第二試験『死の森』でのサバイバル演習を、圧倒的な速さであるわずか四時間で終えた第七班。彼らが一着で中央の塔に到着してから、第二試験の全行程が終了するまでに丸二日の時間を要した。
結果として『死の森』を突破できたのは、第七班(ソウマ、キキョウ、トキマ)と、下忍二年目の先輩である猪鹿蝶トリオ(シカク、いのいち、チョウザ)のわずか二チーム、計六名のみであった。
試験運営側は、激闘と移動で疲弊した受験者の肉体とチャクラの回復、そして個人戦の設営準備のため、第三試験までに「三日間の休息期間」を設けることを決定した。
休みの一日目、二日目と、第七班の三人はそれぞれ体を休めつつ、各自で立ち回りのイメージトレーニングや最終調整に費やした。
ソウマは木ノ葉の自宅の庭で、相棒である猿空を呼び出し、金剛如意のしなりと風遁チャクラの乗せ方を緻密に再確認していた。
「なあソウマ、次は個人戦なんだろ? 味方同士でやり合う可能性もあるんじゃねえか?」
汗を拭うソウマに、猿空がニカッと八重歯を見せて笑いかける。
「ああ、シカクさんたちも強いけど猪鹿蝶は三人の連携がキモだ、個人戦じゃその真価は発揮できないだろうな、はっきり言って単身でまともに戦えるのはチョウザさんぐらいかも。その代わりキキョウやトキマとは本気でやり合うことになる。二人ともこの三日でどこまで仕上げてくるか……まったく油断できないよ」
「ヘッ、上等じゃねえか。誰が相手でも、俺たちの『火猿』のコンビネーションで薙ぎ払ってやろうぜ!」
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そして迎えた四日目の朝――。
第三試験の会場となったアカデミー裏の第一演習場には、観客席に三代目火影・ヒルゼン、その右腕である志村ダンゾウ、そして第七班の担当上忍である二代目火影・千手扉間、他国の忍を招かない里内限定の選抜試験とはいえ、最高幹部たちが勢揃いする圧迫感は相当なものだ。
それだけでなく受験者の親族やアカデミー生徒や里にいた忍まで様々な姿があった。
演習場の中央に整列した六名の前に、試験官を務める上忍が歩み出る。
「全員、そろったようだな。これより中忍試験第三試験、個人トーナメント戦を執り行う! 残ったのは二小隊・六名。これよりクジ引きにて組み合わせを決定する」
箱から引かれた番号により、即座に掲示板へトーナメント表が張り出された。
第一試合:日向トキマ vs 山中いのいち
第二試合:うちはキキョウ vs 秋道チョウザ
第三試合:志村ソウマ vs 奈良シカク
「班ごとに分かれた綺麗に分かれたか…」
そして、くじ引きの奇数番号の都合上、第三試合の勝者(ソウマ側のブロック)が二回戦のシード権を獲得する形となった。
「それでは第一試合、日向トキマ、山中いのいち、前へ!他の受験者は控室で待機すること」
【第一試合:トキマ vs いのいち】
演習場の中央に向かい合う二人。いのいちはひょろりと長い身体を揺らし、苦笑いを浮かべた。
「参ったなぁ、いきなり日向の白眼持ちかよ。俺の『心転身の術』は直線的だから、見切られたら終わりなんだがな」
「油断はしませんよ、いのいちさん。山中一族の秘伝忍術の恐ろしさは知っていますから」
トキマは静かに腰を落とし、両腕を広げて柔拳の構えを取る。そして白眼が発動した。
「はじめ!」
試験官の声と同時に、いのいちが素早く距離をとる。
「(柔拳相手に接近戦は絶対ナシだ、忍具で牽制しつつ普通の術で足止めして心転身を当てるしかない)」
だが、後ろに飛んだ瞬間、トキマが爆発的なチャクラで地を踏み抜いていた。
(速っ!?)
