やはり俺が魔女裁判に参加していたのは間違っている。 作:大魔女様が見てる
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ありがとうございます。
それと結衣は今回は出せませんでした。出るのは多分次回です。
翌日。俺は二階堂に引き摺られるような形で奉仕部のある空き教室に向かうことになった。うん、知ってた。逃がさん。ってするよな、二階堂は。
「まったく、君というやつは。私の前で堂々とサボろうと企てるとはいい度胸だな、八幡?」
「反省はしてる。だが、後悔はして─いだだだだっ!?」
耳たぶはやめろ耳たぶは!? 俺は一昔前の糸目のいわタイプの使い手じゃねえ!!
「……はあ……まったくもって正しくない。そもそもサボタージュは良いものでないのは君も理解しているだろう」
「……悪かったって。ちゃんと行きますよ」
最初からそうすればいいものを。とふん、と鼻を鳴らす二階堂。
なーんか、牢屋敷でのやり取りを思い出すな。
あの頃は、俺が【魔法】で姿を消して、それを二階堂が探し回っていたんだったな。比企谷のバカは何処だ……! って言いそうな感じで。葛飾区かよ。
そんで城ケ崎が「のあもかくれんぼやるー!」なんて言って一緒に俺を探し始めたんだったか。……そっからまさか全員で俺を探すかくれんぼ大会が始まるとは思わなかったが。
え、最終的にどうなったかって?
隠れるならこういう場所じゃないかな。って考えてた桜羽に【魔法】を解除したところをたまたま見つかった。
その後二階堂に捕獲されて簀巻きにされて正座させられて説教されたのである。ちなみに桜羽はあわあわしてた。かわいかった。
あとなんか鬼の形相でめちゃくちゃ探し回ってた沢渡。
……今思うと、思いっきり沢渡の地雷俺が踏みかけてたんだよな。当時は知らなかったとはいえ、悪いことしたよなあ……アレ。反省である。
さらにその後の話だが、黒部の【魔法】で居場所を特定するという方法をよく利用されるようになった。え、どうやったのかって? 二階堂のやつこっそり俺の髪の毛引っこ抜いてたらしい。それを利用して黒部の【魔法】と沢渡の【魔法】を組み合わせて特定してくるようになったというのが顛末である。アイツら徒党組みやがってよぉ……。
結果俺の【魔法】は見事に看破されるようになった。悲しいネ。
まあそれも、沢渡が死んで──
……やめとこ。思い出すもんでもない。それは、なかったことになった世界の話だしな。アイツらは今もピンピンしてるんだ。そんな思い出は忘れておくに限る。
「八幡?」
「……んぉ? なんだ、二階堂?」
「いや……なにか、あったか? 少し、苦しそうな顔をしていたからな」
「マジ?」
どうやら顔に出ていたらしい。不安そうに顔を覗き込んでくる二階堂に、なんでもない。と返す。……やっぱコイツも大概顔が良いよな。蓮見が1番魅せ方ってやつをわかってるとは思うけど。
「すまんすまん。なんでもない。ちょっと……牢屋敷でのことを、な」
「……そうか。無理はしないでくれ。私も、君に苦しい思いをして欲しいとは思っていない」
「さんきゅ。その気遣いだけでも充分だ。ありがとな、二階堂」
「お、おい……頭を撫でるな……! さすがに恥ずかしい……!」
「っと、悪い」
いかんいかん、小町にやってた癖が。二階堂って意外と小柄だからなあ。
いくら俺が猫背といえど、身長差は結構ある。ちょうど手がいい感じに頭に置きやすいのだ、二階堂の場合。ちなみに1番手を置きやすいのは夏目である。いちばん小さいからな。本人はこれから大きくなるんだが?? って顔をしてたが。いやあ、今から蓮見や佐伯は無理だと思うよ、うん。あのプロポーションに追いつくのは多分無理。諦めてもらって……。
そんなこと言ったらブチギレて何が言いたい? って言ってきそうだけど。極道の4代目かよ。もしくは心臓とか脳が幾つかあるタイプの鬼。
そんな余計なことを考えていたら、奉仕部の部室の前まで辿り着いていたらしい。
二階堂がガラリ、と扉を開ける。
「あら、こんにちは。二階堂さん、比企谷くん」
「ああ、こんにちは。雪乃」
「……おう」
先に着いていたのであろう雪ノ下が本を置いて挨拶してきたのでこちらも軽くは会釈する。
「ちゃんと来たのね。比企谷くんのことだから来ないと思ってたわ」
「失礼な」
「いや実際君はさり気なく帰ろうとしただろう……」
俺の抗議の言葉は二階堂のマジレスによって黙殺された。予想が合ってたのをいいことに、ほら見た事か。とばかりにニコニコ笑って雪ノ下はこちらを見ていた。クソ、いい性格してやがる。そしてなまじ顔が良いから絵になるな畜生!
