「で、その
セレスティアが盛大な溜め息を吐く。ベルに呆れているのではない。フレイヤのベルへの入れ込みように呆れたうえで気持ち悪くなったからだ。
青い顔で使用済みの
「取り敢えず、ベル君は一切気にしなくていいです。ミアさんの言う通りそんな高級な物を忘れていくバカが悪いんですから。私達だけで話すことが有るので、ベル君は隣の部屋で待機しててください。」
そう言われてベルだけは締め出され、アルフィアとアリスィアとヘスティアが残った。
「結論から言いましょう、99.9%フレイヤの仕込みです。だからヘスティア様は一切気にしなくていいですよ?」
アルフィアは「だろうな」と呟く。
「ヘスティア様は、ベル君の近くに行ってあげてください、まだ私達でお話があるので」
セレスティアがそう言ってヘスティアも締め出される。あまり口汚い言葉を主の友人でもあるこの女神様に聞かせたくなかったのと、
長いこと生きているだけあって腹芸が出来ないわけでないだろうが気質的には苦手そうだ、と思ったのもある。
「アルフィアさん、ちなみにその
「空きスロットが無ければ、拡張して魔法を習得させる最高ランクのやつ、だな」
「ベル君空きスロット1つ有りましたよね?」
「ああ、あの女がそのことを知っているわけもないしな。ちなみに空きスロットが1つ埋まるだけで、スロットそのものはこの場合増えないな、発現する魔法の質も理論上差は出ないはずだ」
セレスティアが頭を押さえている。経理を担当する立場として無駄遣いが許せないのだろう。
「はあ、取り敢えずは通常ランクの
「アリィが居て良かったね、私でも見ただけじゃあの女の正体見破るなんて無理だったよ、あ、
「お願いします、ルリ様」
過去に
店の周囲を常に幹部か第二級冒険者が複数で固めているし、遠距離から監視を続けていたら、いきなりフレイヤにポンと変身したこともあった。眷属の誰かの魔法なのだろう。念入りに監視を続けていたら1度だけ別の人間が出てきたこともあるし、多分そいつだ。
基本的には普通に仕事をしているだけなので放置している。
「ちなみにベル君の魔法ってどんなやつなん、フィア?」
「【ファイヤボルト】と言う炎雷の魔法だ。ワンワードで発動する私の【サタナス・ヴェーリオン】と同じ速攻魔法だな。かなり珍しい上に、単発では大したことないが、まあ概ね使い易いだろう」
「へえ!じゃあ当たりじゃん」
「私はお兄ちゃんの前じゃ雷系の魔法使ったことないし、炎がヘスティア様で雷は
アルフィアの機嫌が目に見えて悪くなる。
「ふふフィアったら顰めっ面して、せっかくの綺麗な顔が台無しだぞ~」
ルリがアルフィアの頬をぷにぷに突く。アルフィアのゴスペルパンチが放たれるが手首で止められる。無敵結界で痛くはなくても衝撃はあるのできっちり止めておく。
「ま、いいじゃん。『雷の魔法が弱い』なんてことまずないし、アリスも【サタナス・ヴェーリオン】使えるのに、3人揃って音魔法で揃えなくてもいいでしょう?」
「アリスはもう色々使えるだろう」
ちなみに使徒化したことにより「向こう」の適性を得たアルフィアも沢山の魔法が使えるようになっている。
「あ、そうだ、フィア。ベル君がアイズに惚れたからって殺意出している時あるらしいけど、『それはナシ』だからね?フレイヤみたいな無茶苦茶なことしてる奴ならまだしも、ただ、好かれただけのあの娘には全く罪ないんだし、
貴女よりも少し付き合いが長い私の友達だしね、それに本来あの娘、対黒竜の大きな戦力でしょ?私達のような
母親として恥ずかしくないの?」
「ぐぬ…」
「母親として」と言われると弱い。いや本気で殺す気はなかったのだ。ついうっかりで殺意が漏れちゃっただけなのだ。
「一時期ザルドと面倒見てあげていたことあったんでしょ、少しは愛着とか『可愛い』って感情沸かないのかなぁ?」
「『獅子は我が子を千尋の谷に落とす』…極東の諺だっけ…ルリ姉、ママにそんなの求めても無駄だよ、お兄ちゃんをゴブリンの巣に突っ込んでたこともあるのに」
ちなみにアリスィアだとゴブリン程度3歳で皆殺しに出来たので意味はなかった。
「うっわ拗らせ過ぎじゃない?ツッコミで
ルリが盛大に溜め息を吐く。