賢者の孫with超宇宙刑事ギャバンインフィニティ   作:弩城怜慈推し

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プロローグ

 超宇宙刑事ギャバンインフィニティ。

 それは、PROJECT R.E.Dの一つ目の作品。

 宇宙刑事ギャバンをリメイクした物である。

 これは、別の世界でのギャバンインフィニティの物語。

 ある森の中。

 

「………それにしても、結構歩いたな」

 

 その中を1人の男が歩いていた。

 彼は、レイジ=ウォーカー。

 この世界に転生した人物だ。

 転生した理由に関しては、本人は朧げとなっている。

 

「ここら辺だよな………?古物商のおっちゃんが売ってくれた地図に書かれてる遺跡って………」

 

 レイジはそう呟くと、手に持っている地図を見つめる。

 その地図は、遡る事数時間前。

 

「よお、おっちゃん!」

「あ?おお、レイジか。また来たのか?」

「ああ。おっちゃんのお店、結構色んな物を取り扱ってるからな」

「それが俺の店だからな」

 

 レイジは、古物商のおっちゃんが営んでいる店に来ていた。

 レイジとおっちゃんは知り合いであり、かつて、おっちゃんが魔物に襲われている中、レイジが助けたのだ。

 それ以来の付き合いとなっている。

 レイジとおっちゃんがそんな軽口を叩く中、レイジはある物に気づいた。

 

「………ん?おっちゃん、この地図って何だ?」

「あ?あぁ………それはな、この場所から少し離れた場所にとある遺跡が記された地図だ」

「へぇ………遺跡か。でも、トレジャーハンターとかが買ってそうだけどな」

「それがな………その遺跡には入れねぇんだ」

「入れない?」

 

 レイジが地図に気づいてそう聞くと、おっちゃんはそう答える。

 レイジが首を傾げながらそう聞くと、おっちゃんはそう語る。

 それを聞いて、レイジがそう聞くと。

 

「何でも………遺跡の中に入れても、すぐに追い出されたりして、誰も最深部に到達できた者はいねぇんだ。それで、文句を言ってきて、返品されたりしてんだよ」

「へぇ〜………もったいねぇ話だな」

 

 おっちゃんはそう説明する。

 誰も最深部に到達出来たことがない遺跡の地図であり、何度も返品されていたのだと。

 レイジが地図を見ながらそう呟くと。

 

「………なぁ。よかったら、お前にタダで譲ってやろうか?」

「えっ?いいのか?」

「構いやしねぇよ。どうせ、売れ残り続けるだけだしな。どうせなら持っていってくれ」

「ありがとうな。受け取らせてもらうぜ」

 

 おっちゃんはそう話しかける。

 レイジがそう聞くと、おっちゃんはそんな風に答える。

 レイジはそう答えて、地図を受け取った。

 これが、数時間前の話だった。

 

「…………ここか。おっちゃんの言ってた遺跡ってのは」

 

 レイジはそう呟いた。

 目の前には、いかにもな遺跡があったのだ。

 

「随分と古い遺跡だな……。まっ、入ってみっか」

 

 レイジはその遺跡を見渡しながら、奥へと進んでいく。

 レイジの表情は、どこかワクワクしている様にも見えた。

 

「それにしても………あちこち巡ってきたけど、こんな遺跡に入るのは初めてな気がするな」

 

 レイジはそんな風に呟いた。

 レイジはあちこちを旅しており、そんなワクワクを感じていた。

 そんな中、レイジが入っていく中、それを見ていた存在がいた。

 

『あの男………悪意を感じない………』

 

 それを見ていた存在はそんな風に呟いていた。

 そんな中、レイジはというと。

 

「それにしても………おっちゃんの話だと、罠とかあるって聞いたけど、めちゃくちゃ平和な一本道じゃねえか……?」

 

 レイジは首を傾げながら足を進めていった。

 おっちゃんの説明とは裏腹に、罠の類がなく、何の問題もなく進めていたのだ。

 

『ほう………悪意に反応する罠が発動しないとは………この男、見どころがありそうだな』

「エモエモ!」

 

 レイジを見ていた存在はそんな風に呟いていた。

 この遺跡には、悪意に反応する罠がいくつか仕掛けられていたが、純粋に遺跡を見にきたレイジには反応しなかったのだ。

 その存在の近くには、乾電池を思わせる様なアイテムがあり、レイジを見てそんな風に反応していた。

 しばらくすると。

 

