賢者の孫with超宇宙刑事ギャバンインフィニティ 作:弩城怜慈推し
悪意が迫る中、レイジ達は食堂にいた。
丁度、お昼時なのもあって、昼食を食べていた。
昼食を食べる中、オーグが口を開く。
「シン、これから登下校の送り迎えはどうするんだ?」
「どうするって?」
「カートが自宅謹慎になったなら……学院や街中でも、危険は無くなった訳だが」
「まあ、シシリーに危険が無くなったしな」
「まぁ、そうだな……護衛はもう必要ないかもな」
オーグはそう聞くと、レイジとシンはそう言う。
実際、カートが自宅謹慎になったのもあって、危険度は下がったのだ。
無理に護衛をする必要は無くなったのだ。
それを聞いたシシリーが反応する。
「え⁉︎そう……ですよね。護衛……ですもんね……」
「けど護衛じゃなきゃ一緒に通学しなきゃいけないって事はないだろ。家、同じ方向なんだし」
「ダメじゃないです!」
「へ?」
「そ、そうですよ!同じ方向ですもん!一緒に通学したっておかしくないです!……あっ!すみません……」
「もう、シシリー興奮し過ぎ〜〜〜」
「そうだね!」
シンがそう言うと、シシリーはそう叫ぶ。
恥ずかしくなってしまったシシリーが赤面した。
それを見たマリアとフルールはそんな風に言う。
「マリアも一緒に通学するんだろ?」
「お邪魔じゃなければね〜!」
「おお……邪魔な訳ないでしょマリア!なな何言ってるの⁉︎」
「くっくっくっ、動揺し過ぎだクロード」
「俺も。1人より良いしな」
「そう?」
「しかし……流石だな、シン。皆の前で『俺と一緒に居ろ』とか、私には真似出来ん」
「ぶっ!何時俺がそんな事言った⁉︎
「一緒に……」
「シシリーが変な所に引っ掛かってまーす。」
シンがマリアにそう聞くと、マリアとレイジはそう答える。
オーグがニヤニヤしながらそう言うと、シンが吹き出し、シシリーも反応する。
それを見て、Sクラスの面々は笑っていた。
すると、マリアはシンに話を振る。
「そういえばシンって、移動中も索敵魔法使ってるよね。あれ何で?」
「何でって、こっちに害意向けられたら分かるだろ?」
「ん?シン殿、害意が分かるんですか?」
「あぁそうか、えーと……………トールは魔物狩った事ある?」
「ある訳ないじゃないですか。この前まで中等学院生ですよ?」
「魔物の魔力って、禍々しいって言うか、気持ち悪いって言うか、普通じゃないんだよ。敵意とか害意をモロにこっちに向けてくるからね。そう言うのって、人間にも少なからずあって、それを察知してる訳」
マリアの質問に対して、シンがそう答えると、シンはそう返す。
シンの質問に、トールはそう答える。
少し前まで、中等学院生だった自分たちが、魔物を狩った事なんてないのだと。
それを聞いたシンは、そう説明する。
すると、リンはシンに話しかける。
「ウォルフォード君って魔物を狩った事あるの?」
「あるよ」
「因みに……初めて魔物を狩ったのって何歳?」
「確か……10歳の時」
『10歳⁉︎』
「確か、熊だったかな?」
『熊ああ⁉︎』
リンとトニーの質問に対して、シンはそんな風に答えた。
それを聞いたレイジを除いたSクラスの全員が驚いた表情を浮かべる。
「3メートルくらいあったけど、首落として倒したよ。」
『……』
シンがそう言う中、レイジ以外は呆然として、レイジは呆れているのか、首を横に振る。
それを見たシンは。
「(また俺、何かやっちゃいました?)え?何?皆、何処に驚いてんの?」
「全部にだよ……」
「ってか、レイジ。あんた驚かないの……?」
「その話は聞き飽きてるんだ。今回で3回目だしな」
「……付き合ってられん。さあ、もう行くぞ。午後から研究会の説明会だ」
「お、もう時間か」
シンがそう思いながら聞くと、皆はそう答える。
マリアがレイジにそう聞くと、レイジはそう答える。
オーグは呆れながらもそう言い、シンもそう答えると、立ち上がる。
その後、Sクラスの面々は、研究会の説明を受ける為に移動する。
「午後から研究会の説明かぁ……」
「私達、もう究極魔法研究会立ち上げるって決めっちゃったのに……」
「入る気もない研究会の説明、聞かされるなんて無駄な時間よねぇ」
