東方竜狩郷 ~幻想郷の狩人少女達~ 作:幻想入りしたガンサー
~妖怪の山 守矢神社 境内~
――その朝、守矢神社の御柱の上に、蛇が一匹巻き付いていた。
早苗がそれに気付いたのは、境内の掃き掃除を半分ほど終えた頃だった。
神域の結界として境内の四隅に立つ、一際太い御柱。その一本の、ずっと上の方。朝日を受けた柱の木肌に、青白い紐のようなものが、クルクルと螺旋を描いて巻き付いている。見てくれは蛇だ。だが、ただの蛇にしては妙に平べったい。紐というより、細く裂いた布のようだった。
そして――その蛇の巻き付いた柱の天辺に、誰かが腰掛けていた。
「……え?」
早苗は箒を握ったまま固まった。
白く長い髪が朝の風に流されて、柱の天辺から背中の方へサラリと垂れている。裾の破れたワンピースは、肩口の深い青から裾へ向かって紫へ、紫から薄い朱へと色を移していく。その上から、何匹もの平たい蛇が、帯のように体中に巻き付いていた。蛇の尻尾の先は崩れて薄い皮になってヒラヒラと宙に舞っている。舞った皮の切れ端を、別の蛇の頭がパクリと咥えていた。
足は裸足だった。その裸足の足を、柱の天辺でブラブラと揺らしている。
そして背には一張りの弓を負っていた。
弓の両腕は、青から紫へ色を移す濡れたような光沢の甲殻を、鱗のように幾重にも重ねて作られていた。握りには、蛇の頭が自分の尾をくわえて輪になった飾りが一つ。腰の帯には、弓で射るには短すぎる矢が、何本か差してある。冷たい水の底に棲む蛇の竜――その甲殻と皮で作った弓――水蛇弓『鹿射ノ記』。
柱の上の誰かは、早苗と目が合うとニッコリと笑って、片手を大きく振った。
「――あら、おはよう。巫女さんかしら?ねえ、ここ『守矢神社』で合ってるー?」
「あ、は、はい!『守矢神社』です!……あの、どちら様で……というか、どうやってそこに……」
「登ったの。良い柱だねー、これ。てっぺんから、山がぐるっと見えるよ」
「の、登っちゃ駄目ですよ!それ、御柱ですから!」
「……おんばしら?」
柱の上の誰かは首を傾げる。それから自分の座っている柱を見下ろして、「あぁ」と手を打った。
「そっか。神奈子の柱かぁ。――じゃあ、ここで合ってるね。巫女さん、神奈子は居る?」
早苗の口が、ポカンと開いた。
神奈子を、守矢神社の祭神を呼び捨てにした。
――母屋の縁側で、神奈子は朝の茶を飲んでいた。
早苗が境内から慌ただしく駆け込んできた時も、神奈子は湯呑みを置かなかった。
「か、神奈子様!大変です!結界の御柱の上に、知らない方が!神奈子様のことを、呼び捨てで!」
「……ほぅ。どんな奴だい」
「白い髪で、裸足で、蛇をたくさん巻いてて――」
早苗が挙げる容姿を聞いた瞬間――神奈子の湯呑みが、口の手前で止まった。それから、ゆっくりと縁側に置かれる。
神奈子は立ち上がると何も言わずに草履を突っかけ、境内へ出ていく。その背中が、早苗の目には
――境内の真ん中で神奈子は足を止めた。そして、御柱の天辺を見上げた。
柱の上の誰かが、神奈子を見下ろしてパッと顔を輝かせる。
「あ、神奈子だ。おはよー」
神奈子は見上げたまま、しばらく何も言わなかった。
朝の風が境内を吹き抜けていく。御柱の上で、白い髪と平たい蛇の尾の切れ端がヒラヒラと揺れる。
「……『ユイマン』」
神奈子はそう名を呼んだ。低く、短く。だが、いつもの指図や祭神として振舞う時の声とは、少しだけ違う響きだった。
「――降りてこい。そこは私の柱だ」
「はーい」
柱の上の誰かは、素直に返事を返す。そして、柱の天辺からヒョイと身を投げた。
早苗が悲鳴を上げるより早く、体に巻き付いた蛇達がスルスルと柱へ伸びた。蛇の体が柱に巻き付き、落ちる体をフワリと受け止めて、柱を螺旋に伝って滑り降りる。最後の一巻きで、裸足の足が、境内の玉砂利の上に音もなく着いた。
――嘗て
「えへへ。久しぶりー、神奈子」
「……あぁ。久しぶりだな」
神奈子はそれだけ言った。
早苗は二人の顔を交互に見た。神奈子の顔は、いつもと同じ威厳のある表情である。だが、その目元が、ほんの少しだけ緩んでいるような気がした。
「あの、神奈子様。こちらの方は……」
「古い友だ。――
「はじめましてー。『ユイマン』だよ。あなたは?」
