賢者の孫with超宇宙刑事ギャバンインフィニティ 作:弩城怜慈推し
シュトロームの生存が発覚し、魔人や魔物により、帝国が陥落したというのが判明した数日後。
アールスハイド王城では、緊急会議が行われていた。
「まさか……シュトロームが生きていたとは……」
「我らだけでは勝ち目が無いと……止む無く撤退致しましたが……」
「いや、それは懸命な判断だ。責めはせん」
ディセウムがそう呟く中、ドミニクは悔しそうに俯きながら拳を握る。
シュトロームの手のひらの上で踊らされていたのは気に食わないが、戦力差が絶望的なのもあって、撤退を選んだのだと。
そんなドミニクに、ディセウムは労いの言葉をかける。
「しかし……魔人が十数人とは……」
「陛下、如何致しましょう……?」
「……」
高官の言葉に、ディセウムは考え込む。
実際問題、帝国の斥候部隊は全て魔人になったと見て、間違いなかったからだ。
シンとレイジが居て互角に戦える存在が複数いる。
その現実は重くのしかかったのだった。
しばらくすると、高等魔法学院に一報が入る。
「既に公表された様に、帝都でシュトロームの生存が確認された。奴の目的は不明なので、具体的な法則は定められないが、戦力を増強しておく必要がある。軍人達は勿論、万が一に備え、学生のレベルアップを図るよう通達があった。今の内から、騎士と魔法使いの連携を取れるよう騎士学院との合同訓練を行う事になった!」
Sクラスの面々に、アルフレッド先生はそんな風に告げる。
シュトロームの目的は不明ではあるが、戦力増強と魔法使いと騎士の連携をとるための合同訓練を行う事を。
その後。
「シュトロームは、魔人を大量に率いていた。面倒な事になったのは、間違いないだろうな」
「そうだね」
「にしても合同訓練かぁ。確かに騎士との連携は将来的に必要だからなぁ。…………ん?どうしたんだよ?変な顔して」
レイジとリアムの2人はそう話していた。
シュトロームが斥候部隊の魔人を引き連れて現れていた事を共有していたのだ。
そんな中、難しい顔をしていた女性陣にシンが話しかける。
「そうか、シンは知らないのか」
「何が?」
「あのねシン、魔法学院は魔法をメインで強化するから身体をあまり鍛えないでしょ?」
「みたいだな」
「逆に騎士学院は身体を鍛えるのがメインなの」
「正反対って訳か」
「んで、騎士学院の生徒は魔法学院を”モヤシ”ってバカにしてるの!」
「まぁ、魔法学院の生徒も、騎士学院の生徒を”脳筋”ってバカにしてはいるんですけど……」
オーグがそう言う中、マリアはシンに対して、そんな風に言う。
魔法学院と騎士学院は反目しあっており、マリアはそう叫んだ。
トールは苦笑気味にそう言うと、レイジは心の中で思っていた。
(この世界にもやしってあるのか?)
レイジはそんな風に思っていた。
前の世界では、手軽に買える食品がこの世界にもあるのかと。
そんな中、シンは口を開く。
「だけど、今は非常事態だろ?そんな事言ってる場合じゃ……」
「それは分かってるんだけどさあ!何よもやしって!」
「あいつらにモヤシと言われるのはガマン出来ない!」
「そうねぇ、確かにイラッとするわねぇ!」
「私は別に大丈夫ですけど……」
「私も……」
「そう言われると辛いねぇ……僕も、ちょっと前まで
「拙者も何も言えんで御座る……」
(そうかぁ、トニーとユリウスは騎士の家系だっけ?)
シンが宥めながらそう言うと、マリア、リン、ユーリはそう言う。
もやしと呼ばれてバカにされるのは我慢ならないのだと。
シシリーとフルールがそう言う中、トニー、ユリウスは気まずそうにそう言う。
二人とも、騎士の家系である為だ。
シンがそう思う中、マリアは叫ぶ。
「戦力って言ったら魔法の方が絶対強いのにさぁ……なのにあいつら!自分達の方が強いって態度を取るんだから!」
「に、人間に得手不得手ってのがあるだろ?だから、互いに補い合って……」
「けど!シンは魔法も剣も、レイジもギャバンに変身出来るじゃない‼︎」
「あははは……」
「いや、まぁそうだけど……」
「飛び火したな……」
マリアはそう叫ぶ。
騎士学院の生徒が自分たちの方が強いと思う中、マリアとしては、魔法の方が戦力として強いと思っていたのだ。
シンはそう話しかけると、マリアはキレ気味にそう言い、フルールは苦笑する。
それを聞いたシンは、そんな風に言う中、レイジは気まずい表情を浮かべていた。
すると、シシリーが口を開く。
「もしかして、どなたか騎士の方に教えを受けてたんですか?」
「あぁ、ミッシェルさんって言って、この人の訓練が厳しいも何も……」
「ちなみに、俺もミッシェルさんに教わってたんだ」
シシリーがそう聞くと、シンとレイジはそう答える。
2人は、ミッシェルに教えを受けていたのだ。
すると、皆は震えだす。
「あれ⁉︎あ、あれ?俺また何か変な事言っちゃった……?」
それを見て、シンがそう反応すると、トニーとユリウスの二人がシンとレイジに詰め寄る。
「ミッシェルさんって……あのミッシェル=コーリング様かい⁉︎」
「そ、そうだけど……」
「前の騎士団総長の……あのミッシェル様で御座るか⁉︎」
「あぁ……そんな事言ってたな……」
トニーとユリウスの勢いの凄まじさに、二人は引きながらそう言う。
騎士の家系というのもあってか、ミッシェルの事を知っていたのだ。
すると。
