上位魔人には無敵結界が無かったとしても絶対に勝てないです。
2日後には極東に向かう、というタイミングで───
「クロノさん、暫く遠出するって聞いた」
住んでいる家に
まあ女の子モンスターの使徒が引っかかんないと分かった頃には杞憂だと判断出来たのだが。そもそも人を食べたりしない向こうのモンスターとは根本的に在り方も違うか。
魂を持たない虚ろな存在という共通点はあるんだよな、こちらには
統率者の魔王や魔人、魔物将軍が居れば軍隊のように運用も出来るし、クソ強いのに群れて人間のように作戦行動も取れるし、人食いはしなくても女性を玩具のように犯すし、男性なら普通に拷問、虐殺を遊びでするしでタチの悪さのベクトルが違う。
捕らえられても救出できるチャンスがあるからある意味マシかもな。こう悪意が煮詰まった生態というか妙に作為的な感じがするんだよな、向こうのモンスターの生態。そのへんは被造物に創造主の趣味が出すぎているよなあ、としか。
タチの悪い猛獣の延長線のこちらとは方向性が全然違う。というか大抵のファンタジーのモンスターはこの世界のようなのだと思うが。エロゲ世界だからってさあ…
「ザルドさんやアルフィアさん達が『ヘタすれば黒竜より強い』って言ってました。貴方が。だから戦ってください」
あいつらめ余計なことを。「黒竜」のワードにこの娘が反応しないわけがない。ちょっとしたイタズラのつもりなんだろうが…
「んであいつらより弱い君が、よりによって俺と
「7ッ…流石に時間がかかりすぎる」
「遠目で見た
強い相手と戦いたいんならカーラと
「ダメ、あの人はっ…確かにすっごく強かったけど素手だったから全然参考にならないっ…」
カーラは俺の使徒の1人だ。しかもよりにもよって最強種の一つであるバルキリーの。現在のレベルは160くらいで格闘Lv.2の技能も持っている。
上位には及ばないが普通にカイトクラス、中位魔人級の強さはあるので、しかも変異種だった影響か知らないが使徒化した際に剣戦闘Lv.2と羽根も生えているが基本そちらはあまり晒さない。きちんと鍛えてはいるが。
まあ今のこいつじゃ勝てないだろう。容姿と能力的にもフレイヤに熱い視線を送られているが、もし魅了でもかけようなら俺達と戦争になり、フレイヤ・ファミリア壊滅待ったなしになる。
魅了は使徒には効くかもしれないが魔人には確実に効かないのは見て分かったし。流石に奴も目に見える地雷には手を伸ばさないだろう。ダンジョンではモンスターの体液の付着を嫌って基本剣を握っているんだが、まあこいつとは潜らんしな。
冒険者しか入れないダンジョンへ何故入れるのかというと直接ウラヌス様との繋がりがあるからだ。というか大半の冒険者より強い俺達が禁止されるわけがない。
冒険者よりは神に近いがこの世界の神でもないし、神の気配からはかなりかけ離れているからダンジョンを刺激することもないし。
「んじゃカーラにも剣で相手してやるように言っておくよ、アイツそっちも使えるから。というか俺に会って大丈夫なの君?リヴェリアあたりに止められてるんじゃないの?『教育に悪い』だの言ってさ」
「ヒモだのなんだのは聞いたけど…でも本当は凄くストイックに鍛えているってのはルリから聞きました…『大切な者を守るために』っていうのも…似た者同士ですね私達…」
「まあああいつのファザコンっぷりも大概だしな、ヒモ云々も決して間違いでもないし、結局あいつらが稼いだ金受け取っちゃってるし…君達冒険者はモンスターぶっ殺しまくるほうが
俺らくらいまでいくと身内同士で模擬戦している方が経験値溜まるんだよね、命のやり取りになんなくてもさ」
俺に対する評判の一つとして「ヒモ」という大変不名誉なものがあるが決して根も葉もない噂ではない。アイズに言った通り鍛えるだけならダンジョンに潜る必要もないし、生活費も仲間達が勝手に貢いでくるから自分で稼ぐ必要がないのだ。
不名誉な噂が流れたのも、まあ冒険者でもない得体の知れない輩が何故か自分達よりずっと強いのだ。しかも子持ちの上で美女ハーレムを築いているように見えるのに、更にこの街の女性達からもモテモテだ。
悪口で足を引っ張りたくもなるだろう。さて昼時かこの時間は何人か集まっているだろう。
「アイズ、ちょうど良い時間だ、取り敢えず昼飯行くか」
メインストリートから離れた裏道の目立たない場所ここに最近評判の開店したばかりの店がある。
「おーっす入るぞザルドー」
「おうクロ、親愛なる我がマスターよ、また新しい女を引っ掛けたのかい?」
「俺をお前らゼウス・ファミリアと一緒にするんじゃない。この街の女性とは殆ど『そういうコト』はしていないぞ。わざわざそんなことしなくても女には困っていないしな」
店の奥の個室にすぐ入る。身内専用の部屋だ。
「キャーご主人様!今日は【剣姫】ちゃん引っ掛けたのぉ?私達という者がありながらまだハーレムメンバー増やすんだぁ!よよよ…」
「はぁご主人様が大層おモテになるのは分かりますが、本当ぉ私達という者がありながら薄情でございますねえ」
「嘘っ【
「およ君も幹部になったって聞いたからてっきり聞いていたものとばかりガレスのおじさまとかは普通に知っているよん」
「ええ、私らの死亡は大々的に発表されてますから…一応昔の知り合いに偶に会ったら『血縁者のそっくりさん』で誤魔化していますが…」
「5年前俺がそいつらの所に着いたときにはかろうじて息があるのはその2人だけだった、まあファミリアで上位の2人だったからだろうが…」
「こぉら何を沈んだ顔をしているんですか」
輝夜がデコピンをしてくる。無敵結界があるから衝撃だけで痛くはないが。
「あのまま野垂れ死ぬはずだった私達を助けてくれたことには本当感謝していますよ、確かに私達とあのポンコツ以外は皆死にましたし、表立って『正義』は掲げられなくなりましたが。
お陰でまたアストレア様とも会えましたし馬鹿な末っ子の癇癪を止めることも出来た。勿論これから人間でなくなったことを色々と実感する時はくるのでしょうが…」
「それに
『フフンお前らを油断させるために死んだフリしていたのさッ!』みたいなのするの今から楽しみだしっ」
「取り敢えずメシにしようぜ、ザルドのメシは絶品なんだ、ミアさんにも負けていないしな」
使徒アリーゼ、輝夜
眼の前で死体(と思い込んでいたがかろうじて生きていた)のアリーゼと輝夜を掻っ攫っていったので当時のポンコツエルフは「
探すも全く見つからず途方に暮れ「それはそれとして
この世界でのポンコツエルフはかろうじて止まったが、それはそれとして後日念入りに背景を調査してクロだった者をきちんと制裁している。主に輝夜が。
彼氏とか人間時代はほぼ諦めていたので(顔は)イケメン主の使徒ライフをそれなりに楽しんでいる。