最強の肉体を持って超次元サッカー!(ただし性別は女子とする) 作:ヨガマスター
あれからさらに数年が経ち、俺は雷門中の前に仁王立ちしていた。
そう、今日はついに待ちに待った雷門中の入学式、ここから円堂守伝説がはじまるのか、そんなことを考えつつふと横を見るとオレンジのヘアバンドをつけた少年がサッカーボールを抱えながらこっちの方向へと走っているのが見えた。
あっあれは!
間違いない!!
円堂守だ!!!
そんなふうにテンションを上げながら円堂を見ていると、俺はとあることに気がついた。
……あれ、走るスピード的に今から止まろうとしても間に合わずに俺とぶつかるくね?
「えっちょっ!?」
「うわぁぁ!?」
思った通り円堂は止まり切ることができずに俺とぶつかり、そのまま一緒にアスファルトの地面へと倒れ込む。
「わ、悪い、怪我はないか?」
そう円堂に問われ、大丈夫と答えながら俺は立ち上がった。
「そっちこそ怪我はない?」
「あぁ、大丈夫だ」
そんな会話を交わしつつも、俺は内心かなり緊張していた。
だってこんなすぐに円堂と話せるなんて思ってなかったし!
「それ、サッカーボール? 入学式にも持ってくるなんてよっぽどサッカーが好きなんだね」
「あぁ! 大好きだ!」
普通入学式には余計なものは持っていかないし、そうでなくとも別に学校にも備品のボールはあると思うけれど、それでも持っていこうとするぐらい円堂はサッカーを愛しているのだろう。
……まぁ、それに気づいてないだけの可能性もあるが。
「なるほど……っとそういえば自己紹介まだだったね、私は
「月か、俺は円堂 守、よろしくな!」
「うん、よろしく!」
そう言って俺と円堂は握手を交わす。
これが俺と円堂の出会いだった。
* * *
それから俺は円堂に便乗する形でサッカー部に入ろうとしたら不愉快先生(誤字ではない)にサッカー部はないと言われ結局新設することになったり、合流した木野秋と共に物置状態だった部室を掃除したり、染岡竜吾と半田新一が入部することになったりなどのイベントを体験しつつ、日々を過ごしていった。
そしてとある日の昼間にて……
「せっかく今日はここが使えるってのに染岡と半田が揃って熱を出しちまうなんてな」
「だね、まったく、選手たるもの体調管理はしっかりしてもらわないと」
そんな話をしつつ、俺が蹴ったボールを円堂が受け止める。
そう、今日は平日にも関わらず振替休日のおかげで休み。
それによって普段は稲妻KFCがいるため使えなかった河川敷のグラウンドが使えるのだ。
当然そんな貴重なチャンスを練習に飢えているサッカー部が見逃す筈はなく、俺と円堂はこれ幸いと普段は出来ないキーパー練習をしていた。
「さて、そろそろ体もあったまってきたし本気で打たせてもらうよ」
「よし来い!」
せっかくの円堂と一対一ができる機会なのだ。
イナズマイレブンのファンとして円堂に本気でシュートを打ってみたいと思うのは当然だろう。
と、いうわけで……
「……
「っ!」
俺はボールと共に跳躍し、ボールを両足で挟み込みスピンをかける。
そしてボールが落下する前に地面へと着地し、そのままボールに後ろ蹴りを叩き込んだ。
これが俺の編み出した必殺技『一月』だ!
「くっ……、ぐぁ!?」
放たれたボールはキャッチしようとする円堂を若干拮抗こそするが弾き飛ばし、そのままゴールネットを穿った。
「ふふん、どうよこの必殺シュート!」
「……」
「ん? どうしたの円堂?」
円堂にドヤ顔をしながら話しかけるが反応がない。
あれ……なんかまずいこと「すっげぇぇえ!!!」……うぇ!?
円堂が興奮した感じで勢い良く近づいてきたんだけど!?
というか近すぎっ、鼻と鼻がくっつきそう!?
「なんだ今のシュート!?」
「わ、私の編み出した必殺技だよ、折角サッカー部に入ったんだし一つぐらい欲しかったからっ」
「おぉぉ!!」
よっぽど必殺シュートに驚いたようで興奮しまくっている。
まぁ確かにこの頃の円堂は必殺技を間近で見たことはないだろうし、こういう反応になってもおかしくない……のか?
「よし! もう一回それを打ってくれ月! 今度は止めてみせる!」
「え、う、うん」
円堂にそう言われ、ゴールに戻ったのを確認してから再び一月を放つ。
「月が必殺技を身に着けたんだ、なら俺も……!」
そう言うと円堂は右手に気を溜めながら空へと突き出し、手の形をしたオーラを生み出す。
「あれは! ……? いやでも……」
それはまさしくゴットハンド……のように見えたが……
なんか……心なしか少し色が薄いような?
そう俺が思っていると円堂はオーラをボールへと放った。
「っぐぁ!」
しかしオーラは容易く破壊され、そのままゴールへとボールは入ってしまった。
「くっそ〜! 月! もう一回頼む!」
「……これ成功するまで終わんないやつじゃんか」
そう文句を言うものの、内心これでこそ円堂守だろうと思い俺は練習に付き合い続けた。
そして途中で来た稲妻KFCが来てからもその子達に頼み込んで片面を使わせてもらい、すっかり日も暮れた頃、ついにその時が来た。
「はぁぁあああ!!!」
「っ!」
気合を叫びながら放たれる手の形状をした黄色いオーラ、それが高速回転するボールに削られながらも拮抗を続け、やがてボールの回転力が失われ完全に停止する。
ポトン
力が抜けてしまったのか、落としてしまったボールからそんな音が響いた。
「っ、しゃぁぁあああ!!!」
「……マジで止めたのか」
円堂が喜びの咆哮を上げる中、俺は驚いていた。
正直今の中1の円堂に止められるとは微塵も思っていなかったんだが……
これが円堂の力か……やっぱすげぇな。
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