雨の国の国境付近――鉛色の空から激しい雨が降り注ぎ、視界を奪うぬかるみの森の中。
「囲め! 木ノ葉の小隊だ! 小娘と小僧どもだとて容赦するな、殺せ!!」
岩隠れの忍十数名が樹上から一斉に襲いかかってきた。
しかし、その奇襲を事前に察知していた第七班の三人――ソウマ、キキョウ、トキマの表情には、焦りなど微塵も存在しなかった。
「トキマ!」
「了解!」
ソウマの短い一言に応じ、トキマが白眼を発動し、周囲ほぼ三百六十度、雨粒の隙間を縫って迫る全敵のチャクラ経路が鮮明に浮かび上がる。
「左上から三人、背後から二人! 位置は完全に把握した――『八卦・空掌』!!」
トキマの右手から、高密度チャクラの掌底が放たれる
ドガァンッ! と凄まじい衝撃波が前方の木々ごと敵二人を粉砕・激突させ、絶命させる。そのまま間合いを詰めてきた岩忍の攻撃を完璧な体捌きでかわし、柔拳の指先で点穴を正確に打ち抜いて沈めていく。
「くそっ、日向の白眼か! ならば数で叩き潰――」
「『火遁・火纏の術』」
回り込む敵の側面から襲いかかったのは、うちはキキョウ。
彼女の黒目は、血のように鮮やかな赤――三つ巴が回転する写輪眼へと変貌を遂げていた。
動体視力と洞察力は完全に完成の域に達しており、敵がクナイを振るい、印を結ぶチャクラの流れすらスローモーションで読み切る。
ボッ! と両手から噴き出した高熱の火炎を右手に纏い、キキョウは高速の瞬神で敵の懐へ潜り込んだ。
敵の土遁による迎撃を紙一重でかわし、炎を帯びた手刀『炎掌刃』で岩忍の防具ごと胸元を灼き切った
「グギャアアッ!?」
「次!!」
写輪眼で敵の挙動を完璧に見切り、爆炎を伴う拳撃で次々と敵を薙ぎ払っていくキキョウ、それは洗練された体術の舞であった。
そして、残る岩忍達が仕掛けようとした瞬間――
シュンシュン!!
それぞれに飛んできた手裏剣を迎撃する岩忍達、残った隊長格は残り3人になった自軍をみて撤退の指示をだす
「くっ、撤退を……なっ……!?」
次の瞬間、視界からソウマの姿が消えた。
気配も、風切音すらもない。
ズガッ!
「飛雷神斬り!」
次の瞬間、風遁チャクラを纏った忍刀によって隊長の首が落ちた
扉間から伝授された『飛雷神の術』による、死角への空間跳躍。ソウマは手裏剣のマーキングへ一瞬で飛び、敵の背後を完全に奪っていた。
「今のは『瞬身』じゃねえ!まさか志村の――」
隊長の首を落としたソウマが間髪入れずに別のマーキング付き手裏剣に飛び、残った二人をまとめて攻撃できる位置取りに付く
「『風遁・真空波』」
ズババッ! と鋭い風の刃が残った二人を巻き込んでそのまま胴体を切り裂き、そのまま崩れ落ちる。
ほんの数十秒。十数名の敵部隊は、傷一つ負わない第七班の三人によって瞬く間に壊滅していた。
「ふぅ……索敵、撃破、残党処理。完璧だな」
ソウマが忍刀を一回転させ、背中の鞘へ収める。
「ソウマ、飛雷神の精度、また上がったんじゃない? 連続でマーキングに飛ぶスピードが以前より早くなったわ」
キキョウが写輪眼を解き、フッと不敵な笑みを浮かべながら汗を拭う。
「まだまだだよ、扉間先生と違ってマーキングが消えないようにはまだできないしなあ、3日は持つから一回の任務なら十分なんだけどさ、トキマ、そっちはどうだ?」
ソウマが振り返ると、トキマはすでに倒れた敵の懐から暗号文書を回収し、静かに微笑んでいた。
「もう済んだよ。この三年間で、僕たちの連携もすっかり板についたね」
下忍となって半年で中忍へ駆け上がったあの日から二年半。数々の死線を修羅場として踏み越え16歳になった三人は、前線において他国の忍から恐れられる、名実ともに木ノ葉の上忍級の精鋭へと成長を遂げていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
雨の国での激闘から数日後。火影室への定期報告と補給を終えた第七班の三人は、久々の里の雰囲気を味わいながら木ノ葉のメインストリートを歩いていた。
「やっぱり里の空気は落ち着くわね……雨の国は毎日じめじめしてて嫌になっちゃう」
キキョウが伸びをしながらつぶやく。
「まあ、束の間の休息だけどな。明後日にはまた前線へ出撃だし」
ソウマが苦笑いした、その時だった。
「兄さん!!」
前方から元気いっぱいな声が響き、小走りで駆け寄ってくる少女の姿があった。ソウマの妹、志村カエデだ。下忍となり、額当てをしっかりと締めたその姿は、ソウマや母・ユウリの面影を残しつつも凛々しく成長している。
「カエデ! 訓練の帰りか?」
ソウマが目線を下げて頭を撫でてやると、カエデは誇らしそうに胸を張った。
「うん! 今日も自来也先生と一緒に演習場周りの警護任務だったの! あ、先生たちも一緒だよ!」
カエデの後ろから、夕陽を背にして歩いてくる三人組。
自来也は長らく最前線でソウマ達と共に戦っていたがソウマ達の成長を見て一時的に里に戻り下忍の班を持つ担当上忍になっていた、他の班員は金髪の少年・波風ミナト、そして真っ赤な長い髪をなびかせた少女・うずまきクシナだ。
