【職業:性奴隷】て。   作:規約引っかからないかが不安

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#1 殺す

 

 

 

 いっぺん死んで異世界におぎゃあと生を受けてからはや3年、いいかげん辛気くせぇ地下牢みてーなとこで生活するのにも慣れてきた頃合いだ。

 

 つーわけで、ぼくである。

 そう、ぼくだ。

 

 自己紹介。

 ついでにこれまでのあらすじ。

 

 前世は現代のしがない、冴えない男だったぼくは大学生活を開始するにあたって、親に長年禁じられていたエロ画像投稿サイトを思っくそ脳に焼き付けまくった結果、あまりの刺激に脳幹がぶっこぬかれて死に至った。

 

 名前は……言うまでもなく今後登場することもないため、一般男性Uとしておこう。略して男U(だんゆう)。画像で興奮しすぎて死んだ奴がなれるかよ、どアホが。

 

 そんなこんなでTS転生したぼくである。

 さて、TS転生っつーともはや言うまでもないね、やることなんて一つしかない。それはズバリ凝視である。幸い今世の顔は至上の仕上がりだ。神様が利き手で本気出して作ってる。

 

 んだもんで気合いさえあれば歩けるようになったんで、早速鏡越しに自分の姿を凝視してみた。うん、そりゃ興奮できるワケねーだろ、相手は子供だぞ。子供っつーか赤子だこれ!

 

 あいにくそこまで変態的な趣味は持ち合わせていなかった(仮にそんな趣味があったらエロ画像程度で死にゃあしない)から、凝視は近年稀に見る大失敗。いやあ凝視とかマジであり得んから。一瞬でも赤子の裸を凝視している場面を想像した奴は腹ァかっ捌いて疾(と)く死んでくれな。はい、死んできます……。

 

 とか。そんなことばっかやってたら、両親にめちゃめちゃ気味悪がられて「奴隷省」に売られました。ちなみに誤字とかじゃねーからな。

 

 えー、なんとこの異世界──ラングアリアという──にはですね。

「奴(・)隷(・)商(・)」じゃなくて「奴(・)隷(・)省(・)」という組織があります。しかも国家公認。

 もう全員死んじまえよ気持ち悪いなマジでどうなってんだ気持ち悪い。倒錯し切ったエロゲーか。この世界に道徳はないのか……なかったからこうなってんだな、うん。

 

 なんかこう、作る時疑問に思わなかったのかな。「もしかして『奴隷省』という組織を作っている自分たち、深夜3時に飲み屋街でうっかり踏んづけてしまった吐瀉物よりよっぽど品性下劣なのでは……!?」とかさ、少しでも思わなかったのか……思わなかったからあんなモンが出来てんだな、うん。

 

 はい。えー、まあつまりそういうワケで、ぼくこと奴隷番号687,432番はなんと0歳から奴隷省のお世話になっているエリート奴隷である。なんか色々記録とか更新したらしいよ。流石に歩けるようになってひと月で奴隷生活はエリート過ぎるかも。

 

 つーか奴隷番号から考えると、最低でも68万人の奴隷がいることになるんだけど。多すぎんだろバカ、そんなに奴隷を抱えて何になるんだ。何がしたいんだお前らはマジでよ。余るだろ普通に考えたら。

 

 両親もさあ、イかれたディストピア国家でも作らないようなあり得ない組織に我が子をぶち込まないでほしいよね。孤児院とかさ、協会とかあるじゃんか。なんだよ「奴隷省」って。選択肢に入ってくんじゃねえ。

 

 さて。そんな奴隷省だが、入ってみると色々と新たな発見があったりした。奴隷っつっても一括りじゃないらしく、色々な奴隷がいるらしい。

 

 家事奴隷、一生家事だけやらされる。制圧奴隷、一生働かされる警察みたいなもん。戦闘奴隷、一生武力として運用されることになる。探求奴隷、一生研究だけやらされる。他にも様々よりどりみどり。

 

 うん。もう何となく察しついたと思うけど、ぼくはなんと! 史上最年少の性奴隷として運用されることが決定しました! しかもその時まだ0歳!!