「賢者様に魔法を教えて貰って……導師様に魔道具作りを教えて貰って……剣聖様に剣を教えて貰ってたなんてぇーーーー‼︎」
「剣聖様⁉︎」
「シン殿、知らなかったんですか!?ミッシェル=コーリング様と言えば、剣で右に出る者は居らず、剣聖と呼ばれているんですよ⁉︎」
「俺にとってはただの鬼教官だよ……」
「あははは……」
ユーリがそんな風に言う中、トールはそう言う。
ミッシェルは剣聖と呼ばれているほどの実力者なのだ。
それに対して、シンはそう言い、レイジは苦笑する。
シンもレイジも、ミッシェルに扱かれたからだ。
それを聞いたアリスが口を開く。
「でも、剣聖様に剣を教えて貰ってたのなら、シン君とレイジ君に騎士学院の生徒に何か言われる事無いよね!」
「分からんぞ?魔法学院の癖に、剣聖様に教えを受けやがって!と妬まれるかも知れん」
「煽るなよ……まあ、ありえるけどな」
「おいおい……まぁ、どっちにしろ合同訓練は必要な事だと思うぞ?ちゃんとした目的があるんだから、何言われたって気にしなきゃ良いじゃん?」
「無視すれば良いんじゃねぇか?」
「「それは無理‼︎」」
(こりゃあ、面倒な事になりそうだ……)
(大丈夫かよ……)
アリスがそう言うと、オーグはニヤニヤしながらそう言う。
シンとレイジがそう言うが、マリアとアリスはそう返す。
気にしないというのは不可能なのだと。
それを見て、シンとレイジはそう思うのだった。
それからしばらくして、合同訓練の日になった。
王都の外門前では、騎士学院と魔法学院の面々が集まっていた。
「訓練内容は、各学院から四名ずつ、計8名でパーティを組んでの実戦だ。それぞれが王都近くの森に入り、魔物を討伐してもらう。国から派遣された教官が同行するが、決して油断はしない様に」
そこでは、説明がされていた。
だが、空気は最悪といえる状態であり、騎士学院生と魔法学院生はお互いを睨んでおり、ギスギスしていた。
その後、レイジ達は。
「両学院から4名ずつ、計8人に組んで森の魔物退治かぁ」
「俺の場合は、人数が合わない関係上、シン達と一緒にやるわけだな」
「増えた魔物の討伐も兼ねた実践訓練だな」
「魔物と戦うなんてドキドキしますけど、シン君と一緒なら安心ですね」
「いや、訓練だからシシリーも頑張らないと」
「そうそう。この先何があるか分からないからな」
「あっ!そ、そうでした」
レイジ、シン、オーグ、シシリーはそう話していた。
ちなみに、フルールに関しては、アリス、トール、リン、ユーリのグループに入る事になっている。
それを見ていた騎士学院のとある生徒達は。
「あれが英雄の孫とその親友か」
「所詮は魔法使いだろ?」
「どうせもやしよ。もやし」
「足手纏いにならないと良いがな。」
4人は、シンとレイジに向かってそう吐き捨てる。
その4名は、騎士学院では上位4位の面々だった。
それを見たマリアは、シンとレイジに話しかける。
「ね?やな奴らでしょ?」
「小物感あるな……」
「あはは……」
「ベーっ!」
そう言うのを見て、マリアはそう言う。
それを見たレイジとシンは苦笑して、マリアは舌を出す。
そうして、それぞれが馬車に乗り込む。
だが、この時のレイジ達は気づいていなかった。
「エモ〜……!」
騎士学院生と魔法学院生のネガティブな感情を、近くに隠されているネガエモルギアが吸収していたのだと。
馬車に乗って移動する中、シン達は騎士学院生の生徒と一緒に乗っていた。
しかも、先ほどの見下していた生徒達と。
「……それで、アンタ達の名前を聞かせてもらおうか?」
「騎士学院1年主席のクライス=ロイドだ」
「次席のミランダ=ウォーレスよ」
「ノイン=カーティス」
「ケント=マクレガーだ」
レイジがそう聞くと、騎士学院生達はそんな風に名乗っていく。
主席から4位までの面々が揃っていたのだ。
それを聞いたシン達は。
「(よりによってさっきの奴らかよ……。)シン=ウォルフォードです」
「レイジ=ウォーカーだ」
「アウグスト=フォン=アールスハイドだ」
「マリア=フォン=メッシーナよ」
「シシリー=フォン=クロードです。宜しくお願いします」
シンは辟易しながらそう思うと、自己紹介を行っていく。
自己紹介が終わると、シンは口を開く。
「なぁ、訓練が始まる前に聞いて良いか?」
「何だ?」
「君ら……魔物と戦った事はある?」
「何⁉︎ちょっと自分が魔人を倒したからって自慢してんの⁉︎」
シンがそう尋ねると、クライスは不機嫌気味にそう聞く。
シンの問いに、ミランダはそんな風に問い詰める。
「そうじゃなくて、これから俺達は実際に魔物を討伐しに行くんだ。騎士がどうとか魔法使いがどうとか、そんな下らない事言ってると……」
「言ってたら何よ⁉︎」
「死ぬぞ?」
ミランダに対して、シンはそんな風に言う。
下らないプライドを優先していると、死ぬのだと。
シンの脅しに対して、騎士生徒がビクッとするが、すぐにミランダは口を開く。
「五月蝿いわね!本当なら、騎士学院生だけで魔物の討伐くらい出来るのよ!」
「ミランダの言う通りだ!精々足手纏いにならない様にするんだな!」
「へぇ〜……そんな事言って、足元をすくわれたら、見てられないけどな」
「何よアンタ!偉そうに!」
ミランダはシンの脅しに怯えが隠しきれないが、そんな風に叫ぶ。
ミランダの言葉に同意するように、クライスがそう言うと、レイジは皮肉をこめてそう言う。
ミランダがそう叫び、レイジが無視していると、顔を顰めたオーグが口を開く。
