ダンゾウの息子、志村ソウマ   作:へたれん

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そろそろ実戦


13.第七班、初陣

うちは一族の訓練場で後輩たち――波風ミナトや志村カエデ、うちはフガクたちに忍の基礎を指南し、微笑ましい汗を流したあの日から、あっという間に二週間の時が流れていた。

アカデミーの教室で過ごしていた頃とは異なり、下忍となってからの時間は恐ろしいほどの速さで過ぎ去っていく。里内での雑用任務や、安全圏である近隣の村への物資輸送護衛。そうした比較的穏やかな「訓練の延長」のような日々が続く中で、志村ソウマ、うちはキキョウ、日向トキマの三人は、自分たちの連携が着実に磨かれていく手応えを感じていた。

 

しかし、その平穏は唐突に終わりを告げる。

早朝、まだ朝靄が深く立ち込める木ノ葉隠れの里・演習場

「……揃ったな」

扉間の低く響く声に、ソウマは無意識のうちに背筋を正した。背中に背負った忍刀と手首に巻き付けた呪符テープの感触を確かめる。隣に立つキキョウとトキマの空気も、いつもとは明らかに違っていた。

「直ちに身支度を整えよ。お前たちに初めての『Bランク任務』が発令された」

 

ソウマは

「Bランク…!つまり敵の忍との交戦の可能性がある任務ということですね」

 

通常、下忍に割り当てられるのはDランクから、高くてもCランクまでだ。Bランクといえば中忍、場合によっては熟練の上忍が率いる小隊が赴く「明確な忍同士の戦闘」が想定される実戦任務である。

 

「扉間先生、それは……」

トキマが眉をひそめ、いつになく真剣な表情で問う。

「我々はいまだ卒業して数ヶ月の下忍です。いくら先生の直属とはいえ、いきなりBランクの護衛任務というのは、異例ではありませんか」

 

「異例、か。……戦線はすでにそこまで逼迫しているということだ」

扉間は冷徹に言い放ち、三人の顔を順番に見据えた。

「国境沿いでは小競り合いが頻発し、正規軍のみならず他国の捨て石となった抜け忍や工作員が溢れかえっておる。里の戦力はすでに各地へ分散されており、お前たちのような『動ける戦力』を温存している余裕は無くなってきた、それに、この三ヶ月でお前たちに課してきた鍛錬は、並の中忍小隊を凌駕する水準だ。試すには格好の場と言える」

 

中忍並の鍛錬をしているとは思っていなかった三人は驚きでお互いに目を合わせる

「(たしかにキツいとは思ってたけど着実に手応えは感じながら進んでたし、他の同期も同じレベルだと思ってた…)」

ソウマは声に出さずに愚痴っていた

 

扉間は懐から一巻の巻物を取り出し、三人の前に掲げた。

「内容は岩隠れとの戦線の最前線への物資輸送だ、物資自体は巻物に封印してあり、その巻物を持っていく、という内容だ。

その際に敵地、とまでは言わなくとも敵と味方の交戦する地域を通行することになる、そのため敵の忍との交戦の可能性があるためBランクとされている」

三人は硬い表情で頷いた

扉間は続ける

「これでもお前達新人に配慮されている方だぞ、何故なら敵の部隊と接触しなければ戦闘は無いわけだし、同じBランク任務でも『敵部隊との戦闘』が任務目標として設定されていることもあるのだからな」

 

そこまで言うと、扉間は冷たい眼差しを少し緩めた。

「お前達に教えてきたことが実戦で発揮できれば……例えば相手がこちらと同じ4人小隊規模なら、特に問題ないだろう。可能な限り自分たちの力で判断し、切り抜けろ、ワシはお前達の担当上忍だから助力するが、いつまでもそんな風にはいかんからな。

これまでの一見大したことのない任務でも時折お前達自身の判断を聞いていたのはこの時の練習だ」

沈黙が演習場を支配した。

朝靄の中、風が吹き抜け、葉の触れ合う音だけが響く。

手が出ないほどの威圧感。だが、ソウマは深く息を吐き出し、一歩前に踏み出した。

 

