Q.超かぐや姫に男主を突っ込んだ罪の数を証明しましょう。 作:夢城
これから、頑張って投稿していくのですが...。お気に入り登録してくれる人達がいて感謝感激っ...!!
誤字訂正もありがとうございます(泣)
「彩葉どこに行っちゃったのぉ〜?」
彩葉さんがパジャマで家を出ていった後、少女は大の字になって寝転がっていた。
自由人、そう言えるほど自由に動き回っていた。
冷蔵庫は開けるし、タブレット端末で色々漁り、飽きたら僕の身体に抱きついて寝るという異常現象が起きていた。
「ん〜!!暖かいねぇ、、船〜」
「お気に召したのなら良いけど」
名前を教えてはいないが何故か僕の名前を知っている少女に疑問を持ったが、僕は考えることをやめた。
ぐぅ〜と再び少女から腹の音がなった、お腹がすいているらしい。
「.....お腹すいたぁ」
「彩葉さんがコンビニで何か買ってくると思うよ、大人しく待っててね。」
「....ただいま」
噂をしてたらなんとやら、ゲッソリした彩葉さんがコンビニから帰ってきた。
「五百九十四円、五食分....てか、二時だぞ二時」
ブツブツ言いながら、オムライスを袋からだし、少女の目の前に差し出した。
彩葉さんは冷蔵庫からタコライスを取り出し電子レンジに入れ解凍した。
ついでに僕にも買ってきてくれたらしく、有難く頂くとしよう。
「いただきます」
彩葉 船 謎の少女の遅すぎるディナーが始まった。
黙々とタコライス味わう彩葉とは逆に少女は左手にスプーンをオムライスに突き刺した。
そして、オムライスを掬い取って口にふくんだ。
「すごい!!何これ?」
そのまま、目を輝かせスプーンが進めに進めまくった。
よっぽどお腹が空いていたのか、それともオムライスという物を初めて食べたのか、どっちでも良いが凄い勢いでほうばっていた。
「オムライス。美味かった?」
「オムライス?!これ、大好き!!」
僕が少女に問いかけると、質問攻めにあった。
「この黄色いのは?赤いのは?中のちっさいモキュモキュしたのは?」
「鳥の卵とケチャップと鶏肉だよ。」
「それにしても....よく食べるじゃん」
「勘弁して欲しいけどね。食費が困るんだから、にしてもあなた、どこから来たの?」
少女はスプーンを止めると、まるであそこから来たに決まってるじゃんと言いたげそうな表情で指を指した。
「月?」
「で?月から来た宇宙人は何しに来たの?侵略?」
まぁ、そうなるよな。月からなら宇宙人だし、....いや、この子からしたら僕たちも宇宙人なのか??あぁーもう分からんからいいや!!
「うーん、何か楽しい所に逃げたいなぁって思った気がする。」
「行動力の塊じゃん、凄いね」
「えへへー、褒めて褒めて〜?」
「船....褒める必要なんてないから」
厳しい言葉が彩葉さんから飛んできた。
「確かに行動力が高いのは認める、でも逃げるのは簡単だけど、その後のスタートは大変だよ?覚悟あんの?」
「覚悟〜?やりたくなかったらやんない。やりたかったらやる!」
「まぁ、気持ちは分かるよ。やる気がある時はだ全然やる気湧いてくるけど、無い時は面倒くさくなるものだよねぇ〜」
「お〜、流石、船だねぇ私のこと分かってる〜!」
少女にグッとサインをもらい。彩葉には鬼の形相で睨めつけられていた。
こ、こわい....っ。
「船はこれ以上、余計なことは言わないで。あと、日々がつまんないとか当たり前」
「え!やだー!彩葉ほんとうにそれでいいのー!」
「良いとか悪いとかじゃな....って何で私の名前知ってる!?」
それな。僕の名前も知ってたし、彩葉さんの名前も知ってるって...不思議な子だな。
「あのさ、ちなみにだけど、これに心当たりは?」
「なにこれ?」
彩葉さんが少女に見せたのは『竹取物語』。
月から来たからかぐや姫と同じ概念ってことね。
「竹取物語だね。簡単に言えば月から来た姫が竹の中から出てきて、結婚迫られたり色々ある物語だっけ?」
彩葉さんを見つめて確認を取った。まぁ、そうだねと言いながら頷き、首を縦に振った 。
「育てられるだけー?」
「まぁそんな所。詳しく言うと結婚を迫られたりとか色々ありますって感じのお話」
まぁぶっちゃけ、彼女がかぐや姫なら設定が丸っきり違うわけだけど、なんせ竹からじゃなくて電柱から出てきてるし、色々めちゃくちゃな気がするけどね。