「………あ?もう最深部に着いたのか?割と呆気なかったな………」

 

 レイジはそう呟いた。

 レイジは広場に辿り着いており、そこが最深部なのだと気付いたのだ。

 レイジが広場を見渡していると。

 

「………ん?何だこれ?」

 

 レイジはある物がある事に気がついた。

 それは、何かの牢獄の様な物だった。

 レイジが首を傾げると。

 

「ぐぉぉぉぉ!」

「うおっ⁉︎」

 

 そこから、何かが出てきて、レイジはすぐに下がる。 

 そこには、狼の魔物がいた。

 

「へぇ〜………!やっぱり、そういうのがいるよな!よしっ!」

 

 レイジは狼の魔物を見て、ニヤリと笑った。

 この遺跡では起こらなかった戦闘が起こり、昂っていた。

 レイジが気合を入れると。

 

「ぐぉぉぉぉぉ!」

「よっと!ほっ!」

 

 狼の魔物はそう叫ぶと、レイジに襲いかかる。

 レイジは狼の魔物の動きを見極めて、回避していく。

 軽快な動きで躱していくレイジに苛立ったのか。

 

「がぁぁぁぁ!」

「おっと!」

「ぎゃうっ⁉︎」

 

 狼はそう叫びながら、レイジへと向かう。

 レイジは狼を躱すと、カウンター気味にキックを叩き込む。

 レイジは前世では、運動神経抜群、学力も高く、機転が効くのだ。

 

「悪く思うなよ」

 

 レイジはそう呟くと、虚空から剣を取り出す。

 この世界は魔法が存在する世界であり、ある時に、助けてもらった縁から、異空間収納と呼ばれる魔法を教えてもらったのだ。

 異空間収納は文字通り、魔法で作り出した空間に道具を出し入れする魔法だ。

 

「はあっ!」

「ぎゃんっ⁉︎」

 

 レイジは怯んでいる狼の魔物に向かうと、剣を振るう。

 それを受けて、魔物は首を切断され、そのまま死亡した。

 

「よしっ!一丁あがり!」

 

 レイジはそんな風に言う。

 レイジは持ち前の技術力で、この世界を生き抜いていたのだ。

 異空間収納が使えるので、魔力は存在するが、魔法は使えないのだ。

 レイジが異空間収納に剣をしまうと。

 

ゴゴゴゴゴ…………!

 

「あっ?更に奥があったのか。行ってみますか」

 

 そんな音と共に、壁の一部が開いた。

 それを見て、レイジは更に奥に進んでいく。

 奥に進んでいくと。

 

「………あ?何だこの部屋?」

 

 レイジはある部屋にたどり着いた。

 そこには、モニターの様な物があった。

 

「モニター?どう見ても、この世界の産物じゃねぇだろ………」

 

 それを見て、レイジはそう呟いた。

 この世界が、中世の頃の異世界である事は認識しており、明らかにレベルが違う代物に、レイジはそう感じたのだ。

 すると。

 

『やあ、ここに辿り着いた者よ』

「うおっ⁉︎」

 

 そんな風に声が聞こえてきて、レイジは驚いた反応をする。

 モニターには、1人の男性の姿が映し出されていた。

 

『驚かせてすまない。私はこの遺跡を作り出した者………名をハルト=アークライトだ』

「ハルト………⁉︎」

 

 その男性はそう名乗る。

 その名前を聞いたレイジは驚いていた。

 日本人としても違和感がない名前に。

 すると。

 

『どうやら、この者と同じ存在の様だな』

「この者?」

『失礼した。私は生前のハルト=アークライトが自らのデータをコピーされた人工知能に過ぎない。そして、ハルト=アークライトもまた、転生者なのだ』

「俺と同じく………⁉︎」

 

 ハルトと名乗った存在はそう言う。

 目の前でレイジに話しかけているのは、あくまでハルトの知識と記憶を元に作られた人工知能なのだと。

 そして、ハルトもまた、転生者であると。

 それを聞いて、レイジが驚いていると。

 

「エモエモ!」

「ん?お前………ゲキドーのエモルギアか⁉︎」

 

 そこに、乾電池の様な見た目の存在が現れ、レイジに近寄る。

 それを見たレイジはそう反応する。

 レイジにとって、見覚えがある物だった。

 目の前にいたのは、激怒の感情が宿ったゲキドーのエモルギアだった。

 

『どうやら、ゲキドーのエモルギアは、君の事を認めた様だ』

「………何で、この世界にエモルギアが存在してんだ………」

 