「そう仰るな。拙者達だけ参加しなければ反感を持たれるで御座るよ」
「会場は?講堂?」
「じゃ、グラウンド横切った方が早いよ」
「行こう!」
講堂に向かう中、マリア達はそう文句を言い、ユリウスが宥める。
すると、レイジとシンが何かを感じた。
『っ⁉︎何だ?』
『害意を向けられてる!何処だ⁉︎』
2人は、害意を感じ取ったのだ。
周囲を見渡すと、茂みの奥から害意を感知した。
『あれは⁉︎』
2人の目に映ったのは、自宅謹慎処分を受けてるはずのカートだった。
「カート⁉︎」
『っ⁉︎』
「あいつ、自宅謹慎の処分を受けたはずだろ……⁉︎」
カートの姿を見て、シンとレイジはそう反応する。
この場に居るはずがないカートが居て、周囲の人たちは驚く。
カートが両手で魔力を集めた。
「まずい!」
「ーーーー!!!!」
「っ⁉︎あのオーラは……⁉︎」
レイジがそう叫ぶ中、カートは遠慮なしに炎をシン達に向けて放った。
その際、黒いオーラが炎に集まるのを見て、レイジはそう反応した。
「くっそ‼︎」
それを見たシンは、魔力障壁で炎を防ぐ。
すると、シンは指先と顔に火傷を負う。
「シシリー!オーグ!制服に魔力を通せ‼︎」
シンは火傷を負いながらも、制服に魔力を通すように指示する。
それを聞いたオーグとシシリーは、すぐに制服に魔力を通す。
カートは炎を最大まで引き出した。
「シン!危ねぇ!」
「っ!」
レイジがそう叫ぶ中、カートが片手で最大威力の炎を放った。
それを見たレイジは。
「なら………!ヤーダを使うか!」
すると、レイジはそう叫びながらギャバリオントリガーを出すと、あるエモルギアを取り出して、ギャバリオントリガーに装填する。
『ヤーダ!』
そんな音声が鳴る中、ギャバリオントリガーのセーフティーレバーを閉じて、レイジはシンと炎の間に向けて、ギャバリオントリガーを発砲する。
『エモーショナルバースト!』
その音声が鳴ると、バリアが展開される。
ヤーダエモルギアには、バリアを作る効果があるのだ。
すると、シンが抑えてた炎が爆発する。
「クッ……………!」
レイジが顔を覆う中、こっそりとギャバリオントリガーをしまった。
さっきの爆発音を聞き、全校生徒が集まって来た。
「魔法障壁…………!」
「クッ…………⁉︎」
トニーがそう言う中、シンはそんな呻き声を出す。
炎を防いだシンの両手が火傷を負っていた。
それを見て、シシリーが叫ぶ。
「シン君!手が!」
「大丈夫……!自動治癒が発動するから……!」
シシリーがそう叫ぶ中、シンは安心させるようにそう言うと、自動治癒により、火傷が治っていく。
「大丈夫か?」
「ああ。咄嗟のことで、イメージが不完全だったみたいだ……!」
レイジがそう話しかけると、シンはそう答える。
咄嗟の事で、イメージが不完全だったが故に、負傷してしまったのだ。
「どうして奴がここに……⁉︎」
「何で⁉︎謹慎中じゃなかったの⁉︎」
「オーグ……これはもう、ダメだろ⁉︎今の完全に殺す気だったな⁉︎」
「ああ……。これは完全に殺人未遂だ!到底見過ごす事は出来ん!」
カートを見たオーグとマリアが叫ぶ中、シンとオーグはそんな風に話す。
完全に殺人未遂を起こしている為、完全にアウトなのだと。
すると。
「貴様……きさま……キサマ……キサマキサマギザマーーーー!!!!!」
カートはそんな風に叫ぶと、魔力が増大していく。
その際、先ほどの黒いモヤが取り込まれていく。
「おいおい……!」
「なあ、オーグ……!」
「何だ……?」
「あれ、魔力の制御出来てると思うか……?」
「思わんな……」
「マズくね……⁉︎」
「マズいな……‼︎」
それを見た3人は、そんな風に言う。
明らかに、魔力を制御できていないのだ。
すると。
「キサマ……キサマ……キサマ……キサマ……キサマ……‼︎ガアアアア……!!!」
カートがそう叫ぶ中、異変が起こる。
それを見た一同は、驚愕する。
『っ⁉︎』
「まさか……⁉︎」
「マジかよ………‼︎」
カートを見た面々はそんな風に呟いた。
驚愕した理由は、カートの目にあった。
カートの目は、赤く染まっていた。
つまり……。