「……行きましょう、扉間先生。俺たちは、そのために鍛えてきたんですから」

ソウマの言葉に引きずられるように、トキマも静かに頷いた。

「日向の名において、遅れは取りません」。

そしてキキョウは、ぎゅっと拳を握り締め、自分に言い聞かせるように力強く言い放った。

「当然よ! Bランクだろうが何だろうが、返り討ちにして見せるわ!」

強がりを含んだその声の裏で、キキョウの指先が微かに震えているのを、ソウマは見逃さなかった。

 

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木ノ葉の大門をくぐり、安全地帯を抜け、前線に近くなるにつれ

見慣れた火の国の平和な街並みは遠ざかり、街道を進むにつれて樹林は深く、暗くなっていった。鳥のさえずりは途絶え、風が運んでくるのは湿んだ土の匂いと、どこか焦げ臭い硝煙の残香。

 

ソウマは視界の端で周囲の警戒を怠らずに奔走しながら、己の鼓動が早くなっているのを自覚していた。

これまでは演習場という「命が保証された空間」での組み手だった。失策をしても、扉間が止めに入り、指導を受けて終わりだった。

しかし、ここは違う。

草むらの陰、樹上の死角、曲がり角の先――そのあらゆる場所に、「自分を殺そうとする敵」が潜んでいる可能性があるのだ。

「……息が荒くなっているぞ、ソウマ、キキョウ」

前方を進む扉間が、振り返りもせずに言った。

「緊張は感覚を研ぎ澄ますが、過度な恐れはチャクラコントロールを狂わせ、判断を鈍らせる。呼吸を整えよ」

「……はい」

ソウマは腹の底にチャクラを沈め、深く息を吐いた。

横を走るトキマはすでに『白眼』を発動しており、血管を浮かべたその表情は冷徹そのものに見えたが、その額には冷や汗が滲んでいた。

そして、最も変化が顕著だったのはキキョウだった。

 

いつもなら自信満々に前口上を叩き、ソウマやトキマに軽口を叩く彼女が、完全に口を閉ざしていた。開いた瞳孔は焦躁感に揺れ、手裏剣ポーチに伸ばした手が何度も不自然に動いている。

「キキョウ、大丈夫か?」

 

ソウマが声をかけると、キキョウは弾かれたように肩を跳ねさせた。

「な、何よ……! 大丈夫に決まってるでしょ! 余計なお世話よ!」

強がる声はどこか上擦っていた。

うちは一族の「姫」として育てられ、同年代の誰よりも強い自負があった。だが、一歩里を出れば、自分たちはただの「経験のない十三歳の子供」に過ぎないという事実に、彼女の緊張は極限まで高まっていた。

 

「(怖い……。もし、私が失敗したら? もし、ソウマやトキマが目の前で殺されたら……? 私が……殺されたら……?)」

 

死の恐怖。それは、今までどれほど言葉で理解していたつもりでも、実際にその足で踏み込んだ者にしか分からない、圧倒的な暴力となってキキョウの心を押し潰していた。

 

「(やばいな、キキョウがこんなに実戦で緊張するタイプだとは思わなかった、普段の強気が全く感じられない、どうにかフォローしないと、最悪は扉間先生がフォローするだろうがそうなるとキキョウは実戦で動けないと判断される可能性が出てしまう、それは避けたい)」

 

ソウマはキキョウのフォロー案を必死に考えていた

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

陽が傾き始め、周囲が深い茜色と黒のグラデーションに染まり始めた頃。

火の国国境近くの山間部。湿地帯が広がる深い峡谷に差し掛かったところで、ついにその時が訪れた。

「――(止まれ!)」

一列縦隊の最後方を走っていたトキマが突如として制止の合図を出した、その合図が先頭の扉間まで伝わり、隊の進行速度が低下する、トキマの白眼の周囲の筋が、限界まで浮き出ていた。

「前方二百メートル、樹林の死角にチャクラ反応、数は四……いや、五! 」

 

扉間が問いかける

「さてどうするソウマ、お前の意見は?この部隊ではワシの次の指揮権はお前だと言ってあるな?」

 

「そうですね…、まず今回の任務はあくまで物資輸送、敵との交戦は可能な限り避けるべきと考えます。

トキマ、敵はこちらに気付いた動きを見せているか?」

 

「いや動いていない、ただ待ち伏せの可能性もあるから気づいているけど動いていないだけかもしれない」

 