 ハルトAIは、そんな風に呟いた。

 ゲキドーのエモルギアは、レイジの事を認めたのだと。

 それを見て、レイジがそう呟くと。

 

『………それについては、ハルト=アークライトの過去も関わる話となる。話を聞いて欲しい』

「ハルトの過去?」

 

 ハルトAIはそんな風に呟いた。

 それを聞いて、レイジが話を聞く姿勢をとると。

 

『………ハルト=アークライトが転生した頃、この世界は高度な文明を築いていた』

 

 ハルトAIはそんな風に語る。

 ハルトが転生した頃、この世界は高度な文明を築いていた。

 ハルトは幼少期に死にかけた際に、前世の記憶を思い出していた。

 そして、ハルトは自身の記憶を元に、ギャバリオントリガーやエモルギアを始めとするギャバンシステムを開発した。

 全ては、世界の平和の為に。

 

『………だが、強大な力というのは、人々を惑わせ、暴走させた』

 

 ハルトAIはそんな風に語る。

 その文明は、確かに高度な技術などを有していた。

 それは、転生者の存在もいる事を、ハルトは知っていた。

 だが、当時の為政者達は、その転生者が作り出した兵器を使い、他国を攻め込んだ。

 そこから、戦争へと発展していき、前文明が滅んだ。

 

「そんな事が……」

『無論、ギャバンシステムもまた、兵器として利用されそうになった。ハルトはそれを拒否し、ギャバンシステムを持ち出し、逃走した。文明が滅んだ時、ハルトはある決意をした。それは、ハルトの記憶を受け継いだ人工知能である私にギャバンシステムのロックをかけ、信用に値する者以外には、使えない様にしたのだ』

 

 レイジはそう呟いた。

 自分の好きな作品のヒーローを、兵器利用しようとした当時の為政者に怒りを覚えたのか、拳を震わせていた。

 ハルトAIはそう語っていく。

 ハルトは自分の知識と記憶を受け継いだ人工知能にギャバンシステムのロックをかけさせ、信用に値する者以外には使えない様にしたのだと。

 すると。

 

『君は悪意に反応する罠を作動させず、最深部に辿り着き、狼の魔物を撃破した。試練は合格だ。君なら、ギャバンシステムを正しき事に使えるだろう』

「俺が………ギャバンに………⁉︎」

 

 ハルトAIはそんな風に言う。

 最深部に辿り着き、試練を乗り越えたレイジなら、ギャバンシステムを正しい事に使えると判断したのだと。

 すると、モニターの側から、ギャバリオントリガーが出てくる。

 レイジがそう呟くと。

 

『君にギャバリオントリガーを託そう。どうする?』

 

 ハルトAIはそう問いかける。

 ギャバリオントリガーを受け取るのか否かを。

 それに対して、レイジは。

 

「………そうだな。ありがたく受け取らせてもらうぜ。正しき事にギャバンシステムを使う。そう誓うよ」

『………そうか。君は正式に、ギャバンの資格を得た。ギャバンインフィニティに任命する』

「ああ」

 

 レイジはそう答える。

 正しき事の為に、ギャバンシステムを使うと誓った。

 それを聞いて、ハルトAIはそう言うと、レイジはギャバリオントリガーを手に取る。

 

「エモエモ!」

『君には、ギャバリオントリガー以外にも、エモルギアやコスモギャバリオン、サポートユニット、ギャバリオンブレードを託そう。君の意思に呼応して、転送されるだろう。ちなみに、コスモギャバリオンの変形機能に関しては、私の許可がいるがね』

「分かってるよ。無闇にコスモギャバリオンを使うつもりはねぇよ」

 

 他のエモルギアがたくさん出てくると、ハルトAIはそんな風に言う。

 ギャバリオントリガー以外にも、色々な物を使える様になったのだ。

 コスモギャバリオンの変形機構に関しては、原作のギャバンインフィニティを参考にしたのか、ハルトAIの許可がなければ変形はできないのだ。

 レイジがそう言うと。

 

ブーッ!ブーッ!ブーッ!