「おーおー、噂をすれば前線の英雄様方のお帰りじゃねえか。ソウマ、相変わらず無傷で帰ってきやがって」
自来也が腕を組み、ニカッと豪快に笑いかける。
「お久しぶりです、自来也さん。カエデがいつもお世話になってます」
ソウマが爽やかに礼を言うと、自来也は
「カエデは筋がいいな、ダンゾウのジジィの娘とは思えんほど良い子だし、ユウリの姐さんのおかげだのう」
と満足そうに頷いた。
「ソウマさん、お久しぶりです。相変わらずお元気のようで何よりです」
自来也の後ろで、ミナトが静かにソウマを見つめていた。
「なによミナト、ボーッとしちゃってさ!」
クシナが赤髪を揺らしながらミナトの横顔を覗き込む。
「いや……本当に凄い人だなと思ってね」
ミナトが微笑むと、ソウマが視線をミナトへと向け、一歩歩み寄ってきた。
「ミナトとクシナも久しぶり、カエデから話は聞いているぞ。まあお前ならアカデミーのトップだろうとは思ったよ」
自来也が
「よしじゃあ今日は解散な、オレは飲みに行くからガキどもはお家に帰れよ~」
と言って去っていった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
任務完了の報告をしに火影室についた三人をヒルゼンと扉間が迎えた
「うむ、任務完了を確認した、今回も見事な滞りなく終わったようだな。それでだな、お前たち三人を今日から上忍とする」
三人は驚きつつもすぐ冷静になりソウマは
「俺達が上忍ですか…そういえば上忍は試験等は無くて単に任務の実績と実力、火影の承認があれば成れるんでしたね」
扉間が答える
「そうだ、お前たちは任務実績、実力ともに文句なし、むしろさっさと上忍になって情報開示権限を上げてもっと難易度の高い任務に就いてもらわねばならん。もうお前たちはそれほどの戦力ということだ」
キキョウとトキマも目を合わせて頷いた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その日の夕刻。志村家では賑やかな夕食会が開かれていた。
カエデの下忍認定と、ソウマの無事と上忍昇格を祝う宴。
食卓には、母・ユウリが腕を振るった料理が並び、父・ダンゾウも静かに酒杯を傾けていた。
「ソウマお前もついに上忍、そして雨の国国境での評価、扉間様からも聞いているぞ。『飛雷神』もついにものにして運用できているな、見事だ」
ダンゾウが厳格ながらも誇らしげに問いかける。
「はい父上。まだ扉間先生の領域には遠く及びませんが、小規模な奇襲戦では主導権を握れるようになりました」
「ふむ……だが奢るなよ。戦は今が最も泥沼だ。岩も砂も熟練の忍を投入してきている」
「分かっています、父上」
「もう、お父さんったら。お祝いの席なんですから、お堅いお話はやめてくださいな」
ユウリが笑顔で割って入り、ソウマとカエデのお椀に温かい汁物をよそった。
「ソウマ、前線でトキマくんが医療忍術で助けてくれているそうね。綱手様にも言っておいたけれど、あなたが無茶ばかりしてトキマくんに苦労をかけているんじゃないかしら?」
「そんなことないですよ母上! 俺だって無茶はしてませんって」
「嘘おっしゃい。報告書で一人で補給部隊に突っ込んだって書いてあったわよ」
「うぐっ……それは一番効率的だったからで……」
家族の温かいやり取りに、カエデがクスクスと笑う。
「兄さん、母様には何でもお見通しなんだよ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌朝。
木ノ葉隠れの裏門には、出撃する第七班を見送るため、自来也班が集まっていた。
「カエデ、ミナト、クシナ。里の警戒任務も立派な仕事だ。気を抜くなよ」
ソウマが後輩たちに向かって言葉をかける。
「はい! ソウマさん、お気をつけて!」とミナトが力強く敬礼し、
「ソウマさん! 次に会った時は、私ももっと強くなってるってばね!」とクシナが拳を突き出す。
「兄さん、行ってらっしゃい!」とカエデが手を振った。
「行ってきます!」
ソウマは二人の仲間――キキョウとトキマに向き直った。
「よし、行くか」
「「おう!!」」
三人は一斉に地を蹴り、木ノ葉の門を飛び出した。
新世代の芽吹きを感じながら、彼らは再び、血と雨の降り注ぐ第二次忍界大戦の最前線へと姿を消していった。
ソウマ達は16歳、ミナト世代は下忍一年目、下忍は昇格って書くのなんか変だなって思ったので認定としました
ソウマが投げてる手裏剣は折り紙で作るような平たい部分が広めの手裏剣のイメージでお願いします、真ん中に穴が開いてないタイプでそこに飛雷神のマーキングが書いてあります、クナイだとミナトとかぶっちゃうんでね
キキョウの戦闘スタイルはワンピのエースとかリボーンのツナとかそういう奴、原作でも火遁にこれぐらいのバリエーションが欲しかった、爆遁のガリみたいなのはいるけどね
トキマは医療忍術が使えるネジです、日向は方向性が固まりすぎなのとそのままで強すぎるので柔拳の技増やすぐらいしか思いつかん…
クシナとカエデも自来也班に入ってもらいました