東方竜狩郷 ~幻想郷の狩人少女達~   作:幻想入りしたガンサー

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第十一話:出口の問答

~博麗神社 裏手の小川~

 

――その朝、博麗神社の主は留守だった。

 

 霊夢は夜明け前に人里へ下りていった。聖域の猪の一件を会館に報告するためだ。書くことが多いのを嫌がり、昨夜は遅くまで唸りながら筆を舐めていた。結局、半分も書かずに寝てしまったので、残りは会館の受付で書くつもりらしい。

 出がけに、霊夢は鳥居の下で一度だけ振り返った。

 

「――あうん。留守番、お願いね。誰か来ても、お賽銭以外は受け取らないこと」

「はい!お賽銭は受け取っていいんですね!」

「……来ればの話よ。どうせ来ないわ。――それと、裏の小川から老(・)婆(・)み(・)た(・)い(・)な(・)声(・)で呼ばれても、相手にしなくていいわ。どうせまた苦(・)情(・)だから」

「……苦情、ですか?」

「そう。苦(・)情(・)よ」

 

 あうんには、何のことだか分からなかった。霊夢はそれ以上説明せずに、石段を欠伸を一つしながら下りていった。

 こうして、境内には狛犬が一人になった。

 あうんの背には狛岩槍と岩の様な甲殻を貼り合わせた盾を背負っている。

 

――ふと、あうんの耳がピクリと動いた。

 参道ではない。本殿の裏だ。裏手の森の端を流れる、細い小川の方から、声が聞こえる。

 

『――おい。おーい、巫女はおらんのか』>

 

 あうんは鳥居の下から離れて、本殿の脇を回り込んだ。境内の端の石垣を跨ぎ、裏の森の端へ下りていく。

 小川の縁の、苔むした石の上に、白い髪の小さな物の怪が座っていた。大きな獣の耳。額の紅い印。裸足の足を、冷たい小川の水に浸けている。

 チミだった。――昨日、霊夢を聖域へ連れていった物の怪だ。

 

「あ、おはようございます!霊夢さんなら、人里へ報告に行きましたよ。お昼過ぎには戻るって言ってました!」

「……なんじゃ。狛犬か」

「はい!狛犬です!」

「威張って言うことか。……ったく、今の若いもんは、肝心な時に居らん」

 

 チミは大きな耳を不機嫌そうに倒す。それから、小川の水を裸足の指先でパシャリと蹴った。

 

「……また、苦(・)情(・)なんじゃが」

「また、ですか?昨日お願いされた猪の件は、霊夢さんが片付けたって……」

「うむ、猪は片付いた。沢も澄んだ。――今度は、下(・)なんじゃ」

「下(・)?」

「聖域の下、大地のもっと下――地の底じゃ。昨夜から、地の底が唸っておる。熱い息が、下の洞窟から上がってきよる。……儂には、それが何かは分からん。分かるのは、下(・)が(・)熱(・)い(・)ということだけじゃ」

 

 あうんは首を傾げた。地の底のことは、あうんにはよく分からない。

 だが――別のことに気付いた。

 

 あうんには、神仏の在り処が分かる『神仏を見つけ出す程度の能力』がある。神社や祠や寺――信仰の集まる場所の気配が、遠くからでも、ぼんやりと感じ取れる。

 博麗神社の裏から見て、妖怪の山の麓。その森のずっと奥の、さらに地の底。そこに一つ――とても古く、とても静かな神社がある。昨日まであうんはそれを、気にも留めていなかった。

 その静かな神社の気配が、今朝は――震えていた。

 

「……地の底に、神社がありますよね」

「……ほぅ、分かるのか」

「はい。とっても古い神社です。前に霊夢さんが異変解決に向かった場所だと聞いています。いつもは、全然動かないのに……今は何だか、落ち着かないみたいです」

「下の神社の神様は、変わらんことが仕事じゃ。その神様が落ち着かんのなら、余程のことじゃな」

 

 チミは苔の石の上で腕を組み、あうんの角から足元までを、じろりと値踏みするように眺めた。

 あうんは、背の盾の革帯をぎゅっと握り直した。

――霊夢は昼過ぎまで戻らない。だが、彼女が受けなくていいと言った苦(・)情(・)は今、ここに来ている。そして、震えているのは神社だった。どこの神社でも――神社が困っているなら、狛犬(番犬)の出番だ。

 

「――私が行きます!」

「……狛犬がか」

「狛犬が、です!霊夢さんには、書き置きをしていきます。――神社を守るのは、狛犬の仕事ですから!」

「……ふん。昨日の巫女といい、今日の狛犬といい。今の若いもんは、返事だけは早いわい」

 

 チミは苔の石から、ひょいと小川の中へ下りた。そして、昨日と同じように、水の上を上流の方へ歩き出した。

 あうんは、本殿の柱に炭で大きく書き置きを残した。

 

