魔法少女まどか☆マギカ 廻天の残響   作:ATARU 2025

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一話ごとに魔女の名前をつけようと思ってて
、もう破綻しました。





第三話 オクタヴィア2

「さやかっ! なんだよ、あれ!?」

杏子が叫ぶ。

 

落下するさやかの体を、すばやく抱きとめる。

さやかがニコッと笑った。

「サンキュ」

 

その表情。その仕草に見覚えがあるような気がして、杏子は硬直した。

 

目の前の少女と。

悲しい別れをしたことがあったような気がしたのだ。なんども。

 

「なんだよ、あのでっかい化け物……まるで魔女じゃないか。クソッ、悪い夢でも見てるみたいだぜ!」

 

「夢なんて儚いものじゃないわ。」

さやかは剣を構え直す。

 

下半身が魚の魔女もまた使い魔を呼んだ。

 

これも頭がおかしくなるような異形だが、一応テーマは楽団らしい。

手にした楽器を奏でると、音符が鋭利な刃物になって、絵本から出てきた使い魔たちを切断する。

飛び道具のない絵本の使い魔は、次々と倒れ、灰色の飛沫となって消えたいった。

 

だが絵本から零れる使い魔たちは恐れない。

「ヤー、ヤー」

「ナントカ、ナレー」

意味のよくわからないことを叫びながら、突進してくる。

 

ひゅるん。

 

杏子の。さやかの腰にリボンが巻きついた。

 

「暁美さん! 全員を繋げたわよ。これでいいの?」

 

「ありがとうございます。」

メガネのほむらはおどおどと頭を下げた。

「ここは、危なすぎます。すこし移動を」

 

説明は不要だった。

 

彼女たちのすぐ頭上を、銛を抱えた異形の巨大が飛んでいく。

目指すのは、燃える両手を持つ巨人だ。

 

両者の使い魔たちの戦闘も激化している。一応、互いが互いを相手にしており、魔法少女達は蚊帳の外におかれていたが、流れ弾だって飛んでくるかもしれない。

 

「時間を止めます。なにかで繋がってれば、止めた時間のなかでも動けるから……」

 

「暁美さん!」

マミが鋭い声で言った。

「あの燃える手の魔女の後ろ側……に回り込める?」

 

「で、出来ると思いますよ。」

ほむらは言った。

「でも周りからみて、時間を止めてるだけなので、場所取りをするのは自分のあしで走るしかないんです。」

 

「よし! 行こうぜ。」

飛びかかっきた球体の使い魔を、柄の部分で払い飛ばしながら、杏子は言った。

 

プオオオオッ

 

音符の流れ弾が飛んでくるのを、なぎさがシャボン玉で撃ち落とす。

 

「あれって、おまえが動かしてんだろ?

もう少しなんとかならないのか?」

杏子が、さやかに言う。

 

「出来るわよ。行け! 戻れ! ガンバレ、とかもっとガンバレとか。」

「……悪夢かよ!」

「そんな儚いものじゃないって!」

 

手を繋いで、ふたりはジャンプした。

 

「あれはわたし自身なの。どこかでそうなったかもしれないわたし。」

 

「それってどういう……」

 

のんびり会話をしているヒマはなかった。

 

ほむらやまどかもあとを続く。

ジャンプするときにしっかりと、ほむらが、ヒールの踵でキュウべえを踏みにじっていたのを、杏子は見逃さなかった。

 

殿は、マミとなぎさだった。

無数のシャボン玉とマミの周りを取り囲むよくに出現したマスケット銃が、使い魔たちを退ける。

 

「と、止めます、よ!!」

 

世界がモノクロに反転した、

 

周りのものが凍ったように動かなくなる。

 

直前に、マミが撃った弾丸さえも静止した。

 

すべてが凍結した世界を。

 

魔法少女たちが走る。走る。走る。

 

人魚の魔女は銛を振りかざし。

燃える手の魔女はそれを握り締めるように食い止めている。

 

息を切らしながら、その背後に回り込む。

 

「やるわ! なぎさちゃん、力を貸して!」

 

「まかせるのです!」

 