「こ、東風谷早苗です!守矢神社の風祝で、それから、守矢ギルドのハンターです!」
「早苗かー。よろしくね。――ねえ早苗、鹿狩り行かない?」
「……え?」
「鹿狩り。楽しいよー」
「ユイマン」
神奈子が静かに口を挟んだ。
「用件は、鹿狩りの誘いか」
「あ、違う違う。それもあるけど、それは後で」
ユイマンはパタパタと手を振り、それから少しだけ真面目な顔になった。
「あのね。うちの下の湖に、新しい子が来たの。大きい、蛇の子。――神奈子、一緒に狩りに行かない?」
――母屋の縁側で、ユイマンは早苗の出した茶を両手で包むように飲んでいた。
「……あったかいねー、これ」
「ただの番茶ですけど……」
「それでも美味しいよ。下はずっと冷たいから、こういうのは久しぶり」
ユイマンは湯呑みを膝の上に置いて、ホウッと白い息を吐いた。体に巻き付いた蛇達が、湯呑みの湯気に鼻先を寄せてチロチロと舌を出している。早苗はそれを少し離れた所から、おっかなびっくりで見ていた。
神奈子はユイマンの隣に腰を下ろし、ユイマンを見る。
「……それで、下の湖の新しい
「うん。十日くらい前かな?湖の向こう岸の岩に、穴が空いてたの。見たことない穴。丸くて、深くて、縁がツルツルで」
ユイマンは指で宙に丸を描いた。
「その穴から、水が出てきてた。湖の水より、ずっと冷たい水。……それで、次の日から湖の魚が居なくなり始めたの」
「食われたか」
「多分ね。夜になると、水がバシャーンって鳴るの。大きいのが、跳ねる音。――それと、湖の岸に、これが落ちてた」
ユイマンは腰の袋から何かを取り出して、縁側の板の上に置いた。
――掌ほどの大きさの、薄い甲殻の欠片だった。濡れたような青い光沢。縁が少し反っていて、表には水滴が玉になって弾かれ、一粒も染み込んでいかない。
神奈子はその欠片を指で摘まみ上げた。表に、指先で水を一滴垂らす。水滴は甲殻の表を滑るように転がり、縁から落ちる。
「……撥水甲か」
「はっすいこう?」
「水を弾く甲殻だ。――お前の弓と、同じ竜のな」
ユイマンは、目を丸くして、背の弓を振り返った。弓の両腕の甲殻と、縁側の欠片を見比べる。そして「あぁ!」と声を上げた。
「ほんとだ。同じ色。――そっか、あの子と同じなんだ」
「覚えているのか。その弓の竜を」
「うん。湖に棲んでた、大きな蛇の子。他のモンスターを水の中に引きずり込んでたから、狩ったの。月の――」
ユイマンはそこで、ふと言葉を止めた。
首を傾げる。何かを思い出そうとするように、眉を寄せる。だが、すぐにヘラリと笑った。
「……月の、なんだっけ。まあいいや。とにかく、昔狩ったの。最初の大物だったんだよ」
神奈子は何も言わなかった。ただ、手の中の撥水甲の欠片をゆっくりと縁側の上に戻した。
早苗はその神奈子の横顔を見た。さっき境内で見た目元の緩みが、今は消えていた。
「――それで。その新く棲みついたモンスターは、何をしている」
神奈子が話を戻す。
「湖の魚を食べるだけなら、放っておいてもいいかなって思ったの。この子は狩らなきゃいけない子かなって、ちゃんと考えたんだよ」
ユイマンは、膝の上の湯呑みを両手でクルクルと回す。
「でもね。その子、穴を掘るの。湖の周りの岩に、嘴で。――それで、三日前にピラミッドの南の壁に、穴を空けようとしたの」
神奈子の眉がわずかに動いた。
「阿梨夜が、壁が崩れないようにずっと押さえてるの。でも、阿梨夜は狩りはしないから。それにあの子、すっごく大きくて。私一人だと、ちょっと時間が掛かりそうで」
ユイマンは湯呑みを置いて、神奈子の方を向いた。
「だから、神奈子。――一緒に狩りに行かない?」
神奈子はしばらく黙っていた。
縁側の向こう、境内の御柱の上を、北の風が吹き抜けていく。
「……聖域は、守矢ギルドの管轄外だ」
「うん。知ってるよ」
「守矢のギルドマスターが、勝手に聖域の地の底へ入るわけにはいかん。――ギルドの仕事としては、な」
神奈子はそう言って立ち上がる。
そして、母屋の奥の壁に立て掛けてあった、一本の太いガンランスを手に取った。御柱をそのまま削り出したような砲身。風神銃槍『八坂御柱』を背負う。
「――だが、旧い友に狩りに誘われて、断る理由はない」
ユイマンの顔がパッと輝く。
