最強の肉体を持って超次元サッカー!(ただし性別は女子とする) 作:ヨガマスター
イナズマイレブンという作品を知っているだろうか。
この作品は人間をやめた中学生が、必殺技とかいう怪奇現象を引き起こしながら、ルール無用のサッカーを行うというものなのだが、これがなかなか熱く、面白い作品なのだ。
さて、なぜ俺がいきなりこんな話をしているのかというと、なんと俺は神様の力でイナズマイレブンの世界に転生するからだ。
死んだと思ったら白い髭を携え金の杖を持ったいきなりいかにもな感じの神様に会ったときは、なんだこの状況とも思ったものだが、なんでも俺の死はミスらしく、お詫びに俺が一番好きな作品、つまりイナズマイレブンの世界に最強の身体で転生させると言われた時には全てを許した。
しかもちゃんとアレオリ時空ではないし、さらに絶対的主人公円堂守と同い年、そして生まれる家も近所になるようにしているという至れり尽くせり。
俺はハイテンションになりつつ転生を受け入れ、今まさに出産されたところだった。
助産師の着けたゴム手袋の感触を感じながら俺は母胎から取り上げられる。
ハロー超次元サッカー世界、これから骨の髄までこの世界を楽しんでやるからな。
そんなことを思いつつ生まれたばかりだからかぼやけた視界で周りを見渡す。
……おっ、お母さんめっちゃ美人じゃん。
その時だった、俺を抱えている助産師から思っても見なかった言葉が発せられたのは……
「よく頑張りましたねお母さん、可愛い女の子ですよ」
……ェ゙?
オンナノコ……?
……初代イナズマイレブンノ大会ッテ確カ女子参加不可ジャ?
「……ヴェェェェェ!?!?!?」
俺は咽び泣いた。
* * *
あれから数年が経ち、幼稚園児になった俺は近所の河川敷のグラウンドで稲妻KFCの練習風景を見ながら黄昏ていた。
「う〜む……、やっぱ女児の身体だよなぁ……」
初代イナズマイレブンは3期まであるのだが、女子選手が活躍できるのは、公式大会として戦うわけではない2期の脅威の侵略者編だけだ。
つまりいくら最強の身体を持っていたところで活躍できるのはたったのそれだけ。
「……むぅ」
こうなったらもうあの手しかないか。
もともと俺の目的はこの世界を楽しむこと、すなわちイナズマイレブンのストーリーを生まで見ることだ。
だったら別に選手として参加する必要はない。
「よし! 俺はマネージャーになる!」
イナズマイレブンの一員になれないのは残念だけど、マネージャーとして応援するのも楽しそうだ。
そう結論付けた俺は家に帰ろうとしてグラウンドに背を向けた時のことだった。
「あっ!? 避けて!!!」
「えっ?」
後ろから聞こえてきた女の子の声に思わず振り向く。
すると驚いた顔をしながら足を振り抜いた姿勢で固まる女の子と、俺に向けて勢いよく飛んでくるサッカーボールの姿があった。
「……ふっ!」
それは無意識だった。
サッカーボールを認識した俺の身体が、まるでそれが当然かのように動き出し、ゴールへ向けてボールを蹴り放った。
そしてレーザービームの如くまっすぐ飛んで行くボールは、慌ててキャッチしようとしたキーパーを吹き飛ばし、ゴールへと突き刺さった。
「……」
……確かにこれは最強の身体だわ。
高評価と感想、誤字報告よろ。