「よし、ならまだ時間に余裕はあるし少し迂回しつつ目的地に向かおう、トキマは白眼で今補足している部隊がどう動くかよく見てくれ、こちらに気付いているなら尾行なり先回りなりをするはずだ。その間周辺警戒はこちらの三人で受け持つ。

という作戦でどうでしょう先生」

 

「うむ悪くない、こちらには白眼という圧倒的優位がある、これを使わない手はない」

 

「よし、じゃあそれで行きます、キキョウも良いか?」

 

「ええ、了解したわ」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

迂回を初めてからしばらくしてソウマが確認をする

 

「どうだトキマ?さっきの部隊は?」

 

「ギリギリ白眼でとらえているけどこれは尾行されているね、向こうにも感知タイプが居たんだろう、さっきは気づかないフリをして待ち伏せしようとしていたのかも」

 

「そうか…そうなるとこっちが迂回したのを見て相手もこっちに感知タイプがいる事に気付いたな。

交戦は避けられないとなると数的不利をどうにかするために奇襲か罠か、お互い感知タイプがいる以上普通に隠れて奇襲なんて出来ない以上罠かそれとも…」

 

ソウマの作戦を皆が待つ

 

「よし、作戦を決めた、良いか……」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

岩隠れの忍達は迂回を始めた木ノ葉の忍小隊を尾行していた

 

「あの距離から迂回を始めた以上向こうにも感知タイプがいるのは確定だ、こちらの尾行はギリギリの範囲だがバレている想定で行く、罠に注意せよ」

 

「了解です、隊長、4人小隊ということは増援ではなく物資輸送か、伝令の小隊でしょう」

 

「そうだな・・・っ!止まれ、罠がある!」

 

糸を貼り、糸が切れるとクナイが飛んでくるシンプルながらも確実な罠があり、それを解除する岩隠れの忍

 

「単純な罠だな…こんなものに引っかかるのはアカデミー生徒ぐらいだろう、当たったら儲けものぐらいで適当に設置したのかもしれんな。よし、尾行を続ける」

 

それからしばらく、単純な罠がいくつか続き、木ノ葉の小隊との距離が縮まってきた

 

「木ノ葉はどうするつもりだ?こんな簡単な罠を設置するために速度が下がっているせいで距離が縮まってきているぞ?こんな程度では尾行を断念するわけがな……」

 

その時、背後に忍刀を構えた木ノ葉の忍が唐突に出現し、岩隠れの小隊長の首をはねた

 

「隊長!?なんだこいつどこから!?」

 

唐突に現れ隊長を殺され動揺が走る岩隠れの忍だったがそこは歴戦の猛者達、すぐに体制を立て直そうとする

「落ち着け!副隊長のオレが指揮を引き継ぐ!そいつを囲め!」

 

だが感知タイプの班員が報告する

「報告!尾行していた木ノ葉小隊が高速でこちらに向かってきます!は、早い!人数が3人になっています!ついさっきまで4人だったのに!目の前のそいつは小隊の1人のようです!」

 

副隊長は目の前の木ノ葉の忍を注意深く観察しながら

「何?離れた地点から急に現れて首を落としたと?いや待て逆立った銀髪に鋭い目つき、頬の赤い線…こいつまさか!?」

 

「気づくのが遅すぎるな岩隠れよ」

 

「「火遁・豪火旋風!!」」

混乱している岩隠れの忍びに巨大な火炎が襲い掛かった

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

時は少し戻ってソウマの作戦立案時

 

「よし、作戦を決めた、良いか?

罠と奇襲を同時に行う、まずはブービートラップだ、簡単なものでいい、糸とクナイとか踏んだら起爆札が爆発するような奴だ」

 

トキマが疑問を投げる

「でもそんなアカデミーで習うような罠に引っかかるかい?相手の練度がわからないけど少なくとも実戦経験はちゃんとある部隊のはずだよ」

 

「当然そうだ、この罠は当たらなくていい、当たったらラッキーだがそうはならないだろう。

本命は扉間先生の飛雷神だ、いくつか簡単な罠を仕掛けてそれを解除させる、それと同時に徐々に尾行してくる相手との距離を縮めるんだ、扉間先生の奇襲が決まって混乱している間に俺達が全速力で接近して一撃入れられるぐらいの距離までな。