――『霊夢さんへ。聖域の下の神社へ行ってきます。苦情への対応です。あうん』

 

――後で、霊夢に柱を汚したと叱られることは、まだ考えていなかった。

 

 小川を遡る道すがら、あうんは水の上を歩く小さな背中に、何度も話しかけた。

 

「あの、下の神社には、どんな神様がいらっしゃるんですか?」

「石の神じゃ。変わらぬことを、何よりも大事にしとる。――儂よりは若いがな」

「えっ。じゃあ、チミさんはもっと古いんですか?」

「さん付けとは何じゃ。……儂は、妖怪が学問になる前からおるわい」

「じゃあ、大先輩ですね!」

「……ふん。狛犬は、物を知らんくせに、物怖じせんのう」

 

 チミはそう言って、そっぽを向いた。だが、大きな耳の先が少しだけ、満更でもなさそうに動いていた。狛犬は物の怪を怖がらない。それは、竜に怖がられないのとは少し違うらしかった。

 


~聖域 下りの洞窟の入口~

 

――ウバメはあうんを見て、長い溜め息を吐いた。

 

「……昨日は巫女で、今日は狛犬かい。うちの囲いは、いつから神社の参道になったんだい」

「す、すみません……。でも、下の神社が震えてるんです。狛犬としては、放っておけなくて……」

 

 ウバメはあうんの一本角をしばらく睨んでいた。それから、ぷいと片手を上げて、空中の何かを指で摘まんで捕じった。

 

「……下の神社の客だ。うちの客じゃない。だから、聖域(うち)の決まりは入る時だけ守りな。――そこから下のことは、下の洞窟の番に聞きな」

 

 聖域の森を歩いていく途中、一軒の小屋の前を通った。杉の皮で葺いた低い屋根。軒先には、昨日の猪の皮が、縄で張られて干されている。その前で、赤胡麻の大きなガルクが、伏せたまま、あうんをじっと見ていた。唸りはしない。尾も振らない。ただ、あうんが通り過ぎるまで、目だけで追いかけてくる。

 小屋の中から、訛りの強い声が一つだけ飛んできた。

 

『――狛犬だべか。下は熱いぞ、水さ持ってけ』

 

 小屋の戸口から、竹筒が一つ、放り投げられた。あうんは慌ててそれを受け止める。中で、水がちゃぷんと鳴った。

 

――聖域の森の奥。苔むした岩が折り重なる斜面に、その洞窟は口を開けていた。

 入口は、人が二人並んでようやく入れるほどの幅。奥は、すぐに暗くなる。その暗がりから、風が吹き出していた。初冬の森の風ではない。生温い。そして、かすかに、硫黄のような匂いが混じっている。洞窟の口の周りだけ、苔の葉の先が、ちりちりと茶色く縮んでいた。

 

――その洞窟の口の前に、一人の少女が立っていた。

 姫のように切り揃えた青い髪。その毛先が、何か所も、金色の飾りで結ばれている。頭には、丸い飾りの付いた冠。目元には、三角の化粧。耳には、鍵の形の飾りが二つ。大きな襟の付いた茶色い上着に、短いキュロットスカート。黒い靴下の履き口には、○と×の模様が並んでいる。古い墓の姫君と探検家を、一人に縫い合わせたような姿だった。

 肩と脛には、焦げたような黒灰色の分厚い甲殻の防具。腰には、丸めた地図を差した筒と、小さなランタンが揺れている。

 左手には大盾。石の門をそのまま切り出したような、四角い盾だった。白灰色の分厚い甲殻を重ね、表には大きく、○と×が刻まれている。右手には、太いランス。甲殻を削り出した槍身の、石突きの側が大きく?(疑問符)の形に曲がった鉤になっていた。穂先の芯が、熱を持って、ほんのりと赤い。地の底から上ってきた、岩を食う鎧の竜の成れの果て――その背甲と胸殻から作った槍――鎧竜槍『塞ノ神』を構えている。

 『浅間浄穢山』の前に立ち、地の底から悪いものを出さない道祖神にして、下りの洞窟のハンター『道神馴子』が二人に気付く。

 

「――あら。狛犬さんね」

 

 馴子はあうんを見るなり、たいそう嬉しそうに目を細めた。

 

「は、はい!博麗神社の狛犬の、あうんです!」

「道祖神の『道神馴子』です。――狛犬さんには、一度お会いしたかったのよね。同じ、境目に立つ守り神だし。それでは――」

 

 馴子は槍の鉤をあうんの鼻先に――スッと向けた。

 

「――さて、問題です」

「えっ。……も、問題、ですか?」

「……と、言いたいところだけど。入るのは自由よ。問答は、出る時だけ。それが、私の決まりだから」

「……よ、よかったです。私、なぞなぞは、あんまり得意じゃなくて……」

「あら。ですが、出る時には、必ず出すわよ。――それと、私のは、なぞなぞではない。謎かけ、よ。小さな子の遊びと一緒にしないでね」

「は、はい!すみません!」

 

