Q.超かぐや姫に男主を突っ込んだ罪の数を証明しましょう。 作:夢城
解釈不一致が1番申し訳ない
それでも感想と評価くれてる人には感謝感激雨アラモード!!!!
すんません
「わー、すごいすごいすごい、これがツクヨミなの!?」
仮想空間ツクヨミの常夜の街並みに、かぐやは犬DOGEを抱えながら目を輝かせていた。
「うお、すげー!おもしろそうなもん死ぬほどあるー!」
「楽しそうだね」
「まったくね」
あんぐりと口を開け放ち、棒立ちで辺りを見回すかぐやと、それを見て保護者のように微笑む僕たちがいた。
彩葉さんによると、これもツクヨミ初ログインあるあるらしい。景色に目を奪われてなかなか街に入れない。
確かに、僕も初めての時は周りをよく歩いていたものだ、綺麗な景色が好きで全てが輝いて見えた。だからたまにこの景色を見にログインをする、彩葉さんの家に来る前にはそういう生活をしていた。
『───初ログインおめでとう!ツクヨミではみんなが表現者!君も何かをして人の心を動かしたら、運営から「ふじゅ〜」がもらえるよ☆』
あ、初ログインイベントだ。久しぶりに聞いたわ。ふじゅ〜とはツクヨミ内で取引される仮想通貨でクリエイターの作ったアバター用の服を買ったり、何かを依頼をしたり、応援の為のスパチャ、投げ銭など使用される。
しかも、便利なことに現実の金銭に交換できるという神性能。素晴らしいね。
「あむっ....むぐむぐ、味しーなーい!」
「こんなにも美味しそうな、パフェが味しないのは少し悲しいよねぇー、味覚欲しい」
「そういうのはまだ無理みたいよ。いつかは天才科学者とかがやってくれるでしょ」
「じゃあ彩葉さんが天才科学者になってよー、頭いいんでしょー?」
「私は他にやることがあるから無理。」
なんだー。無理なのかぁ、彩葉さんの頭なら出来ると思ったんだけどな残念。
「今すぐがい〜〜い〜〜!!!」
ごねられて困り顔になる彩葉さん、振り回されてるなぁ。
「始まるから!行くよ、2人とも!」
「ちょ、まだパフェ食べきってない!?待ってって!!」
「始まるからって、何が?待って彩葉!」
「待たない。あんたらが追いついて!」
パフェなんか食べている暇なんてなかった、遠ざかる彩葉を急いでかぐやと追いかける、全く.....ヤチヨさんのことになるとすぐこれだ、まぁライブは凄いのは気持ちが分かるけど、置いていかないで欲しいですぜぇ....。
『キタキタキター!これがないとツクヨミの夜は始まらない。本日もヤチヨミニライブの開演だああああっっ!』
放送が全体に響く、興奮と熱狂が体全体からビリビリと伝わる。歓声、みんなが待ちに待ったという程の声量、迫力。会場のボルテージが高まった中、巨大モニターにカウントダウンが表示された。
「ねぇー、船。今から何が始まるのー?」
会場の声がスゴすぎてかぐやが何を言っているのか分からなかったが、とりあえず表情で察した。かぐやの耳元にしゃがんで答えた。
「ライブだよ、ライブ。てか、ちゃんと見える?肩車してあげよっか、」
「え!?いいの?してして!!」
流石に肩車だと後ろの人にも迷惑はかかるから、抱っこして僕と同じ視点にしてあげる。
そして、ツクヨミの人間が同時に「0」を叫ぶと姿を現した。
『ヤオヨロ〜!神々のみんな〜、今日もさいこうだったー?』
その言葉に答えるように会場全体が最高潮を迎え、一言で爆発した。
『よーし、今宵も皆を誘っちゃうよ☆
Lets'go on a trip!』
こうして、圧巻のライブが幕を開け、会場は熱狂の海となった。
ライブが終わりに近づくと、『ヤチヨー!』と叫ぶ人、感動しすぎて号泣する人がそこら中にいた。これがヤチヨさんパワーなのか、すげぇな