「魔人化しやがった……‼︎」
「ああ……っ!」
カートを見た2人はそう言う。
カートは、魔人化したのだと。
すると、レイジは後ろに居た他の生徒達に気づいたのか、叫び声を出す。
「皆、逃げろ!奴は魔人化した!ここに居ると巻き添えを喰らうぞ‼︎」
「……ま……魔人……⁉︎」
「うわあああああああ!!!!」
「きゃあああああああ!!!!」
「助けてええええええ!!!!」
レイジがそう叫ぶと、他の生徒達はパニック状態になりながら逃げていく。
魔人というアールスハイドを滅亡寸前にまで追い込んだ存在が目の前に現れたのを見て、パニックに陥ったのだ。
「あたし達も早く離れよう!」
「そそっ……………その方が良さそうだっ!」
それを見たアリスとトニーがそう言う。
すると、シンとレイジが口を開く。
「オーグ、お前達も逃げろ」
「ここは俺達がどうにかする」
「っ⁉︎シン、カケル……お前達まさか……‼︎バカな!お前達も逃げろ‼︎」
「こいつを王都に放つ訳にはいかないからな!俺達が食い止める‼︎」
「ならば私達も!」
「魔物も狩った事無い奴が何言ってんだ!」
「シン……レイジ……私達は邪魔か?」
「……ああ、邪魔だな。」
「悪いけど、早く逃げてくれ」
シンとレイジがそう言う中、オーグも留まろうとするが、シンはそう叫ぶ。
シンとレイジは戦い慣れているが、オーグ達は戦い慣れていない為、足手纏いにしかならないのだ。
オーグが問うと、シンとレイジはそう言う。
オーグは、自分の不甲斐なさに歯軋りするが、すぐに切り替える。
「そうか……分かった!全員直ちにこの場を離れろ!私達が居てもシンとレイジの足手纏いになるだけだ!」
「そんな……シン君とレイジ君だけ残してなんて!」
「……!」
「メッシーナ!フローレス!引き摺ってでもクロードを連れて行け!」
「は…………はい!シシリー!」
オーグがそう叫ぶ中、シシリーはそう言う。
シンとレイジを置いて逃げる事なんて出来ないのだと。
それに対して、オーグはそう命じると、フルールとマリアは、強引にシシリーを連れて行く。
「皆も早く!トール!ユリウス!教師に連絡して対処を急げ‼︎」
「「はっ!」」
全員がすぐに避難する。
オーグは、チラリとシンとレイジを見て、すぐに避難する。
「……レイジ、ギャバン・インフィニティに蒸着するのか?」
「……いや、様子を見る。武器やギャバリオントリガーでどうにかなるかもしれないからな」
「……分かった」
シンとレイジはそんな風に話す。
レイジはそう言うと、ギャバリオントリガーとギャバリオンセイバーと呼ばれる短剣型の武器を取り出すを
2人は、カートに向き合う。
「そろそろ行くぞ、カート!」
「お前を止めてやる!」
「ゴアァアアアア!!!!」
シンとレイジがそう言うと、カートは走り出して、最大火力の炎を投げた。
一方、その頃、リアムは。
「っ!カレル様!高等魔法学院で、強大なネガティブ波動を検知!魔人が現れました!現在、レイジとシンの2人が交戦中!」
「何っ⁉︎……胸騒ぎがする。リアム、念の為に向かってくれ!もしかしたら……」
「分かりました。行ってきます!」
リアムはカレルの元にいた。
すると、強大なネガティブ波動を検知して、リアムはそう叫ぶ。
それを聞いたカレルは、リアムに向かうように指示する。
リアムは、高等魔法学院へと向かっていく。
その頃、カートの放った火球は、2人に向かっていた。
「「っ!」」
2人はそれを見て、横に飛ぶ。
「火力が強いな……!」
「(流石に魔力は魔物化した動物とは比べ物にならないな……!)レイジ!」
「ああ!オラァァ!」
レイジとシンはそんな風に反応する。
魔人の魔力は、魔物化した動物とは比べ物にならないと感じていた。
シンがそう言うと、レイジはギャバリオントリガーで銃撃、ギャバリオンセイバーで斬撃波を放ち、土煙を上げてカートの視界を奪う。
「シン!」
「おう!」
カケルがそう叫ぶと、シンはファイヤーボールを連射する。
すると、シンのファイヤーボールは、カートにダメージを与えた。
『今のでダメージあるの⁉︎足止め程度のつもりだったのに……⁉︎』