 馴子の声は穏やかなままだった。だが、その一瞬だけ、槍の穂先の赤が少しだけ濃くなったような気がした。あうんはこの道祖神の前で二度と『なぞなぞ』とは言わないことに決めた。

 

 馴子は少しだけつまらなそうに鉤を下ろした。それから、洞窟の奥の闇へ振り返る。

 

「……狛犬さんは、地の底の神社が震えているのを、感じて来たのね」

「はい。……わ、分かるんですか?」

「私は、その神社の前の番ですから。――昨夜から、下から熱い風が上がってきているわ。地下の空洞の底に、地の底の熱い層へ通じる亀裂があるんだけど……そこから、何かが上がってきたんでしょう。鉱脈を食べながら、ゆっくりと。――この洞窟の一本道を、上に向かって」

「何か、って……」

「この匂いと温さには、覚えがあるわ。――数年前にも、一度だけ相対したことがあるの」

 

 馴子は左手の大盾を、少しだけ持ち上げて見せた。四角い石の門のような盾。その端に丸く、拳ほどの穴が一つ、開いていた。穴の縁の甲殻は一度溶けて、そのまま冷え固まったように、ぬらりと光っている。

 熱線の穴だった。

 

「……その穴は……」

「私の『通さない道』に、一度だけ開いた穴。――地の底から上ってきた鎧の竜に、口から吐かれた熱い光でね。私は、盾ごと洞窟の壁まで穴を開けられた。その竜が、この槍とこの盾になったの」

 

 あうんは思わず、自分の背の盾を振り返った。

 灰色の、岩の塊のような盾。岩竜の幼い殻から作った盾だ。馴子の盾の白灰色と、色は違う。だが、甲殻の肌理の粗さも、岩のような重さも、よく似ていた。

 

「……道祖神さんの盾と、私の盾……似てますね」

「似ていて当然ね。幼体と成体で姿は大きく違えど同じ竜なのだから。狛犬さんのは、岩に化けて眠る、若い岩竜。私のは、その岩竜が鉱石を食べ続けて、鎧のようになった、成れの果てよ」

「……それじゃあ、下から上ってきてるのは」

「えぇ。『鎧竜:グラビモス』――狛犬さんの盾のモンスターが、大人になった姿ね」

 

 あうんの一本角の付け根を冷たい汗が一つ、つうと流れた。洞窟の口から吹き出す風は、生温かい。

 

「……ゆ、ユイマンさんは、いないんですか?地下のハンターさんだって、前に霊夢さんから聞いたんですけど……」

「地下の湖の向こう側から、亀裂の下へ、地底の方々に知らせに行っているわ。上がってきたものを、下へ帰すなら、下の方々にも受け取ってもらわないといけない」

「……帰すんですか?狩るんじゃなくて」

 

 馴子は少しだけ笑った。とぼけた、穏やかな笑い方だった。

 

「私の仕事は、中のものを外へ出さないこと。外へ出さなければ、それでいい。――前の時は、出さないために、狩るしかなかったのだけど。一人で、正面から受け止めようとした結果が狩猟になっただけ」

 

 馴子は穴の開いた盾をもう一度、左腕に構え直した。

 

「でも、今日は二人。――狛犬さん。一緒に、下りてくれる?」

 

 あうんは一度だけ、ごくりと喉を鳴らした。それから、背の盾を左腕へ、槍を右手へ、重い音を立てて構えた。

 

「――じゃあ、行きます!」

 


~聖域 下りの洞窟~

 

――洞窟は、広くなったり、狭くなったりしながら、地の底へ下っていた。

 天井が、見上げても届かないほど高くなる所がある。そうかと思えば、腹ばいになって這うしかない所がすぐに来る。

 馴子は腰のランタンを少しだけ掲げ、地図の筒には一度も手を伸ばさずに、迷いもせずに先を歩いていく。この洞窟の地図を正確に描けるのは、馴子しかいない。描いた当の本人には、もう地図は要らないのだ。

 

――下るにつれて、風が温くなっていった。

 入口では生温いだけだった風が、やがてはっきりと暖かくなる。さらに下ると、暖かいを通り越して、顔の肌がチリチリと痛む。あうんの岩殻の脛当ての内側で、汗が溜まり始めていた。硫黄の匂いが、少しずつ濃くなっていく。

 洞窟の壁には、所々鉱脈が走っている。岩の中を、赤や緑や銀の色の筋が、葉脈のように枝分かれしているのだ。

――その鉱脈が、大きく抉り取られていた。

 岩を砕いて掘り出したのではない。幅の広いものが、鉱脈のある所だけを、岩ごと少しずつ削り取っていった跡だ。削り跡には、太く短い溝が横に並んでいる。その溝の一つ一つが、あうんの拳より大きい。

