「ねぇねぇ!このベッド良くない!?ダブルで2人で寝ても全然狭くないし!」
「あ〜そうだな…」
「店員さん!これ買います!一括で!」
今、ハジメは同棲する家の家具をトパーズと共に買って回っていた
トパーズは基本的に2人で一緒にいれるような家具を買い漁っている
どんな高い物でも一括で買っていく彼女の財力にひれ伏しそうになる
(ここ…千星シティだよな…俺がグラフィエ学院卒業してから今まで働いてきてやっとローン使えるくらいになったのに…)
やはり十の石心はレベルが違う
一日が終わる頃には数億円が消えていた
「ん〜!良い買い物出来たね!ハジメ!」
「そうだな…今度金は渡すよ…」
「良いのよ!どうせいつか結婚するんだし夫婦の財産は共有するものよ!なんならハジメのこと私が養ってもいいのよ?」
「それは却下」
ヒモになんてなったら戻れない
相手が十の石心なら尚更だ
「ね、ねぇ…ハジメ…」
家に着いた頃、風呂と夕食を終えてあとは寝るだけの時、自室にトパーズが尋ねてきた
まだダブルベットなどは届いていないから部屋は分けられている
そんな中、ドアを開けてきたトパーズの格好は黒の下着姿だった
「っ!?なんちゅう格好してんだよ!?」
「もう…どうせこの後裸になるんだし…もう見られてるしね?」
ジリジリと近づいてきたトパーズにそのままベッドに押し付けられる
鼻息を荒くして頬を紅潮させたトパーズは舌なめずりをした後にハジメの首筋を舐める
ドクンと心臓が跳ねる
(あれ…なんか…体が熱い…)
だんだん体が火照ってくる
別にご飯に薬が盛られた訳ではない
(興奮してる?俺が?トパーズに?)
目の前には性の欲望を隠さない美女
普通の男なら興奮しない方がおかしい
(この女…雌…欲しい…)
「あっ♡その目…」
トパーズの首を掴んで逆にベッドに押し付けるように回る
トパーズは先程の嗜虐心とは逆に被虐的な興奮に身を委ねている
そのまま、その胸に顔を埋める
その夜は、部屋から甘い声が絶えなかった
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「ふぁ〜眠い…」
昨日の夜、またハッスルしたようで起きても寝た気がしなかった
寝不足のまま、また生研院に向かう
今日は大事な話があるらしい
「来たか」
「こんにちは」
たんぽぽみたいなアポリの前に立つ
アポリの横にはマスタカが書類を持って立っている
「ハジメ、今日からお前は左遷だ」
「え?」
急に告げられた左遷
呆然としているハジメにマスタカが書類を渡しに来る
その書類は二相楽園についての書類だった
「……またタチの悪いジョークか?」
「ハハッ。呆然としているお前は随分お笑いものだったぞ。正確に言えば出張だ」
書類には二相楽園についての色々が書かれている
そして…最後のページには…
(来たか…貪欲の造物…)
最初に言おう。この世界ではマーカス・アンチアリはハジメの親友として清廉潔白のライトハウスとして千星シティを守っている
本来の世界線では死告魔として暴れるはずだったマーカス・アンチアリ
だが、二相楽園がスポーン場所だったハジメはなるべく平穏な人生を送るため、二相楽園がめちゃくちゃ原因でもある死告魔事件を防ぐのを最初の目標とした
グラフィエ学院に気合いで入学し、二相楽園でマーカス・アンチアリと親友になる
彼の動向に目を光らせ、恐らく帰寂が入れ替えたであろう倏忽の細胞を回収した
(……まさかここまで響くとは…)
これで死告魔事件は解決…そう行くと思ったが、ハジメは大事なことを忘れていた
ハジメのように事前知識を持って転生した人がいるなら、他にもいるはず
そして、その転生者は、生粋の曇らせ好きだった
姫子の曇らせの原因でもある死告魔事件を無くすことは彼にとって許せないことだったらしく、まさかの彼自身が倏忽の細胞を飲み込み、死告魔として本編を超える500人以上を殺害した
「今回、二相楽園でハッピーオペと呼ばれるものが蔓延しているらしくてな。少し調査してきて欲しい」
「……なんか裏は?」
「無いさ。もし興味のあるものだったら実験に使うかもしれないがな」
この世界のアポリは本編と大きく違う
それはハジメがマーカスの近くにいた事でアポリも実験を行わず、なんなら兵器開発部としてアポリの部下にハジメが就職してからは彼女をひたすら兵器開発で忙殺したため、特に二相楽園に大きく関わっていなのだ
なんならハジメの案で様々な兵器が生まれているため貪欲の神骸兵器化は数百年後にまで延期されている
(満願…お前…)
ハピオペと聞いて思い出すのは満願
本編でも自分を殺した二相楽園への恨みから人々に倏忽の細胞をばら撒き、一種のパンデミックを起こしていた
この世界では何も無く、もしかしたら生研院で働ける未来もあったはずなのに
「わかりました。行きます」
もし、死告魔擬きのせいで彼女の心に闇が巣食ってしまったのなら俺が晴らすしかない
彼女は優しく、人を思いやれる人間なんだから
そんな思いを抱えて、ハジメは二相楽園へと向かった