「ウォルフォードォォ‼︎ウォーカーァァァ‼︎キサマラァァァ‼︎」
「魔人が……言葉を発した⁉︎」
「こいつ……理性が残ってるのか⁉︎」
シンが足止め程度のファイヤーボールが効いているのに驚く中、カートはそう言う。
それを見て、2人は驚いた。
マーリンやディセウムから聞いていた魔人は、理性が完全に消えていたとの事だったが、理性が残っている事に驚いていたのだ。
「コロス!コロシテヤルゾ!ウォルフォード!ウォーカー!」
「おっと、危ねぇ!」
カートがそう叫びながら炎の魔法を放つ。
それを見たレイジは、火球が迫る中、ギャバリオンクレーンから発射したロープを学院の柱に結ぶ。
そして、火球の射線上から離脱する。
「シン!」
「おう!」
レイジがそう叫ぶと、シンが大きくジャンプして、雷撃をカートに浴びせる。
「ゴアアアアアアアア⁉︎」
『やはり効いている……!もしかしたら、完全に魔人になっていない……!だったら、元に戻す方法が!』
カートが雷撃で痺れる中、シンはそう思う。
まだ完全には魔人になっていないと思ったのか、元に戻せる方法があるはずだと判断した。
すると、シンはレイジに話しかける。
「レイジ。ほんの少しだけで良い。時間を稼げないか?」
「何する気だ?」
「何とかして、カートを元に戻す!」
「出来るのか?」
「分かんないけど、やるしかない!……5秒。5秒だけ時間を稼いでくれ!」
「はぁ……分かったよ」
シンとレイジはそんな風に話す。
カートを元に戻せる可能性があるから、5秒だけ時間を稼いで欲しいと頼んだのだ。
レイジはため息を吐きながらも、エモルギアを取り出して、ギャバリオントリガーに装填する。
『アガール!』
そんな音声が鳴る中、ギャバリオントリガーのセーフティーレバーを閉じて、レイジはカートに向けて、ギャバリオントリガーを発砲する。
『エモーショナルバースト!』
その音声が鳴ると。
「がっ……⁉︎」
カートの動きが鈍くなる。
アガールエモルギアには、撃ち込んだ対象の筋肉を極限まで緊張させ、体を硬化させる事が出来るのだ。
「シン!」
「これで十分だ!」
レイジがそう叫ぶと、シンはジェットブーツで素早くカートに近づき、腹にパンチを入れる。
「どうだ?」
(カートの体に俺の魔力を流し込んで、魔人の魔力を何とか中和出来れば!)
レイジがそう呟く中、シンはそんな風に考えていた。
シンは、自分の魔力をカートに流し込み、魔人の魔力を中和しようと図っていたのだ。
だが。
「ゴゥアアッ……アアッ!」
突然カートが苦しみ始めた。
それを見て、シンは魔力を流し込むのを止める。
「逆に苦しんでる……⁉︎どうなってんだ⁉︎」
「ハァ……!」
『くそっ……何か方法はないのか……⁉︎何か!カートの魔人化は恐らく完全じゃない……何か……ないのか⁉︎戻す方法は……!でも、魔物を元に戻す方法なんて聞いた事がない……!そもそもそんな事が出来るのか……⁉︎』
シンはカートが苦しむのを見て、そんな風に考えていた。
どうにかして、救えないのかと。
その結果、隙だらけになってしまい、カートは叫ぶ。
「ウォルフォォドォォオオ!」
カートが魔力を集めようとする。
すると。
「させるか!」
レイジはすぐに水刃を発動しつつ、ギャバリオントリガーを発砲する。
水刃とギャバリオントリガーから出た弾丸は、カートの魔力を霧散させる。
「シン!ボーッとすんな!」
「悪い!」
「ウォーカーァァァァ‼︎」
レイジがそう叫ぶ中、シンはそう謝る。
すると、カートは大きく叫び、魔力を集めていく。
その結果、カートは完全に理性を失ってしまった。
「まさか……自分に魔力を集めて爆発させる気か⁉︎」
「自爆する気か⁉︎
「させるか!」
「くっ!」
それを見て、2人は魔法やギャバリオントリガーで攻撃をする。
だが、カートの魔力に弾かれる。
「くそっ!あんな量の魔力……!学院ごと吹き飛んでしまう!」
「オワリダ!」
「どうする……どうすれば良い⁉︎」
「っ……!」
シンはそう叫んだ。
今のカートが集めている魔力が爆発してしまうと、高等魔法学院が吹き飛んでしまい、犠牲者が出かねないことを。