「へえ、それでも来たのね。結構酷いことを言ったつもりだけど、それでも来るなんて。マゾの気があるのかしら?」
「ねえよそんなもん。こっちは美少女からの罵倒なんて慣れてるだけだよ。涙が枯れるぐらいな」
主に沢渡とかあてぃしさんとかココさんとか。え、全部一緒だろって? うるせー。
ちなみにノンデリカシーでナチュラル罵倒してくる方は橘・怪力・シェリーである。探偵には人の心が分からない……いや嘘、アイツ一応理解はしてんだよな。常人とちょっとズレてるぐらいで。それがデリカシーのなさに繋がってるだけなのである。
遠野も罵倒してくることはあるがあれは照れ隠しによるものだと俺は知っているのでノーカウントとする。紫藤もだな。名前の通りツンデレなので。……そんなこと言ったら【発火】で燃やされるか? いやもう【魔法】は持ってないが。
「……そ、そうなの。……二階堂さんのせいかしら」
「わ、私はそんなことは……」
うん、してないけどしてるな。正論の暴力で。ソースは泣いた夏目。と、ちょっと引き気味の雪ノ下と異議を唱える二階堂を見ながら心の中でそんな言葉を零す。
お前と宝生の正論による詰め寄りと沢渡のシンプル罵倒って普通に効くからね? 聞いてるこっちが泣くかと思ったし……。
メンヘラモヤシ地雷〜とか魔法がないとお喋りできないの? とか不幸な自分という悪酒に酔う依存症の患者〜とか何を食ったらそんなの思い付くんだよ、って引いたからねマジで。
特にお前がいちばん火力高えよ二階堂。沢渡と違ってガッツリ正論でぶっぱなしてくるからタチ悪いんだって……。
「まあ、事の発端の1人といえばそうだな」
「八幡!?!?」
「……そうなのね」
あの二階堂さんが……と驚いた様子の雪ノ下と俺に後ろから刺されて困惑する二階堂。いやまあ、実際お前の正論ってたまに涙出てきそうになるから……。だから【魔法】使ってまで逃げてんだよ。その度に追いかけっこになってたわけだが。
「とにかく、俺は別にマゾじゃないって話だ」
「あら、じゃあストーカーかしら」
「なんでそうなる?」
目か? この目のせいだとでも言うのか? おん? 喧嘩なら買うぞこら。人の容姿を判断基準にするのは正しくないんだぞ!
「冗談よ。昔から誰も彼も、私を好いてくる人ばかりだったから貴方もそうじゃないかと、ね?」
「ようは試し行為じゃねえか。勘弁してくれよ……」
なんでここに来てまで宝生とか橘とかがやってくるような事に対応せにゃならんのだ。一癖どころか二癖も三癖もあるような女子の対処はもう御免こうむりたいんだが???
で、だいたいそういう試し行為をする奴ってのは決まって──
「友達いねえだろ、雪ノ下」
ぼっちである。ソースは昔の俺とか、牢屋敷に居たヤツら。
「そうねまずは何処から何処までが友達という定義になるか説明してもらっても」
「OK、その矢継ぎ早で全部理解したわ」
すげえ早口で草。とか言ったら多分本が飛んでくる上に二階堂から正しくないパンチが飛んでくる可能性があるので口にしないが。やだ俺沢渡に影響されてる……!? この影響はいらんだろ。返却させてくれ。まあ本人に言ったら「えー? あてぃしそれ悪くなくね? 勝手にあてぃしのこと興味持って影響受けてるハッチが悪いじゃーん? それともそんなにあてぃしのこと好きなわけ? ウケる〜!」とか言うまである。ウケねえよ。
「何を理解したというのかしらそもそも私に友達がいないとは言ってないでしょう」
「ちなみに友達に二階堂や俺を提示するのはなしな」
「…………」
黙っちゃったよ。それで通そうとしたのかよ。横で二階堂はえ、私か? って困惑してるし、俺もえぇ……って思ってる。
「仮に、私に友達が居ないとして。そこまで友達とは必要なものなの?」
「知らん」
「は?」
「おい」
俺の投げやりな言葉に、冷たい目が2箇所から同時に飛んでくる。こわー……。いやまあ、今のは無責任すぎたか。
「あーいや、知らんっつーのはあれだ。お前が何を求めてるかどういうやつと友達になりたいかで変わってくるだろ。結局自分のことなんだから、実際に自分で友達を得ないと答えなんて分かるはずもなくね?」
「……一理あるわね」
俺の言葉に、少しは価値があると思ったのか静かに考えるような様子を見せる雪ノ下。
「比企谷くん。貴方には友達がいるのよね」
「まあな。元ぼっちではあるが……12人ぐらいはいる、そこの二階堂も含めてな」
「どうだったの?」
どうとは。いや、言わんとしてることはわかる。貴方にとって、友達とは有意義な存在だったのか、とか。そういう事だろうってことは。
「…………まあ、悪くはないんじゃねえかとは思ってる」
それは俺の本心である。昔の俺ならぼっちを誇りにしてただろうが……あの屋敷で色々なものを経験して、アイツらと馬鹿なことやったりするのも悪くないとは思っていたから。そのせいで色々とトラウマを抱えたのもまあ事実なのだが。
「酷いことも色々あったけどな。……喧嘩したり、泣いたり、人を悪人扱いしてくるヤツから弁明したりして。うん、ロクな思い出がねえな? けど、それでも二階堂や、アイツらに会えたことは感謝してる。そこに嘘はない」
「────そう」
「八幡……」
静かにその言葉を噛み締めるような雪ノ下と少し照れ臭そうに、それでいて呆れたような顔をする二階堂。なんかまたしんみりしてない? え、俺そういう【魔法】持ってないんだが。なに、しんみりさせるなんか俺持ってたっけ……?
