ダンゾウの息子、志村ソウマ   作:へたれん

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20.中忍試験、第三試験の激突 後編

試験官のアナウンスにより、キキョウは一度医務室へと運ばれ、ソウマの母・ユウリによる迅速な医療忍術の手当てを受けた。

 

控室のベッドで横になり、兵糧丸を飲み込んでチャクラを休ませるキキョウ。

その脳裏に浮かぶのは、幼少期からずっと自分の一歩先を走り続けている少年の姿――志村ソウマだった。

 

アカデミー時代から頭脳・戦闘センスともに突出していたソウマ。さらに猿獄山での一か月の修練を経て、彼は口寄せ動物である猿空との完璧な連携と、コンビの必殺技まで手に入れて帰ってきた。

 

(私は……ずっと悔しかった)

キキョウは胸の前に拳を強く握りしめる。

 

同じ名門の血を引き、扉間先生という最高の師に恵まれながら、自分はまだ「写輪眼」すら開眼できていない。ソウマの背中はいつも遠く、自分は追いつくことすらできていないのではないかという焦燥感。

 

(追いつきたい……! 並びたい……! 私だって、あんたの隣で胸を張って戦いたいんだから……!)

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

3時間後。

すっかり呼吸を整え、瞳に強い意志の炎を宿したキキョウが、静かに演習場へと足を踏み入れた。

 

【決勝戦:ソウマ vs キキョウ】

「ずいぶん待たせたわね、ソウマ」

「いや、バッチリ回復できたみたいで良かったよ。手加減なしで行くからな、キキョウ」

 

観客席で見守るヒルゼン、ダンゾウ、そして扉間。

「いよいよ最後だな。ソウマの総合的な戦術眼か、キキョウの火遁体術の爆発力か……」ヒルゼンがつぶやく。

 

「はじめ!!」

 

合図と同時に、二人の身体が同時に消えた。

 

二人は挨拶代わりと言わんばかりに忍術なしの体術で打ち合い始める。

 

高速の体術のやり取りに観客がざわつく

シカクは

「(はえーな、やっぱ俺ら相手には手加減してやがったこいつら…)」

 

打ち合いながらもソウマとキキョウは思考を止めない

「(やっぱ普通にやりあってても埒が明かないわね、それに体格とチャクラ量的に私が負ける)」

「(トキマは柔拳ありだとこうやって打ち合いはできないから、やっぱ本気の体術勝負ならキキョウ相手が燃える!)」

 

同じ師の下で修行してきてお互いに熟知している相手同士、ケリはつきそうになかった、そして同じタイミングで一歩下がり術を放った

 

「『火遁・大炎弾』!」

「『火遁・豪火球』!」

 

うちはの証、豪火球とソウマの大炎弾、二人の火遁が激突し爆発した

 

そしてお互いが図ったかのようにギアを上げた、ソウマは口寄せで猿空を呼び出し

キキョウもまた、両手を強く構え、メラメラと揺らめく赤熱の炎を拳から放出し始めた

 

「『変化・金剛如意』」

「『火遁・火纏の術』!全開よ!」

 

キキョウは現段階で自分が制御できる限界の火纏を行い手から肩にかけてが火遁の炎に包まれた

 

ドガンッ!!

演習場の中央で、ソウマの放つ金剛如意と、キキョウの炎を纏った拳が衝突し、激しい火花と風圧が吹き荒れる。

 

「シッ! ハッ!」

キキョウの攻撃は、まさに鬼神の如き手数だった。

右の掌底、左の肘打ち、手刀。すべてに『火纏』の破壊力が乗っており、空気を灼く爆音が連続して響き渡る。

 

しかし――ソウマは崩れない。

「くっ……やっぱり重いな!」

猿空の変化した如意棒を伸縮・旋回させ、猿空もタイミングを合わせて火遁を如意棒から発することでキキョウの打撃を受け流し、完璧に立ち回っていた。

 

徐々にソウマ側の攻め手が増えていく、火遁チャクラによって補助があっても拳の射程から大きく変わらないキキョウに対してソウマは如意棒によるリーチが優位であった、ジワジワと間合いを支配していく。

 

(届かない……!?)