「――早苗。会所の典に伝えろ。『今日一日、私は留守』だ。行き先は言わなくていい」
「は、はい!……あの、神奈子様、私もご一緒に――」
「お前は、神社で留守を守れ」
神奈子は早苗の方を振り返らずに言った。それから、少しだけ声を和らげた。
「――これは、私とユイマンの狩りだ」
――鳥居をくぐる二人の背を、本殿の屋根の上から見送る者がいた。
大きな目玉の付いた帽子。屋根の棟に腰掛けて、足をブラブラと揺らしている。守矢神社のもう一柱の神――諏訪子だった。
早苗が境内から屋根を見上げる。
「……諏訪子様。いつからそこに」
「最初から。あの子が柱に登った時から、ずっと見てたよ」
諏訪子は、遠ざかっていく白い髪の背中を目で追っていた。体に巻き付いた蛇の尾の切れ端が、山の風に吹かれてヒラヒラと舞っている。
「懐かしいねえ。――『維縵国』のお姫様だ」
「ご存じなんですか?」
「諏訪の古い話に出てくる地下の国の子だもの。神奈子共々、神代から生きる私が知らない訳ないさ」
諏訪子はそれから、少しだけ声を落とした。
「……神奈子のやつ、あの子に、何も言わないつもりだね」
「何を、ですか?」
諏訪子は答えなかった。ただ、帽子の目玉と一緒に遠くを見ていた。
「早苗。今夜の夕飯、少し多めに作っときな。――神奈子、きっと腹を空かせて帰ってくるから」
「は、はい」
「それと――帰ってきても、あの子のことは
諏訪子は屋根の上でゴロリと仰向けになる。
「話したくなったら、いつか神奈子の方から話すさ。――話さなくても、それはそれでいいんだけどね。秘密ってのは、何もかも暴く必要はない」
~妖怪の山 聖地ヤマンバの地 森の境~
――聖域の囲いの前で、ウバメが腕を組んで立っていた。
ウバメは神奈子の顔を見、それからユイマンの顔を見、最後に神奈子の背のガンランスを見た。
何も言わずウバメは空中の何かを指で摘まむと、手首をクルリと捻じった。囲いの一か所が、人一人分だけ、音もなく割れる。
「……すまんな、長」
「礼は要らないよ。――下の神社の客の、そのまた客だ。うちの客じゃない」
ウバメはそう言って、そっぽを向いた。
「ただし、出る時は下の洞窟の番に聞きな。うちは知らないよ」
神奈子は短く頷いて、囲いの割れ目をくぐった。ユイマンがウバメに手を振りながら、その後に続く。
「ありがとー、ウバメ」
「……さっさと行きな」
~聖域 下りの洞窟の入口~
――苔むした岩の斜面に、洞窟は口を開けていた。
その入口の脇に、白灰色の四角い大盾を地面に立てて、馴子が待っていた。
「――あら。今日は、神様のお客様ね」
馴子は神奈子を見て、少しだけ目を丸くした。それから丁寧に頭を下げる。
「道祖神の『道神馴子』です。守矢の神様が、自らこんな所へ」
「旧友の付き添いだ。――入るぞ」
「どうぞ。入るのは自由ですので」
馴子は大盾を少し脇へずらして道を空ける。そして、神奈子が脇を通り過ぎる時に、小さな声で付け加えた。
「……出る時は問答を行います。神様でも例外はありません」
「分かっている」
神奈子は振り返らなかった。だが、その口元が、ほんの少しだけ笑ったように見えた。
~浅間浄穢山 地下空間~
――洞窟を抜けた先は、闇の海だった。
天井が見えない。足元から先も見えない。ただ、どこまでも広がる冷たく湿った空気と、遠くで水の滴る音だけがある。ユイマンが腰の小さな灯りを掲げると、その光が届く範囲だけ、黒い岩の床が浮かび上がった。
そして――闇の真ん中に巨大な影が座っていた。
四角錐の石の山。何段にも積み上げられた巨石が、闇の奥へと消えていく。灯りの光は、その裾の一部をかろうじて照らすだけで、頂がどこにあるのかは分からない。
――ピラミッド。地の底の神社を封じる『浅間浄穢山』。
「ただいまー」
ユイマンが、闇に向かって声を掛けた。
声は空洞の壁に何度も跳ね返って、遠くへ消えていく。返事はない。だが、ユイマンは気にした様子もなく、ピラミッドの裾に沿ってスタスタと歩き出した。
「こっちだよ、神奈子。湖は南の方」
神奈子はユイマンの後に続く。
ピラミッドの裾を回り込むにつれて、空気が変わっていった。湿り気が増し、冷たさが増す。足元の岩が濡れて光り始める。そして、水の匂いが鼻を突く。