いのいちが慌てて術を放つ
「『土遁・土流壁』!」
白眼で土流壁のチャクラの練り込みが甘い部分を狙うトキマ
「八卦・破山撃!」
トキマの掌底が土流壁を破壊し、その勢いのままいのいちに接近し
「八卦十六掌」
「ぐうっ…!(これが柔拳!チャクラが乱れて練れない!)」
トドメにトン、と軽い音とともに、いのいちのみぞおちにトキマの指先が触れる。強烈なチャクラが点穴を打ち抜き、いのいちは術を練るどころか息を詰まらせてその場に膝をついた。
「そこまで! 勝者、日向トキマ!」
「……手厳しいねぇ。手も足も出なかったよ」
「心転身は1対1で使える術じゃないですから仕方ないですよ」
苦笑いしながら腹を押さえるいのちに、トキマは礼を尽くして手を貸した。
その様子を見ている火影達
「流石に山中一族と日向一族では相性が悪いのう…」
「そうだな支援特化の山中と近接格闘戦に秀でる日向で1対1は酷だ」
【第二試合:キキョウ vs チョウザ】
続いて第二試合。巨体を生かした秋道一族のチョウザに対し、キキョウは凛とした佇まいで正面から向かい合う。
「キキョウちゃん、うちはの火遁は凄まじいって聞いてるけど、手加減なしで行くよ!『部分倍化の術』!」
チョウザの腕が二倍へと巨大化し、丸太のような腕が振り下ろされる。
「手加減なんてされたら、こっちから叩き潰すわよ!『火遁・火纏の術』!」
ボッと音を立てて、キキョウの両手から手首にかけて高熱の火炎チャクラが吹き出す。一ヶ月の特訓と三日間の休養で、その炎の密度はさらに増していた。
ドガンッ!
チョウザの巨拳が地面を穿つが、キキョウは残像を残すほどの高速ステップでそれを横に回避。腕を振った隙だらけのチョウザの側面へと踏み込む。
「『炎流打』!」
「『倍化の術』!」
高熱の火炎を纏った掌底が、倍化して防御力を増したチョウザの脇腹に叩き込まれる。
「グッ、熱っ……!?」
倍化の肉体による防御の上からでも、火纏の熱量と爆発的な打撃が容赦なく肉体を灼く。間髪入れずに旋風脚を叩き込み、巨体を地表へ転がした。
「そこまで! 勝者、うちはキキョウ!」
観客席で見守るフガク、キョウカ、ミコトのうちは一族は盛り上がる(?)
「秋道一族にパワー勝ちしてしまう姉上…」
「お姉様すごいです!」
「キキョウさんのアレはもう、うちはとか関係なくすごい術ね…」
【第三試合:ソウマ vs シカク】
「やれやれ……めんどくせえことになったな」
頭の後ろで手を組みながら出てきたのは、奈良一族の切れ者、シカクだ。
ソウマは腰に手を当て、不敵に微笑む。
「シカクさん、勝つための一手はもう考え付いたんですか?」
「お前相手に小細工は無理だろうよ。二代目様の弟子に隙があるとは思えねえ」
「はじめ!」
合図とともに、シカクの影が生き物のように伸び、ソウマの足元を目指して滑り出す。
だが、ソウマは後方へ跳び退がりつつ、すでに印を結んでいた。
「『風遁・真空玉』!」
弾丸のような風の塊が数発、シカクの足元と頭上を正確に穿つ。シカクは影の操作を中断し、回避を余儀なくされる。
「影の射程に入らなきゃいいだけの話ですからね!」
さらにソウマは手裏剣を口寄せし投擲した
「影だけで生きてたら奈良一族はとっくに終わってるぜ!」
クナイで手裏剣を弾きながらシカクがソウマに接近してくる
「(接近戦、影の射程内に入れようってことか、いや!)」
ソウマは上を見上げて起爆札付きのクナイが降ってきていることに気付く
「(さっき手裏剣を迎撃するためのクナイを取り出すと同時に上に投げたのか?器用だなシカクさん)」
ドンドンドン!!
