祭りの少し前に設置されていた、「モニター」、オラリオの住人たちは何のための物だったか分からなかったが、「オラリオのアイドル」と竜の踊りを映された様子でその回答は出た。
まあ、あんな上空で戯れる様子だど高位の冒険者の視力か、双眼鏡の類を使用しなきゃ見えないだろうからあのような新しい魔導具が必要になったのだろう。
「うっわー凄かったねえ、モンスターってあそこまで仕込めるもんなんだ?【ガネーシャ】でも無理だよね、あんなん、それにすっごく可愛かった!アレで強さまであるんじゃそりゃ人気出るよねえ」
「リヴェリア様は、クロノさんのことは悪く言ってたのにあの子とは普通に仲良くしていたみたいなんですよね…」
「まあ、じゃなきゃアイズと昔から仲良くすることなんて無理だったろうしねえ」
アイズは少しムスッとしていた。「そりゃルリは超可愛いけど、よりによって
「美少女に飛びつくロキがあの子のことはなんであんまり話題にしないのかねえ」
「『
「ふぅん、まあこの前のアリスの方もヤバかったもんねえ、あ、そっかあの2人腹違いの姉妹なのか【魔人】って本当何なんだろうねえ」
勉強家のレフィーヤは当然調べ尽くしていた。偉大な先輩たちが警戒し、強く踏み込めない存在。基本方針は「絶対に敵対はするな、
10年前に突然現れた勢力、魔人以外の者達は「使徒」を名乗っているけど、それがなんなのか分かっていないからオラリオでは殆ど定着していない。
最初から居た構成員はあの魔人の2人と、銀髪の女戦士カーラと紫髪の麗人セレスティア、水色髪の
その時の功績があるから、【暴喰】と【静寂】が今オラリオに根を張っていることには誰からも批判されていない。結局「未遂」で終わったことも大きいんだろうけど…
というかその2人も、もう冒険者の枠組みから外れているから二つ名で呼ばないほうが良いらしいけど。構成員と言えばこの前の新顔のアリスィアもそうか。
主目的は「
【暗黒期】になるまでは彼らがあそこまでの戦力を持っていることは誰も知らなかったのだ。それまでのダンジョンからの成果物もあったから神ヘファイストスは察していた可能性が高いが。
その後はあの戦力を誰が保有するかで少し揉めたらしいが、そもそも誰かに従えられるような存在じゃない。神ヘファイストスをある程度立ててくれてもいたから、
結局善神として知られていて、大きな野心も無さそうな神ヘファイストスの庇護下で、そのまま活動を続けている。構成員も表に出ているのはたったの8人だが「他に居てもおかしくない」とも。
それと美形揃いで、クロノさんとザルドさん以外のメンバーは全員美女だから、クロノさんの娘のあのルリ以外は、全員ハーレムメンバーと思われている、と。あのアリスィアも違うのだろうが。
実際あのアルフィアさん含めて、どの女性とも仲睦まじくしている様子が目撃されている。エルフの感覚からすれば複数の人間と付き合うことなど有り得ないのだが。
男神並みの美形で、冒険者のトップ層以上に強い上に、粗暴な者が多い冒険者とは違って紳士だから、かなりモテる。
取引相手ということもあるのだろうが神デメテルとも仲睦まじそうだったから、と噂されている。ちなみにロキには蛇蝎の如く嫌われている。「ウチの
だが女性冒険者は、アルフィアさんを除けばこれまで「決定的な場面は目撃されていない」とのこと。
大まかなプロフィールを反芻するレフィーヤ。知れば知るほどびっくり箱みたいな人達だ。身近な距離に居るダンジョン以上の「未知」だ。だから神々も夢中になるのだろう。
「でも、フィン達3人は私らよりなんか知ってそうだよねえ、以前あの3人とロキだけで魔人館行っていたことあったし」
「ま、あんまし頭良くない私らが考えても仕方のないことだわ、必要になれば団長やリヴェリアが話すだろうし、どこまで知っているのかも分かんないけど」
そうティオネが纏めて帰路に着く4人。そう遠くない内にがっつり関わることになるのだが、この時の4人はまだ知る由もなかった。
その翌日の朝。アイズは魔人館に向かっていた。クロノが遠出してから住人たちに稽古を付けてもらっているのだ。
ただ今朝は帰還したばかりのルリが居たことにより少し毛色が違っていた。
「
「ふふーん無敵結っかぁーい効っかないよーん」
微動だにしないままその音魔法を受けるルリ。
「ズル!チートクソアマ!炎の矢✕20!」
「ふふ。氷の矢✕20」
全て同数で相殺される。
「ファイヤレーザー!」
「スノーレーザー」
「ぐ…こうなりゃとっておき黒色はk…」
「その魔法」を使おうとした瞬間にルリが素早く踏み込んでアリスィアの首を片手で締め上げる。
「ぐえ」
「はい、ストップ。私に効かないとはいえ流石に
「無敵結界ずるーい、魔人にならずになんとかぶち抜く方法ないの?」
「貴女の場合は健太郎君に日光を譲ってもらったほうが早いんじゃないかな?それにその魔法能力活かすなら魔人になるのが手っ取り早いよ」
「絶対にイヤってわけじゃないけどそれじゃ負けた気するのー!」
「まあ強要するつもりはないから嫌ならいいわよ、最悪ザルドとフィアだけでもいいし、んでまだ続ける?」
「むー今日は魔法はもういいや、ルリ姉剣はへなちょこだし、カグ姉呼んでくるー」
「ぐ…」
実は少し気にしていたのだ。父は剣戦闘Lv3持ちだし、もう1人の妹もそうだ。姉妹で自分だけが父のその部分を継いでいない。
せめて格闘技能のようにLv.2あれば鍛える気も起きたのだが、Lv.1も本来悲観するほどのものでなく充分に才能が有る方なのだが。
昔からLv.2技能持ちがうじゃうじゃ居てLv.3もちらほらという環境に居れば基準が上がるのも当然だろう。
アリスィアは剣戦闘と魔法がLv.3という父に匹敵する才能お化けだ。戦闘以外の有用な技能は低くても大抵が2以上で3もいくつか、という感じだ。
アルフィアも似たようなものだったが剣戦闘は流石にLv.2だった。代わりに模倣Lv.3という技能があったが。
「恐るべき才能…ですね、私でもそろそろ厳しいと思います。魔人になれば或いはアイリス様以上になるのではないでしょうか?」
セピアが素直な評価を口にする。
「うん、近接戦闘技能Lv.3持ちはやっぱり凄まじいね、実際に剣を持っていない時でも、戦闘勘が熟練の魔法使いより遥かに鍛えられる。魔人になってレベルでも並ばれたら私でも勝てないね
まあそれより…アイズーボーッと突っ立っていないで入ってきたら?」
「おはようルリ、セピアさん、カーラさん…凄いねあの娘…最後4つめの魔法使おうとしてなかった?」
「私達の力は
私は普通に1000以上使えるよ?あの娘実際にはそんな数まだまだ使えないでしょ?アリスの恐ろしいところはね、
自分の母親の魔法は適正が高かったからすぐに使えるようになったし。他の魔法はまだ分かんないけどね。アルフィアの魔法だけで、充分な成果だしもう。」
「それよりアイズの用は私だろう今日も
この後無茶苦茶稽古した。