迷宮都市の魔人   作:イルイル

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戦国ランス面白いよね、ランス君のキス魔改変は吹いた。


第3話 旅立ち

「ちょっと待ってください、『人間でなくなった』ってどういう意味ですか、輝夜さん?」

 

配膳されるというタイミングでアイズが余計なことを聞いてきた。

この娘に限ってそのワードをスルーするわけがないか。輝夜も舌ぺろって出して「私知らね」みたいな顔してるんじゃねえ、お前のせいやぞ。まあ確かに話せる相手がそう多くないこの娘にまで無理に隠す必要も無いことなんだが…

ロキは眷属たちの手前、俺達のこと知っても追いかけ回すような俗物のアホ神共みたいなことはしないだろうが元々は「そういう」神だ。俺達の秘密を知っている者はそう多くないが、ある程度以上信用出来る神には話している。

ロキは少なくとも眷属たちが健在な限りは俺達を敵に回すようなことはしないだろう。何より7年前にゼウス様とヘラ様に5年前にはアストレア様にどれも事後承諾という形だが直接頭を下げて頼み込んでいるんだ。「貴方達のお子さんの一生を貰います」って。

魔人の血の契約はこの世界の改宗(コンバージョン)より遥かに重い。基本的にはより上位の魔人や魔王になるかくらいでしか解除の手段はないし、一度すれば一生破棄出来るものではない。

神々ほど永いわけではないが、終わりの見えない寿命を持つことにもなるしな。元々この世界に来たのは俺の武器探しと使徒探し(は常に行っている)、緊急避難先としての拠点作りのためでもある。

リトルプリンセスが完全覚醒したり、ケイブリスが魔王化した場合は一生戻る気はないし。

ケイブリスの魔王化は最悪のパターンの中では一番可能性が高い。このパターンの場合はもう選択の余地がない。魔人をカミーラ以外皆殺しにするつもりの以上、有無を言わさず仲間の魔人と使徒達は全員退避させるつもりだ。

リトルプリンセスの場合、緊急性は低いが最終的にはやはり退避せざるを得ないだろう。俺はホーネット派重鎮として結構面倒見てやったので「面倒見の良いお兄さん」くらいのイメージは植え付けられたはずだ。

ランスと違って美樹にまで色目使ったりはしていないし、健太郎にも優しくしていたしな。だからリトルプリンセスに俺が始末される可能性は低い。だが最終的には創造神に飽きられてイカマン帝国樹立の可能性が高い。

流石にアレに巻き込まれるのはごめんだ。ランスが魔王化しても一時的に退避するつもりではある。ランスにベタ惚れするサテラあたりは放置でいいが、ホーネットはもう俺の妻だ。みすみす自分の女を差し出すつもりはない。

要はランス率いる人類軍とホーネット派が組んでケイブリス派を潰して、ランスが魔王になり、「エール」が誕生して冒険出来る余地が残れば良いのだ。

あの創造神様に悲劇以外の楽しさを見出させればあの世界もようやくマトモな方向に舵を切れるだろう。結局クルックー・モフス頼みになってしまうんだがな、そのへんは。彼女が健在なのは確認済みだし、是非とも最後まで頑張って欲しいものである。

ランスに頭を下げる気は無いが、いつかクルックーには可能な限りの礼はするつもりだ。

閑話休題、と。大分思考が逸れてしまったな。まあだからこの街に長期滞在する展望が有るから、街の権力者側で有るロキ・ファミリアには媚を売っといても損は無い。ウラヌス様には既にそうしているしな。

まあ一度に全部話してもこの娘の頭じゃ多分理解し切れないから小出しにして教えていくか。娘とも普通に友達だしな。

 

「輝夜の言葉はそのままの意味だよ。俺達はルリも含めてそもそもが人間じゃない、ザルドやアルフィア達も既に、な。おっと眼を鋭くするな、断言してやるが、『この世界』のモンスターとは一切関係ないぞ。

君のような精霊混じりとも違うが、ある意味では神の恩恵(ファルナ)よりも直接的に神の恩恵を受けている種族と言えるかもな。

だから君達冒険者よりも大体が強いし、寿命も無い。ザルド、アルフィア、アリーゼ、輝夜は既に神の恩恵(ファルナ)は失って俺の眷属という形になっているがかつての力を昔以上の精度で使えるしな。