「……そういうところが、君のある意味では正しくないところだ、まったく」
「えぇ……なんで正しくない判定貰ったんだよ俺……」
その割には頬がニヤけてませんかね、二階堂さん?
「ねえ、比企谷くん」
「ん、なんだよ雪ノ下」
「私と、友達になってくれる?」
「……──は?」
友達。トモダチ。え、誰と誰が。ああ、お前を食ってやるって意味かな。頭ガゾートかよ。俺は光になれないんだが。──ではなく。
「待て待て待て。何を考えてそうなった? 人の地雷の一部分あからさまに踏み抜いてるヤツに友達になろうって言う物好きが何処にいるんだよ??」
「あら、ここにいるわよ? それに、地雷を踏み抜いてた自覚はあったのね。踏み谷くん」
「踏み谷言うな」
ええ? いや……ええ……? 何がどうなったらそうなるんだよお前の思考怖いよ。橘よりはマシだが。
「考えた上での結論よ。貴方との会話がそれなりに楽しいという事を理解したのよ。……世間一般的には、こういう風に思える相手と友達になりたい……と思うのでしょう?」
「いや知らんが……」
俺に世間的な友人の作り方を求められても……
「そうだな。そう思えるような相手と友人になりたい、と思う気持ちは間違いではないよ。雪乃。私もそうだったからね」
「……二階堂さん」
思わぬところからの援護射撃。二階堂であった。何かを思い出したのか、少ししんみりとしている。
「……いいんじゃないか、八幡? 私以外の学友を増やすというのは、良いことだと思う」
「お前は俺の母親か?」
友達増やせてるか気にしてる親かよ。
「それに、あの場所以外での関係性を持つことは……この先きっと必要だ。私にとっても、君にとっても」
「それは……」
まあ、そうだが。つか女子しかいねえし。普通に野郎の友達が欲しいか欲しくないかで言えば欲しい。いやでも雪ノ下は女ですけどね。しかも美少女。また美少女じゃねえか、周りの顔面偏差値高すぎるだろ。
俺も目はともかく顔は良い方という自負はあるが……さすがにこのレベルが多いと見劣りする所の話ではなくなる。いやホントに。月とすっぽんである。ちなみにすっぽん側が俺。
「……ま、俺でいいなら友達でもいいぞ。正直、オススメはしないが」
「八幡」
「いや実際そうだろ……お前らが珍しいだけだからな」
咎めるような視線を向けられるが俺は平然とそう返す。日本だけでも億は存在する人間の中での12人など少数すぎる。しかも色々知った上で語るなら、どいつもこいつも色んな意味で問題を抱えている人間だった。俺も含めて。……真っ当だったのマジな話、佐伯ぐらいしかいなかったよな。やはり佐伯は癒しである。おじさんを自称しているが……まあ、そこは相応の理由があるのでさもありなん。トラウマのせいで俺に対してちょっと苦手意識あったことまで頭下げて謝罪してくれたからね。良い奴すぎる……あれが光のギャルってやつなのだろう。うちのクラスの女王ギャルとはなんか色々次元がちげえ。
「ええ、じゃあ。友達になりましょう。よろしくね、比企谷くん。……それとも私も八幡くんって呼んだ方がいいかしら」
「距離の縮め方が早すぎるだろそれは。いいよ別に苗字でも。俺なんて友達全員苗字呼びだからな」
「それはそれでどうかと思うのだけど……」
そうなの? と確認するように二階堂を見て二階堂も二階堂で困ったように頷いていた。そこでなんで困った顔するんですかね。
別に友情なんて名前の呼び方で変わるもんでもないし良いだろ。知らんけど。元はと言えばぼっちの俺に友情云々は難しい話である。12人程度で分かるはずもないのだ。
「ん、まあ……なんだ。改めてよろしく。雪ノ下」
「ええ、よろしくね。比企谷くん」
「……ふふ。良かったじゃないか、八幡。新しい友達ができて」
「だからお前は俺の母親か」
さっきからなんでちょっと保護者目線なんだよお前は。
「あら、二階堂さん。貴女は私と友達になってくれないの?」
「えっ」
おっと、ここで雪ノ下の不意打ちが決まった。
「残念ね……私はてっきり友達になってくれるものとばかり」
「いや、そのだな……友達……友達でいいのか、私は?
