「待て待て待て……」
スマホに写る文字を受け入れられなくて周囲をグルグルと回ってしまう
(戦略投資部や兵器開発部は存続に投票している…)
他の部も変わっていないはずだ…
数的有利はこちらにあるはず…なのになぜ議決が延期されている?
「……またあいつらか…」
こんな突飛なことは…転生者しか起こせないはずだ
死告魔も細胞は全て確認したはずなのに…
これまでのストーリーを改変しようとした時に起きた不可解な出来事からハジメはある結論を導き出していた
(転生者は…現実改変かそれに近しい能力を持っている…)
ストーリーの狂信者なのかは知らないが、シンパを引き連れて邪魔をしてくる
実際にストーリーの中にいないはずのハジメを消そうと何度も襲撃されていた
(ならかなり不味い…まぁ…二相楽園の存続は変わらないが…それよりも…)
ハジメが心配しているのはアポリのこと
ストーリーだけをしていた時は情けのかける必要のない悪人というだけの認識だったが、何とか貪欲に関わらせないように立ち回り、アポリとの関係性も深めた時、少しだけ…ほんの少しだが情が芽生えてしまった
だが…本編に沿うようになるならアポリは死ぬ
招き入れた帰寂によりライトハウス…マーカス・アンチアリの記憶を呼び戻され、マーカスが何かをしたことで貪欲に呑まれてしまった
「おーい!ハジメ!」
そんなことを考えていると、星がこちらに歩いてくる
「ああ。ダメだったか…」
「うん、
(やっぱり他の人からしたら同数なのか…)
明らかに数が合わないのに星は認識していない
本編通りに進むようになっているのか…
「この後はケネス・在田のところに行くのか?」
「うん。でも…変なケネス・在田に「尊重」がなんちゃらかんちゃらって言われてさ…」
ここも本編通りだ
このまま行けばケネス・在田と話し合い、二相楽園の存続が決まるだろう
つまり、ハジメがすることはない
(なら…こっちは…)
「星、俺はやることが出来たから別行動させてもらうぞ」
「う、うん。気を付けてね」
星に別れを告げてその場を後にする
そのまま千星シティを歩く
少し歩いたところで、一定の距離を保って着いてきている人が数名いることに気が付いた
(尾行…明らかにあのカルト集団か…)
そのまま誰もいない場所まで歩いていく
そのまま足に力を入れ、跳躍する
下の方で慌てた声がしている
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「おい!?奴はどこに行った!?」
「ここに入ったのは目撃しています!」
「えええい!早く探せ!」
黒いローブを纏った集団は蜘蛛の子を散らすように走り出す
だが、上から影が降り、次々と意識を狩り取られて行く
「誰だ!?…ガッ!?」
「逃げ…ギャッ!?」
そのまま数はみるみると減っていき、いつしかそこには一人しかたっていなかった
その男は逃げようとするが、上から降ってきた人物に踏みつけられる
そのまま倒れ、上から足で押さえつけられる
「よぉ。こんな男たちに後追っかけられてもうれしくねぇんだよ」
「き…貴様は!」
男を踏みつけているのはハジメ
その手には大剣が握られ、男の首に突き付けられている
「さ、いろいろ教えてもらおうか」