まあだから君が疑った『怪物混じり』とも違うから安心してくれ。魔石も無いし。でも近い将来そんな相手と対峙するかもしれないが…俺達とは無関係だし容赦はするなよ。」

 

「???」

 

俺が予言めいたことを言ったせいでアイズが首を傾げているが、深く話す気はない。というかランスシリーズの方はともかく「ダンまち」の方の知識は虫食いだらけでもうそんなに覚えていないしな。

ただ外伝の方でアイズ達ロキ・ファミリアが戦う相手がそんな奴らだったと覚えているだけだ。ザルドやアルフィア、アリーゼに輝夜なんて全く覚えていなかったしな。

だが、アルフィアが重病だった理由はなんとなく分かる、あんなのが病気が無いままで健在だったら冒険者の枠ではぶっちぎりで最強だっただろう。物語的な調整のための病気と短命ということだろう。

美人薄命とはまさにあいつのことだ。原作の現代には登場しない過去編とかのキャラだったのだろう。故人だからいくらでも盛れた、ということだ。

ザルドの美味いメシを平らげてからアイズが帰り食休みをしていると新たな客がやって来た。俺の使徒2人も来たが軽く会釈する程度だ。ルリに気を遣っているのだろう。

 

「パパーッ!もうお昼食べちゃったぁ?ザルドもアリィもてるてるもやっほー!アイズとそこですれ違ったけど…」

 

当然の権利のように俺の膝の上に乗る我が娘。最近なんとなく分かってきたがこいつが幼女姿しているのこういうスキンシップをし易いからだな多分…

 

「ルリよその呼び方、というか読み方は止めろと言っただろう私はカグヤだ」

 

「じゃあテルヨー?てるてるからボーズじゃあ流石に酷いからねー」

 

「何故お前は極東の文化に詳しいのだっ」

 

「パパパパッ、明後日から極東行くんでしょ?私と2人きりでっどんな所なの?」

 

「んーJAPANみたいな所」

 

「えーじゃあオロチとかが居て戦国大名同士が殺し合ってんのぉ?やだ、物騒」

 

「オロチは流石に居ないんじゃないかな…でも案外妖怪化生の類は存在したり…?大名の乱立とかもまだ無いんじゃないかな、寧ろこれから?天満橋も無いしザビエルも居ないぞ」

 

輝夜の様子を見ながら言う。

 

「輝夜、せっかくだし、故郷に一度帰んないのか?」

 

「余計な気遣いですわ主(あるじ)様。ゴジョウノの家との縁は完全に切りましたし。妹も居るのに今更死人が戻っても居場所なんて無いでしょう」

 

「んじゃ一応【タケミカヅチ】の連中にも一言伝えてから行くわ、あいつらも何年も戻っていないんだろうし」

 

「アルフィアもそろそろベル君とオラリオに着くらしいし、仲違いしない程度に上手くやれよ、なんかあったら、カーラとセレスとセピアは残していくから大丈夫だろ。

リリアだけは連れて行くけど、まあザルドはアルフィアほど気難しくないし、どうしても手が足りない時は後輩のお前らが頼めばきちんと手伝ってくれる奴だ。」

 

ザルドをちらりと見ると頷く。本質的には面倒見の良い男だし頼もしい。

 

「本当にどうしようもない時は眼晶(オクルス)で連絡しろ。なんとか俺らが向かうか、アルフィアにも動いてもらうから。」

 

セレスは愛称でフルネームはセレスティア、バトルノートの使徒だ。戦闘力はそこそこだが、元の種族的に指揮官タイプなので、パーティを組む時の指揮官役や交渉事を任せている。

人当たりが最悪のアルフィアを入れる時は絶対欲しいメンバーだ。人間社会も長いので、普通に人当たりよく人間とも付き合える。

セピアはカラーの使徒だ。額の宝石の存在を誤魔化しているからエルフだと思われているが…

 

「とは言ってもそいつらも今やレベル7相当だろう、カーラなんて8だ。そこまで警戒する必要があるのか?」

 