「船ー!船!!彩葉が泣いてる!!」
「.....まぁ、いつも通りだから、余韻に浸してやれ、」
確かに演出も凄かったし、素晴らしいライブだったから泣くのも当然。歌もパフォーマンスも、ライブをした本人も。
手に入れたくても手に入らなかったライブチケットが当たり、そして現地で見られた感動は凄まじいもので彩葉さんが泣く気持ちは分かる。
........てかあれ?僕ってライブチケット応募してたっけか、?彩葉さんを追いかけてたらここに居て流れるようにライブ鑑賞してたけども。
『イェーイ、感謝感激雨アラモード!ヤチヨは果報者なのです。あ、ここでお知らせ!ヤチヨカップルっていうイベントを開催しま〜〜す☆FUSHI、詳細よろしく!』
『はーい!参加資格があるのはツクヨミ全ライバー!一ヶ月の期間の中だけで最も多く新規ファンを獲得した人が優勝だよ。優勝者にはなんと、ヤチヨとのコラボライブの権利を進呈!世界一盛り上がるコラボライブステージを一緒に作れるよ!』
「うっそ!?コラボライブ!?ヤチヨがぁ!?!?」
うわっ!!ビビった!!ビックリした衝撃でかぐや落とす所だったぁ、あっぶなぁ。
「コラボライブ?何それ、すごいの?」
「当たり前じゃん!!!」
またもや興奮を収められない彩葉さん。
コラボライブは一般人のライバーからしたら夢のまた夢。
しかも、月見ヤチヨときたら古参で知名度がある程度なければ相当厳しいものがある。
そもそも僕だってライバーじゃない。
参加するにはライバーにならないといけないし、今の僕には条件を満たせる要素が一つもない。
「すごいもなにも、配信のコラボはあったけど、ライブはいつも一人で歌ってたんだよ!?何?誰と?これは歴史的ライブになるよ!」
それを聞いた、かぐやは純粋な目で。
「へー、じゃあ3人で一緒にやろうよ」
「マジで?」
「.....はぁ!?私らモブとやるわけないでしょ!?こういうのは最初から誰になるか大体決まってるのがお約束なの!!」
「え〜!何それぇ〜〜!!!船は!?私たちと一緒にやりたいでしょ〜!?」
彩葉さんに誘いを断られたのが気に食わないのかむっー!!と頬を膨らませると僕にも誘いが飛んできた。
「僕は全然、そういうのは楽しそうだからいいけども」
「だよねー!!船なら言うと思ったもん!!」
にぱー!と効果音がつくような素晴らしい笑顔だった。
いつの間にかかぐやに信頼を置かれていたらしい嬉しいような嬉しくないような。
かぐやを抱っこしながら、考えているとド派手な爆音が轟いて観客全員が注目した。
ライブ会場に突然出現したのは牛車ならぬ、トラが家形を引く虎車だった。
はやくも何者が現れたのか察したガチ勢ファンが一斉に声を上げた。
『黒鬼じゃん!』
『帝様ー!』
悲鳴にも似た歓声が、ライブ会場を別種の熱狂に包み込んだ。
ツクヨミの中で1番人気を誇る3人組でプロゲーマーユニット、ブラックオキニスの登場。
「よう、子ウサギども。お前らの帝様が来たぜ?」
割れんばかりの歓声の中、降り立ったリーダーの帝アキラは、不敵な笑みを浮かべていた。
ぱちん、と指を鳴らすとモニターがジャックされてブラックオキニスのPVが流れる。
.....彩葉さんが僕の背中に身を隠した。
僕も知ってるっちゃ知ってるけど、1度だけ、ツクヨミのVRアクションゲーム『KASSEN』
というアクションゲームがあるのだが、その中のモード『SENGOKU』というモードがあり、3vs3で野良で潜っていた所、ただそこの3人に当たって、1回だけ運で"完封"勝ちを成し遂げただけである。
その時の彩葉さんの心境は『は?!ブラックオキニスに勝った!?!?え??ノーダメージでストレート勝ち?は??』
「また、祭りが始まるな」