 

 オイオイオイオイナアナアナアナア、そりゃあどうなんだい、コンプラ的に。いやまあ奴隷省とかいう馬鹿丸出しの組織が存在している以上、コンプラも何もあったもんじゃねーけどさ。

 

 とはいえよ、とはいえよ? 何事にも限度ってあるのさ。流石にダメだって、生まれたばかりの赤子を性奴隷呼ばわりは。良心とか咎めないの?

 

 性奴隷て。

【職業:性奴隷】て。

 もっとこう、せっかく転生したなら【剣士】とか【魔法使い】とか、そういうのになりたかったんすけど。どうなってんだオイ。

 

 履歴書とか書く時ぼくこれ書かなきゃいけないワケ? 職歴欄いかついことなるぞ、びっくりしちゃうだろ先方が。「えーっとなになに、前職は……性奴隷!!?!?!!??!?!??!」ってなるだろうが。ひっくり返るだろそりゃあ。ぼくだってひっくり返るわ。脳幹引っこ抜けて死ぬわ。

 

 確かに見た目はいいと思うんすわ。さっきも言ったけど多分ぼくの顔は神様が利き手で本気出して作ってるから。でもさ、その時0歳だったんだぜこちとら。(一応は)女性で見た目が良かったからって、そんな無理矢理性奴隷ってことにしなくても。

 

 こう言っちゃなんすけど自分色々やれるっすよ。運動神経も頭も悪かないし、細々したところにも気が回るタイプっすよ自分。え、顔が良すぎるからダメ? そっすか、死ね。

 

 以上。これまでのあらすじ。

 以下、現状。

 

 卑劣な奴隷省によって【職業:性奴隷】に固定されてしまったぼくは、それはもうありとあらゆる保健体育的なあれこれを学び、ご主人様を愉しませるためのあれやこれやを仕込まれ、しまいには脂ぎったでぶでぶのジジイにグヌーチュズヌンと──とは、な(・)ら(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)。

 

 いやね、なりかけましたよ、何回もなりかけました。見た目いいからね、ロリコンじゃなかろうがロリコンにしちまうくらいの顔面偏差値はあるんだわ。だもんで、数多のピンチがありましたとも。

 

 だけど普通に考えてくれな。

 全然別に性奴隷として暮らすの嫌なんだ。あいにく「気持ちよけりゃそれで良くない?」とか思うタイプじゃねーのよ、こちとら。

 

 つーか前世男なんで。何が楽しくて男のそういうことの処理なんざせなあかんのです。ぼくはあくまでノーマルなんで。女のそういうことの処理も別にしたくねえしな。テメェのケツくらいテメェで拭け、ぼくに拭かせようとすんな気色悪い、ガキじゃないんだから。

 

 だがしかし、現実問題としてこの奴隷省とかいう300徹くらいした官僚がさらにとち狂って作られたみたいな機関、一応は国家公認なわけで。「やりたくないです」っつって「それならやめとこっか」ってなるほど甘い場所じゃない。すえた臭いとかするし。

 

 それならば、ぼくはどのようにして性奴隷としての教育をこれまで回避し続けてきたのか? ヒントはこ(・)こ(・)が(・)異(・)世(・)界(・)で(・)あ(・)る(・)ということだ。シンキングタイム、スタート。

 

 ごー、よん、さんにーいち。

 はい、終了。答え合わせいきます。

 

 正解は【スキル】とかいう超能力手に入れたから。

 ばばん。その名も【性欲操作】。自他を問わず、性欲の強弱やら性欲に対する認識やらを弄れちゃう優れもの。

 

 手に入れた経緯はものすご〜く簡単。

 ぼくが3歳になった──つまりは奴隷省にぶち込まれてから3年が経った日。他の子に比べりゃ意思はしっかりしてるし言うことはよく聞くし見た目も整ってくるしで、奴隷省のお偉いさんがたが「そろそろ座学くらいなら初めてもいいんじゃない?」となったらしいのだ。