カートがそう言う中、シンはどうするかを考える中、異空間収納魔法を発動した。
そこから、剣を取り出す。
『時間はもうない……………!やるしかない‼︎』
シンはそう判断する。
その剣は、シンが作ったバイブレーションソードという物だ。
魔道具の一つであり、シンによって、超振動が付与されている。
「やるしかない…………カートを!」
「シン!」
シンは覚悟を決める。
カートを止める為に、殺める事を。
レイジがそう叫ぶ中、シンはジェットブーツでカートに向かっていく。
「許せ……カート!」
シンはそう謝りつつ、すれ違い様にカートを斬った。
「どうだ……⁉︎」
レイジはカートを見る。
すると、魔力が収まり、カートの首が斬り落とされ、カートが倒れた。
「終わったか……」
レイジはそう呟く。
カートを倒したが、シンは悔しんでいた。
「くそっ……何だよ……何なんだよ!(本当にこんな形でしか……他に方法はなかったのか……⁉︎俺……初めて……人を……)」
「シン……」
シンは、カートの血で濡れたバイブレーションソードを見ながら、そんな風に思う。
仕方なかったとはいえ、人を初めて殺めてしまった事に思うところがあったのだ。
レイジは、シンにどんな言葉をかけるべきか迷っており、呆然としていた。
そこに、シシリーとオーグがやってくる。
「大丈夫か⁉︎シン!レイジ!」
「シン君!レイジ君!怪我は⁉︎怪我はしてませんか⁉︎」
「ああ……大丈夫だよ……」
「心配かけたな」
オーグとシシリーはそう声をかけると、2人はそう答える。
4人は、倒れてるカートを見る。
「シン……君……」
「カート……あいつ……シシリーの事付け狙ってたし……魔人にまでなっちまったけど……それでも俺……討伐するしか……出来なかった事が悔しくて……絶対に可笑しい……!こんな事……何かあるはずなんだ……こんな事になった理由が……!」
「シン君……」
「シン………」
「シン………」
シシリーが声をかける中、シンは悔しそうにそう言う。
その事から、なるべくは討伐するのではなく、救いたかったという気持ちがあったのだ。
それを見て、3人はシンを心配する。
すると、他の人たちもやってくる。
「信じられない!カートが魔人化した時はもうダメかと思ったのに……」
「自分も死を覚悟しました……!」
「ウォルフォード君凄かった。」
「ね!ね!魔法も凄かったけど、剣で魔人のお腹をスパッて!」
「天晴れで御座る。あれなら、騎士養成士官学院でも主席狙えるで御座らんか?」
「うちは代々騎士の家系だけど、あんな綺麗な剣筋は見た事ないねぇ」
「ウォルフォード君ってぇ、やっぱり凄い人?」
マリア達は、シンを賞賛する。
それを聞いて、シンは呆気に取られる。
「お前ら……見てたのかよ……」
「校舎内まで避難したんだが……途中で振り返ってみたらお前達が魔人を圧倒し始めててな。そのまま見学させて貰った。それにしても……シン、お前これから大変だな。」
「何が?」
「歴史上2回目の魔人が現れたんだぞ?それをこんなアッサリ……」
シンがそう呟くと、オーグはそう言う。
オーグがそう言う中、兵士達がやってくる。
「殿下ーーーーー!ご無事ですか⁉︎魔人は何処に⁉︎我々が全力を以って……!」
「もう終わった」
「えええええ⁉︎」
「あそこに倒れているのがそうだ」
「っ⁉︎ま……まさか魔人を……討伐したのですか……⁉︎」
「ああ……………私じゃないがな」
兵士達がそんな風に叫びながら来る中、オーグはそう言う。
オーグは、シンを見ながらそう言うと、兵士達は、怪訝な表情を浮かべる。
「……?こんな……ただの魔法学院の生徒が……?」
「こんなとは何だ。彼はシン=ウォルフォード。魔人討伐の英雄、マーリン=ウォルフォードの孫だぞ!」
「け……賢者様の御孫様ですかーーーーー⁉︎」
(御孫様って……)
兵士がそう言うと、オーグはそう言って、兵士達も驚く。
シンがそれを聞いて、そんな風に思っていた。
すると、他の生徒達も来る。
「お……おい……魔人は……どうなったんだ……」
「もう大丈夫なの……⁉︎」
「誰か彼処に倒れてて……」
「やだ……!首が……!」