 

「ん?何の音だ?」

『ちなみに、言い忘れていたが、この遺跡はギャバンシステムを君が受け継いだ事によって、この部屋やコスモギャバリオンなどがある格納庫を除いて、機密保持の為に自爆する仕様となっている。早く脱出しなければ、生き埋めになるぞ』

「はっ⁉︎何でそんな事を言わねぇんだよ⁉︎」

『この程度の危機、君なら乗り越えられるだろう。では、健闘を祈る』

「お〜い⁉︎ったく!脱出するか!」

 

 突如として、サイレンの音が鳴り響き、レイジが首を傾げると、ハルトAIはそんな風に言う。

 ギャバンシステムを受け継いだと判断したら、格納庫どこの部屋を除いて、機密保持の為に自爆する仕様になっていたのだ。

 レイジがそう突っ込むと、ハルトAIはそう語り、通信が切れた。

 レイジはそう突っ込みつつ、すぐに脱出の為に動いた。

 

「うわっ⁉︎おっと⁉︎おわっ⁉︎」

 

 レイジが走る中、遺跡は崩壊を始めていた。

 崩壊をしていく遺跡の中を、レイジは必死に走っていた。

 外に辿り着くと。

 

「うわぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 レイジが外に出ると同時に、遺跡は爆発した。

 レイジは崩壊した遺跡を見つめると。

 

「………ったく。まあ、それほど大層なもんを受け継いだって事か」

「エモエモ!」

「ああ。それじゃあ、行こうか」

 

 レイジは呆れ混じりの苦笑を浮かべると、そんな風に言う。

 ゲキドーのエモルギアがそう言うと、レイジは服についた埃を払い、歩き出していく。

 レイジのギャバンとしての歩みが始まったのだった。

 


 

 それからしばらくが経過した。

 レイジは、ブルースフィア帝国と呼ばれる国にいた。

 そこでは………。

 

「大人しく出てくるがいい!」

「ちっ!やっぱ、こうなったか!」

 

 レイジはある建物に立て篭もる中、その建物の周りには、兵士の姿があった。

 その建物には、他の人たちもいた。

 どうしてこうなったのか。

 それは、数ヶ月前にまで遡る。

 ギャバンシステムを受け継いだレイジは、野盗などの犯罪者を捕まえ、その国に存在する衛兵等に引き渡す事をしていた。

 ちなみに、そんな事をしていたのもあって、レイジはそれぞれの国家で、犯罪者を引き渡す謎の存在という認識が出ていた。

 そんな生活をする中、レイジはブルースフィア帝国に辿り着いていた。

 

「何だよ、これ………」

 

 だが、レイジはブルースフィア帝国の現状を見て、唖然となった。

 何故なら、貴族が平民から搾取を行い、平民が苦しんでいる光景だった。

 

「こんなの………平民を苦しめて、貴族が贅沢に暮らしてんのか………!」

 

 レイジはそんな風に呟いていた。

 怒りの気配が滲み出ていたのか、拳が握りしめられていた。

 だが、すぐに拳を解く。

 

「………いや、ここで悪目立ちしたら色々と面倒だな。もう少し調べてみるか」

 

 レイジはそう呟いた。

 怒りに任せて、皇帝の元に突撃したら、面倒な事になると判断したのだ。

 そうして、情報収集を進める事に。

 しばらくする中。

 

「………ほら、これでいいのか?」

「あっ………!ありがとうございます!」

 

 レイジはある村にいた平民のグループに接触していた。

 帝国の平民は苦しんでいて、挙げ句の果てには飢えを満たす為に殺し合う真似をしていたのだ。

 そんな中、比較的まともな平民のグループが存在していた。

 殺し合う真似をせずに、どうにかして互いに助け合っていたのだ。

 それを見て、そのグループが他の平民とも違うと感じた。

 そうして、レイジはそのグループに介入した。

 

「本当に………レイジさんには助けられてばかりで………」

「気にすんな。俺がやりたくてやってるだけなんだからな」

 

 グループの1人にそう言われると、レイジはそう答える。

 レイジはそのグループに、食料を密かに渡していたのだ。

 そして、そのグループに世界を巡って知った知識を教えていった。

 レイジはいずれ、帝国を離れる事になる。

 だからこそ、自立していける様に、知識を教えていったのだ。

 そのグループは、レイジに感謝していた。

 食料を与えてくれるだけでなく、知識も与えてくれているのだから。

 ブルースフィア帝国では、平民はまともな教育すらも受けられないのだ。

 そして、レイジは時には処刑されそうになった平民を助けていた。

 だが、レイジのそんな行動を、貴族達は快く思わなかった。

 