 削り跡の縁の岩が、うっすらと溶けて、穴の開いた盾の縁と同じようにヌラリと光っていた。

 

「……食べながら、熱を出してるんですね」

「ええ。あの竜の体の中には、食べた鉱石を分ける、小さな生き物が棲んでいるんだそうよ。分ける時に、物凄い熱が出る。その熱を、口から光にして吐き出したり、お腹の甲殻の隙間から熱いガスとして噴き出したりするの」

 

 馴子はそう言って、洞窟の床の窪みを槍の鉤で指し示す。

 窪みの底に、白いものが水のように溜まっていた。靄だ。重たくゆったりと、窪みの底を這っている。

 

「あれは、眠りを誘うガスよ。岩竜も吐くけど、鎧竜(成体)のそれは濃さが違う。――吸わないように、窪みは跨いでくださいね」

「は、はい……」

 

 あうんは窪みを跨いだ。――跨いだつもりだった。

 だが、窪みの縁に溜まっていた薄い靄が、足を上げたところでフワリと舞い上がって、あうんの鼻先をかすめた。気付いた時には、もう吸っていた。

 瞼が重くなる。足元の岩が、少しだけ元からずれたように感じた。あうんの一本角が、ユラユラと揺れる。

 

「――さて、問題です」

 

――馴子の声がすぐ耳元で聞こえる。

 

「朝は四本足、昼は二本足、夕方は三本足。この生き物は、何でしょう」

「えっ……えっと……」

「考えなさい。考えている間は、眠れないわ」

「えっと……朝は四本……狛犬は、ずっと四本足、ですよね……いや、今は二本足だし……」

 

 あうんが唸っている間に、馴子はあうんの腕を引いて、洞窟の壁の割れ目の前まで連れていった。割れ目からは、上の方へ細く冷たい風が押し出されている。地上の森の、冬の風だ。

 馴子が、この洞窟のあちこちに通しておいた、風の道の一つだった。その冷たい風を一息吸うと、あうんの瞼が、ゆっくりと軽くなっていった。

 

「……あの、すみません。答え、分かりませんでした……」

「いいわ。今のは、入る時の問題だから。答えられなくても、通すわ」

「……入る時は、問答は無いんじゃ……」

「えぇ。だから今のは、眠気覚まし。――答えは、出る時までに考えておいてね」

 

 馴子はそれだけ言って、また先を歩き出した。あうんは頭を一つ振ってその後を追う。

 少し下った所で馴子は一度だけ足を止め、今来た道を振り返った。そして槍の石突きで、洞窟の床に細い線を一本スッと引いた。

 線はすぐに見えなくなった。だが、あうんには分かった。そこから先へ――上の方へ何かが上がっていこうとすれば、その足が少しだけ重くなる。通さない為の防衛線だ。上がってくるものを、ほんの少しの間足止めするだけの。

 

「……この程度で、モンスターは止まらないんだけどね。小さな生き物や、人や妖怪なら、少しは足を止める。――狛犬さんが上へ逃げる時には、足を止めないようにしておいたわ」

「……逃げませんよ!」

「えぇ。それでこそ門番。だからこそ、念のためにね」

 

――洞窟の壁に、大きな割れ目が縦に一筋開いていた。

 割れ目の向こうは何も無かった。壁も、床も、天井も。ただ暗く、とてつもなく広い空洞が、足の下に広がっている。その底のずっと遠くに、水の光がかすかに揺れていた。地底の湖だ。

 そして――その湖のほとりに、山があった。

 否、山ではない。四つの斜面が一つの頂きへ向かってキッチリと組み上げられている。人の手か――あるいは、神の手か。

 石を積んだ巨大な三角の影。その影のどこか奥の方に、あうんは今朝から感じていた古い神社の気配をハッキリと感じた。

 静かだった。とても静かで、とても古く、そして今は――わずかに息を詰めているような気配。

 

「……あれが、下の神社ですね」

「えぇ。私は、あの前に立つ番人。中には、変わらないことを仕事にしている神様が住んでおられる。――その神様が、昨夜から少しだけ落ち着かない。……ここに住む者が狩りに出ていて、留守だからでしょうね」

 

 あうんは、割れ目の前で三角の影に向かって深々と頭を下げた。――狛犬が、よその神社に入る時のいつもの礼だった。

 馴子はそれを見て、何も言わずに少しだけ笑った。

 

――やがて、音が聞こえてきた。

 ガリ、ガリと岩を噛む音。間を置いてズシン――と、重いものが一歩を踏み出す音。そのたびに、洞窟の床が足の裏で微かに震える。音は下から上がってくる。ゆっくりと、だが確かに。

 