「お前達、そんな認識でこの訓練に参加していたのか?」
「あぁいえ!別に殿下が邪魔とか、そう言う事を言った訳ではなく……」
「そんな事を言っているのではない!この訓練は、騎士学院生と魔法学院生の連携を強める為の訓練だ。先程レイジが言った様に、そんな余裕な言葉を言ってると痛い目見るぞ」
「そ、それは……」
オーグがそう聞くと、クライスは流石に王族を相手に見下す事が出来ないのか、そんな風にフォローする様に言う。
それに対して、オーグはそんな風に言う。
訓練の目的を理解しているのかと。
オーグの言葉に対して、クライス達は黙り込んでしまう。
それを見て、オーグはクライス達が、訓練の目的を分かってはいるが、納得していないのを見抜いた。
「分かってはいるが、納得は出来ん……か。ならば、仕方ない。シン、レイジ。お前達はこの訓練で魔物を討伐する必要は無い」
「え?」
「うん?」
「一度、魔法使いの援護無しで魔物を討伐してみろ。この訓練の意義が分かる」
「っ!……殿下がそう仰るなら……」
「ふんっ!」
オーグはそう呟くと、シンとレイジにそう言う。
2人は、魔物を討伐する必要がないのだと。
オーグがそう言うと、クライスはそう言い、残りのメンツも黙り込む。
そして、マリアは不機嫌気味に鼻を鳴らすのだった。
暫くして、目的の森に到着し、レイジ達は馬車を降りるのだった。
「随分、森の奥まで来たな……」
「最深部に近い場所か」
「実力に応じて、危険度の高い場所で訓練する事になっているからな」
「強い魔物が出る確率が高い場所で……って訳ね」
「つまり、ここは最も危険度が高い場所って事だな」
「各組毎に、指導教官の方が来られると言う事でしたけど……」
馬車から降りたシン達は、そんな風に話をしていた。
訓練の場所に関しては、それぞれの実力に応じて決められているのだ。
指導教官が誰なのかと話していると。
「よう、シン!レイジ!」
「あーーーーー!」
「おっ」
「今日はよろしくお願いしますね」
そんな風に声をかけられ、シンとレイジは声をかけられた方を向く。
そこに居たのは、ジークフリードとクリスティーナだった。
この2人がここの組の指導教官なのだ。
クリスティーナがそう言うと。
「ジークにーちゃんとクリスねーちゃん⁉︎」
「久し振りだな」
「2人が指導教官なんだ……頼むから喧嘩しないでよ?」
「こいつが絡んで来なかったらな。……あぁ⁉︎」
「こいつが絡んで来なかったらね。……あぁ⁉︎」
「だから、それは止めろって言ってんだよ!」
「相変わらずだな……」
ジークフリードとクリスティーナの姿を見たシンとレイジがそう反応する中、シンは不安げにそう言う。
それに対して、2人が同時にそう答えると、メンチを切る。
それを見て、シンが止めようとして、レイジが呆れていた。
すると。
「私!シンとレイジの同級生のマリアです!ジークフリード様!あ……握手をして貰えませんか⁉︎」
「ズ……ズルいぞお前!ア……私も良いですか……?」
「俺……いえ!私はクライス=ロイドと言います!」
「俺はノインです!今日は俺の勇姿を見ていて下さい!」
「ケ……ケントです!」
マリアとミランダはジークフリードに、クライスとノインとケントはクリスティーナにそう話しかけていた。
その5人は、思慕の視線が出ていた。
「ナニコレ??」
「お2人は、どちらの学院の生徒にも人気者なんですよ」
「はぁ?」
「そうなのか?」
「ああ。何しろ、父上の護衛を任される程の魔法使いと騎士だからな」
シンが呆然としていると、シシリーはそう話しかける。
シンとレイジがそう反応すると、オーグはそう言う。
ジークフリードとクリスティーナは、ディセウムの護衛を任される程の魔法使いと騎士というのもあって、騎士学院と魔法学院の両方の生徒から慕われているのだ。
「ジークにーちゃんはチャラ男だからモテても違和感ないけど……クリスねーちゃんは意外だったな……」
「む?意外とは何ですか!失礼な!」
「あははは……」
シンはそれを見て、そんな風に呟いた。
クリスティーナはその呟きが聞こえていたのか、シンに対してそう叫び、レイジは苦笑するのだった。
そんな出来事の後、移動を開始した。
すると、オーグからある事を聞いたジークフリードは、呆れ気味の声を出した。
「はぁ?最初は騎士学院生だけで魔物を討伐する?」
「あぁ。彼らの希望でな。言葉だけでは、この訓練の意義が分からないらしい」
ジークフリードは呆れた様にそう言うと、オーグはそう説明する。
それを聞いたジークフリードとクリスティーナの2人は。
「軍に入ったばかりの騎士や魔法使いには、よくある事です」
「自分達だけで戦える。支援は無用って奴か」
「ありゃ、一度痛い目を見なきゃ分かんないタイプだろうな」
「そうだな」
「実践を経験すれば、すぐにそれが間違いだと気付くもの。今回の訓練で、彼らがそれを学んでくれれば良いのですが」
「学生時代に鼻っ柱をへし折られといた方が、後で面倒は無いか。君達はそう言う事言わないんだな?」
「1人、納得してなさそうなのが居るがな」
「な、何ですか……?」
クリスティーナとジークフリードの2人はそう言う。
その手のいざこざは、軍に入ったばかりの騎士や魔法使いにはよくある事なのだと。
レイジの言葉に、ジークフリードが同意する中、クリスティーナはそう言う。
ジークフリードがそう言いながら聞くと、オーグは皮肉交じりにそう言う。