「………それで、その男がどうしたと言うのだ?」

「はっ!その男は平民に対して、食糧や知識を与えているそうです!」

「陛下!もしやその男は、帝国を転覆させようと目論んでいるのではないでしょうか⁉︎」

「ふむ………その男は、未知の力を使うそうだな」

 

 ブルースフィア帝国の皇帝、ヘラルド=フォン=ブルースフィアは報告を受けていた。

 それを聞いて、他の貴族はそんな風に言う。

 ヘラルドは、レイジがギャバンシステムを使う事を知って、ほくそ笑んでいた。

 そして、現在、レイジが匿っている平民達が住んでいる家に、帝国軍が迫っていたのだ。

 

「連中、俺が気に食わねぇみたいだな」

「どうしましょう、レイジさん!このままでは、私たちは殺される………!」

「嫌だ………!色んな事をレイジさんから教えて貰ったのに………!」

「こんな所で死ぬなんて………!」

 

 レイジがそう呟く中、他の平民達はそう言う。

 せっかく、レイジに生きる希望を与えられたのに、それが無に帰してしまう事に怯えていた。

 すると。

 

「………よし。連中は俺が引きつける。アンタ達は、裏口から脱出しろ」

「そんな⁉︎レイジさんを置いていくなんて………⁉︎」

「嫌です!一緒に逃げましょう!」

 

 レイジはそう告げる。

 レイジが囮となって、平民のグループを逃がそうと考えていたのだ。

 それを聞いた平民達は、反対しようとした。

 すると。

 

「聞いてくれ。連中の狙いはアンタ達よりも俺の方だ。なら、俺が引き付ければ、アンタ達は生き残れる可能性がある!」

「レイジさん………」

「心配すんな。俺はこんな所で死なねぇよ。俺が出たら、バレない様に裏口から出てくれ。裏口には、兵士は居ないみたいだからな。それに………アンタらの怒りは………俺が預かる」

「…………はい!行くぞ!」

 

 レイジはそう諭す。

 少しでも平民達が生き残れる可能性を高める為に、レイジは囮になる事を決意したのだ。

 レイジが安心させる様にそう言うと、平民のリーダー格がそう言うと、平民のグループは裏口の方へと移動する。

 それを見たレイジは。

 

「………さて。囮としての役目を果たすか」

 

 レイジはそう呟いて、建物の外に出る。

 レイジがギャバリオントリガーを手に持ちながら出てきたのを見て、兵士達が武器を構えると。

 

「それで、俺になんか用か?」

 

 レイジはそんな風に言って、ギャバリオントリガーをいつでも発砲できる様に構えていると。

 

「貴様が、平民どもを助けていた者か」

 

 そんな声が聞こえてきて、兵士達の間から、1人の男が現れる。

 その男はいかにも偉い身分の男だと伝わる様な存在だった。

 

「アンタがこの国の皇帝か?」

「いかにも。我が名はヘラルド=フォン=ブルースフィア。この帝国を束ねる皇帝だ」

 

 レイジがそう問いかけると、ヘラルドはそう答える。

 それに対して、レイジは。

 

「へぇ〜………皇帝直々に俺に会いに来るなんてな。一体何の用だよ」

「ふんっ。随分と不遜な態度だな。まあよい。貴様、平民を助けている様だな?」

「あ?俺がやりたくて勝手にやってただけだ。それがどうしたんだよ」

 

 レイジはそんな風に答える。

 そんな不遜な態度に、兵士と貴族は怒りの気配を滲ませるが、ヘラルドはそう言う。

 ヘラルドの言葉に、レイジがそう問いかけると。

 

「何。貴様はその様な未知の力を使うのだろう?ならば、その圧倒的な超科学の力を我が国に差し出せ」

「あ?」

「さすれば、軍の最高司令官の座を与えてやろう。貴様の様な平民風情がその様な地位を受け取れるのだ。悪い話ではないだろう?」

 

 ヘラルドはギャバンシステムを持つレイジに対して、軍門に下る様に迫る。

 その口調は、レイジを見下していた。

 それに対して、レイジは。

 

「………それで?アンタは俺の力を何のために使うんだ?平民を踏みにじり、世界を力でねじ伏せるための道具にする気か?」

「知れた事。我輩が世界を統一する為に、その力を使うのだ。我がブルースフィア帝国が世界の覇権を握るのだ!」

 

 レイジはヘラルドの問いに答えずに、そう問いかける。

 それに対して、ヘラルドはそう答える。

 世界の覇権を握る為に、ギャバンシステムを利用しようと目論んでいた。

 それを聞いたレイジは。

 