 馴子は、一つの曲がり角の手前で足を止めた。

 洞窟がちょうど、一本道になる所だった。幅は、盾を構えた二人が肩を並べてようやく塞げるほど。天井は低く、上へ逃げる場所は無い。曲がり角の向こうは、緩やかな下り坂。その坂のずっと先が地下の空洞と、その底の亀裂だ。

 馴子は曲がり角の壁に、穴の開いた盾の端をそっと当てた。

 

「――前の時も、ここだった。私は、この一本道の真ん中に立って、真正面から受け止めようとしたの。『通さない』と決めた道なら、通さない。そういう神なので。――そしたら盾ごと、壁まで穴を開けられたわ」

「……」

「あの竜が口から光を吐く前には、必ず、足を踏みしめる。床に、爪を立てて。――その時に、真正面に盾を置いてはいけないわ。あの光は、受け止められられないから」

「……じゃあ、どうすればいいんですか?」

「それを、狛犬さんに聞きたかったの」

 

 馴子は、あうんの岩殻の盾をじっと見る。

 

「狛犬さんは、進む道を止めるのが得意だと、巫女さんの噂で聞いてるわ。――私は、『通さない』ことしか知らない。狛犬さんの『止める』とは、どう違うのかしら?」

 

 あうんは一瞬、言葉に詰まった。それから少し考えて小さな声で、しかしはっきりと言った。

 

「……私は、真正面では受けません。向きを、変えます。――ここから先へ行かせないために、前へ出るんです」

 

 馴子の目が少しだけ大きくなった。それから、ゆっくりと嬉しそうに細くなった。

 

――曲がり角の向こうが、赤く光った。

 坂の下から、熱い風が、壁のように押し寄せてくる。その風の後ろから、それは、一歩ずつ、坂を上がってきた。

 岩の山が、歩いているようだった。白灰色の分厚い甲殻が頭から背、尾の先まで、重なり合う岩盤のように体を覆っている。太い四本の脚は一歩ごとに床の岩を踏み砕き、小さな翼は、飛ぶためというより、ただ折り畳まれた岩の板のようだ。

 尾の先は、棘の付いた金棒のように膨らんでいる。そして――腹。胸から下腹へ向かう甲殻の継ぎ目が、内側から、炙った炭のように赤く光っていた。

――『鎧竜:グラビモス*1』

 

 グラビモスは、曲がり角の手前で足を止めた。太い首をゆっくりともたげ、一本道を塞ぐ二つの盾を、小さな目で見下ろす。

 

〈ゴアァァァァァァッ!!〉

 

 咆哮が狭い洞窟の中で何度も跳ね返った。天井から小石がパラパラと降ってくる。あうんは盾の裏で奥歯を食いしばった。耳がビリビリと痺れる。

 

「――と、通しませんよ……!」

 

 声が少しだけ震えた。それでも、あうんは盾を下げない。

 グラビモスが前へ出た。突進ではない。ただ、重い体を一歩踏み出しただけだ。それだけで、岩の塊と同じ重さが二つの盾にぶつかってきた。

 

――ガキィィィン!

 

 二人の足が床の岩を抉ってズルズルと後ろへ滑る。止まらない。盾で受けても、止まらない重さだ。あうんは、狛岩槍の石突きを床に突き立て、体ごと盾に寄りかかる。馴子も同じように姿勢を取る。二人分の重さでようやく、グラビモスの頭が曲がり角の手前で止まった。

 グラビモスの腹の継ぎ目が、強く光る。

 

ブシュゥゥゥ……!

 

――甲殻の隙間から、熱い息が噴き出した。

 視界が揺らいで歪むほどの熱。盾の縁から回り込んだ熱い空気があうんの頬を、前髪を、焦がすように打ち付ける。あうんは思わず盾の裏で身を縮めた。

 だが、馴子は身を縮めなかった。熱い息の中で槍の石突きを床から引き抜き、鉤を鎧竜の右の前脚の後ろへ、引っ掛けるように回し込んだ。

 

「――それっ!」

 

――引く。岩の山の右脚が、僅かに浮く。それだけで、重い体が大きく右へ傾く。グラビモスは、傾いた体を立て直そうとして、一歩後ろへ下がった。

 一歩。たった一歩。だが、通さない道を上ではなく下へ一歩。

――グラビモスが前脚で、床を踏みしめた。

 四本の脚の爪が岩に食い込む。体が僅かに沈む。太い喉が、内側から白く光り始めた。

 

「――来るわ!」

「道祖神さん!盾を――斜めに!」

 

 あうんは叫んでいた。考えるより先に、身体が動いていた。

 自分の盾を真正面ではなく、右へ斜めに倒す。その盾の縁に、馴子の四角い盾の縁を、重ねるように引き寄せた。二つの盾が一枚の斜めの壁になる。灰色の岩と、白灰色の岩。幼い竜の殻と、大人の竜の殻。

 その斜めの壁に――白い光が真っ直ぐに届いた。

 

――ジュウウウウウッ!