その距離になったら罠を設置した場所に飛雷神のマーキングも同時に設置してもらって奇襲する、相手はまさかこんなところに二代目火影がいるなんて思ってもないだろう。

どうですか?扉間先生」

 

扉間が答える

「よし、きちんとワシを使う作戦を立てたな、自分たちだけでやろうとしていたら説教せねばならんところだ」

 

トキマが賛同する

「流石ソウマはいやらしい作戦を思いつくね…、この作戦相手との距離感が重要だね?僕は引き続き白眼で相手を感知しつつ距離を調節すれば良い訳だね」

 

「ああ頼むトキマ、トキマはギリギリまで感知に集中してほしいから、キキョウ、俺とお前のコンビ技で一撃ぶちかますぞ」

 

「わ、わかったわ、豪火旋風ね?」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「気づくのが遅すぎるな岩隠れよ」

 

「風遁・大旋風!」

「火遁・豪火球!」

「「火遁・豪火旋風!」」

 

巨大な火炎の竜巻が襲い掛かり回避しそこねた岩隠れの忍二人を飲み込んだ

「「ぐああああああ!!」」

 

かわした二人のうち一人は扉間が音もなく接近し首を一刺しして瞬殺、もう一人は攻撃をかわして体制が崩れた所にトキマが肉薄した

「日向の白眼!こいつのせいで俺たちの行動が筒抜けに…!」

「八卦・破回掌」

掌底と同時に螺旋を描くように放出されたチャクラが岩隠れの忍の心肺を貫き、経絡系をズタズタに破壊し、岩隠れの忍は大量に血を吐いて沈んだ

 

こうして岩隠れの忍は全滅し、第七班は初戦闘を終えた

 

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前線の拠点に到着し、巻物を渡した後、第七班は休む暇もなく木ノ葉の里に帰還し、完了の報告をして任務は終了した。

 

扉間が解散する前の三人に話しかける

「お前たち今日は初陣だったな、まあ…悪くなかったぞ、

トキマは終始冷静に白眼での感知に徹して攻撃もしっかり一撃で決めてみせた。

ソウマも始めは緊張していたが自分より緊張しているキキョウを見て冷静になれていたな、副隊長としての作戦の立案も見事だ。

キキョウは最悪ワシが援護するしかないかと思っていたがソウマの作戦で合体技で攻撃してからは緊張もほぐれたようだったな、まあ初めての実戦はそんなものだ、今回はソウマの作戦に感謝しておけ。次第に慣れればよい」

 

キキョウだけは悔しそうに答える

「はい…いざ実戦となると緊張してしまいました、ソウマありがとう」

「(なんかしおらしいキキョウ可愛いな)い、いや気にするな俺たちは班だから支えあって戦うもんだ」

 

扉間が落ち込んでいるキキョウに話しかける

「キキョウよ、戦いが、殺し殺される戦場が怖いと思うのは悪いことではない、実際そんなことをせずに生きていくに越したことはないのだからな、ただそうも言っていられないのも現実というもの。平和のため、次の世代のため、恐ろしい戦場でも自分を見失わず、仲間と共に戦うという覚悟を持つのだおぬしならそれができるだろう」

 

「先生…!はい!今後ともよろしくお願いいたします!」

 

「他の二人も初の実戦にしては良い動きだったが気づかないところで疲労は溜まっているものだ、そのため第七班は二日間の休養とする、基礎運動程度なら動いても構わんが術を使ったりするのはしないようにせよ、では解散!」

 

こうしてソウマ達の初陣は終わった

 

 




戦闘描写って難しい…

第二次忍界大戦も長い小康状態が終わり、戦闘が増えてくる感じでしょう、ソウマ達が12歳になるのを待っていたとも言う
第二次と第三次忍界大戦は細かい時系列は分かってないので重要な事件は拾うけどポンポン時間が飛ぶと思います、第二次の終結と第三次の始まり方と終わり方は決まってます

火遁+風遁の合体技は灼遁じゃないの?って気もするけどオビトがやってた爆風乱舞も火遁だったし、水遁+風遁の「颶風水渦の術」も氷遁じゃないし、複数の性質変化を一人で同時に掛け合わせることで起きる血継限界と術を外に出した後合体させるのはまた別なんだと解釈してます、その割にナルトとサスケのコンビ技は灼遁扱いされてるけどミナトが勝手に言ってるだけってことで
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