やがて――灯りの先に、黒い水面が現れた。
――地底湖だった。
向こう岸が見えないほど広い。水面は鏡のように静かで、灯りの光を揺らぎもせずに映していた。湖の縁の岩には、白い苔が薄く粉を吹いたように生えている。
だが、その静けさはどこか張り詰めていた。
神奈子は湖の縁に膝をついた。
岸の岩に、何かが散らばっていた。濡れたような青い光沢を持った、薄い甲殻の欠片。一つや二つではない。湖の縁に沿って点々と、ずっと向こうまで撒かれている。どれも、岩の出っ張りや窪みに、斜めに引っ掛かるようにして留まっていた。
「……撒いてあるな」
「うん。毎晩、増えてくの」
「わざとだ。――あの竜は、自分の縄張りに撥水甲を撒く。撒いた甲殻に水の弾を跳ね返して、獲物の死角から撃ち抜くのさ」
神奈子は立ち上がって、撒かれた撥水甲の並びを目で追った。湖の縁を巡るように、ほぼ等しい間を空けて、甲殻が置かれている。角度もバラバラではない。どれも湖の方へ、少しずつ向きを揃えていた。
「……湖を狩り場にしているな。岸に来たものを、湖の中から撃つつもりだ」
ユイマンは感心したように神奈子を見た。
「神奈子、詳しいね」
「この山の神をやっていれば、モンスターの一匹や二匹には詳しくなるさね」
その時――ユイマンの灯りの届かない闇の奥から、低い音がした。
ゴリ、ゴリ――と。
岩を何か硬いもので削る音。規則正しくゆっくりと。
「――あっちだ」
ユイマンが灯りを掲げて走り出した。神奈子が続く。
湖の縁を回り込み、ピラミッドの南の裾へ。巨石の積み上げられた壁が、灯りの中に浮かび上がる。
――その壁の前に、誰かが立っていた。
――茶色の短い髪が揺れている。左の目の周りを、羽のような形の仮面が覆い、白く丈の長いシャツの上から、左半分だけの肋骨と、右半分だけの羽を持つ鳥の骨のような飾りを、体に巻いている。腰には、黒い石柱を幾つも束ねたような重たげな布。足は、ユイマンと同じ裸足。
背の右側には、炎のような淡い光が揺れ、左側には、目玉の模様を浮かべた布のような翼が、ゆっくりと開いたり閉じたりしている。翼の目玉が、灯りの方へギョロリと動いた。
その誰かは、ピラミッドの南の壁に右の掌を当てていた。
壁には罅が入っていた。巨石と巨石の継ぎ目から細い亀裂が、蜘蛛の巣のように四方へ走っている。今にも崩れそうなその亀裂が――しかし、少しも広がっていなかった。まるで、
『浅間浄穢山』の主にして、変わることを辞めた石の女神――『磐永阿梨夜』は二人に振り向く。
「……おかえりなさい、ユイマン」
阿梨夜は壁に掌を当てたまま、静かに言った。
「ただいまー、阿梨夜。壁、大丈夫?」
「大丈夫よ。私が押さえている限り、この壁は変わりません。――ただ、押さえている間、私はここから動けない」
阿梨夜の赤茶色の瞳が、ユイマンの後ろに立つ神奈子に向いた。
「……貴方が、山の神ね」
「『守矢神社』の祭神にしてギルドマスター、『八坂神奈子』だ。――ユイマンが、世話になっている」
「世話をしているつもりはありません。ユイマンは自分で狩りに出て、自分で帰ってくるのです。私は、待っているだけ」
阿梨夜はそこで一度言葉を切った。それから、ほんの少しだけ、仮面に覆われていない右の目を細める。
「……ですが、来てくれたことには感謝するわ。あの子が誰かを連れて帰ってくるのは久しぶりなのよね。……本当に、久しぶりのことよ」
――ゴリ、ゴリ……
また、あの音が聞こえた。
今度は近い。ピラミッドの南の壁のすぐ下。湖の水面と、壁の裾が接する辺りかえあだ。
灯りを向けると、そこには壁の裾の巨石に丸く穿たれた穴があった。人が這って入れるほどの穴。縁はツルツルに磨かれている。そして、その穴の奥から冷たい水が細く流れ出していた。
その穴の奥で、何かがゆっくりと動いた。青い光沢が、灯りの光を一瞬だけ跳ね返しす。
――穴の奥から、頭が出てきた。
嘴だった。鳥の嘴を何倍にも大きくしたような、硬く尖った嘴。それが、壁の巨石を削りながら、ズルリと押し出されてくる。続いて、高く持ち上がった頭。青を基調に、紫と白と黒が複雑に入り混じった鱗。そして、首、首――首。