『………こいつ。ろくでもねぇ事を企んでやがるな』

 

 レイジはそんな風に思っていた。

 ヘラルド皇帝のその姿勢は、ハルトから語られたギャバンシステムを兵器として利用しようとした存在とほぼ同じだと確信したのだ。

 すると。

 

「アンタにもう一つ聞いておく」

「何だ?」

「………平民の人生をぶっ壊して食う飯が美味いのか?お前らの様な貴族のせいで………泣いてる平民が居るんだよ!」

 

 レイジはそう問いかける。

 それは、貴族が平民を搾取して、平民を苦しませていた事への怒りが滲んでいた。

 それに対して、ヘラルドは。

 

「ふんっ。平民達は常にら我々貴族の糧として生きている。平民など、我ら貴族の血肉となるだけの存在よ!」

「「「ふふふふ………!」」」」

 

 ヘラルドはそう答える。

 どこまでも、平民を自分たち貴族の糧となることしか見ていないのだ。

 周りにいた貴族達もそんな風にほくそ笑むと。

 

「出た出た。悪徳貴族のお決まりのセリフ。俺にそんな事言わない方がいい。ふっ!…………何すっか分かんねぇぞ………!」

 

 レイジはそんな風に言う。

 言葉の最後の方には、怒りの気配が滲んでいた。

 実際、指抜きグローブが付いている右手は握り締められており、震えていた。

 それを聞いたヘラルド皇帝は。

 

「殺れぇぇぇっ!あの不遜な男を殺すのだァァァァッ!」

『うぉぉぉぉぉっ!』

 

 ヘラルド皇帝は、レイジが取引を蹴ったと判断して、殺す様に兵士に命じる。

 兵士がレイジに迫る中、レイジはゲキドーのエモルギアのボタンを押して、ギャバリオントリガーに装填する。

 

『ゲキドー!チャージ!』

 

 そんな音声が鳴る中、レイジは兵士の攻撃を捌き、1人の兵士に関節技を決めながら抑え込むと。

 

「蒸着!」

 

 レイジはそう叫びながら、トリガーを引く。

 

『ゲキドー!アクティベート!』

 

 そんな音声が鳴ると、レイジに光の粒子が集まり、姿が変わっていく。

 その見た目は、赤を基調とし、手足の先が銀色のグラデーションとなっている戦士だった。

 

「き、貴様は………⁉︎」

「アンタらの前では初披露だ。宇宙刑事ギャバン・インフィニティ」

 

 ヘラルドが驚愕の表情を浮かべながらそう問いかけると、レイジはそう名乗った。

 蒸着!

 それは、ギャバンシステムの発動のコマンドだ。

 では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!

 

『ゲキドー!チャージ!』

 

 蒸着コマンドを受けて、臨界点を越えたエモルギーがトリガー内に凝縮されたギャバリオン粒子と融合。

 

「蒸着!」

 

 僅か1ミリ秒でコンバットスーツへと投射形成され、蒸着を完了するのだ!

 

『ゲキドー!アクティベート!』

 

 これが、ギャバン・インフィニティへの蒸着プロセスだ。

 

「それがどうしたと言うのだ!やれぇ!あの男を殺すのだ!」

 

 ヘラルド皇帝はそう叫ぶと、兵士をレイジに向かわせる。

 それに対して、レイジは。

 

「ふっ!はっ!」

 

 レイジは必要最小限の動きで、兵士の攻撃を捌いていく。

 そして、カウンター気味に攻撃をしたり、ギャバリオントリガーで銃撃して、相手の剣を吹き飛ばしたりする。

 すると。

 

「ふっ!ギャバリオンクレーン!」

 

『ギャバリオンクレーン!』

 

 レイジは自分の胸をタッチすると、胸の丸の部分から、武器が現れる。

 現れたのは、ギャバリオンクレーンという釣り竿型武器だ。

 

「ふっ!よっと!」

『うわぁぁぁぁ⁉︎』

 

 レイジは兵士の攻撃を避けながら、ギャバリオンクレーンを振るう。

 すると、先端のウインチが発射され、兵士達が絡め取られる。

 近くの木にまとめて固定される中。

 

『うぉぉぉぉぉ!』

「おっと!次はこれだ!」

 

 他の兵士たちも更に向かってくる。

 それを見たレイジは、別のエモルギアを取り出して、ギャバリオントリガーに装填する。

 