「けっこん?」
この純真無垢そうな顔で少女が彩葉を見つめる。思わずたじろいでいたがどうやら踏みとどまったらしい。
「もしかして..... かぐや姫なの?」
「おいしそう....」
なんだ、静かにパスタを食べていたらこちらを覗き込んでいる少女がいるではないか。
指を指してヨダレが垂れそうだ。
オムライスも完食したのに、僕のパスタまでも食い尽くすつもりなのか。
「.......あっ」
フォークでパスタを巻いて、自分の口に含もうとする。少女の目は完全にパスタに向かっていて、食べようとすると泣きそうな顔をする。.....非常に食べにくい。
「.....はい。全部あげる」
「わーい!!いただきまーす。で、彩葉なんだっけ?」
「話によると彩葉さんはお爺さんなんだってぇ〜」
「そっか!彩葉お爺さんだったんだ!!」
『ぶっ飛ばすぞ。月まで。』という殺気が見えた気がするが僕は何も見ていない。
気にしない、気にしない。
「うわ、船!これ、すっごく美味しい!何これ!?!?」
「茸のパスタだけど」
「パスタ美味しいっ!!」
それにしても美味しそうに食べる少女を見るとこっちも癒される気がする。
.....彩葉さんは物凄く嫌そうな顔をしているが
「で、お話はどうなるの?」
あぁ、続きね。急に話を戻したがるね、この少女は。
どうやら情報が欲しいらしい。
「翁が拾って育てて、けっこん迫られてごちゃごちゃあって、続きはどうなるの?」
「どうなるんだっけ彩葉さん。」
「アンタ、そんなこと知らないの?無知にも程があるわよ」
「うるさいお爺さん。」
「よし、アンタは後で必ず絶対に月までぶっ飛ばしてやるわ。」
怖。目に光がないのを一瞬感じたが、彩葉は少女に説明をした。
「えー....お迎えが来てー、翁たちが引き渡すまいと戦うも空しく、姫は羽衣を着せられて、地球のことは忘れる。で、帰る」
「おー」
「続きは?」
「ない。終わり。めでたしめでたし」
うーん...なんと言うか僕的にはあんまり納得行かない物語なんだけど、まぁ昔のお話に文句言っても何も変わらないんだけどね。
「え、月に帰って終わり?なにそれ、なにがめでたいの?超バッドエンド!かぐや姫絶対不幸じゃん!しかもなにかいい話風になってるのが余計に許せないよ!」
「まぁ、かぐや姫ももしかしたら残りたかったかもしれないし....帰りたかったかもしれないし、物語だから詳細は分からないけど」
「.....これは、そういうお話なの」
言いながら、彩葉さんは空になったお皿とゴミを回収して台所へと向かった。
話は強制的に終了され、沈黙が続いたが、少女が駄々を捏ね始めた。
「バッドエンド、やぁーだぁー!!ハッピーなのが、いーいー!」
「まぁ、バッドエンドって映画でもアニメでもあるけど....あんまり納得はいかないかも、ね?」
「そうだよねー!?!?!?船もそう思うよね!?!?」
ガバッ!!と起き上がり僕の肩を掴み全力で揺らしてくる少女。
「あばばばばばば」
「バッドエンドやーーだ!!ハッピーなのがいーーいーー!!」
「ちょちょ!!揺らしすぎ!!船死ぬからっ!!!」
さっき、月まで飛ばすって言ってた奴が何を言ってんだ馬鹿。
「どうしようもないじゃん。暴れたって、決まってることが変わるわけじゃないし」
彩葉さんは無情にもそう言い切った。
「受け入れて覚悟するしか、ない」
この言葉は彩葉さん自分自身に向けて言ったような....そんな雰囲気がした。
まるで自分に言い聞かせるように。
少女は彩葉の顔をじっと見つめている。そして少女が思い立ったように言った。
「よし、決めた!自分でハッピーエンドにする!!」
バッドエンドをハッピーエンドにする。選択肢を選び分岐してENDが変わるゲームみたいだなぁ。
「そんでハッピーエンドまで彩葉と船も連れてく、一緒に!!」
あ、僕も巻き込まれた。不思議と僕は悪い気持ちにはならなかった。
とは逆に露骨に嫌な顔をした彩葉さん。
「ハッピーエンドいらない、フツーのエンドで結構です。」
「うそうそうそ!なわけないでしょ?ね!船もそう思うよねー!!」
「え?えーっと...ハッピーの方が良いかな?」
「ほらぁ!!船も同じこと思ってるじゃあーん!!」
え、あの、彩葉さん??なんで、拳をこちらに近づけてくるんですか??