「分からん…だがダンジョン60階層から感じた悪意を煮詰めたようなルドラサウム大陸(むこうのせかい)でしか感じなかった気配はどう考えても普通じゃなかった。

ゼウス・ヘラ(おまえら)の話を効く限り明らかに昔は無かった存在(モノ)だ。アレに関係するモノが今ダンジョンで蠢いているならお前らでも一筋縄じゃいかないな。」

 

「それとディオニュソスとフィルヴィス・シャリアには気を付けておけ。」

 

「へ?あの陰気そうな黒髪エルフの白巫女(マイナデス)さん?」

 

「前にあいつのステイタスを閲覧した時どう見ても普通じゃないスキル(モノ)を見た、しかもフルパワーならレベル7相当だとさ。そんな力をここまで隠し続けているような神(ヤツ)はどう考えても普通じゃない。」

 

「ザルドやアルフィア、古参使徒は最悪タイマンで当たってもいいが、アリーゼや輝夜は1人で当たるな、というか奴が近くに居る時はなるべく1人になるな」

 

「向こうから仕掛けてこない限りは様子見でいいが、戦闘になったら出来れば殺さずに捕獲しろ。使徒にしたい」

 

俺のかなり便利だが地味めの転生特典(チート)に「使徒をいくら作っても力が落ちない」という能力(モノ)がある。正確には作った直後には力が落ちる感覚はあるのだが、与えた分の力は数日で回復するのだ。使徒だけの自分の親衛隊とか作れそうだな…

 

「お前、本当人材コレクターみたいな所あるよな、そういうところフレイヤみたいだぜ?」

 

「俺を性別構わず誰とでも寝る女と一緒にするんじゃない。この世界で初めて作った使徒がザルドとアルフィアで超当たりだったからな。そら他にも興味は沸くさ」

 

「ねーねー私達は、ご主人様ー?」

 

「ああ?お前らも大当たりだよ、ぶっちゃけ純粋な才能はザルドとほぼ同格だし、充分に天才の部類だ、アルフィアがおかしいだけで」

 

ぶっちゃけあいつだけはすぐ魔人化して同僚になって欲しいくらいなんだがな。

 

「おい、ザルド、なんだその顔はニヤニヤしやがって」

 

「いやゼウス・ファミリア(おれたち)も昔アルフィアをオとせる男が現れるかどうか賭けていたんだぜ?『そんな男が居るわけがない』ってなって結局賭けになんなかったんだがな。ハハハ」

 

「失礼な奴らだなゼウス・ファミリア(おまえら)は本当に…アレで可愛いところもあるんだぜ?」

 

「「「おおーっ」」」

 

「ねえねえっ例えばどんなところっご主人様っ?」

 

「これ以上は本人に聞け、流石に俺の口からは言えん」

 

ちなみにゼウスに「アルフィアの身体はどうじゃった」と聞かれた時は「コイツ送還したろか」と思ってしまった。アルフィアとヘラ様は女性同士の猥談に花を咲かせていたが…

 

「アイツが俺に心を許してくれたのも命を助けたっていう状況的なのもあるだろう。お前らも、そういう部分はあるだろう?」

 

「まあ『無い』と言ったら嘘になりますが、そんなこと関係無しに今は愛しておりますよ?」

 

「そーそーそーよご主人様、私ら若い男からは避けられがちだったし、確かに失ったモノも有るけど今は幸せだよ?」

 

アリーゼや輝夜はことあるごとに俺に感謝の気持ちを伝えてくる。事後承諾で後ろめたく思っていることを見透かされているのだろう。

 

「まあとにもかくにも、ヤバそうになったら手を引けよ、お前らはたしかに強くはなったが、今はせいぜいが高位冒険者程度の強さだ。タイマンじゃオッタルあたりもまだ厳しいだろうしな、過信出来るほどのモンでもない。

一番大事なのはお前らの命だから引き際を誤るなよガイコツローブあたりからの依頼は、ある程度受けてやってもいいがな。ウラヌス様の覚え良くなるし。ヘスティア様とは仲良くな」

 

ヘスティア様はつい先日ヘファイストス様の所をとうとう叩き出された。最低限譲ってやろうと思っていたらしい廃教会が最近アルフィア名義で買い取った上で、絶賛改修中なので仕方なく今は俺の所で面倒を見ている。家賃を受け取った上で。