『トキメッキ!』

 

 そんな音声が鳴る中、ギャバリオントリガーのセーフティーレバーを閉じて、レイジは兵士に向けて、ギャバリオントリガーを発砲する。

 

『エモーショナルバースト!』

 

「ふふふ………!」

 

 そんな音声が鳴ると、兵士たちはまるで恋焦がれる様に締め付けられると、そのまま倒れる。

 エモルギアには、蒸着に用いるタイプと、能力技を発動するタイプの二つに分かれている。

 トキメッキエモルギアは、恋焦がれるように標的を締め付ける「超トキメキ」を発動するのだ。

 

「何をしている!さっさと奴を殺せ!」

 

 ヘラルド皇帝は苛立った様にそう叫ぶと、まだ無事な兵士達はレイジに向かっていく。

 

「懲りねぇな……!だったら、これだ!」

 

 レイジはそう呟くと、別のエモルギアを取り出して、ギャバリオントリガーに装填する。

 

『ダルーイ!』

 

 そんな音声が鳴る中、ギャバリオントリガーのセーフティーレバーを閉じて、レイジは兵士に向けて、ギャバリオントリガーを発砲する。

 

『エモーショナルバースト!』

 

「うぉぉ………⁉︎」

「体が………重い………⁉︎」

 

 レイジの攻撃が命中すると、当たった兵士たちは動きが鈍くなる。

 ダルーイエモルギアは、だるさを与えて相手の動きを著しく鈍らせる「超ダルー」を発動するのだ。

 この様に、ギャバンインフィニティは、ギャバリオントリガーにエモルギアを装填する事で、多彩な攻撃をする事が出来るのだ。

 

「よしっ!これで終わりだ!ギャバリオンブレード!」

 

 レイジはそう叫ぶと、警察手帳のような物を取り出す。

 すると、そこから剣が現れる。

 あれは、ギャバンシステムを使う者が使える武器、ギャバリオンブレードだ。

 

「ふっ!はっ!よっと!」

 

 ダルーイエモルギアの力で動きが鈍った兵士達に向かい、ギャバリオンブレードで兵士達の武器を壊していき、刃のない方で峰打ちをしていく。

 そうして、兵士達は大部分がレイジによって無力化された。

 

「ば………バカな………⁉︎たった1人で………⁉︎」

『………潮時だな』

 

 それを見ていたヘラルド皇帝は驚愕の表情を浮かべながらそう呟いた。

 何しろ、たった1人で帝国軍の兵士を無力化してしまったのだ。

 レイジは、平民のグループが無事に逃げ出せた事を察すると。

 

「平民の怒り、アンタも少しくらい味わっとけ!」

「ぐわぁぁぁぁ⁉︎」

「陛下⁉︎」

 

 レイジはそう叫ぶと、ヘラルド皇帝に向けて、ギャバリオントリガーを発砲する。

 ギャバリオントリガーから発砲された弾丸は、ヘラルド皇帝の右頬を掠め、ヘラルド皇帝は顔を抑えた。

 他の貴族達がヘラルド皇帝に近寄る中。

 

「じゃあな!」

 

 レイジはそう叫びながら、撤退した。

 

「おのれ………!よくもこの余の顔に傷をつけおったな………!あの者は絶対に逃すな!なんとしても追うのだ!」

『はっ!』

 

 それを見てたヘラルド皇帝は、顔に傷をつけられた事に怒りを覚えつつ、追いかけるように命じる。

 まだ無事な兵士は、レイジの事を追いかけていく。

 だが、ギャバン・インフィニティとなったレイジは見つけられず、逃げられてしまったのだった。

 


 

 その頃、レイジはというと。

 

「………さて、ここまで来れば連中もすぐには来ねえだろ」

 

 レイジはそう呟くと、ギャバンインフィニティの蒸着を解除する。

 レイジが一息吐くと。

 

「………正直、こんな国からはさっさと出ていきたいが………」

 

 レイジはそう呟いた。

 ブルースフィア帝国の腐敗っぷりを見て、さっさと出ていきたいと思っていたのだ。

 すると。

 

「レイジさん!」

「っ!お前ら!どうしてここに⁉︎」

 

 そんな風に声をかけられて、レイジは身構えた。

 そこには、平民のグループの姿があった。

 レイジがそう聞くと。

 

「助けに来たんです!」

「ええ!レイジさんには、何度も助けられましたから!」

「今度は、俺たちが助ける番です!」

「お前ら………」

 