 

 光は盾を貫かなかった。斜めの壁の表を、滑るように右へ逸れて、洞窟の右の壁に突き刺さる。岩が、光の当たった所から赤く溶け、溶けた岩の奥から、さらに奥へ――そして、壁の向こう側の、別の洞の闇に、光がすうっと漏れる。

 盾の表が熱い。岩殻の一番外の一枚が、パキリと音を立てて弾け飛ぶ。だが、穴は開いていない。

 やがて光が消えた。鎧竜の喉の奥で、白い光の余韻が赤い燻火のようにただよっている。小さな眼が、盾を不思議そうに見ていた。

 

「……通さなかった」

 

 馴子の声が少しだけ震えていた。怖がっているのではなかった。

 

「いいえ。――向きを、変えたんです!」

 

〈グオォォォォォ!!〉

 

 グラビモスが吼えた。腹の継ぎ目の赤が、さらに明るくなる。太い尾が、狭い洞窟の壁を削りながら、横ざまに振られた。金棒のような尾の先が、壁にぶつかって岩を砕き、砕けた岩が、盾の上に、雨のように降り注ぐ。――怒り状態だ。

 

 横ざまに振られた尾が、そのまま、あうんの盾の端を打った。

 重い。岩の塊を、横から叩きつけられたような重さだった。あうんの体が、盾ごと浮いて、洞窟の左の壁に叩きつけられる。肩の岩殻が、壁の岩とぶつかって、鳴った。息が、一瞬、止まる。

 グラビモスの頭が、曲がり角へぐいと前に出た。二つ並んでいた盾の、片方が無くなった一本道へ。

 馴子がその前に立っていた。四角い盾を、今度は真正面に構えて。重い頭が盾にぶつかる。馴子のブーツが、床の岩を削って後ろへ滑っていく。それでも馴子は、盾の後ろからいつもの穏やかな声を掛ける。

 

「――狛犬さん。立てる?」

「……っ、立てます!」

 

 あうんは壁を押して身体を起こした。そして馴子の盾の隣へ、自分の盾をもう一度重い音を立てて並べた。

 腹の下から、白い靄がモワリと溢れ出した。――睡眠ガスだ。あうんの瞼が、また重くなりかける。

 

「――さて、問題です!朝は四本足!」

「えっ、えっと……じゃあ、後で答えます!」

 

――グラビモスがまた足を踏みしめた。

 今度は、喉の光が先程よりも速く白くなる。二人は先程と同じように、二つの盾を斜めに重ねる。吐き出された白い光が、斜めの壁に当たって右へ滑る。

 

――その光が、左へ戻ってきた。

 グラビモスが光を吐きながら、太い首をゆっくりと左へ振っていた。右の壁を溶かした光の筋が盾の表を横切って、左の壁の方へ薙ぎ払うように動いていく。斜めの壁は、右へしか光を逸らせない。左へ来る光は、真正面から受けることになる。

 

「――左です!道祖神さん、左へ!」

 

 あうんは叫びながら、盾の斜めを左へ倒し直していた。馴子も同時に動く。二つの盾が、光の動く向きへ一緒に傾く。首の振れる方へ盾を傾ける。光の先に壁を置いておく。――参道で暴れるモンスターの前で、いつもそうして立ってきたように。

 光は、今度は左の壁へ滑り、天井の岩を赤く焦がして、そして消えた。あうんの盾の岩殻が、また一枚パキリと弾ける。だが二人は、まだ曲がり角の手前に立っていた。

 あうんは頭を振って盾を構え直す。

――このモンスターは、上へ行こうとしている。上には聖域の森がある。山姥達の小屋がある。そのもっと先には『博麗神社』へ続く沢がある。――ここから先へは、行かせない。

 

――だから、前へ出る。

 

 あうんは盾を前へ突き出したままランスを脇に掛けて踏み込んだ。一歩、二歩。狭い洞窟の床を蹴って、盾と槍ごと、体を前へ投げ出す。狙うのは、繰ぎ目が赤く光る胸の甲殻。馴子が『あの竜の胸の殻は、他より薄い』と、下りながら言っていた場所だ。

 その横で、馴子がもう一度鉤を回していた。今度は左の前脚を狙い、引く。岩の山が左へ傾き――その分だけ胸が、あうんの槍の穂先へ自分から下りてきた。

 

バキィィッ!