最近はバイトに精を出していて真面目に頑張っているようなので、ウチの連中からもそこそこ覚えはいい。ちなみにザルドは「馬に蹴られたくない」と言って、こちらの店と住居がセットの「暴喰亭」に住んでいる。

 

「了解しました、ヘファイストス様の方は…」

 

「多少の頼みなら引き受けてやってもいい、俺達はそもそもがヘファイストス眷属にも数えられていない、存在自体がグレーの治外法権だからな。税金も最低限しか掛けられていないし…

ウラヌス様の覚えがいいとはいえ、あんま無茶して目立たないほうがいいだろう、ロキ・ファミリアあたりでも上層部以外はまだ正体は隠しておけ」

 

そうして2日後――――――

 

俺達のホーム「魔人館」の中庭に見送りが居る。魔法Lv.3の技能を使えば他の移動手段もあるのだが、この世界に来てから、あんまりゆっくりとオラリオ以外は見ていなかったので飛竜を移動手段として、進路上の街に寄って行こうというわけだ。

 

「それじゃ行きますよーっチェーンジッ」

 

人型だったそいつが巨大な翼竜に変身する。

 

ヘスティア様が「異世界スゲーっ」って声を上げている。

 

「乗客が魔人のお2人だけなら殆ど気遣う必要が無いですからね、速いですよぉ」

 

こいつの名前はリリア。この世界で実験的に作った元モンスターの使徒だ。

素体は竜女(ヴィーヴル)ぶっちゃけ人間体での容姿はほぼ「若いカミーラ」だ。俺のイメージに間違いなく引っ張られたな…普段は修行と護衛を兼ねて異端児(ゼノス)達と行動を共にさせている。

額の「瞳」は第三の眼のように開眼しており、戦闘力と変身、飛行能力含めてかなりの当たりだった。なんかこいつ以来「人工的に異端児(ゼノス)を作れる」と思われたらしく、妙に熱い視線を送られるようになったんだよな…

1人くらい異端児(ゼノス)を使徒にしてみるのもアリかもな。俺とルリが飛び乗ると

 

「それじゃしゅっぱーつ!」

 

羽ばたき一気に上空まで飛び上がる。

 

「行っちゃったわねえ」

 

「「行っちゃったね…」」

 

「「「行きましたわねえ」」」

 

「さぁて僕もバイトと眷属探し頑張るぞぉう!」

 

ベル・クラネルとアルフィアが迷宮都市オラリオを訪れる一ヶ月前頃のことであった。

 

 

 

 

 

 

 




ルリ 262/∞

剣戦闘 Lv.1
格闘 Lv.2
魔法 Lv.3
変身Lv.1
神魔法 Lv.3
統率Lv.2
軍師Lv.2
魔法科学Lv.2
科学Lv.2
話術Lv.1
料理Lv.2
秘書Lv.2
アイドルLv.2
音楽Lv.2


魔物界とオラリオのアイドル。
ホーネット派のエースにしてアイドル魔人。表に余り出れないパパの名代。拳や足に魔法や闘気を纏って敵対者を撲殺する【魔拳帝】の異名を持つ。
ケイブリス以上の実力者だが未だ発展途上。多才で使い所が多すぎて表におけるホーネットの実質的な副官。広域魔法も使うし、ヒーラーとしても指揮官としても超優秀。
GI期に四天王入りしている。カミーラとシルキィは四天王ではない。
父親と同時に魔人にされた。第5代魔王にソックリなので古参の魔人たちは苦手としている(殆どケイブリス派)。中身が全然違うのでノスは避けていた。
容姿は水色より濃い青の髪と、青と紫の虹彩異色(オッドアイ)。普段は身体操術で幼女姿をしているが本来の姿は母親にそっくりの超美女。幼女姿だと全力の7割位の実力。当然だが裸族ではない。
変身Lv.1の技能を持つがジークのようなのは無理。というかあいつがLv.1の技能であんなことまで出来たのは種族的な特性だと思う。
この娘ともう1人似たようなのが居るので実はホーネット派の方がやや優勢だったりする。ぅゎょぅι゛ょっょぃ

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