キキョウの歯噛みする音が聞こえるようだった。

どれだけ踏み込んでも、どれだけ炎を滾らせても、ソウマの棒術の壁を打ち破ることができない。如意棒のしなりに体勢を崩され、ソウマの鋭い突きがキキョウの肩や脇腹をかすめていく。

 

(どうして……!? 一か月間、私も死ぬ気で特訓した! 扉間先生の地獄のような修行にも耐えた! なのに……どうしてまた、あんたの後ろ姿を見上げなきゃいけないのよ……!!)

 

悔しさが、熱い塊となって胸の奥から突き上げてくる。

敗北の恐怖ではない。「ソウマに追いつけない」という強烈な情熱と焦燥が、キキョウの全身のチャクラを激しく震わせた。

 

ソウマが一瞬の隙を見逃さず、一気に間合いを詰める。

「終わりだ!キキョウ!『火猿……』」

 

如意棒の先端に集中するチャクラ。その瞬間、キキョウの脳内で何かが「弾けた」。

 

視界が真っ赤に染まる。

激流のように頭蓋を駆け巡る特異なチャクラ。

視界を流れるソウマの動作、如意棒のしなり、練り込まれるチャクラの流れ――そのすべてが、まるで時間が止まったかのようにスローモーションで「ハッキリと見えた」。

 

「――っ!?」

 

ソウマが息を呑んだ。

正面から向かい合うキキョウの黒目が、鮮烈な赤へと変貌していた。その瞳の中には、くっきりと二つの黒い巴紋が揺らめいている。

 

「(間に合え!)『火猿穿空』!」

 

「見えた……!!」

開眼した写輪眼の驚異的な動体視力と洞察力。

キキョウはソウマの突き出してきた如意棒の極小なブレを最小限の動きで紙一重かわし、そのままソウマの懐へと飛び込んだ。

 

「っく!?」

火猿穿空の隙に如意棒の間合いの内側へ侵入されたソウマは、瞬時に判断を切り替える。

「猿空!頼む!」

「『土遁・土流壁』!」

猿空は土遁で壁を作りソウマは如意棒を回転させ盾のように構えた

 

だが、キキョウも退かない。写輪眼の二つの巴を限界まで見開き、開眼によって爆発的に高まったチャクラを両拳の『火纏』へと全量注ぎ込む!

 

「ソウマあああああっ!!『業火拳』!!」

 

ドガアアアアアアアンッ!!!!

 

演習場全体を激震させる大爆発が巻き起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吹き飛ばれたソウマだったがまだ立ち上がる

「ハァ…ハァ…やられるかと思った…猿空まだいけるか?」

「ああ…だがさっきの一撃を防ぐためにもうほとんどチャクラを使っちまった、あと一発だ」

「あと一発か…」

 

キキョウを睨むソウマ

「それが写輪眼か…ついに開眼したみたいだなキキョウ」

「ハァ…ハァ…そうみたいね、チャクラがはっきり見えるわ、おかげで分かるけどお互いそろそろ限界みたいね…」

 

観客席まで押し寄せていた砂埃、扉間が羽織の裾を払う。

「……ほう。この土壇場で開眼したか」

 

「最後の一発だ!行くぞキキョウ!」

「望むところよ!ソウマ!」

 

ソウマは最後のチャクラを振り絞って肉体活性し猿空は如意棒に火を灯し打撃と同時に爆発させる準備をした

 

キキョウは両腕にまとっていた火遁チャクラを右手だけに集中させて最大の一撃を放とうとする

 

二人は同じタイミングで突進を開始し技を繰り出した

 

「(火猿穿空はまだ未完成の技、猿空の火遁は使っているが俺は肉体活性に手いっぱいで風遁はまだ合わせられなかった、だが今なら!)」

 

「(すべての火遁チャクラを拳に一点集中させて一気に解放する!)」

 

突きを風遁で加速し、同時に打突時の火遁の爆発も風遁で威力を跳ね上げる

「『風火猿穿空』!」

 

キキョウの右手に圧縮された火遁チャクラが解き放たれた

「『業火拳・日輪』!』」

 

 

大爆発が起き、演習場は砂塵と煙に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煙が徐々に晴れていく。

 

演習場の中央には、巨大なクレーターが穿たれていた。

その中心で――ソウマとキキョウの二人がうつぶせになって倒れていた。

 