マリアがそう言う中。
「いや、メッシーナはこの訓練の意義を理解しているのかと思ってな」
「理解してますよ!シンとレイジが魔人と戦ったのを2回も見せられたら……とてもじゃないけど、あんな風には出来ない……。私の力じゃ、騎士や剣士の支援がないと強い敵とは戦えないって……」
オーグがそう聞くと、マリアはそう答える。
マリアとしても、シンとレイジが二度に渡って、魔人……カートとシュトロームと戦ったのを見て、自分では騎士や剣士の支援がなければ、強敵と戦えないと理解はしていた。
だが、騎士学院生からの悪口には腹を据えかねていたのだと。
すると。
「マリアちゃんだったかな?」
「は……はい!」
「そうやって、今の自分の実力を認識出来ているのは良い事だ。君は強くなれるよ」
「……!」
ジークフリードはマリアに話しかける。
マリアが驚く中、ジークフリードはそう語る。
自分の実力を理解出来ているのはいい事なのだと。
それを聞いて、マリアは赤面するのだった。
(珍しいな、こう言うマリア……)
(乙女っぽい反応をするんだな……)
(ジークフリード様にあんな事言われるなんて悔しい……!)
それを見て、シン、レイジ、ミランダの3人はそんな風に思っていた。
ミランダに関しては、羨望が強いが。
そんなやり取りからしばらくして、騎士学院生が構えながら進み始めた。
その顔には、緊張感が滲んでいた。
「あいつら、何警戒してんだ?索敵魔法には何も引っ掛かってないのに」
「警戒っつーより、あれは緊張だな」
「無理もないですね。初めて魔物と戦うのですから」
「それもそうだな」
それを見て、シンが首を傾げる中、ジークフリードとクリスティーナはそう言う。
初めて、魔物と戦うのもあってか、かなり緊張が滲んでいたのだ。
レイジが同意する中。
「「っ!」」
索敵魔法と気配に何かが引っ掛かったのか、シンとレイジはそう反応する。
「ジークにーちゃん!」
「来るぞ」
「ああ、分かってる。よし、騎士学院の諸君!もうすぐ魔物が現れる!戦闘態勢を取れ!」
シンとレイジがジークフリードにそう言うと、ジークフリードは騎士学院生にそう言う。
それを聞いた騎士学院生は抜刀して、剣を構える。
すると、草むらからイノシシの魔物が出現した。
「イノシシ⁉︎」
「くそ!魔物化してなきゃ美味そうなのに!」
「魔物化したイノシシは食えねぇんだよな……」
「お前ら……感想が違うぞ」
イノシシの魔物が飛び出してきたのを見て、マリアがそう言う中、シンとレイジはそう言う。
レイジに関しては、サバイバル生活が長かったのが影響したのか。
それを聞いて、オーグがそう呟くと。
「ウオオオオオオオオ!」
「ビビるんじゃないわよ!私達、騎士学院のトップの実力を見せ付けてやるのよ!」
「おう!」
イノシシの魔物はそんな風に鳴き声を出す。
それを聞いて、ミランダは奮い立たせる様にそう言うと、クライス達はそう答える。
「やっ!は……速い……!」
ミランダはイノシシの魔物に向かって攻撃するが、あっさりと躱される。
それを見て驚く中、イノシシがミランダに向かって突進した。
「うわあっ⁉︎」
「「「ぐあああああああ⁉︎」」」
それを受けて、ミランダ達はあっさりと吹き飛ばされた。
「ぐっ……⁉︎これが……魔物……⁉︎」
「がっ……⁉︎」
「う……腕が……⁉︎」
「はぁ……はぁ……⁉︎」
ミランダ達はイノシシの魔物の突進で、満身創痍となっていた。
すると、イノシシの目を見て恐怖心が上がった。
「ちょっと……何なのよ……⁉︎たかがイノシシなのに……魔物化する事でこんなに身体能力が上がって……⁉︎」
ミランダはそう呟いた。
魔物と戦って、命の危険を感じたのか、クライスたちも恐怖の表情が滲んでいた。
すると、イノシシが再び突進を仕掛ける。
「ひぃっ!」
「きゃああ!」
それを見て、ミランダ達は動けなかった。
死という恐怖の影響があってか。
すると。
(……見てらんねぇな)
レイジはそんな風に思うと、ギャバリオントリガーを取り出す。
そして、水刃の魔法とギャバリオントリガーの銃撃で、イノシシの魔物を牽制する。
怯んだイノシシの前に着地したシンが、バイブレーションソードを振り上げて、イノシシの首を両断する。
イノシシの首がミランダ達に向かって落下すると。
「「「「ひいいっ⁉︎」」」」
「ナイス、援護!」
「おう」
ミランダ達が悲鳴を上げる中、シンとレイジはそんな風に話す。
「い……一撃……⁉︎」
「ウォルフォード……ウォーカー……いつの間に……⁉︎」
それを見て、クライス達はそんな風に唖然となっていた。
シンとレイジの行動は、まさに騎士と魔法使いの連携としての理想の形なのだ。
すると、クリスティーナは口を開く。
「不様ですね。この魔物は、中型でも弱めの部類ですよ?大言壮語を吐きながらあの程度の魔物にこの有り様。騎士学院のトップと驕っていた様ですが、所詮、戦場を知らない学生の中の話だと分かりましたか?軍に入ればアナタ達は1番弱い。それこそ去年入った新兵よりも。だけどもし今、魔法で魔物を足止めて出来ていたら?動きを鈍らす事が出来ていたら?アナタ達にも魔物を討伐する事が可能となるのです。自分達の無力さをその身に刻みながら、残りの訓練に挑みなさい」
「は、はい……」
クリスティーナはそう吐き捨てる。
まるで、現実を思い知らせて、その驕りをへし折るかの様に。
