夕暮れ時の木ノ葉隠れの里。朱色に染まる高い空にはうっすらと一番星が覗き始め、街道の沿道に並ぶ商店や住宅からは暖色の灯りがポツポツと漏れ始めていた。
「ちょっとソウマ! 馬車の右側の縄目、結び目が少し緩んでいるわよ! 運搬の途中で荷箱が崩れたらどうするつもり!」
第七班が結成され、下忍として正式に初陣を切ってからおよそ三ヶ月。
里の境界付近から演習場へ戻る道中、物資運搬の馬車の横を歩いていたうちはキキョウが、腰に手を当てて鋭い声を上げた。忍装束の着こなしもすっかり様になってきたものの、その凛とした立ち姿とキリッとした目元には、アカデミー時代からの天才少女としての威厳が漂っている。
「あ、悪いキキョウ! 急いで結び直すよ!」
志村ソウマは苦笑いを浮かべながら即座に駆け寄ると、麻縄を手際よく引き締めて複雑な結び目を施した。
「ふふ……ソウマだけに任せず、僕も手伝おう。白眼を使えば、縄にかかる負荷や張力の偏り、結び目の強度が可視化されて一目瞭然だ」
隣を歩いていた日向トキマが静かに微笑み、両目の周囲に無数の筋を浮かび上がらせた。日向一族が誇る血継限界『白眼』である。トキマはその視界で馬車の積荷全体のチャクラと物理的な負担を細かく観察し、的確な指示を出した。
「助かるよ、トキマ。さすが日向の観察力だな」
「礼には及ばない。僕も白眼はまだまだ使いこなせていないからこういう細かいところでも使えるように扉間先生から言われているからね」
現在、忍界は岩隠れと霧隠れ二大国の間で戦闘が頻発し、それに呼応して各地で緊張が日に日に高まりつつある時期であった。
だが、アカデミーを卒業したばかりの十二歳の新人下忍たちに、いきなり凄惨な前線での殺し合いが割り振られることはない。彼らの主な任務は、里内の雑用や便利屋仕事、そして今日のような「安全が確認されたルートにおける物資輸送の護衛」であった。
しかし、一見地味な輸送護衛であっても、担当上忍である二代目火影・千手扉間の指導のもとでは一瞬たりとも気の抜けない「極限の演習」へと姿を変える。
(歩きながらでも常に足裏へ無駄のないチャクラを流し込み、街道の凹凸やぬかるみに影響されない体幹を作る……。時折白眼を使用して周囲の確認をするトキマも、五感を澄ませて周囲の気配を探るキキョウも、みんな一秒たりとも休んでいない)
ソウマは冷や汗を拭いながら、自身の成長と仲間たちのストイックさに思いを馳せた。
この三ヶ月間、第七班の三人は着実に、そして常人では考えられない速度で成長を遂げていた。
キキョウは、うちは一族の象徴である写輪眼の開眼こそ未だ果たしていなかったが、将来写輪眼が開眼してもしなくても使えるよう、扉間から直接「写輪眼対策で目を見ない相手を逆にハメる幻術」を修得。さらに、火遁の出の速さを追求し、ただ広範囲を焼き払うだけでなく、追撃や目くらましとして変幻自在に火遁を扱うバリエーションを磨き上げていた。
トキマもまた、扉間から与えられた「チャクラの形態変化」というヒントをもとに、日向の柔拳を進化させつつあった。掌からただチャクラを叩き込むだけでなく、指先や腕の表面に極薄のチャクラの膜を形成し、打撃の威力を跳ね上げると同時に相手の攻撃を滑らせていなす独自の防御体術を試行錯誤していた。
そして、志村ソウマもまた、自己の特性を研ぎ澄ませていた。
「――『口寄せ・装具召喚』」
歩行の途中で、ソウマが手首に巻かれた専用の呪符テーピングへかすかにチャクラを通す。
ポンッ、と軽い煙が弾けた瞬間、ソウマの両手には寸分の狂いもなく二本の大クナイが握られていた。それを指先でくるりと一回転させ、再び手首のテープへと収納する。
手裏剣、クナイ、忍刀といった「忍具の口寄せ」は、すでにソウマは息をするように行えるようになっていた。戦闘中、印を結ぶ予備動作すら見せずに任意の武器を空間から呼び出すこの技術は、ソウマの空間認識能力とチャクラの同調速度を爆発的に引き上げていたのだった。
「よし、演習場に到着だ。積荷の引き渡しを終えたら解散とする」
先頭を歩いていた扉間が、静かに足を止めて振り返る。
その背後に広がるのは、夕日に赤く染まった木ノ葉のメインストリートであった。
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輸送の任務を無事に終え、納品を済ませた第七班の三人は、夕暮れの街並みをのんびりと歩いていた。
「はーっ、今日も疲れたわね! 扉間先生の訓練は、普通に歩いているだけでも全身の筋肉とチャクラを削られるわ」
キキョウが肩をすくめ、伸ばした両腕を頭の後ろで組む。
