったばかりの
青髪の美女。最近擬態を止めた魔人の片割れ。先程まで戦っていたベルをおぶっている。
「君はっ…!」
思わずフィンが胸倉を掴もうとするが…
「フィン、止めて」
アイズがその手首を掴んで止めに入る。
「団長に何してんだアイズてめぇええええええええええええええええええええ!」
「アンタはうっさい【雷の矢】」
即座に撃ち出されたその魔法にバヂィッと感電するとティオネは気絶してしまった。
「ティオネ?ティオネエエエエエエエエエエ!?」
「偶々
「それにほらあの2人…楽しそうでしょ?」
オッタルも含めて全員が笑い合っていた。楽しそうに。
「あー
それまで後衛に徹していたアリスィアが突然前に出て抜刀術を振るう。
「
振るった刀に魔法の
「決着、ね。リリ、もういいわよ」
「ハイ…後はお願いします…」
ルリの言葉にリリルカが応えた直後に意識を失う。それをアリスィアが抱える。
「はい、エリクサー、これで腕繋ぎ直しておきなさい、『万全のアンタをタイマンで倒したい』ってアリスは絶対に言うからね」
オッタルに小瓶を渡すルリ。アリスィアはツンとしているが照れくさそうに頷いている。大変可愛らしいがそういう場面か?
「じゃあねー皆さんここで見たことはなるべくファミリア外に漏らさないでねぇ」
そう言うと一行は去っていくのであった。