現実を思い知ったというのもあってか、ミランダ達は項垂れていた。
すると。
「あ……あの、回復魔法を掛けるのでじっとしていて下さいね?」
シシリーはクライス達に近寄り、回復魔法で騎士学院生を治療していく。
「ア……アンタ……」
「す、すまん……俺達はお前達を見下していたのに……」
「そんなに気にしてないですよ。今は同じパーティなんだから、これくらい当たり前です」
「君……!」
ミランダがそう呟く中、クライスはシシリーに謝罪をする。
それに対して、シシリーはそんな風に答える。
それを聞いたクライス達は、シシリーに惚れたのか、顔を赤くしていた。
「ぐぬぬぬぬ……!」
「「どうどう」」
それを見て、シンが苛立つ表情を浮かべる中、レイジとオーグはシンを落ち着かせていた。
一方その頃、カレルの屋敷では。
「これは……カレル様。ネガティブ波動を検知しました。この反応から見て……合同訓練を行っている森で発生しています!」
「何?……だとすると、森の中にネガエモルギアがあるかもしれないな。万が一に備え、コスモギャバリオンの発進準備を整えるんだ!」
「了解!」
リアムは、合同訓練を行っている森にて、ネガティブ波動を検知した事を報告する。
それを聞いたカレルは、コスモギャバリオンの発進準備を整えるように指示を出す。
リアムが動く中。
「……杞憂で終われば良いのだが……」
カレルはそう呟くのだった。
その後、訓練が再開されたのだが……。
「シシリー!大丈夫か⁉︎怪我は無かったか!」
「え?あ……あの私別に何も……」
「さあシシリー、気を付けて通れ」
「はあ……」
「シシリー、手を」
「疲れてないか?シシリー」
クライス達は、シシリーに対して、紳士的な対応をしていた。
それを見て、苛立っていた者が1人いた。
「ムカムカ……!」
「そうイライラするな」
「別にイライラなんか……!」
「してるだろ?」
「お前が連携を乱そうとしてどうすんだよ」
シンだった。
そんな光景にシンが苛立つ中、オーグとレイジはそう言う。
「そんなにイライラするなら……『シシリーは俺の女だから手を出すな』……と、言ったらどうだ?」
「確かにな。牽制になるだろ」
「ばっ……⁉︎何言ってんだよ⁉︎」
オーグとレイジはそんな風に言う。
それに対して、シンがそう突っ込むと。
「まあまあ!あの手の男はね、自分に優しくしてくれる女に簡単に惚れるのよ。か弱い魔法学院の女ならここにも居るのにね……!」
「私なんかあいつらにあんな事されたの一度も無かったのにね……!」
「「私らの何が悪いってのよーーー!」」
「俺に向かって言うなよ……」
マリアとミランダは、それを見てイラついていたのか、そんな風に言う。
最後はマリアとミランダはレイジに向かってそう叫んで、レイジはそう突っ込むのだった。
「おーいお前らー!また魔物が来るぞー!じゃれてないで準備しろー!」
「「っ!」」
「ジークにーちゃん……これちょっと数が多くない?」
「ああ……かなりの数だな」
ジークフリードはそんな風に叫ぶのだった。
意識を切り替えて、索敵魔法を使うと、かなりの反応が引っかかった。
シンの言葉に、ジークフリードが頷く中。
「シシリーは私の後ろに居ろ!」
「あの……それでは訓練の意味が……」
「シシリーは俺が守る!」
「イラッ!!」
「やれやれ……」
クライスはシシリーを守るように立ち、シシリーが困惑する中、シンはまたイラついていたのだった。
レイジがそう呟く中。
「ああ!ジーク先輩!クリスお姉様!逃げて下さい!」
「大量の魔物が此方に向かってます!」
そこに、別のグループが駆け込んでくる。
ジークフリードは問いかける。
「規模は?」
「少なくとも100は居ます!」
「100……⁉︎」
「そんな⁉︎」
ジークフリードがそう問いかけると、男性教官はそう答える。
100と聞いて、クライス達が顔を青ざめる中。
「ジークにーちゃん」
「ん?」
「それ、俺がやるよ」
「俺もいいか?やってみたい事があるんだよ」
「そうだな」
シンとレイジはジークフリードにそう話しかける。
それを聞いたジークフリードがそう言う中、シシリーが口を開く。
「そんな!シン君にレイジ君2人でそんな数……!」
「シンとレイジに任せておけば大丈夫だよ」
「正直、我々よりブッチギリで強いですからね」
「ほらお前らも下がれ!シンとレイジの邪魔だ!」
シシリーがそう言う中、ジークフリードとクリスティはそう言う。
そう言って、シンとレイジの背後に下がる中、レイジはギャバリオントリガーを取り出していた。
「久々に爆発系行くか」
「だな。俺もやってみるか」
シンがそう呟く中、レイジもそう答え、レイジはゲキドーのエモルギアのボタンを押して、ギャバリオントリガーに装填する。
『ゲキドー!チャージ!』
そんな音声が鳴る中、ギャバリオントリガーを構えると。
「蒸着!」
レイジはそう叫びながら、トリガーを引く。
『ゲキドー!アクティベート!』
そんな音声が鳴ると、レイジに光の粒子が集まり、ギャバンインフィニティに蒸着する。
そして。
「ギャバリオンレーザー!」
『ギャバリオンレーザー!』
レイジがそう叫ぶと、その音声が流れ、水色の部分が二又に突出した形状の遠距離戦闘用銃型デバイスであるギャバリオンレーザーが現れる。
魔物が迫る中。
(まずは、生成した水素を高濃度で圧縮!そんで酸素も!わりーけど、ちょっとイラついてるんで憂さ晴らしするぞ?)