寡黙な人だ。えっとあの人は雷って人。
「俺って今日も作画良すぎ♡でしょ♡」
地雷系モチーフの少年。乃依くん、可愛いよねあの子。めちゃくちゃ男の子だけど、確か弓使い。
「俺たちに優勝してほしいよな?底なしの夢を見せてやるぜ!」
おー、流石は人気者。歓声、歓声、また歓声。勝者はもう決まってるかもしれない、その場にいる全員が確信した。
「というわけで、俺たちが優勝するから。ヤチヨちゃんコラボよろしくね」
「そういう運命ならヤチヨは従うよ!」
『すげー、ヤチヨと黒鬼の夢のコラボだ!』
『こりゃ伝説になるぞ!』
詰めかけた観客たちも。ライブ配信を見ているリスナーたちも。
たった一人の少女を除いては。
「ヤぁぁぁぁぁぁ──チぃぃぃぃぃ────ヨぉぉぉぉぉぉぉ────!」
僕の腕から離れてかぐやはヤチヨに向けて大声で宣言した。
「かぐやがヤチヨカップ優勝する!そんで絶対コラボライブする!いろh....むぐっ!!」
彩葉さんが慌てて口を塞いだがほぼ全部言ったと同じことだ。
「ははっ、マジか。面白い展開になってきたじゃん。」
思わず高ぶってしまった。僕はこう言う展開は大好きだ、無理だと思っても挑戦、宣戦布告する勢い。素人がプロに土足で上がり込む下克上の展開。熱いねぇ〜!!
「船も笑ってないで、こいつを止めるの手伝って!!!」
「......いとかわゆし」
「あんたは、いつも勝手に!」
「ほいでわ、ライブはいったんここでクローズ♪みんなとちょこっとお話させてね。さらば〜い」
そう言ってヤチヨは分身して会場の観客一人一人に向かって話しかけに来ていた。
たしか、配信もなくチケットを入手した人間だけが味わえる夢の時間だ。
彩葉さんを見ていると震えが止まらなくなっているように見えた。
まぁ、推しに目の前にしたら誰もがそうなるか。
「ねえ彩葉、一緒にやろっ?」
呑気にかぐやがいろはに声かける。
「だめ!そんなのむ────」
「ムリムリムリ!小娘が!」
いつの間にか威嚇するFUSHIとヤチヨさんが彩葉さんの目の前にいた。
大丈夫だろうか、気絶しないかコイツ。
周りの分身のヤチヨさんは大人のヤチヨさんのままだが、彩葉さんだけにはミニヤチヨさんが来ていた。
レアなのかな?レアっぽいな。
「?わぷっ、」
肩をチョンチョンとつつかれたと思って後ろを振り返ったら僕にもヤチヨさんが来ていて、頬を両手でムニッ、とされた。
「相変わらず、頬っぺたモチモチだね?」
「.......相変わらず??」
「ごめんね〜、聞かなかったことにして?」
ヤチヨさんとは最初のログインで軽く話すぐらいの関係ではあるが、頬っぺたを触られた記憶ない。
「.....ライブどうだったかな?」
「めっちゃ良かったですね、皆が虜になる理由が分かった気がします。自然にノリノリにもなれましたし、何より演出が凝ってて凄いなと」
「本当に?君が喜んでくれてヤッチョは嬉しいのです♪」
なんか、モチモチする勢いが上がってませんかね??うぉぅぇぉぉぉ。
「充電完了ーー!!」
満足そうにヤチヨさんは僕の頬っぺたから手を離す。満足して頂いて良かったですはい。
....あれ、いつの間にか彩葉さんが居なくなってる。もしかして、耐えれなくてログアウトしたのか。
「じゃあ...ヤチヨさん僕も戻ります。今日はありがとうございました。では、また。」
頭を下げて僕もログアウトする。現実に戻ったら発狂してぶっ倒れている彩葉さんがいるかもしれないから助けないとね。
「船....支えてくれてありがとね」
ログアウトをする瞬間だった為、何を言ったが聞こえなかったがそこには清々しいほどにこやかに笑っているヤチヨさんが見えた。
実はめちゃくちゃ無意識戦闘狂だった、船くん。