 

 それを誕プレとして聞かされたぼくは、それはもう落ち込みましたとも。ええ、落ち込みました。だって大体どういうことすればいいのかとか知ってんだもん、前世でエロガキだったから。知識だけは十分あったのだ。

 

 じゃあ何でそれで落ち込む必要があんの? という話になると思うんだけど、よく考えてみ。座学受け始めたばかりのぼくが、どうしてかあれやこれやを知っていることが露呈してみなさいよ。

 

 お偉いさんがたはどうせ「そこまで知ってんなら実技行ってもよくね?」ってなるに決まっているのだ。そしたらぼくのハイスペックボディは今後一生変態ロリペド野郎どもの相手をし続けなければいけなくなる。

 

 この身体さ、無駄にスペックいいんだよね。

 見たものは一発で覚えるし、大抵のことは何でもできる。これで性奴隷でさえなけりゃあ最高だったんだけどな! 多分性奴隷でも天下取れるんだろうけどそれは本当に怖気が走るくらい嫌なので。嫌すぎて何回も吐いてる。おっえー。

 

 ……まあそんで、いやああああああぁぁぁぁぁぁあ!! となったぼくは、前世も含めて生まれて初めて神頼みってやつをやってみた。で、翌日起きたらなんか使えるようになってたんよね、【性欲操作】。

 

 ものは試しだと勢いに任せて、様子を見に来る奴隷省の職員どもから性欲をまるっきりとっぱらってみた。そしたら何とびっくり、どいつもこいつもめっちゃ優しくしてくるようになった。

 

 んー、まあそりゃそうだっつー話だわな。こちとら天涯孤独の3歳児、しかも生まれた直後にこんなとこにぶち込まれてる……境遇はマジのガチに悲惨な子供だ。

 

 見た目が良すぎてノーマル連中すらロリコンにしてしまうほどの美貌だったからこそ性奴隷とかいうあり得ねー立場に甘んじてたワケだが、性欲っつー色眼鏡(フィルター)さえとっぱらっちまえば、そこにいるのはどうしてか性奴隷として運用されることが確定してしまっている子供。

 

 一言で言います。

 ぼくってば、か(・)わ(・)い(・)そ(・)う(・)なんすよ。

 

 しかし、しかし。

 それでもあくまでかわいそうってだけ。職員のおっちゃんどもとて同情こそすれどそこまでだ。脱獄幇助とかはしてくれねぇの。向こうもこの仕事に生活かかってるらしい。んだよざけんな気合い見せろよ男だろ……とか言うと炎上しそうで怖いのでやめる。

 

 いやまあ3歳児で性奴隷にされそうになってる(つーか名義の上ではされてる)事実の方がよっぽど炎上モノだと思うけどね、こっちとしてはね。燃えカスになって然るべきだろ、こんな機関を認めている国家。

 

 ……と、いうワケで。ぼくの当面の目標はこの奴隷省とかいうふざけた場所から脱出すること。本当なら1秒だってこんなとこにはいたかねぇんですわ。臭いしキモいし、オマケに飯不味いし。

 

 その先何をするかは全く決まってないけど、しかし脱獄する方法に関しては既に思いついちゃってる。悪い、ぼく天才だったかもしれん。天才だったらこんなとこにぶち込まれてねーかも。調子乗りました、自重します。

 

 だからまあとりあえずは脱獄最優先。何年かはかかるだろうけど、6歳になるくらいまでは現状を維持できる自信がある。いざってなったら職員の性欲弄れば何とかなんべ、多分。

 

 それがうまく行ったら、どうすっかなー……。

 まあとりあえず、一個はやりたいことがある。

 

 ぼくのことこんな状態にしたやつ。

 全員社会的に、つーか生物的に殺すからなマジで。

 

 チート(ってほどでもないけど)スキル【性欲操作】でえっちなこと全部に対してどうしようもない吐き気を覚える身体にしてやっから、首洗って待っとけ、ゴミ。

 

 

 

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