(……俺も、ギャバリオンレーザーに魔力を収束させて……っと!)
シンとレイジはそんな風に思いながら、魔力を集めていく。
すると。
「来た!」
「滅びろおおおおおおお!」
「ぶっ飛べぇぇぇっ!」
ジークフリードがそう言うと、魔物が目に入る。
すると、2人はそう叫ぶと、高濃度圧縮した魔法とギャバリオンレーザーのレーザービームが発射され、魔物が一掃される。
「ふー、スッキリしたー!」
シンはそんな風に言う。
それを見ていた騎士学院生が言葉を失う中。
「な……な……何ですかこれぇ……⁉︎」
「……なぁ……レイジはともかくとして、シンの奴、前に見た時より凄くなってねぇか?」
「あの時も相当抑えてたんでしょうね……」
駆け込んできた教官がそう呟く中、ジークフリードとクリスティーナはそう呟いた。
以前に見たシンの魔法と比べても、威力が上がっているのだと。
「シン君!レイジ君!平気なんですか⁉︎」
「へ?何が?」
「だって……だって……こんな……地形が変わる位凄い魔法使ったのに……⁉︎」
シンとレイジの元に、シシリーが駆け寄る。
それに対して、2人が首を傾げる中、シシリーはそう叫んだ。
何しろ、魔物は消えて、射線上の木々が消し飛び、地面が抉れていたのだから。
「大丈夫だ」
(ちょっとイラついて匙加減間違えたけど……)
「これが……シン=ウォルフォード……レイジ=ウォーカー……⁉︎」
「賢者の孫にして……新たなる英雄の力と……ギャバンインフィニティとやらの力……⁉︎」
レイジがそう答える中、シンはそう思っていた。
匙加減を間違えたのだと。
クライスとノインの2人がそう呟く中。
「それはそうと……一体何があったんだよ?」
「あ、あの……私達、もっと浅い所で訓練してたんですが……き……急に索敵魔法の探知外から大量の魔物が近付いて来て……!」
(索敵外から急に?……って事は……)
ジークフリードは駆け込んできた女性教官にそう尋ねる。
それに対して、女性教官がそう答える中、シンはある結論に辿り着いた。
「あいつら、お前らを追ってたんじゃねえよ。何かから逃げてたんだ」
「そういう事になるな」
「な……何かからって……⁉︎」
「さっき熊も混じってたよな?そ……それ以上の魔物って……」
ジークフリードはそう言う。
先ほどの魔物は、追って来たのではなく、何かから逃げていたのだと。
レイジもそう言う中、クライスとケントは同様しながらそう言うと。
「「「っ!」」」
「全員動くな」
レイジ達は何かに気付いたのか、ある方向を向く。
ジークフリードがそう言う中、視線の先には……巨大な虎の魔物がいた。
「災害級……⁉︎」
「嘘だろ……何でこんな所に……⁉︎さっきの奴らはあれから逃げて……‼︎」
「そいつだけじゃねぇな」
それを見たミランダとクライスはそう言う。
災害級。
魔物の中でも、単独で国をも滅ぼす事が出来る文字通りの存在だ。
魔物の危険度は、大きさや魔力の暴走量によってランク分けされるのだ。
レイジがそう呟くと。
「グゥォォォォォッ!」
「な、何だこの魔物は⁉︎」
「大きすぎる……⁉︎」
「エモンズか……!にしても、デカすぎるけどな……!」
巨大なエモンズが姿を現したのだ。
それを見て、ミランダ達が唖然となる中、レイジはそう呟いた。
そんな中。
「……ほう。騎士学院生と魔法学院生のネガティブ波動を浴びて、あれほど巨大化するとはな。さて、どうする?」
デス・ギャバンは巨大エモンズを見て、そんな風に呟いた。
ネガエモルギアを仕込んでいたのは、デス・ギャバンだったのだ。
騎士学院生と魔法学院生のネガティブ波動を浴びて、どんな影響が出るのかの実験を行っていたのだ。
一方。
「リアム!コスモギャバリオンを発進させろ!」
「了解。ふっ!」
『コスモギャバリオン!テイクオフ!』
カレルはそう指示を出して、コスモギャバリオンを発進させる。
一方、シン達は。
「ジークにーちゃん、俺とレイジが魔力で威圧して足止めしてるから、皆の避難を」
「エモンズは俺に任せろ」
「……分かった」
「急いで逃げますよ!早く!」
「シシリー!早くこっちに来い!」
シンとレイジは、ジークフリードにそう話しかける。
それを聞いたジークフリードはそう言うと、クリスティーナは避難を促す。
クライスがシシリーを連れて行こうとすると。
「放して下さい!私は残ります!シン君とレイジ君が怪我した時の為に……!」
「バカ言うな!相手は災害級に謎の魔物だぞ!ウォルフォードとウォーカーでも勝てるものか!」
シシリーはそう叫ぶ。
シンとレイジが負傷した時に備えて、残るのだと。
クライスがそう言うと。
「シン君とレイジ君を知らない人は黙っていて下さい‼︎」
「っ⁉︎」
シシリーはそう叫んだ。
それを聞いて、クライスが怯むと。
「さあ、クライス」
「ウォルフォードとウォーカーがやるなら……私も……!」