起爆札が地面に着弾し爆発した、ソウマは横に飛んで回避し爆発を避けてシカクとの距離も一定を保つ
「(ッチ、ちゃんと影だけじゃなくて上にも意識が向いてたか、まあこの程度で決まるとは思ってなかったが)」
「(あぶねえー!影を意識して地面だけをみると良くないかもってトキマに事前にヒント貰っててよかった)
シカクさん今度はこっちから攻めるよ、悪いな1対1に付き合う義理は無いんでね!『口寄せの術』」
「よっしゃー!いくぜソウマ!」
「(口寄せ…!流石にこれはきついぜ)」
ソウマが火遁を放ち、猿空が横から接近する
「『火遁・炎弾』!」
シカクが炎を防ぐ
「『水遁・水陣壁』!(くっ水が無いところの俺の水遁じゃこの程度か)」
ソウマの火遁は少し水陣壁を貫通して熱気がシカクを襲っていた
水遁が水蒸気になりその水蒸気を突き破って猿空がシカクに殴りかかった
「オラァ!ってあれ?体がっ」
「何とか『影真似の術』成功か…だが」
水陣壁を突き破って仕掛けてくることが分かり切っていたので事前に広く影を延ばし踏み込んできた猿空を影真似で捕まえたシカクだったが
「残念、シカクさん、その猿空は影分身ですよ」
猿空の変化した如意棒をシカクの後頭部に突き付けてソウマが言うと同時に縛られていた猿空がボフンッと消えた
「……参った参った。影分身まで使える口寄せとはな…」
シカクは両手を挙げて降参を示した。
「そこまで! 勝者、志村ソウマ!」
これで一回戦が終了し、第七班の三人が見事に二回戦へ進出することとなった。
観戦している志村家
「兄さんやっぱすごいねお母様!」
「そうね、むしろ本来は支援型の奈良一族がソウマとやりあえていたのがすごいわよ」
【準決勝:キキョウ vs トキマ】
くじ引きのシード権により、ソウマは二回戦をお休み。
同じ第七班の仲間であり、半年間をともに乗り越えてきたキキョウとトキマの同門対決が実現した。そしてその勝者がソウマとの決勝戦に挑むこととなる。
「トキマ、あんたとこうしてやり合う日が来るとはね」
「僕だって手加減はしないよ、キキョウ。君の『火纏』の威力は知っているけど、僕の柔拳なら受け流せる」
演習場に緊張感が走る。観客席の扉間が、静かにその眼光を細めた。
「はじめ!」
瞬時に間合いを詰めたキキョウが『火遁・火纏の術』を発動。真っ赤な炎を両手に滾らせ、手刀と拳の怒涛の連撃を繰り出す。
「ハッ! フッ!」
「くっ……!」
トキマは白眼でそのチャクラの軌道を見極め、掌底に自身のチャクラを乗せてキキョウの腕を弾き、流し、寸前で威力を殺す。しかし、完璧に受け流しているはずのトキマの袖が、火纏の放射熱でジリジリと焦げていく。
「(受け流していても熱気が蓄積する……! 長引けば僕のチャクラと肉体が持たない!)」
トキマは一瞬の隙を突き、全身の点穴から爆発的にチャクラを放出した。
「『八卦掌回天』!」
「キャッ!!」
チャクラの絶対防御の渦がキキョウを弾き飛ばす。
宙で身を翻したキキョウは着地すると同時に、すかさず印を結んだ。
「『火遁・鳳仙花爪紅』!」
回天の回転が収まる一瞬の隙を突き、複数の小さな火の玉に包まれた手裏剣を放つ
「ハッ!『八卦空掌』!」
トキマが放った空掌が火の玉と手裏剣を叩き落す、キキョウはその隙にまた超近接まで肉薄していた。
「『炎掌刃』!」
キキョウの手刀が、薄い刃状となった極高圧の炎を纏って放たれる
「『八卦・獅子王拳』!」
柔拳の構えではなく握りしめた拳に集中させたチャクラに獅子を象らせ一気に放つトキマのオリジナル技
巨大なチャクラの獅子と炎の刃が激突し大爆発を起こした
煙は晴れた演習場に立っていたのはキキョウ、膝をついていたのはトキマだった
「ぐっ…!?」
トキマの肩の装束が焼き切られ、火傷を負ったトキマは息を荒らげながら苦笑し。
「……参った。キキョウの踏み込みが一枚上手だったよ……」
キキョウも立ってはいるが肩で息をしている
「ハァ…ハァ…あんたの新技もなかなかだったわよ…」
「そこまで! 勝者、うちはキキョウ!」
息を荒らし、腕の炎を消したキキョウだったが、その膝も微かに震えていた。トキマの精密な柔拳を潜り抜けるため、チャクラと神経を極限まで摩耗させていたのだ。
「両者ともに見事な立ち合いであった。だが、決勝戦を行うにあたり、うちはキキョウの回復を待つため、3時間のインターバルを設ける!」
ソウマは二人の激突をみて武者震いを覚えていた
「すごいぜ二人とも、トキマの新技はきっとこの間俺が指摘した回天は一点突破の攻撃に対してはチャクラ効率が悪いって奴の回答か、もうあんな形にしてるとは流石だ」
多分シカクもいのいちさんも普通の術ぐらい使えるはずなので、相手を拘束しやすそうな水遁とか土遁かなって思ってます
筆が乗ってしまって気づいたらめっちゃ文字数増えてたので分割しました