時間の凍結が解除される。

燃える手の魔女の首がゆっくりと、魔法少女立ちを振り返る。

相手にしてみれば、魔法少女たちが瞬間移動したように見えるはずだが、その動きには焦りはない。

 

どこからともなく、飛んだきた絵本が、彼女達のまえで、ページを開き。

使い魔たちが湧いてでる。

 

「傾斜復元、船体起こせ! なのです」

 

床が抜けた昏い空洞。さきほど、魔女を釣り上げたところを見るとどこかの海に繋がっているとでも、いうのだろうか。

 

そのなかから。

黒々と船が浮かび上がる。

 

 

とほうもなく大きな船だ。

 

最初は傾いているように見えたが、なぎさの指示どおりに、その船体を真っ直ぐに立てた。

 

魔法少女たちは。

そのブリッジに吸収された。

 

「因果エンジン起動! 全艦砲雷撃戦用意なのです!」

 

「主砲発射、準備完了!」

マミがはきはきと応える。

 

え、なぎさがいちばん、えらいひと?

なぎさキャプテン?

 

この光景をはじめてみた魔法少女たちが、囁き合う。

 

「目標! 敵主力! ザコには目もくれるな、なのです!

主砲発射!!」

 

「ティロ・フィナーレッ!!!」

 

戦艦の三連装主砲が轟音をあげた。

 

燃える手の魔女が、火球を吐き出した。

建物ほどもある巨大な火球だ。

 

だが、発射された砲弾がそれを撃ち砕く。

 

「メ、メンカイハ、シウリョ……」

 

砲弾はその体を貫き、体のなかで爆発した。

 

 

----------

 

 

「よくやってくれたよ。

おかげですごくいいデータがとれたよ。」

 

廃墟の病院はまだ残っている。

もとの廃病院の姿を取り戻しているのだが、これはこれでけっして気持ちのよいものではない。

また、別の魔女に占拠されたらかなわないから、壊してしまいたいのだが、杏子にそんな権限はない。

 

キュウべえは、丸いテーブルのうえにキューブを並べた。

 

魔法を使えば。魔法少女たちのソウルジェムが濁る。

それを浄化するには、グリーフキューブが必要だ。だが、魔女はグリーフキューブを落とさない。

この生き物が、供給するグリーフキューブは、絶対に必要だった。

 

ソウルジェムが濁り切ればどうなるのだろうか。

その存在は失われ、運良く、迎えが間に合えば魔法少女は「円環の理」というシステムに還元されるのだという。

それはむしろラッキーだと言うのだか「死」とどれくらい違うのか杏子にはわからない。

そして救済の間に合わなかった魔法少女は、別の種類に異形へと姿を変えるのだと言う。

その存在を「魔女」という―――魔法少女たちの間で語り継がれる伝説はそこで終わっている。

 

「あの“魔女”とかいうものの正体はまたまわからないの? インキュベーター。」

マミがソウルジェムの濁りを吸い取らせながら言った。

 

「ぼくたちの研究では、魔法少女が魂の濁りを浄化しきれなかったときになるはずの存在がああいった形態、ということまでは推論されているよ。」

 

自分たちは感情のない生き物だ―――そうキュウべえたちは自称するが、怪しいものだ。

 

いまのキュウべえは満足気で、すこし嬉しそうに見える。

それも立派な感情だろうと、と杏子は思うのだ。

感情をもつ人類を下等種族のように見下すクセに。

 

 

「どっちにしろ、もう魔女狩りは懲り懲りだよ。」

杏子は言った。

「今夜はこれで解散でいいよな?」

 

さて、晩御飯はどうするか。

マミさんはなぎさと家に帰るだろうし、まどかは家族がいる。

また、さやかでも誘うか。

だって。

 

ひとりぼっちは寂しいもんな。

 

そのとき、暁美ほむらが声をかけてきた。

 

「あ、あの……もしよかったから一緒にご飯たべませんか……」

 

 

 

 

 

 




なぜ魔女がいるのか。
そもそもこいつらはほんとに魔女なのか。
円環とまどかはどうなった?
ほむらは悪魔ほチカラは?
みんな過去の記憶はどうなっているのか?
など、もろもろこれから。



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