他の生徒達は恐る恐るでてきたが、カートの遺体を見て、そう言う。
シンは兵士に声をかける。
「すみません、マント借りても?」
「え?あ、ああ」
「ちょっと……何が起きたのよ……⁉︎」
「だ……誰か死んだのか……⁉︎」
シンは兵士に話しかけると、マントを借りて、カートの遺体にかける。
それを見て、周囲がそんな風に騒ぐ。
すると。
「レイジ!」
「リアム。どうしてこんな所に居るんだ?」
「まだ終わってない!」
「えっ?」
「エモ〜………!」
そこに、リアムが現れて、そんな風に言う。
レイジが困惑する中、そんな声が聞こえてくる。
「ん?これって……?」
「っ!シン、それから手を離せ!」
「えっ?うわっ⁉︎」
「シン君!大丈夫ですか⁉︎」
「あ、ああ……!」
「何だあれは……⁉︎」
すると、シンはカートから出てきた黒いエモルギアを手に持つ。
首を傾げる中、レイジはそう叫ぶ。
すると、黒いエモルギアが回転して、オーラが出ると、シンは吹き飛ばされる。
シシリーがシンに駆け寄る中、オーグは困惑する表情を浮かべる。
そして、黒いオーラが集まると。
「ぐぁぁぁぁ!」
そのオーラは怪物となって、顕現した。
黒と灰色の靄状のエネルギーが二足歩行の怪物として実体化した様な出で立ちで、棘の生えた甲羅を思わせる形状になった頭部の真正面に配される赤い単眼が目立っており、鋭いトゲと鉤爪を生やした両腕を備えている。
「な……何あれ……⁉︎」
「魔物……⁉︎」
「何でいきなり……⁉︎」
「……やっぱりか。彼の悪意に当てられて、エモンズが発生した!」
「エモンズ?」
マリア、フルール、ユーリの三人がそんな風に言う中、リアムはそう言う。
現れたのは、エモンズ。
黒いエモルギア……ネガエモルギアと所有者のネガティブ感情が共鳴する事で誕生するモンスターである。
オーグがそう首を傾げる中。
「……ほう。なかなかエモンズが誕生しないと思ったら……カート=フォン=リッツバーグが魔人化していた時には、奴の強化に使われていたと言うことか。なかなかの個体となっているようだな」
それを見ていた黒いギャバンは、そんな風に呟いていた。
なかなかエモンズが誕生しない事を訝しんでいたが、納得していた。
黒いギャバンが去っていくと。
「全員戦闘態勢に入れ!魔物を討伐するぞ!」
『了解!』
「待ってくれ」
「なっ……⁉︎」
兵士達は、エモンズへと向かっていこうとした。
すると、レイジが兵士達に待ったをかける。
「ここから先は……俺に任せろ」
「な、何を言っているんだキミは⁉︎」 「そうだよ危険だよ!」 「危ない!」
「レイジ君……⁉︎」
レイジはそんな風に言う。
兵士やアリス、リン、フルールがそう反応する中、レイジはギャバリオントリガーを取り出す。
「なんだ、あれ……?」 「魔道具?」 「いったいなんなの⁉︎」
それを見たトニー、ユーリ、リンがそう反応する中、レイジはゲキドーのエモルギアのボタンを押して、ギャバリオントリガーに装填する。
『ゲキドー!チャージ!』
そんな音声が鳴る中、レイジにエモンズ・パウンドが向かってきて、レイジは攻撃を躱すと。
「蒸着!」
レイジはそう叫びながら、トリガーを引く。
『ゲキドー!アクティベート!』
そんな音声が鳴ると、レイジに光の粒子が集まり、姿が変わっていく。
その見た目は、赤を基調とし、手足の先が銀色のグラデーションとなっている戦士だった。
エモンズの攻撃を受け止めると。
「えぇぇぇぇ⁉︎」
「レイジの姿が変わった⁉︎」
「何だ……あれは……⁉︎」
「レイジ君……⁉︎」
「皆の前では初披露だな。宇宙刑事ギャバン・インフィニティ」
シシリー達がが驚愕の表情を浮かべながらそう言うと、レイジはそう名乗った。
蒸着!
それは、ギャバンシステムの発動のコマンドだ。
では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!
『ゲキドー!チャージ!』
蒸着コマンドを受けて、臨界点を越えたエモルギーがトリガー内に凝縮されたギャバリオン粒子と融合。
「蒸着!」
僅か1ミリ秒でコンバットスーツへと投射形成され、蒸着を完了するのだ!
