「んぐっ…ん…」
互いに裸のまま抱き合い、朽葉さんが首元に歯を立てるのをジッと受け止める
もうこれで10は超えた
「なんででしょうね…歯を立てる度に旨みが…」
ジュルジュルと音がする
まさか啜ってるのか?
「ぷはぁ…これ以上やってはダメね…」
ようやく首筋から口を離してくれた
朽葉は口の横を滴っている赤い液体をペロリと舐めるとそのまま離れる
「美味しかったわ。ご馳走様」
再度ペロリと舌なめずりをした朽葉はものすごい魅力を放っており、一瞬見蕩れてしまう
「貴方、これからもいるんですよね?なら連絡先くらいは交換しときましょう」
朽葉はいつの間にかスマホを2台手に持っており、片方はハジメのものだった
パスワードをスラスラと解くと連絡先を追加する
「では、私はこれから職務がありますのでお先に失礼します」
ぱっぱと服を着替えた朽葉さんはそのまま部屋から去っていった
ハジメもすぐに服を着て1度寮に帰る
まさか引っ越したばかりの寮に朝帰りすることになるとは…
寮でシャワーを浴び、服装を整えて出勤する
ピロンッ!
出勤中の電車の中、朽葉さんから連絡が来る
一応画面の明るさを最低にしてから見る
送られてきた写真は鏡の前で行為をしている朽葉とハジメの写真
よく見ると朽葉さんは両腕を後ろで掴まれて乱れているだけのようで写真を撮っているのはハジメだ
(俺が?写真を撮った?)
記憶にない写真と共に「また今夜♡」と連絡が来る
まぁ一旦ここら辺は頭の片隅に追いやり、珠星ビルに入る
珠星ビルの中を進んでパールさんの部屋のドアをノックする
「どうぞ」
中から声が聞こえ、ドアを開ける
そこにはパールさんが昨日と変わらずデスクで仕事に打ち込んでいた
「もしかして…ずっと仕事を?」
「肯定。オムニックには充電と冷却以外休息は不要です」
書類から目を離さずに作業するパールさん
ハジメも自分のデスクに戻り、仕事を開始する
今日も今日とて二相楽園についての書類に目を通して処理する
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「……疑問。今日は前日より仕事の効率が50%向上しています」
「ホントですか?俺はいつもと変わらないと思いますけど…」
終わった書類の山をパールさんに渡す
もう外はかなり暗くなっているだろう
「じゃあ、俺は帰りますね」
「はい。お疲れ様でした」
パールさんに挨拶して珠星ビルを後にする
朽葉さんから引っ切り無しに連絡が来ているが無視して「帰れば問題ないだろう…ですよね?」
珠星ビルから出て寮に帰ろうとした時、ビルの出口横に寄りかかっている朽葉がいた
ダッシュで逃げようとするが、朽葉に捕まえられ、肩に担がれる
そのまま寮まで連れていかれる
「誰か助けてッ!?助けッ!?もがががっ!?」
口をふさがれ、そのまま寝室まで連れていかれる
今回はしっかり覚えてる…貪られました
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パール視点
「推測…彼が市場開拓部のスパイである可能性は0%」
彼が処理した書類を纏める
その中でハジメがスパイである可能性を演算
彼の仕事処理能力は予想をはるかに超えており、仕事効率が200%上がっている
「………兵器開発部…」
黒い噂の絶えない市場開拓部と提携を結んでいるという
今こそはいろいろ平和な兵器を開発しているらしいが、ハジメが採用される前に貪欲について研究していたと聞く
「…………そんなところにいるには惜しい人材ですね…」
どうにか引き抜けないかと考えていると、端末に電話がかかってくる
名前は「エレーナ」と書かれている
「こんばんわエレーナさん。電話をかけてくるとは珍しいですね」
「こんばんわ~パール。ちょっとウチの夫がそっちに働きに行ってるらしくて迷惑かけてないかな~って思ってさ」
夫?
「疑問…エレーナさんにはお付き合いしている方すらいなかったと記憶していますが…」
「グっ…直接的だね………ハジメっていうんだけど…彼どうしてる?」
「……ハジメさんが?」
パールの演算能力が悲鳴を上げる
彼が?エレーナさんの?夫?
「ほぇ?」
「パ、パール?オムニックとは思えない声が出てるわよ?」
「すみません…あまりにも衝撃的過ぎてオーバーヒートしかけていました…」
何とか冷静さを保つパール
それを聞いたエレーナはフフッと笑みをこぼしながら本題に入る
「それでさ…ハジメの仕事ぶりはどうだった?」
「彼の職務効率はかなり高く、2日だけですが利益が80%増加しています」
「やっぱり!前に彼の資料見た時にとってもまとまっててずっと目を付けてたんだよね!」
以前行われた兵器開発部と戦略投資部のミーティングで資料を担当したのはハジメだった
その時からエレーナ……トパーズは目を付けていたのだ
「それでさ…彼を…兵器開発部から引き抜こうと思ってるんだ」
「ヘッドハンティング…ですか。肯定。それが良いと思います」
暗い室内で2人の女が顔を向かい合わせる
その顔は利益を追い求めるカンパニーの社員として、同じ会社内から人材を引き抜こうとする狩人の顔だった