〈グォォォォッ!?〉

 

 穂先が、胸の甲殻の継ぎ目に深々と突き刺さった。岩と岩がぶつかる音が、洞窟を上へも下へも駆け抜けた。胸の甲殻が、穂先を中心に蜘蛛の巣のように空割れ、その空割れが、めきめきと下腹へ向かって走った。割れた甲殻の隙間から、熱い息が、行き場を失って、シュウシュウと漏れ出していく。

 

〈……グルル……〉

 

 グラビモスが大きく仰け反った。

 咆哮ではなかった。太く、低く、喉の奥で唸るような声。割れた胸から漏れる熱い息が、自分の顔にかかり、グラビモスは煩わしそうに首を振る。

 そして――一歩、下がった。

 一歩、もう一歩。坂を後ろ向きのまま、重い足音で。曲がり角の二人を、小さな眼でじっと見たまま。やがて、太い首を坂の下へ向け、体ごと向きを変えて――地の底の熱い闇へ、ゆっくりと、下りていった。

 重い足音が、少しずつ遠くなっていく。洞窟を満たしていた熱い風が、その足音を追うように少しずつ冷えていく。

 

――二人は、曲がり角の先の坂を少しだけ下りた。

 坂の途中の壁にも、先と同じような割れ目が開いていた。そこから、地下の空洞の底が、よく見える。三角の影の、ずっと右手。空洞の底の岩に、一筋の赤い筋が走っていた。地の底の、もっと熱い層へ通じる亀裂だ。

 その赤い筋の縁を、岩の山がゆっくりと這っていた。割れた胸から、まだ白い息が細く漏れている。グラビモスは亀裂の前で一度だけ足を止め、三角の影の方を振り返ったように見えた。それから、赤い光の中へと頭からズルズルと沈んでいった。

 少しして、空洞の底の湖のずっと向こう岸で、小さな灯りが三度揺れた。

 

「……下の方々が、受け取ってくれた合図ね。――これで、下へ帰ったことになるわ」

 

 馴子はそう言って小さく息を吐いた。あうんは、その息が、少しだけ震えていることに気付いたが、何も言わなかった。

 曲がり角まで戻ると、床に白灰色の岩の欠片が幾つも散らばっていた。狛岩槍が割った、グラビモスの胸の甲殻だ。まだ、ほんのりと温かい。あうんは一つを拾い上げて、弾けた自分の盾の岩殻と見比べた。色も、重さも、分厚さも全然違う。だが、肌理の粗さだけは、不思議とよく似ていた。

 

「……これ、盾の修繕に使えないかな……」

「狛犬さん。聖域のものは、一つも外へ持ち出せない。長が、入る時に言っていたでしょう」

「あっ……す、すみません!」

 

 あうんは慌てて欠片を床に戻した。馴子はそれを拾い上げ、他の欠片と一緒に割れ目の前の平らな岩の上に、一つずつ並べていった。三角の影の方に向けて。

 

「――これは、下の神社へのお供えにしましょう。今日、騒がせてしまったお詫びです」

 

 あうんは、並べられた欠片の前で、もう一度深々と頭を下げた。馴子もその隣で、同じように頭を下げる。地の底の古い神社の気配が、ほんの少しだけ和らいだような気がした。

 


~聖域 下りの洞窟の出口~

 

――洞窟の口から見る森は、もう夕方の色に染まっていた。

 洞窟の口から吹き出していた生温い風は、いつの間にか止んでいる。代わりに、地上の冬の冷たい風が、洞窟の奥へゆっくりと吸い込まれていた。口の周りの茶色く縮んだ苔の葉先に、夕方の光が当たっている。

 あうんは洞窟の口の、一歩手前で足を止められていた。

 止めたのは馴子の槍の鉤だった。?(疑問符)の形の鉤が、あうんの鼻先でピタリと止まっている。

 

「――さて、問題です」

 

 馴子は、この上なく嬉しそうだった。

 

「入るのは自由。出る時は、問答を。――それが、私の決まり」

「えっ……あ、あの、怪我人と救難の時は、問答は無しだって……」

「狛犬さん、怪我してる?」

「……前髪が、少し焦げました」

「それでは、怪我とは言わないわね」

 

 馴子はわざとらしく咳払いを一つした。それから、古い墓の前の石の獣のように、厳かな声で問う。

 

「朝は四本足、昼は二本足、夕方は三本足。――この生き物は、何でしょう?」

 

 あうんは盾を抱えたまま、しばらく黙っていた。

――洞窟を上りながら、あうんはずっと、それを考えていた。

 四本足で歩くもの。二本足で歩くもの。三本足で歩くもの。狛犬は、本来は四本足だ。だが、今は二本足で歩いている。――では、三本足とは何なのか。

 参道の石段を、杖を突いて上ってくる人里の年寄りの姿が、ふっと頭に浮かんだ。石段の下で、母親の背から下ろされて、四つん這いで鳥居の方へと向かってくる、赤ん坊の姿も。あうんは、参道を上ってくる人間を、ずっと見てきた。

 

「……人間、です」

 

 馴子の鉤がゆっくりと下がる。

 

「赤ちゃんの時は、四つん這いで。大きくなったら、二本の足で。お年寄りになったら、杖を突いて。――参道の石段を上ってくる人。そうですよね?」

「……」

「あ、あの……違いましたか?」

「……ふふ、正解です」

 