「ダメです。彼らとの実力差は分かっているでしょう?ただの足手纏いです」
「くっ……!」
クリスティーナは、クライスに避難するように促す。
クライスも参戦しようとするが、クリスティーナにそう言われる。
それを聞いて、クライスも悔しそうにしながら引き下がる。
「シン君……無茶はしないで下さいね?」
「おうっ!チャチャっと討伐するからちょっと待ってて!」
「さ〜て。来たか」
シシリーはシンにそう話しかける中、シンはそう答える。
レイジがそう言って上空を見る。
すると、コスモギャバリオンが来ていたのだ。
「な……何あれ……⁉︎」
「空を飛ぶ船……なのか……⁉︎」
「よぉ〜し!リアム、強襲フォームだ!」
それを見たマリアとオーグはそう呟いた。
コスモギャバリオンという常識はずれのものを見て。
レイジがそう言いながら、コスモギャバリオンに向かう中。
「了解。本部。強襲フォーム、認可を求む」
コックピットにいたリアムはそう呼びかける。
カレルの屋敷にいた何人かが、装置についているボタンを押す。
そして。
「ハルト様!アールスハイド王国近辺の森に巨大エモンズが出現!強襲フォームによる殲滅を認可願います」
『認可する。即時変形開始』
カレルはボタンが押されているのを確認し、ハルトAIにそう呼びかける。
ハルトAIがそう答えると。
「仰せのままに。強襲フォームを認可!」
カレルはそう答える。
すると、コスモギャバリオンのコックピットに強襲フォーム認可が降りた通知が届き、レイジも到着する。
「よっしゃ!ふっ!」
レイジはそう言うと、ハンドルを押し込む。
すると、コスモギャバリオンに巨大エモルギアユニットの一つであるジマンゲーダーGC-Rが装着される。
そこから、戦艦から人型になるように変形していく。
頭部として装着されたジマンゲーダーGC-Rのカバーが開くと。
「いくぜ!」
『ジマンゲーダーGC-R!アクティベート!』
レイジがハンドルを握る中、そんな音声が流れる。
これが、コスモギャバリオンの強襲フォームのうちの一つ、基本形態であるコスモギャバリオンGC-Rだ。
「な……何よ、あれ……⁉︎」
「もはやなんでもありか……」
それを見ていたマリアとオーグは唖然としながらそう呟いていた。
そんな中、シンは魔法を飛ばして災害級の魔物を足止めしようとする。
だが、虎の魔物は魔法を避けた。
「躱された……!」
クリスティーナがそう呟く中、シンは身体強化の魔法を発動する。
虎の魔物が攻撃する中、シンは攻撃を躱す。
「グルルルル!」
「ニャーニャーうるせぇ!」
虎の魔物がそう唸り声を出す中、シンはそう叫ぶと、膝蹴りで災害級の魔物の顎を蹴り上げた。
そんな中、レイジはというと。
「ふっ!はっ!おらっ!」
レイジはハンドルを動かして、コスモギャバリオンを動かし、エモンズにパンチやキックをしていく。
そして、左腕のEMOバスターで銃撃していく。
そんな中、災害級の虎の魔物が震え始める。
シンの圧倒的な強さに怯えたのか。
シンはバイブレーションソードを異空間収納から出して、止めを刺そうとすると。
「グル……!」
虎の魔物は、シンの後ろのシシリー達に向かって走り出す。
「あっ!てめっ!させるかよっ!」
シンはそう言うと、ジェットブーツと身体強化されたスペックで虎の魔物に迫る。
そして、シンのバイブレーションソードが、災害級の魔物の頭部を斬り落とした。
「ふうっ……」
シンがそう一息吐く中。
「これで終わりだ!コスモエモーショナルバースト!」
レイジはそう叫ぶと、ギャバリオントリガーに装填されているゲキドーのエモルギアのボタンを押して、絵柄を変える。
そして、レイジが構える中、コスモギャバリオンもEMOバスターにエネルギーが貯まっていく。
『エモーショナルバースト!』
「ハァァァァァ!」
「ぐぉぉぉぉぉっ⁉︎」
その音声が鳴る中、レイジがギャバリオントリガーのトリガーを引くと、EMOバスターからエネルギー弾が発射され、エモンズを撃ち抜く。
撃ち抜かれたエモンズは爆散するのだった。
「よし。リアムはネガエモルギアの回収を頼む」
「OK。コスモギャバリオンは自動操縦で戻しておくよ」
レイジがそう言うと、リアムはそう答えて、2人とも、コスモギャバリオンから降りる。
そして、コスモギャバリオンは自動操縦で去っていったのだった。
レイジがシン達の元に戻る中。
「は……わ……」
「瞬……殺……じゃねぇか……」
シシリーとジークフリードはそう呟いた。
他の面々が絶句する中、レイジはギャバンインフィニティの蒸着を解除して、合流する。
すると、シシリーは口を開く。
「シン君……訊いて良いですか?」
「へ?何?」
「虎の魔物って……ああやって倒すんですか?」
「そうそう。虎って素早いから、物理攻撃で倒すのが効率良いんだ。身体強化の時間稼ぎに魔法撃ったけど……大体避けられるからね」
