「……私は…」
「ッ!アポリ!起きたのか!」
隅で寝かせていたアポリが目覚める
本編のようにマスタカの体ではなく、貪欲で得た体そのままで目覚める
ハジメの大剣によって貪欲が分離されたため、今の彼女はただの人間に戻っている
「ああ…ひどいものを見た…」
「あんた、貪欲ぶち込まれてたぞ。何を見たんだ?」
「凡人には……とても御しがたい…私が手を出してはいけない物だ…一時でもあんなものを求めていたことに寒気がする…」
弱っているからか、少し萎れているアポリ
機能を復活させたマスタカたちがせわしなく動いて救急キッドなどでアポリを治療している
「少しの間…休ませてもらおう…」
『申し訳ありませんが、まだお休みになるには早いですよ』
「パール…」
アポリの前に、ホログラムが立つ
生研院の騒動が収まったことを聞き、パールから衛星間通信が行われているのだ
「……ここまでの被害を出した私を処分しに来たか?」
『……今、カンパニー内では貴女の処分について議論が行われています。現在、処分と研究所行きの2択で投票が割れており、戦略投資部を除いた票数で拮抗しております』
「ハハ…殺処分かモルモット扱い…どちらにせよ…」
『ええ。人としての扱いをされることはないでしょう』
パールが出してきた2択はどちらも未来が見えず、アポリも自嘲するように笑っている
だが、パールはアポリの反応に対して首を振る
『しかし、それを回避する第三の選択肢もあります』
「…ろくな物ではないだろうが…一応聞いておこう…」
『貴女には、部下ともども技術開発部から戦略投資部に異動してもらいます』
「……は?」
パールが提示したのはアポリ、マスタカ、そしてハジメの3人が技術開発部から戦略投資部に異動することだった
『この案には他十の石心も賛成しています。アポリ、貴女さえ首を縦に振ればすべてが丸く収まります』
「…………その案を受け入れれば、命は助かるんだな?」
『はい。それは保証いたします』
「…わかった。お前の提案に乗ろう」
アポリはパールの提案を飲む
パールはハジメの端末に異動届を転送する
アポリがサインすることでアポリ、マスタカ、ハジメは完全に戦略投資部に異動となった
「はぁ…まさか戦略投資部に入ることになるとはな…」
『ええ。私も想定していませんでした。それでは、ハジメさんは至急二相楽園に戻ってきてください。これから正式な秘書として仕事をしてもらいます』
「…おいちょっと待て。正式な秘書とはなんだ。ハジメは期間限定で貸し出しているだけで、私の部下だぞ」
『何言ってるのですか?異動届にも書いてありますよ。アポリ・マスタカ・ハジメの
「待て!そんな話は聞いて…ゴホッ…ゴホッ…」
パールに怒鳴りつけようとしたアポリは途中で咳き込んで倒れてしまう
それを見下ろすパールは心做しか少しドヤ顔をしている気がした
ほらハジメ、トパーズが家で赤飯炊いてんぞ