ソウマの如意棒は脇に転がりそのままチャクラ切れで口寄せが解除され消えた、二人ともチャクラを完全に使い果たし、ピクリとも動けない。

 

「ぐっもう動けねえ…」

地面を見つめたまま、ソウマが掠れた声で呟く。

 

「……ふふ……あはは……」

その正面で、元の黒目に戻ったキキョウが、寝返りして仰向けに空を見上げながら力なく笑い声を漏らした。

 

「何笑ってんだよ、キキョウ……」

「だって……最後に一発、あんたの顔面にクリーンヒットさせてやったもの……あの瞬間の顔は面白かったわよ」

「……右手の火遁と相殺しきったと思ったら最後に左で殴ってきたもんな、まあチャクラ切れで全然痛くなかったが…それにしてもまさか写輪眼を開眼するなんてな……びっくりだよ」

「あんたも最後に棒を回して反対側をぶつけてきたからおあいこね」

 

二人はボロボロになりながら、雲の流れる空を見上げて笑い合った。

 

「両者倒れて戦闘不能! よって決勝戦は――引き分けとする!!」

 

下忍のレベルをはるかに超えた戦いに会場は拍手に包まれた

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

陽が傾きかけた夕刻。

手当を終えた六名の受験者が、再び第一演習場に整列していた。

 

壇上に立ったのは、三代目火影・ヒルゼンである。

 

ヒルゼンが前に歩み出て、六人の顔をゆっくりと見渡した。

 

「これより、中忍試験の最終合否を発表する。ここにいる六名全員を、本日付で『中忍』へと昇格させる」

 

「「「えっ!?」」」

ざわめくシカクたち猪鹿蝶と、顔を見合わせる第七班。

 

ヒルゼンは淡々と言葉を続けた。

「中忍試験の真の目的は、単なるトーナメントの勝敗ではない。実戦における戦術眼、判断力、そして部下を率いる小隊長としての資質を見極めることにある。シカク、いのいち、チョウザ。お前たち猪鹿蝶の個人戦における敗北は想定内だ。お前たちの真価は三人が揃った際の集団連携にあり、これまでの実績と第一、第二試験でその戦術的価値はすでに中忍として十分以上と判断した、個人戦も本来は支援型のシカクといのいちも動きは悪くなかったしのう、支援型といっても小隊として動けなければ使い物にはならんからな」

 

猪鹿蝶の三人がほっと胸を撫で下ろす。

 

そしてヒルゼンの視線が、第七班の三人へと注がれる。

「そしてソウマ、トキマ、キキョウ。お前たち三人の実力は、すでに並の中忍を遥かに凌駕している。トキマの白眼を生かした精密な戦術、キキョウの土壇場で見せたうちはの意地と『写輪眼』の開眼、そしてソウマの口寄せ動物を組み合わせた忍術と戦術の組み立て、文句なしの合格だ」

 

「「「ありがとうございます!!」」」

 

三人が頭を下げた。

 

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解散の後、演習場の出口へ向かう第七班の三人。

夕日に照らされる木ノ葉の街並みを眺めながら、ソウマが二人の顔を見る。

 

「これで俺たちも、晴れて中忍か。小隊長格だな」

「ええ。でも、ここからが本当のスタートよ。これから戦争が本格化すれば、もっと過酷な任務が任されるようになる」

キキョウが受け取った中忍ベストをキュッと締め直す。その瞳には、すでに次なる戦いを見据える強い光が宿っていた。

 

トキマも爽やかに微笑む。「僕たち三人なら、どんな前線でも生き残っていけるさ」

 

「ああ! 三人で、もっと強くなろうぜ!」

 

下忍となってわずか半年。最速で中忍へと駆け上がった第七班。

忍界に激動の嵐が吹き荒れようとする中、若き三羽烏は、確固たる絆と強さを胸に、次なる戦場へと羽ばたいていくのだった。




キキョウの写輪眼はいつにしようかな…正直扉間がいるからサスケみたいに瀕死になるのなさそうだよな…とか色々考えた結果こうなった、まだ二つ巴

てか「鳳仙火」は"火"なのに「鳳仙花爪紅」は"花"なのこれ誤字…?
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