どこまでが首で、どこからが胴なのか分からない。穴から這い出してくる体は蛇の如く、いつまで経っても終わらなかった。青い鱗の胴が、湖の縁の岩の上をゆっくりと、うねりながら滑っていく。その後頭部から背、尾の先にかけて、湖畔に撒かれた撥水甲と同じ、濡れたような青い甲殻が、櫛の歯のように並んで逆立っている。
ようやく尾の先が穴から抜けた時、その体は、湖の縁を半周近く取り巻いていた。
ガララアジャラ亜種は、冷たい海に棲む蛇竜種の大型モンスターである。頑丈な嘴で氷や岩盤に穴を穿ち、その穴に体をねじ込んで、地の底や水の中へ姿を消す。
――冷たい水を、辿ってきたのか。
神奈子は、穴から流れ出す冷たい水を見た。どこか北のずっと冷たい水脈から、岩を穿ちながら、この湖まで。
「……おっきいねー」
ユイマンが感心したように呟く。そして、背の弓をスルリと下ろした。
「前の子より、ずっと大きい」
「……前に狩った時は、どれくらいだった」
「この子の、半分くらいかなぁ」
神奈子は背のガンランスを下ろした。左手に銃槍、右手に大盾。盾の縁の風袋のような膨らみが、地の底の冷たい空気を吸ってかすかに鳴る。
「ユイマン。私が前に立つ。お前は後ろから射かけろ」
「うん。――昔の狩りみたいだね」
神奈子は答えなかった。
ガララアジャラ亜種の頭が、二人の方を向いた。高く持ち上がった頭の小さな眼が、灯りの光を映して白く光る。嘴が、ゆっくりと開いた。
――咆哮が地の底の空洞に、何重にも跳ね返った。
天井から細かい石の粒がパラパラと降ってくる。湖の水面に、細かい波紋が一面に立つ。ユイマンが耳を塞いでしゃがみ込んだ。神奈子は大盾を前に立てて、その陰で耐える。
咆哮が止んだ瞬間、ガララアジャラ亜種の長い尾が大きく振られた。
尾の先の撥水甲が、何枚もパラパラと剥がれて宙に舞う。舞った撥水甲は、湖の縁の岩やピラミッドの裾の巨石に当たって、斜めに引っ掛かる。
「――撒いたな」
神奈子が呟くのと同時に、ガララアジャラ亜種の喉が大きく膨らんだ。
嘴の奥から、水の塊が撃ち出された。
一発目は、神奈子の方へ真っ直ぐに。神奈子は大盾で受けた。重い衝撃が盾を叩き、冷たい飛沫が顔に掛かる。
二発目は――神奈子の方へは来なかった。
水の弾は、神奈子の右手の岩に引っ掛かった撥水甲に当たった。当たった瞬間、撥水甲がわずかに形を変え、水の弾が、グニャリと向きを曲げる。
曲がった先に――しゃがみ込んだユイマンがいた。
「――ユイマン!」
ユイマンはしゃがんだまま、横へ転がった。水の弾がユイマンの居た岩を叩き、岩の表が白く砕け散る。
「わ、危なっ……!」
ユイマンは転がった勢いのまま膝立ちになり、弓に矢を番えていた。
狙いは――ガララアジャラ亜種ではない。先程水の弾を跳ね返した、右手の岩の撥水甲。ヒュッ――と矢が鳴り、撥水甲の真ん中を射抜く。薄い甲殻がパリンと割れて、岩から落ちる。
「跳ね返す前のを、先に壊すの。――前の子の時も、こうしたんだよ」
「……覚えているのか」
「うん。手が、覚えてるの」
ユイマンは、次の矢を番えた。今度の狙いは、湖の向こう岸の岩の撥水甲。ヒュッ――パリン。
次いでそのまた向こうへ。ヒュッ――パリン。
神奈子は、ユイマンの前に出た。大盾を構え、竜の頭の正面に立つ。
ガララアジャラ亜種の頭が、神奈子へ向いた。水弾の二連射を神奈子は盾で受け、受けた瞬間に、盾の陰からガンランスの砲口を突き出した。
――撃ち込む。
砲口の根元から火が噴いた。
暗い地の底に、赤い火の光が弾ける。竜の首の鱗に火が当たり、ジュッと音を立てて、青い鱗の表が焦げた。
ガララアジャラ亜種が、首を大きく反らせて、甲高く鳴いた。――冷たい海の竜は、火に弱い。
「――熱、火は効くか」
神奈子はもう一発撃った。そしてまた一発。砲撃のたびに、竜の首がのけぞる。
――砲撃に追われた竜の頭が、横へ逃げた。
逃げた先には、ユイマンがいた。
湖の縁の岩の上で、片膝をついて、次の撥水甲を狙っていたユイマン。その真横へ、のけぞった竜の頭が、振り子のように落ちてくる。嘴が開く。牙が光る。
「――右だ!」
神奈子の声を受けてユイマンは跳んだ。
だが、裸足の足首を牙の先が掠めた。
「――っ」
ユイマンは岩の上に転がって、すぐに起き上がろうとした。だが、右の足が言うことを聞かなかった。足首から膝へ、膝から腿へ、冷たい痺れがジワジワと這い上がってくる。