こ、こわいっ、、!やめ────。
「.....い、痛そう」
「....痛いってレベルじゃないよ、受けてきなさい。」
「絶対に嫌なんだけどぉー!!」
分岐点の選択肢をどうやら僕は間違えてバッドエンドに進んでいたらしい。
知らないうちに。
☆
気づけば早朝を迎えていて、僕は寝ていたらしい。鳥の鳴き声が聞こえる中、眠たい身体を起こし、朝一番で見たのは渾身のガッツポーズをしていた彩葉さんの姿だった。
「ココダヨー、」
「....なぜ僕は朝から頭にコブを作ってるんでしょうか。」
「自分の胸に当てて考えてみろ。」
「彩葉さんと同じサイズの胸を触っても何も分からないと────。」
頭に新しいタンコブが増えて3つになった。
うん、僕が悪いか、完全に寝ぼけていたとはいえセクハラ発言でした、すみません。
「船って...そう言う趣味があるの!?....もしかして私にもっ!?」
「大丈夫絶対ないから。」
「彩葉。私、無性に船を殴りたくなったよ」
「それくらいなら許してあげる。」
おい。なんだそれくらいってなんなんだ、僕にも人権があるってもんだぞ!!
深夜の時は全然意見が合わなかった癖して、なんで僕を殴りたくなる時は合うんだよ!!差別だ!!てか、なんか君、デカくなってない?
流しの下の引き出しに三角座りで収まっていた少女は抜け出し、彩葉のタブレットを持ち出して尋ねた。
「ねーね、彩葉がいつも見てるこの人は誰?好きなの?」
「月見ヤチヨ。Aiライバー。推し。分身もできて歌って踊れて八千歳って設定。」
「えー、Ai?ロボットってこと?ヴェー、おもろー?」
その、ヴェーっての止めなさい。仮にも女の子でしょうが!!
「船も好きなの?この、ヤチヨって人」
「うーん、ヤチヨは知ってるけど僕は推してはな.....イイエッ、大好きです!!彩葉のおかげで知れたヤチヨさん最高だなぁー!ははー!」
「分かってくれて嬉しいよ、船」
「....もしかして、船。彩葉に逆らえないの?」
やめろ、言うな。年上、年下との関係とはいえ、ヤチヨが絡んだ彩葉さんには勝てないのだ、絶対に。
「じゃあ、船。留守番よろしくね。じゃあ行ってきます」
「んー。なんか夜ご飯買っとくわ」
「....悪いよ。勝手に勢いで呼んだのは私だし、お金を出さなくても」
「いや、逆だから!?何もせずただ部屋にいるだけって結構やばいからね?食費だけでも出すから」
「....ん。ありがとう」
そのまま、玄関を彩葉さんが閉じようとした瞬間。ドアノブを掴んで止める少女がいる。
「えー!やだやだやだ!!一緒いて!」
「無理。学校休めない。家から出ないで。ご飯はそこね。パンケーキ。」
彩葉さんが指を指した先にはいかにも普通にも見えるけど、不気味なパンケーキだった。
少女はすぐに手に取り頬張ったが、顔を酷く歪ませた。
「くそまじぃ......」
「え、そんなに...?」
僕も気になるため素直に口に含んだ。もぐもぐ、......なんだこれ、甘みがなくて、、虚無...?パンケーキの良さが消えてるよう、な。不味...────。
「ヒェッ……」
「んー?何か言いたい、のっ!!」
足の指に衝撃が襲った....、なぜっ、。無慈悲に僕の足の指は散ったのであった。
年上なんですよね....彼は。