……幼い頃にちょっと家の都合で付き合いがあったぐらいだろう、私と君は」
「人には友達作れって言ってんのに自分がヘタレてどうすんだよ。二階堂」
「ぐっ……そ、それはだな……」
まあ、ちょっと卑屈になってる理由も察せはするが。……牢屋敷の一件で俺たちの歳で経験するには劇毒すぎたものだ。その上、二階堂の場合は桜羽とあったいざこざのせいで大きすぎる心の傷を残している。……仲直りしようとした矢先に言葉にしたくもない出来事が起きたからな。友達を作ることに対して少し奥手になるのも仕方ないのだろう。……俺もアレに関しちゃあんまり思い出したくない。友情や嫉妬、そういう人にとって当たり前にあるものが起こしてしまった過ちだからだ。
「桜羽の事気にしてんなら、尚更ヘタレたらダメだろ。アイツがそういうので引き摺ってて、友達作ってないって知ったら悲しむの、お前ならわかるだろ」
「…………ああ、そうだな」
互いに好きすぎて拗らせてたからなあ。二階堂と桜羽。なんで俺が仲介役をせねばならんのだ。となったのはいい思い出である。……あんまり裁判のことは思い出したくはないが、その時の犯行を行った奴が蚊帳の外である筈の二人で急に喧嘩し始めておろおろしてたからな。なんで犯人が困ってんだよおかしいだろ。
「……雪乃。私で良ければ、友達になろう」
「! ええ、よろしくね、二階堂さん」
そんなことを考えていたら、二階堂が考えを纏めたのか雪ノ下に向き合って友達になろう。と口にしていた。……なんか俺の時より喜んでませんかね。雪ノ下さんよ。いやまあ、俺と違って昔から付き合いがあった相手だったし不思議ではないのかもしれないが。……二階堂って高嶺の花タイプだが、それはそれとして普通にコミュニケーション能力はあるからな、ちょっとクセが強くて難ありな部分はあるが。雪ノ下にとってはなにか憧れるようなものでもあったのかもしれない。
まあ、そんなわけで。……俺と二階堂、雪ノ下による奇妙な友情? から始まる奉仕部での活動が始動したのであった。
比企谷 八幡
原作より拗らせ度合いがマシになっているため、雪乃とすぐに打ち解けた。
12人の友達のおかげである。
牢屋敷ではよくヒロと鬼ごっこになっていたらしい。
ヒロほどではないが面倒見の良さはあり、
よくノアやアンアンへの構い方でヒロと揉めることがあったとか。
目撃者のS・A氏、S・K氏から「子供の育成方針で揉める夫婦かよ」とツッコミが入ったことも。
色々トラウマになってることが牢屋敷で増えているとの噂も。
二階堂 ヒロ
雪乃と改めて友達になった。
エマのことは今も大切でかけがえのない大好きな親友なので彼女のことを引き合いに出されると弱い。
サバト終了後の彼女なので過去の記憶で色々トラウマになったことがあるとかないとか。
エレベーターに乗る時は八幡に一緒に乗って貰っているとの噂。
雪ノ下 雪乃
多分今作でめちゃくちゃ勝ち組になってる人。一日で友達二人も増えてほくほく顔。
現状の八幡への認識は「おもしれーやつ」、ヒロへの認識は「憧れている同年代の人」。そんな2人と友達になれたのでそりゃもう嬉しい。
嬉しすぎて苦手な姉とのメッセージのやり取りで「友達が出来たのだけどどういう話をするのがいいかしら」なんて浮かれて送ってしまった。
姉はそのメッセージを見てしばらく固まったあと二時間ぐらい返信がなかったとの噂があるとかないとか。