「こんにちは。兵器開発部のハジメ・ヒラサワさん」
「こんにちは。今日からお世話になります」
二相楽園に着いてから最初に向かったのは二相楽園のCEOでもあるパールさんのところである
二相楽園のCEOで十の石心でもあるパールさんはハジメの直々の上司となる彼女の元を訪れていた
「今日から一時的に投資戦略部として働いていただきます。早速ですが、私の秘書として書類を纏めていただきたい」
まさかの出社5分でデスクワークらしい
見慣れたくらいの書類の山を目の前にボンと出される
「分かりました。デスクはどこに…」
「こちらに用意しました」
パールの差す先にはパールが使うであろう机の右斜め前にぽつんと置かれた椅子と机
パールさんの部屋のテイストとは全く合わない机が異質感を醸し出している
「……もしかして…信頼されてないですか?一応同じ会社ですよ…」
「肯定。先日、市場開拓部からのスパイを捕縛したため、市場開拓部と提携している兵器開発部の貴方も十分警戒対象です」
オムニックらしく無機質な目を向けてくる
まぁ、確かに市場開拓部のオズワルドと戦略投資部のダイヤモンドはバチバチだし、戦略投資部ならスパイも送りかねない
前日にスパイが捕まってから次は兵器開発部から来たってなったら疑うのも無理はない
「では、仕事を開始してください」
パールさんに腕を掴まれて席に着かされる
ハジメを座らせたパールはそのまま席に戻って仕事を開始した
(まぁ…別にアポリからそんなこと頼まれてないし真面目に仕事するか)
ハジメも普通なら終わりの見えないような仕事に向かい合っていった
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「お疲れさまでした。今日はこちらが手配した寮で休息をとって下さい」
パールから渡された地図を受け取り、パールの部屋を後にする
「さて…夕飯はどうしようか…」
数多の書類を倒した彼に次に襲い掛かるのは空腹問題
パールの説明だと家に食料は備蓄されているらしいが、せっかく来たのだから外食を食べたい
「やっぱ仕事で疲れた時はラーメンだよなぁ」
日本でバイトをしていた時から続いている一種のルーティンのようなもの
仕事で疲れた体に濃いめ多めの塩分を叩き込む
やはり今日のような日にはラーメンしかない
早速スマホで近くのラーメン屋を調べる
近くにおいしそうなラーメン屋さんを見つけ、すぐさまそこに向かう
「塩とんこつ一丁!多め濃いめ固めで!」
ラーメン屋で席に座って塩とんこつを頼む
すぐに出されたラーメンは日本で食べていたラーメンに匹敵…いや、勝るほどのこってり感で体に塩分がしみわたっていくのを感じた
「あ~うめぇ~」
替え玉を3回して最後はスープに浸した海苔でご飯を、スープまで全部飲み干す
「ごちそうさまでした」
器をカウンター上に置き、席を立とうとした時、横から綺麗にラーメンがスライドしてくる
それは山のようにもやしが盛られ、上からこれでもかと背油がかけられている
(え?)
「私の奢りよ。君、おいしそうに食べるから」
隣から低めの美しい声が聞こえてくる
(こっ!?この声は!?)
隣を見ると、全身を黒い衣装に身を包んで美女がそこに座っていた
超常現象管理局所属…は表の顔で二相楽園に1,000年は棲みついている悪獣の巫女…古獣の末裔である「朽葉」は、ハジメの目を見て怪しく笑みを浮かべた
「それとも…もう満腹?」
挑発するような笑み
別にラーメン1杯程度は腹ははち切れない
その誘いに乗るように、席に戻り、スープから口を付ける
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「マジかよ…」
「とても良かったわ」
ハジメは、ベッドで横向けに寝転がり、全裸の体をシーツで覆い隠してシクシク泣いている
その隣で、ハジメに膝枕をしているのはこちらも一糸もまとわぬ姿の朽葉
(母さん…父さん…俺は見境の無いクズになってしまったみたいです…)
ラーメンのルーティンは作者の実話です
日曜日にも関わらず飲食店の締めを男3人で終わらせなきゃいけなかった日…結局人手が足らず、22時閉店なのに仕事が終わったのは23時
作者含めた疲れ切った大学生2人に社会人の先輩がラーメンを奢ってくれた時から何か疲れた時はラーメンをぶち込むことにしてます
色んな話をしながら食べるラーメンはめちゃくちゃ美味しかったです