「……あれ。足が、動かない」
ユイマンは自分の右足を見下ろして、不思議そうに首を傾げた。
その足首に、体に巻き付いていた蛇が一匹、スルスルと降りてきた。蛇は、痺れた足首にぐるりと巻き付き、きつく締め付ける。もう一匹が、膝の上に巻き付く。二匹の蛇が添え木のように、ユイマンの足を挟んで固めた。
「ありがと。――よいしょ」
ユイマンは蛇の添え木に支えられて、痺れた足のまま立ち上がった。そして、何事もなかったようにまた弓の弦を引く。
神奈子はその前に立ち塞がるように、盾を構え直した。
「……下がっていろ」
「やだ。まだ射てるもん」
「足が動かんのだろう」
「足は動かなくても、手は動くよ」
ユイマンは笑って、矢を放った。また一枚、撥水甲が割れて落ちる。
神奈子はそれ以上は何も言わなかった。ただ、ユイマンの前から、一歩も退かないことにした。
――ガララアジャラ亜種が、水の中へ消えた。
砲撃を嫌ったのだ。長い体がザブリと湖へ滑り込み、黒い水面の下へ沈んでいく。水面が大きく揺れ、波が岸の岩を洗った。
そして、静かになった。
「……潜ったか」
「下から来るよ」
ユイマンが灯りを湖の方へ掲げた。
「水が跳ねる音が、先に聞こえるの。――ほら」
――ピチャン。
湖のずっと右の方で、小さな水音が聞こえた。
――ピチャン。
今度は少し近い。左。
神奈子は盾を構えたまま、耳を澄ませる。水音は、右、左、また右と、湖の中を、二人を取り巻くように回っていく。輪を描くように、そして少しずつ輪を縮めながら。
「――輪を、縮めているな」
神奈子が言った瞬間、足元の岩が下から持ち上がった。
否――岩ではなかった。
湖の縁の浅瀬に沈んでいた、青い鱗の胴だった。いつの間にか、二人の立つ岸辺を、湖の中から大きく取り巻いていたのだ。その胴が、水面から一斉に持ち上がり、輪になって、二人の周りを締め付けるように迫ってきた。
「――跳べ!」
神奈子はユイマンの背を突き飛ばした。
ユイマンの体が輪の外へ転がり出る。だが、神奈子自身は間に合わなかった。
青い鱗の輪が、神奈子の体を盾ごと締め上げた。
――重い。
冷たく、重く、硬い。鱗の一枚一枚が、鉄の板のように神奈子の腕と胴を押し潰そうとする。盾と体の間に、輪がギリギリと食い込んでくる。神奈子の息が詰まる。
輪の上から、竜の頭が降りてきた。嘴が開く。その奥に、細く鋭い牙が並んでいるのが見えた。牙の先から、白く濁った雫が垂れている。
――麻痺毒。
神奈子は締め上げられたまま、竜の目を睨み返した。
「……この私に、蛇で巻き付こうとはね」
神奈子の背の注連縄を思わせる太い輪が、かすかに鳴った。
「蛇を纏う神に、蛇が巻き付いて――何になる……!」
神奈子は盾を構えた右腕に、力を込めた。
盾の縁の風袋がブワリと膨らむ。神奈子の周りの空気が急激に乾く。地の底の湿った空気が、神奈子の周りだけ、一瞬で乾き切る。
締め上げる竜の鱗の表から水気が奪われた。濡れて滑らかだった鱗がほんの一瞬だけ、乾いてざらついた。
輪が――ほんのわずかに緩んだ。
――ほんのわずか。だが、それで足りた。
神奈子は盾と体の間にできた隙間に、ガンランスの砲身を捻じ込んだ。砲口を、締め上げる胴の内側に押し当てる。
柄尻を岩に突き立てる余裕はない。神奈子は、体ごと銃槍を抱え込み、踏ん張った。
砲身の奥で何かが低く唸り始める――
――竜撃砲の炎が、青い鱗の輪を内側から焼いた。
ガララアジャラ亜種が悲鳴を上げて輪を解く。焼けた胴が、のたうちながら湖の方へ逃げる。神奈子は竜撃砲の反動で岩の上に転がり、膝をついた。息を荒く吐く。
――その頭上を、一本の矢が風を切って飛んでいった。
ユイマンだった。
輪の外へ転がり出たユイマンが、岸辺の岩の上に片膝をついて、弓を引き絞っていた。狙いは、竜の頭のずっと下。高く持ち上がった頭を支える胴の付け根の、二本の小さな前脚。
前脚は高所にあって狙いにくい。だが、竜が神奈子の砲撃でのけぞり、頭を高く反らせた今は――前脚の付け根が、灯りの光の中に真っ直ぐに晒されていた。
矢が、前脚の付け根に突き立った。
ガララアジャラ亜種の体が、大きく傾いだ。