「ひ……膝蹴りも?」
シシリーはシンにそう問いかける。
それに対して、シンはそう答える。
それを聞いて、唖然としていると。
「まあ、俺もそうするけどな。ギャバリオントリガーで牽制しつつ、ぶった斬ればいいんだよ」
「膝蹴りは……普通ねーよな……」
「怖いもの知らずにも程が……」
「危険を犯して首飛ばす必要あるか?いつもだが……」
「え?そりゃ確実に倒す為には……」
レイジはそう言う。
そんな発言を聞いて、ジークフリード、クリスティーナ、オーグはドン引きしながらそう言う。
シンがそう言う中、シシリーが”ぷう”と頬を膨らませると。
「もう!無茶はしないで下さいって言ったじゃないですかぁ!」
「わぁ!ごめん!あれが無茶だとは思ってなくて……」
「まあ、それが正しい反応だよな。俺たち以外に出来ねぇだろ」
「でも、無事で良かったです……」
「うん」
シシリーはそう叫んで、シンに詰め寄る。
レイジが苦笑しながらそう言うと、シシリーとシンはそう話す。
それを見ていたジークフリードは。
「付き合ってんの?
「まだです」
ジークフリードはマリアにそう問いかけると、マリアはそう答える。
すると。
「レイジ。ネガエモルギアは回収した」
「おっ。サンキューな」
リアムはネガエモルギアを回収してそう言うと、レイジはそう答えるのだった。
その後。
「改めてここに居る皆に言っておきますが……本来、災害級の魔物は、我々軍が決死の覚悟で挑んでようやく倒せる存在……。シンとレイジが異常なのであって『虎の魔物は弱い』などと勘違いだけはしないように」
『はい!』
「何でお前まで指導されてんだよ」
(異常……)
(まあ、無理もねぇけど)
クリスティーナはそんな風に釘を刺す。
本来、災害級は単独では倒せないのだと。
それを聞いて、騎士学院生と女性教官がそう答えると、ジークフリードは女性教官にそう突っ込む。
シンとレイジがそう思う中。
「はぁ〜〜〜……。しかしシンがここまでのモンになってるとは……プライド捨てて俺もシンに教わろっかな……」
「軍事利用になるからダメだぞ、ジークフリード。お前は軍人だろう」
ジークフリードはそう呟く。
プライドを捨てて、シンに魔法を教わろうかと考えていたのだ。
それに対して、オーグはそんな風に釘を刺す。
軍人であるジークフリードがシンに魔法を教わると、軍事利用になってしまうのだと。
そんな中、ミランダはシンに話しかける。
「あ……あの……ウォルフォード君……そ……その……散々失礼な事言って……ごめんなさい」
「え?」
「ウォルフォード君って……凄く恵まれた環境に居るから……羨ましくて……絶対負けたくないって……」
(羨ましいって……)
「勝手に思っちゃって……でも、実際に見てみて、これは次元が違うなって……やっと分かったわ」
「ミランダさん……」
ミランダはそう話しかける。
シンが恵まれた環境に居るのもあって、対抗心が出てしまったのだと。
すると。
「えっと……シシリー……さんも……その……彼氏に突っ掛かってしまって申し訳無かったわ」
「ふぇっ⁉︎か……彼氏⁉︎」
「おっ?」
「お2人はそう言う関係ではないのか?」
「ええええ……⁉︎いいいやその……⁉︎」
「わわわわ私達はまだ……そそそその……」
「まだ?」
ミランダはそんな風に言う。
それを聞いて、シンとシシリーが顔を赤くする中、レイジは面白そうと言わんがばかりの表情を浮かべていた。
ミランダがシンとシシリーの反応を見て、首を傾げる中。
「言っちゃえ、言っちゃえ。付き合ってるってよ」
「「ええ⁉︎………///」」
レイジが2人を揶揄うようにそう言うと、シンとシシリーはお互いに照れる。
それを見たクライス達は。
「あ……あのリアクションは……⁉︎」
「どう見ても……⁉︎」
「鼻っ柱を折ってやるつもりだったが……」
「他の所が折れてしまったようですね」
クライス達は、2人が付き合っているのだと感じており、ジークフリードとクリスティーナは苦笑しながらそう呟いた。
「それと、ウチのバカ達も迷惑かけた。アンタ達、ちゃんとウォルフォード君にお礼言いなさいよ!」
『……シ……シシリー……』
「何、落ち込んでんのよっ‼︎」
ミランダはクライス達に謝るように促すが、クライス達は事実上の失恋のショックに項垂れており、ミランダはそう叫ぶのだった。
こうして、トラブルを解決して、訓練を再開するのだった。
今回はここまでです。
今回は、合同訓練の話です。
合同訓練が行われる中、コスモギャバリオンも出てきました。
本家ギャバンインフィニティよりは、コスモギャバリオンを出しづらいですが、出せたら出しますね。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。