『ゲキドー!アクティベート!』
これが、ギャバン・インフィニティへの蒸着プロセスだ。
「宇宙刑事……⁉︎」
「ギャバン……⁉︎」
「インフィニティ……⁉︎」
「何あれ……すっごくかっこいい!」
レイジの名乗りを聞いて、ユリウス、トール、アリスはそんな風に反応する。
そして、フルールはそんな風に叫んだ。
すると。
「ふっ!」
レイジはエモンズへと素早く向かうと、エモンズを突き飛ばす。
そして、突き飛ばしたエモンズに向かって、ギャバリオントリガーを発砲する。
「おらっ!ハァァァァァ!」
エモンズが怯む中、レイジは接近して、パンチやキックを繰り出していく。
エモンズは反撃のために両腕で攻撃するが、レイジは攻撃を逸らしたりする。
「すっげぇ……!」
「あの魔物を圧倒しているだと……⁉︎」
それを見ていたシンとオーグはそんな風に反応する。
そんな中、レイジは。
『……カート。お前に何があったのかは分からねぇ。だが、権力を使って、シシリーを振り向かせる事が出来たら、それで満足なのか⁉︎シシリーが嫌がってるのが見えてない奴の言葉が……シシリーに響くと思ってんのか!』
レイジはそんな風に心の中で思っていた。
カートのそんな行動に対する怒りがあったのか。
そして、レイジが警察手帳を取り出すと、そこから、剣が現れる。
「ハアッ!」
レイジはすれ違い様に剣……ギャバリオンブレードでエモンズを一閃する。
「剣が現れたでござる!」
「レイジも……剣術が凄まじい……!」
それを見ていたユリウスとトニーはそんな風に反応する。
レイジは右手にギャバリオンブレードを、左手にギャバリオントリガーを持って、エモンズと応戦していく。
「グアアアッ……!ふっ!」
「ふっ!ハァァァァァ!」
エモンズは、両腕から鈎爪の電撃ビームを放つ。
だが、そのビームは、腕のブースターを起動したレイジの高速機動にかわされた。
レイジは移動しつつ、ギャバリオントリガーを発砲していく。
「ふっ!ふっ!ハァァァァァ!」
レイジはエモンズのビームを躱しつつ、翻弄していく。
ある程度躱して、ギャバリオントリガーを発砲すると。
「ハァァァァァ!オリャアーッ!」
レイジはスライディングしながらエモンズに接近して、ギャバリオントリガーを発砲して、ギャバリオンブレードで斬撃する。
レイジの攻撃に、エモンズが圧倒されると。
「ギャバリオンブレード!ふっ!」
レイジがそう言いながらギャバリオンブレードを撫でると、体が光り、ギャバリオンブレードも赤く発光する。
今のギャバンインフィニティは、激光モードになったのだ。
「グアアアッ……!」
「ハアーッ!はっ!はっ!ハァァァァァ!」
エモンズがそんな呻き声を出す中、レイジはそう叫ぶと、赤い残光を出しながら、エモンズにギャバリオンブレードで何度も斬撃を行う。
そして。
「お天道様を……怒らせんなぁぁぁーーーっ!」
レイジはそう叫ぶと、ギャバリオンブレードで大きく斬撃を行う。
それを受けたエモンズは爆発する。
「やった……のか?」
「エモンズ、撃破」
オーグがそう呟く中、リアムは冷静にそう呟いた。
「凄いよ、レイジ君!そのギャバン・インフィニティって何なの⁉︎」
「いや……話すと長くなるんだけどな……」
フルールは興奮したのか、レイジに近寄って、そんな風に言う。
レイジがどう答えるべきか、悩んでいると。
「エ〜モ〜……!」
「っ⁉︎」
「何だ⁉︎」
そんな声が聞こえてくる。
レイジ達が声のした方を向くと、そこにはカートの側にあったネガエモルギアがあった。
ハズーイのネガエモルギアがそんな風に言うと、ネガエモルギアから黒い怪物のようなゲートが現れる。
「何だ⁉︎」
「殿下、お下がり下さい!」
「あれは一体……何でござるか⁉︎」
「言わんこっちゃねぇ……!」
「ネガティブ波動を浴びすぎて、暴発したんだ!」
「暴発⁉︎」
それを見て、オーグがそう言う中、トールとユリウスがオーグを守るように前に出る。
レイジとリアムはそう言う。
ネガエモルギアが、カートの残留したネガティブ波動を浴び過ぎた結果、暴発したのだと。
そのゲートのようなモヤが口を開けると、その先には、建物が並んでいた。
「魔空空間……!」
「魔空空間……?」
それを見たレイジは、そんな風に呟き、フルールはそう反応した。
現れたのは、魔空空間への入り口だ。
魔空空間。