ユイマンは、次の矢を番えていなかった。弓を左手に持ったまま、腰の帯から短い矢を一本、右手で引き抜いていた。
――弓で射るには短すぎる矢。
ユイマンは岩を蹴って走った。痺れの抜けきらない右足を、添え木の蛇が引っ張るようにして前へ運ぶ。傾いだ竜の胴を、裸足で駆け上がる。体に巻き付いた蛇達が、鱗の継ぎ目に尾を引っ掛けてユイマンの足を支えた。
ガララアジャラ亜種の頭がユイマンの方を向いて嘴が開く。
ユイマンはその嘴の真ん前で、右手の短い矢を――真っ直ぐに投げた。
――嘗て鹿を狩っていた頃と、同じ手つきで。
短い矢が、竜の両眼の間に深々と突き立った。
ガララアジャラ亜種が、最期の声を上げた。
長い体がゆっくりと湖の縁の岩の上に崩れ落ちていく。頭が落ち、首が落ち、胴が落ちる。尾の先が一度だけ水面を叩いて、それきり動かなくなった。鱗の青が少しずつ褪せていく。
――静かになった。
湖の水面の揺れが少しずつ収まっていく。遠くで水の滴る音だけが、また聞こえ始めた。
ユイマンはガララアジャラ亜種の頭の脇に、裸足で降り立つ。そして、竜の閉じかけた眼を、しばらく見下ろす。
「……ごめんね」
ユイマンは小さく呟いた。
「壁に穴を空けなかったら、狩らなかったんだけどな」
ユイマンは竜の額に、そっと手を当てた。それから、両眼の間に刺さった短い矢を、静かに引き抜いた。
~浅間浄穢山 地底湖のほとり~
――剥ぎ取りが終わったのは、地上ならとうに日が傾いている頃だった。
撥水甲を何枚か。鱗を少し。それから、前脚の付け根の甲殻を一枚。ユイマンが選んだのは、それだけだった。
「全部は持って帰れないし。――残りは、この子達にあげるの」
ユイマンがそう言うと、体に巻き付いていた蛇達がスルスルと解けて、竜の亡骸の方へ這っていく。
蛇達が食べたのは、竜撃砲で焼けた胴の肉と、矢の毒が回った前脚の周りの肉だけだった。それ以外には口を付けない。食べ終えた蛇達の尾の先が崩れて薄い皮になり、ヒラヒラと宙に舞う。舞った皮は、湖の縁の岩の上に落ちて――白い苔の上に、ほんのりと新しい緑を芽吹かせた。
「……生まれ変わらせるのか」
「うん。焼けたところと、毒のところは、他の子が食べたらお腹壊しちゃうから。――この子達が食べて、苔にするの」
神奈子は湖の縁の岩に腰を下ろして、その様子を眺めていた。
膝の脇には『
ユイマンが隣にやって来て、ペタリと座った。
「ねえ、神奈子」
「何だ」
「昔も、こうやって一緒に狩ったよね。――鹿」
神奈子は湖の黒い水面を見つめたまま、少しだけ黙った。
「……ああ。狩ったな」
「どこだっけ。山の、湖のそば。冬になると、湖が全部凍るところ」
「諏訪だ」
「そう、諏訪!湖の氷が、夜中にバリバリって割れて、山の向こうまで一本の道ができるんだよね。神様が湖を渡った跡だって、みんな言ってた」
「……御神渡りだ」
「そう、それ!あれ、本当に神奈子が渡ってたの?」
神奈子は答えなかった。ただ、口の端をほんの少しだけ持ち上げた。
ユイマンは膝を抱えて、楽しそうに笑う。
「あの頃の鹿は、すばしっこかったなあ。神奈子が追い込んで、私が投げるの。弓じゃなくて、手で。神奈子、いっつも『弓を使え』って言ってたよね」
「お前が言うことを聞かなかったからな」
「だって、手で投げた方が早いんだもん」
ユイマンは先程ガララアジャラ亜種の額から抜いた短い矢を、指の間でクルクルと回した。
それから、ふと手を止めた。
「……ねえ、神奈子」
「何だ」
「――私、
湖の水面に、天井から一滴の雫が落ちた。小さな波紋がゆっくりと広がっていく。
「諏訪で鹿を狩ってた頃のことは、覚えてるの。阿梨夜と一緒に、神社に祀られてた頃のことも。――それから、今のことも。でも……その間が、なんだかぼんやりしてて」
ユイマンは首を傾げる。
「さっきも、前の子を狩った時のこと、思い出そうとしたら、途中で分かんなくなっちゃった。月の、何とかって。……神奈子、何か知ってる?」
神奈子は湖の波紋を見つめていた。波紋は湖の縁まで届いて、岩に当たって消えていく。
「……鹿だ」
「え?」
「お前が、諏訪で一番大きな鹿を仕留めた時のことだ。――覚えているか」
ユイマンは目をパチクリさせた。それから、パッと顔を輝かせた。