「だが、その甲斐あって僕たちの体幹とチャクラの保持量は格段に増している。アカデミー時代の倍以上は実戦で動けるはずだ」
トキマが冷静に分析しながら頷く。
そんな雑談を交わしながら大通りを進んでいると、向こう側からアカデミーの放課後を迎えたばかりと思われる、幼い少年少女たちのグループが賑やかに歩いてくるのが見えた。
「あ! 兄さん! キキョウさん!トキマさん!」
パッと顔を輝かせて駆け寄ってきたのは、ソウマの三歳年下の妹である志村カエデだった。
カエデの隣には、キキョウの弟であるうちはフガク、そしてうちはカガミの娘であり、幼い頃からキキョウと実の姉妹同然に育ったうちはキョウカが並んでいる。
第七班が結成され、ソウマとキキョウが同じ班になった縁から、妹のカエデもキキョウを介してフガクやキョウカと頻繁に交流するようになり、今ではアカデミーでも親友同士として一緒に行動していた。
さらにその周囲には、アカデミーでも目立つ同世代の顔ぶれが揃っている。
ソウマ達がアカデミー在籍中も下の世代に天才がいると騒がれていた波風ミナト。うちは一族で凛とした可愛らしさを持つミコト。そして、ミコトの親友で真っ赤な髪が特徴のうずまきクシナだ。
「おうカエデ、アカデミー帰りか?」
ソウマが手を上げて答えると、カエデが答える
「そうだよ、今から皆で修行しようって言ったらフガクくんが家にある訓練場が広いからそこでやろうって誘ってくれたから皆で行くとこなの、兄さんたちも行こうよ、修行みてよ!」
フガクがカエデの言葉に割り込む
「まてカエデ、ソウマさん達は任務帰りで疲れている、俺達の修行に付き合ってもらうのは悪い」
姉であるキキョウがそれに答えた
「大丈夫よフガク、修行見るぐらいは、私たちが一緒に体動かしたら扉間先生に勝手に自主練はするなと怒られちゃうけど横で見てアドバイスするぐらいなら平気よ、ね?ソウマにトキマ?」
トキマが答える
「そうだね、僕は今日まだあんまり白眼使っていないし白眼でチャクラの練り方とかのアドバイスしてあげるよ、僕の修行にもなるから問題ない」
ミナトが嬉しそうに
「本当ですか!今年の下忍の第七班通称『扉間班』はすごい話題ですよ、アカデミーの先生たちもよく話してますし、そんな人たちに見てもらえるなんて嬉しいです」
キョウカも嬉しそうに胸の前で手を組んだ。
「ええ、キキョウ姉様たちの活躍は、私たちうちはの一族にとっても、アカデミーの生徒にとっても大きな目標ですから」
「ではお言葉に甘えてこのまま一緒に家の訓練場に向かいましょうか、姉上からしたら家に帰るのは変らないと思いますが」
「ええそうね、ミコトちゃんも来るわよね?(最近のフガクとの進歩具合を教えなさいよ!)」
顔を赤くしたミコトが
「は、はい!もちろん一緒に行きますよ!(ちょっと!と、特に変わってないですって!)」
一行はうちはの屋敷に向けて歩き出した
「女子たちは何をコソコソしゃべっているんだ?」
「さあ…?」
まだ10歳のフガクとミナトはよくわかっていなかったが
「なあトキマ、ミコトってもしかして…?」
「まあそうだろうね、フガクくんはうちは本家の跡継ぎだよ?とっくに相手は決まってるでしょ、あの様子だとフガクくんだけ知らされてないんだろうね。
日向分家の僕にだってもうお見合いが来るぐらいだし」
トキマも同じような名家の一員として身に覚えがあるらしい
だがソウマは驚いた
「はあ!?お前もうお見合いとかすんの!?早すぎだろ俺達まだ今年で13だぞ!」
「早くないよ、僕らの立場を考えてみてよ、僕らはあの二代目火影様の直弟子なんだよ?それはつまり三代目火影様や側近の弟弟子でもあるんだ、超超期待の若手じゃないか。
最近ずっと一緒にいるからなんか感覚おかしくなるけどさ、初代様と並び立つ伝説の忍だよ?扉間先生は」
「た、確かにな…俺からすると三代目って一緒に遊んでくれるおじさんだし、側近って父上だし、扉間先生も小さいときから時々家にきて父上と一緒に喋ったりしてたからなんかそういう感覚がないかも」
ミコトから話を聞き終えたらしいキキョウがソウマ達の方に寄ってきた
「それはアンタが特殊過ぎるだけよソウマ、多分アンタのところにも縁談の話来てるわよ?ダンゾウ様やお母上が止めてアンタまで来てないだけね」
「そうなのかなあ…、あれ?そう考えたらキキョウはうちはの姫じゃん、もしかしてお前もお見合いとかすんの?」
三ヶ月もずっと一緒に任務しててキキョウのことが気になり始めていたソウマが思わず聞いてしまう
「そりゃ来てるわよ、でもお父様やうちはの長老会が止めてるからすぐってことはないわね、本家の私はまだ開眼してないけど血筋を考えたらこれから私が開眼する可能性もあるし、私の子が写輪眼を開眼する可能性も高いからね、うちはから外に嫁には出せないわ。