それは、無数の次元が複雑に絡まり、時間も空間も乱れている不条理世界であり、内部は上下に廃墟と化した無数のビル群が建ち並んでいた。
魔空空間内は瘴気が充満しており、普通の人間が足を踏み入れたら最後、体が引き裂かれてしまい、消滅してしまう。
魔空空間のゲートが口を大きく開けると、周囲の物を吸い込んでいく。
「「きゃあああ⁉︎」」
「何が起こってるんだ⁉︎」
「吸い込まれる……⁉︎」
「きゃあああ⁉︎」
「フルール!」
魔空空間のゲートが周囲の物を吸い込み始めると、皆は吸い込まれそうになり、何とか耐える。
だが、レイジの近くにいたフルールが魔空空間に吸い込まれそうになる。
すると。
「ふっ!」
「っ⁉︎」
レイジはフルールをお姫様抱っこの要領でキャッチする。
それを受けて、フルールが顔を赤くすると。
「リアム!頼んだぞ!」
「任せろ!」
「きゃあああ⁉︎」
レイジはフルールをリアムの方へと投げて、リアムはフルールをキャッチする。
そんな中、レイジは。
「まだ完全に魔空空間が開ききってない!今なら……!」
レイジはそう言うと、ゲキドーエモルギアのボタンを押す。
すると、絵柄が更に怒っているような見た目になる。
『ゲキドー!』
「エモーショナルバースト!」
そんな音声が鳴る中、ギャバリオントリガーのセーフティーレバーを閉じて、レイジはそう叫びながら、魔空空間のゲートに向けて、ギャバリオントリガーを発砲する。
『エモーショナルバースト!』
すると、ギャバリオントリガーから赤いビームが出て、魔空空間のゲートのコアのような物を撃ち抜く。
それを受けて、魔空空間のゲートは消滅していった。
「ふぅ……危ねぇ……よし。リアム、エモルギアは押収したぜ」
「了解。よくやったよ」
レイジがほっと一息吐くと、リアムにそう話しかける。
リアムがそう答えて、レイジの事を労う中。
『……あれ……なんか、私……凄い胸がドキドキする……何で……⁉︎』
フルールはそんな風にドキドキしていた。
果たして、その感情の意味とは……。
そんな中、まだ騒ついている生徒達を見て、オーグは一息吐くと、口を開く。
「皆の者、安心しろ!魔人は賢者マーリン殿の孫、シン=ウォルフォードが!謎の魔物はシン=ウォルフォードの親友、レイジ=ウォーカーが討伐した!」
オーグはそんな風に叫んだ。
それを聞いた周りの人たちは。
『うぉぉぉぉぉ!』
「凄い!流石は賢者様の孫にその親友だ!」
「英雄!」
「新たな英雄だ!」
「シン=ウォルフォードに、レイジ=ウォーカー!」
『シーン!レーイジ!シーン!レーイジ!』
魔人が討伐されたと聞いて、周りの人たちはそんな風に叫んだ。
シンとレイジの名前のコールが始まる中。
「凄……」
「恥ずすぎる……!」
「……」
「やはり、こうなったか……」
『この事か、さっき言いかけたのは……』
マリアがそう呟く中、シンは顔を赤くして蹲り、レイジは何とも言えない表情を浮かべる。
オーグがそう呟くと、シンはそんな風に思った。
こうして、アールスハイド王国に二度目となる魔人の出現という出来事は、すぐに興奮冷めない中、収束していったのだった。
だが……。
「……こんな所か。あまり役には立たなかったな。それに……ギャバン・インフィニティ。お前はいずれ、必ず……!」
黒いギャバンはそんな風に言うと、その場から撤退していく。
そして。
『……いきなり英雄って呼ばれてもな……。カートの命が無くなったんだけどな……それに、何でネガエモルギアが……』
レイジはそんな風に思っていた。
いきなり英雄と呼ばれて困惑していたり、カートの命が消えてしまった事、ネガエモルギアがこの場にある事を気にしていた。
レイジは、手放しで勝利を喜んでいなかったのだ。
今回はここまでです。
今回は、カート戦です。
魔人となったカートだけでなく、デス・ギャバンがシュトロームを介して渡していたネガエモルギアから、エモンズと魔空空間が現れる。
レイジはフルールを助けて、フルールはキュンとしたという。
ベタな展開ですが、いいかなと思いまして。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
オメガホーンで、大佐とアギの2人がオメガホーンの世界に向かっていきますね。
そして、ギャバンインフィニティVSライヤの予告も来ていましたね。
どんな感じになるのか、楽しみです。