「覚えてる!角が、こう、八つに分かれてたやつ!」
「七つだ」
「八つだよ!」
「七つだ。――一本は、お前が投げた矢で折れたからな」
「……あ」
ユイマンはポカンと口を開けた。それから、声を立てて笑い出した。笑い声が地の底の空洞に、何度も跳ね返って遠くへ消えていく。
神奈子は、その笑い声を黙って聞いていた。
話さないことを選んでいる。阿梨夜も、馴子も、そして自分も。ユイマンが忘れている年月のことを――
――それでいい。
神奈子は湖の向こうの闇を見つめた。
この友が、鹿の角の数で笑っていられるなら。それだけで、いい。
――ピラミッドの南の壁の前で、阿梨夜が二人を待っていた。
壁の罅は、まだそこにあった。だが、阿梨夜はもう壁に掌を当てていなかった。
「……壁は、もう大丈夫です。竜がいなくなれば、もう誰もこの壁を削らない。罅は、このまま変わらずに残る。――それで、構いません」
「直さないの?」
「直すこともまた、変化だもの」
阿梨夜はそう言って、ユイマンの頬に付いた泥を指先でそっと拭った。
「おかえりなさい、ユイマン」
「ただいまー、阿梨夜。――さっきも言ったよ、それ」
「何度でも言うわ。……言える相手がいることに、まだ慣れていないの」
阿梨夜はそれから、神奈子の方を向き、深く頭を下げる。
「八坂の神よ。――この子を、また狩りに誘ってやってください。私は、待つことしかできませんので」
神奈子は短く頷いた。
「……次は、鹿でも狩ろう」
「うん!鹿!」
ユイマンが嬉しそうに声を上げた。
~聖域 下りの洞窟の出口~
――洞窟の出口で、馴子が四角い大盾を構えて道を塞いでいた。
「お疲れ様でした、神様。――それでは、問答を」
「……本当にやるのか」
「入るのは自由。出る時は、問答を。それが、私の決まりなので」
馴子は、わざとらしく咳払いを一つした。それから、厳かな声で問う。
「――持てば持つほど重くなるのに、誰かに渡した途端、消えてなくなるもの。これは、何でしょう?」
神奈子はしばらく黙っていた。
洞窟の奥、地の底の方から遠く、ユイマンの笑い声が微かに響いてきた気がした。
「……秘密だ」
神奈子は短くそう答えた。
馴子は少しだけ目を細める。そして、大盾を脇へずらして道を空けた。
「――ふふ、正解です」
神奈子は馴子の脇を通り過ぎて、洞窟の外へ出た。
外は既に夕暮れだった。聖域の森の梢の上を、北の風が、低く唸りながら吹いていた。
神奈子は、振り返らなかった。脇腹の鈍い痛みを抱えたまま、山の上の、自分の神社へ向かって、ゆっくりと歩き出した。
~妖怪の山 守矢神社 母屋~
――神奈子が神社に戻った時、母屋にはもう明かりが灯っていた。
早苗が台所から顔を出し、前掛けで手を拭きながら縁側まで駆けてくる。
「お帰りなさい、神奈子様!――あ、お怪我を?」
「大したことはない。少し、締め上げられただけだ」
「し、締め上げ……!?」
「大きな蛇にな」
神奈子は得物を母屋の奥の壁に立て掛けると、縁側にどっかりと腰を下ろす。それから、少しだけ間を置いて、台所の方へ顎をしゃくる。
「――早苗。飯はまだか」
「あ、はい!今日は、少し多めに作ってあります!諏訪子様が、そうしろって」
「……そうか」
神奈子は本殿の屋根の方を、ちらりと見上げた。屋根の上には、誰も居ない。だが、どこかで蛙が一声だけ鳴いた。
早苗は、何か聞きたそうな顔をしていた。――白い髪、裸足の、蛇を巻いた古い友のこと。だが、諏訪子に言われたことを思い出して口をつぐんだ。
代わりに、神奈子の方が口を開いた。
「……早苗」
「はい」
「鹿の角は、幾つに分かれるものだと思う」
「え?……ええと、大きい鹿なら八つとか、でしょうか?」
神奈子は短く笑った。
「――そうか。八つか」
それきり、神奈子は何も言わなかった。早苗が首を傾げながら台所へ戻っていくのを見送って、神奈子は一人、縁側から夜の山を眺めていた。
北の稜線の上で、風が、まだ低く唸っていた。
『ユイマン・浅間』
所属:聖地ヤマンバの地(浅間浄穢山)
役職:地下空間の狩人。維縵国の王女、古神人
武器:水蛇弓『鹿射ノ記』(弓)
防具:水蛇装【維縵】
『磐永阿梨夜』
所属:聖地ヤマンバの地(浅間浄穢山)
役職:浅間浄穢山の主。石の女神