 平民達はそう答える。

 レイジに何度も助けられてきたのもあって、その恩を返したいと。

 レイジがそう呟くと。

 

「とにかく、この国から脱出しましょう!」

「おう!」

 

 平民のグループのリーダー格がそう言うと、レイジもそう答える。

 そうして、レイジ達は帝国から脱出しようと動いていた。

 そんな中。

 

「陛下!あの男は、アールスハイド方面に逃げたと思われます!」

「アールスハイド…………そうか」

 

 配下の1人がそう言う。

 レイジが逃げた方向は、ちょうどアールスハイド王国がある場所だった。

 

「………アールスハイド王国へと攻め込む準備をせよ。あの男を匿うと言うのなら、滅ぼしてしまえ!」

『はっ!』

 

 それを聞いて、ヘラルドはアールスハイド王国へと攻め込む大義名分が出来たとばかりにほくそ笑み、そう命じる。

 レイジの影響で、アールスハイド王国が危機に晒されそうになっていた………。

 一方、そんな事をつゆ知らずのレイジ達はというと。

 

「………よしっ!脱出出来た!」

『うぉぉぉぉぉっ!』

 

 レイジ達は、無事に帝国から脱出する事に成功していた。

 何度か、帝国軍の捜索部隊が居たが、何とか撒いていたのだ。

 

「俺たちは自由なんだ………!」

「………それで、アンタらはどうするつもりなんだ?」

「俺たちはそれぞれで各国に散らばって、それぞれの暮らしをしていこうと思います。レイジさんは?」

「俺は………アンタらとはここでお別れだ」

 

 平民のグループは自由を手に入れた事に喜んでいた。

 レイジがそう聞くと、平民のグループはそれぞれの家族で別々の国へと向かい、暮らしていく事を伝える。

 一方、レイジは平民のグループとはここでお別れである事を伝える。

 

「………やっぱり、そうなりますか」

「ああ。帝国から脱出出来たとはいえ、いつ帝国軍の追っ手が現れるかは分かんねぇ。迷惑をかけるわけにはいかねぇからな」

「迷惑だなんて………!」

 

 レイジはその事をあらかじめ伝えていたのもあってか、平民の1人はそう反応する。

 帝国軍の追っ手から平民グループを巻き込まないようにする為に、別れるのだと。

 

「でも、ここで生涯の別れになるわけじゃねぇ。またどこかで出会えるかもしれないさ。それに………アンタらはもう、俺無しで生きていけるはずだ。俺が色々教えたからな」

「レイジさん…………」

 

 レイジは諭す様にそう言う。

 またどこかで出会えるかもしれない事。

 そして、レイジの助けを必要とせずに生きていける事を伝えた。

 

「………分かりました。お元気で」

「おう。それじゃあ、元気でな。自分の足でしっかり生きるんだぞ」

 

 平民グループのリーダー格はそんな風に伝える。

 レイジもどこかドライだが、エールを送る様にそう言い、平民のグループから離れていく。

 そんなレイジの背中に、平民達は頭を下げていた。

 助けてくれた恩もあるのか。

 そうして、レイジと平民のグループは別れた。

 それから数ヶ月が経過した。

 

「はぁ………結構歩いたな………」

 

 レイジはそんな風に呟いた。

 孤独なサバイバル生活を続けていたのもあってか、髪はボサボサになり、服はボロボロになっていた。

 無論、何度か街に寄って食料を調達していたのもあってか、飢えてはいなかった。

 だが、たった1人。

 エモルギアが居たが、たった1人で旅をしていたのもあってか、レイジには孤独があった。

 森の中を歩いていると…………。

 

「あれ?君は………?」

「君。こんな所で何をやっておるんじゃ?」

「あ?」

 

 レイジは、ある二人組の男性と出会う。

 片方はレイジと同じくらいの男性で、もう片方は老人だった。

 これが、後に英雄と呼ばれる青年と、賢者と呼ばれている老人との出会いだった。

 運命の歯車は動き始めていた。




今回はここまでです。
賢者の孫と超宇宙刑事ギャバンインフィニティのクロスオーバーです。
一見、相性が悪そうに見えますが、オメガホーンにて、コスモギャバリオンが不時着していたり、イバル連合によって発掘されたりしていたり、賢者の孫では、かつて、賢者の孫の世界の文明よりも遥かに優れている前文明が存在しているので、いけるかなと思いまして。
その為、そんな感じにしました。
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