 馴子はそう言って、ちょっとだけ惜しそうな表情を浮かべる。それからすぐに、心底嬉しそうな顔に変わった。

 

「この問題に、一度で、しかも、答えの理由まで付けて答えたのは、狛犬さんが初めてよ。――参道を上ってくる人、ね。それは、狛犬さんにしか出せない答えね」

「えへへ……」

 

 馴子は鉤を引いて道を開ける。あうんは洞窟の口から、夕方の森へ一歩踏み出した。

 そして振り返って、自分の盾と、馴子の盾を見比べた。

 灰色の岩殻の盾は、一番外の一枚が弾けて、その下の層が、熱で薄く焦げている。白灰色の四角い盾は、端の古い穴の他に新しい穴は開いていない。だが、表に刻まれた○と×の、×の方が、熱で半分ほど溶けて消えかけていた。

 

「……道祖神さんの盾、×が消えかけてますね」

「あら。……本当ね」

 

 馴子は盾の表を、しばらく不思議そうに眺めていた。それから小さく笑った。

 

「――今日は、×ではなかったんでしょうね。通さない、ではなくて、向きを変えた。狛犬さんのやり方で」

「でも、先へは行かせませんでしたよ!道祖神さんのやり方でもあります!」

「……そうね。止めて、出さなかった。――狛犬と道祖神の、半分ずつね。……狛犬さん。良ければまた来てね。今度は、出る時の謎かけをもっと難しいのにしておくから」

「えっ。……じゃあ、私も答えを考えておきます!」

「まだ出していない謎かけの答えを?」

「はい!……あ、あれ?」

 

 馴子はこらえきれずに、声を立てて笑った。洞窟の口で、その笑い声が小さく跳ね返った。

 

――森の奥から、落ち葉を踏む音がした。

 ウバメだった。その足元の苔の岩の上には、チミが座っている。チミは、洞窟の口に向かって、大きな耳を立てていた。

 

「……ふん。下が冷えたわい」

「下の神社も、落ち着いたみたいです!」

「狛犬に言われんでも、分かっとるわい。――ったく、今の若いもんは一言多い」

 

 ウバメは何も言わなかった。ただ、あうんの焦げた前髪をチラリと見て、それから空中の何かを、指で摘まんで捕じった。聖域の囲いの外への口だ。

 

「――帰りな。狛犬」

「はい!お邪魔しました!」

「……邪魔だとは言ってないよ」

 

 あうんは一度だけきょとんとして、それから大きく頭を下げる。聖域の森の夕暮れの光の中を、あうんは、小川の方へと駆けていった。

 


~博麗神社 本殿~

 

――あうんが戻った時、霊夢は、本殿の柱の前で腕を組んでいた。

 柱には、炭の大きな字。

 

――『霊夢さんへ。聖域の、下の神社へ行ってきます。苦情対応です。あうん』

 

「……お帰り。で、苦情って何よ」

「あ、あの、地の底からグラビモスが上がってきて、道祖神さんと二人で、向きを変えて、帰して、それで、問題に答えました!」

「……話の半分も分からないんだけど」

 

 霊夢はあうんの焦げた前髪と、弾けた盾の岩殻を黙って見た。それから溜め息を一つ吐いて、柱の炭の字を、指で一度だけなぞった。

 

「……まあいいわ。報告は、明日、また会館へ書きに行く。――で、この柱は誰が拭くのよ」

「……私ですね」

「そうよ」

 

 あうんは緑の髪を揺らして、桶を取りに手水舎へと駆けていく。手水の水は、昨日よりも少しだけ澄んでいた。

 


~聖域 下りの洞窟の入口 夜~

 

――その夜。馴子は一人、洞窟の口の前に座っていた。

 腰のランタンの光の中で、膝の上に四角い盾を置いている。端の、古い熱線の穴。そして、熱で半分溶けて、消えかけた×。

 馴子は腰の筒から小さな鑿を取り出して、×を彫り直そうと盾の表に刃を当てた。

 だが、当てたまましばらく動かなかった。

 やがて、馴子は鑿を筒に戻した。そして、消えかけた×の縁を指先で、一度だけそっとなぞった。

 

「……通さない。でも、止める。――これも、悪くないわね」

 

 洞窟の奥から冷たい風が、地上の森の匂いを吸い込んでいく。地の底の古い神社は既に、いつものように変わらず、静かだった。

 

*1:
飛竜種の大型モンスター。岩竜バサルモスの成体。鉱石を食べて全身を岩のような甲殻で固め、体内で生まれる熱を、口から地形さえ貫く熱線として吐き出す。




『道神馴子』
所属:聖地ヤマンバの地(浅間浄穢山の見張り)
役職:下りの洞窟の狩人。ピラミッドの前の道祖神
武器:鎧竜槍『塞ノ神』(ランス)
防具:鎧竜装【問答】
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