それに私自身がまだまだ自分を高めたいからね、うちはの誰かに嫁入りか外から婿を取るのか知らないけどそうなったら子育て優先になっちゃうからね、そんなのまだ早すぎるからお父様にはそう伝えてるし、わかってくれてるわ。
(だからごめんね、ソウマ、きっとアンタとは結ばれない)」
最後の部分は声にも顔にも出すこともなくそう答えるキキョウ
そんなキキョウを見てソウマは俺ってもしかして遅れてる?とちょっと焦るのだった
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そうしてうちはの訓練場
ミナト、クシナ、フガク、トキマのグループ
「じゃあミナト、俺と組手をするか」
「そうだねフガク」
「じゃあ僕が見てあげるよ」
「次は私だからね!勝った方とやるってばね!」
キキョウ、キョウカ、ミコトのうちは女子グループ
「あなた達には流石に豪火球は早いし、とりあえず形は気にしなくていいからチャクラを練って吐き出すところから練習ね」
「分かりましたお姉さま!」
「キキョウさんは豪火球に鳳閃火だけじゃなくて色々使えるんですよね?」
「そうよ、しかも火遁と幻術だけじゃなくて相性補完の土遁も覚えろって扉間先生に言われてソウマと一緒に練習してるわ、あいつも風遁と火遁だから補完は土遁がいいしね。
まあそれは下忍になってからの話、今のあなたたちはチャクラコントロールの基礎からね」
志村ソウマと妹カエデ
「カエデは何の修行したいんだ?火遁か?」
「それがね、私最近水遁の適性があるってわかったんだ、火遁の適性があるのは分かってたけど兄さんと違って私は風遁の適性なかった時にお父様がすごい落ち込んでたじゃない?
それで最近チャクラも練れるようなってきたから色んな術を試してて気づいたの、私は火遁の次は水遁が術の発動がしやすかったんだ、だから水遁の練習もし始めたの」
「へ~!?お前水遁の適正あったのか、遺伝じゃないだろうからカエデ自身の適性ってやつだな、そういう変化は時々発生するらしいからね、カガミさんがうちは一族としては珍しい水遁の適性があって、キョウカがそれを受け継いでるみたいな感じで」
「そうなの!キョウカちゃんと適性一緒だね!って話してたんだ、でも今日はキョウカちゃんは向こうで火遁の練習だから私は兄さんと水遁の練習しようかなって」
「でも俺は水遁使えないぞ、むしろ苦手な性質変化だ」
「それは知ってるよ、でも兄さんは最近間近ですごい水遁見てるでしょ~?
それをどんな感じでやってたか教えてくれればいいから、それをイメージして練習する」
「成程、扉間先生か、確かに俺やキキョウが火遁の練習するときに水遁で防がれたり延焼しないように消火してくれたりしてるな、よし俺達がどんな術を撃ってどんな風に防がれたか教えよう、でも印は早すぎて目で追えないから知らないぞ、それはアカデミーで調べるか誰かに教わるかしてもらわないとな」
「わかってる、基本の術は印を知ってるから今日はそれで練習する」
こうして後輩たちとの修行も第七班の日常になっていった
そろそろ原作キャラも出していかないとよくわからない感じになってしまうので出していく
カタカナだからわかりにくいけど「うちは桔梗(キキョウ)」と「うちは鏡花(キョウカ)」です、うちはカガミ(鏡)の娘だからというクソ安直なネーミングです
カガミの水遁適性はもちろんでっち上げです、水鏡のカガミみたいな異名あったらかっこいいなとという妄想
猪鹿蝶親世代もこの辺なんだけど一気にキャラ増えすぎるし絡ませ方を思いつかなかったのでまだ出す予定は無い
なお原作ではミナトは10歳でアカデミーを卒業してますが本作ではないものとしています(カカシの5歳ってマジで何なの?)
扉間は絶対写輪眼対策の対策の対策まで想定してるという信頼がある、多分イタチの指差し幻術も食らわないよ卑劣様は
火遁って調べた感じ攻撃用の術は全部口から吐き出すのしかないんだけど、火遁以外の性質変化も口から出す奴がめっちゃ多いので(雷遁は流石に口から出す奴はないっぽい)
練り上げたチャクラを口や肺で溜めて息として吐き出すっていうのは多分ものすごいやりやすい方法なんだろうね
おなじみの螺旋丸や千鳥等の手からチャクラを放出する術は結構あるけど、逆に木登り修行で言われているように足先はチャクラを集めにくいので足を使う忍術って多分無いです、ワンピのサンジみたいな蹴り技主体の忍は居ないし、トリコのレッグナイフとかレッグフォークみたいな術は無いってことですね